例えばゲーム内では、竜胤と竜胤の御子、さらに桜竜といった言葉は同義語的に使われている
「我が血は…竜胤は人を死なぬようにする」(九郎)
「竜胤は…故郷を放たれ、この日本に流れ着いたもの」(変若の御子)
「桜竜は、神なる竜 古く西から流れ着き、この地に至った」(戦いの残滓・桜竜)
竜胤の御子が、つめたい竜の涙を飲み干し
竜胤の揺り籠が、二つの蛇柿を食すのを
揺り籠の命果てず、御子を宿さば、
西への帰郷は叶うだろう」(『永旅経・竜の帰郷の章』)」
で、あるのならば素直に桜竜=竜胤=竜胤の御子と考えるのが正しいのではないだろうか
やや同語反復的な表現になるが、竜胤の御子とは、桜竜の宿った依り代(依巫、よりまし)であり、ゆえに竜胤そのものなのである
Sekiroにおいては、九郎はすでに竜胤の御子であり、ゆえに桜竜なのである
では、神域で戦ったあの桜竜は何だったのだろう
実はすでにゲーム内においてヒントが与えられている
「祈ることである特定の時空に移動する」
これは仏像に鈴を供えて祈ることで過去の平田屋敷に転移したときと同じシステムである
また、義父の守り鈴を用いてまったく架空と思われる時空に転移した例も存在する
つまるところ、桜竜と戦ったあのステージは、義父と戦ったあの不思議空間と同一の種類に属する時空なのである
簡潔にいうと現実ではない
ただし過去ではないし、架空の時空でもない
巫女の存在を考慮に入れると、あれは巫女の見る夢の中なのである
隻狼は桜竜の涙を手に入れるために、どうしてもあの姿の桜竜と対面しなければならなかったのである。ゆえに、桜竜の棲む巫女の夢の中へと転移する必要があったのだ
そして義父を倒して「常桜の花」を手に入れたように、桜竜を倒して「桜竜の涙」を手に入れたのである
戦った桜竜が夢の中の存在だとして、では、現実の桜竜はどこへ行ったのか
桜竜=竜胤=竜胤の御子である以上、竜胤の御子の中しかない
桜竜が常しえである以上、それは尋常の方法で滅びることなく、ある種の呪いとして依巫(よりまし)の中に宿っているのである
不死断ちとは、竜胤の御子に宿る桜竜を殺すことである。常しえの桜竜を殺すためには、不死斬りでなければならなかったのである
竜胤の御子=桜竜であるのだから、竜の帰郷ENDとはそのまま桜竜が帰郷することである。帰郷とはそこから来た場所に帰ることであり、それはそこからやって来た桜竜でなくては表現が矛盾する。よって竜胤の御子とは桜竜のことであり、揺り籠に宿った御子もまた桜竜なのである
丈の竜咳とは、依巫である丈の生の力が桜竜に吸い取られて罹ったものであろう
丈の肉体が限界を迎えたために、桜竜は次なる依巫「九郎」へと依り移ったのである
ゆえに、九郎は仙郷に行った経験がない。葦名の地で丈から桜竜を受け渡されたからである
葦名には御霊降ろしの儀式が存在する
阿攻の御霊降ろし
「阿攻」を身に降ろす、首無しの遺魂
一時、攻撃力と体幹攻撃力を強化する
形代を消費すれば、何度でも使用できる
首無しは、かつて護国のため、
道を踏み外した勇者の成れの果て
人ならぬ御霊は、降ろせば力となるが、
代わりに差し出すものなくば、やがて狂う
同様に神なる桜竜を降ろした状態が、竜胤の御子なのである
桜竜、七支刀っぽい剣持ってましたけど、元々どこから来たんでしょうね。
返信削除竜の帰郷エンドのラストシーン、天竺を目指す三蔵法師一行って感じで良かった。
史実からいうと百済でしょうか
削除ただどうして剣を持っているのかも含めて桜竜の出生には謎が多いですからね
西遊記にもSEKIROにも観音菩薩が登場しますし、もしかしたら本当に天竺を目指すのかもしれません