巴の手記
柔らかな字でしたためられた巴の手記
丈様の咳は、ひどくなられるばかり
仙郷へ帰る道は、どうやら叶わぬ
せめて竜胤を断ち、人に返して差し上げたい
人返りには、常桜の花と不死斬りが要る
なれど、花はあれども不死斬りはない
仙峯上人が、隠したのであろう
竜胤を断つなど、あの者は望まぬゆえに…
「仙郷へ帰る道は、どうやら叶わぬ」(巴の手記)
が、
「人返りには、常桜の花と不死斬りが要る」(巴の手記)
巴がただのポンコツだという可能性は否めないが、この誤読は手記の言葉が足りていないせいである
正しくは第一の文節は以下のように補完されると思われる
「丈様の咳は、ひどくなられるばかり(で、衰弱した体ではもはや旅路に耐えることができない)。(よって、たとえ不死斬りを手に入れたとしても)仙郷へ帰る道は、どうやら叶わぬ。(そこで次善の策として)せめて竜胤を断ち、人に返して差し上げたい」
※第一文節で問題とされているのは、丈が帰郷できないことであって、不死斬りが入手できないことではない(もはや不死斬りを手に入れても丈の帰郷が叶わないほどに状況が悪化してしまっている)
次に第二文節であるが、これも一読すると「常桜の花と不死斬りさえ」あれば人返りができる、と読める
だが、
「人返りを望むならば、竜の涙と常桜の花を竜胤の御子に飲ませれば良い」(常桜の花)
と、あるので人返りにも、竜の涙が必要なことが分かる
また「せめて竜胤を断ち、人に返して差し上げたい」(巴の手記)とあるので、人返りには、竜胤を断つことも含まれているのである(ゆえに涙は必須)
よって、第二文節は以下のように補完されると思われる
「人返りには、常桜の花と(「拝涙」を行うための赤の)不死斬りが要る。(赤の不死斬りさえあれば、私(巴)が仙郷へ行き竜の涙を持ち帰ることができる)。なれど、花はあれども(赤の)不死斬りはない。仙峯上人が、(赤の不死斬りを)隠したのであろう。(竜胤断ちのために欠かせない「拝涙の儀」を行えるのは赤の不死斬りだけであり、黒の不死斬りではない)。(赤の不死斬りにより「拝涙」を行うことは仙峯上人とも目的が合致するが、涙を使って)竜胤を断つなど、(竜の帰郷を願う)あの者は望まぬゆえに…」
※第二文節で問題とされているのは、不死斬りが入手できないことである。丈は健康上の理由で帰郷はできないけれども、巴が単独で仙郷へ向かい涙を手に入れてくることは可能なのである(隻狼がそうしたように)
※そもそも拝涙には、竜胤の御子(丈)は必要ではない。丈が不死斬りを求めたのは第一に帰郷したかったからである。帰郷を果たしたのちに、不死断ちによって竜胤を断つことが第二の目的である
※この、第一と第二が、丈の咳の悪化により不可能となった。ゆえに巴が単独で動こうとしているのである
そもそもなぜ竜胤の御子である丈が竜咳に罹るのかよくわからないですが、黒の不死斬りは持っていたがそれで達成されるのは黄泉がえりであり、それにより丈を斬って黄泉帰った丈≒九郎なのかなあと思っています。
返信削除丈の竜咳は、ゲーム上に登場しない「竜胤の御子が生の力を吸い取られるシステム」があることを許容すれば、桜竜が生の力を吸い取った、ということで説明可能なのかもしれません(白木の翁の咳でそれが示唆されているととらえれば)
削除黄泉返りによる丈→九郎については、九郎に丈の記憶がないことが引っ掛かります。お蝶の幻術で記憶を消したとか(これもゲーム上にはないですが)、全盛期が赤ちゃんの状態で記憶がなかったのだ、とかいろいろ説明はできそうですが、正確なことはDLC待ちかもしれませんね