2017年12月23日土曜日

ブラッドボーン未使用音声

未使用会話音声が発掘されたようなのでさっそくグーグル翻訳してみる
グーグル翻訳なのであくまで暫定的な翻訳。正しい翻訳は本職の人がやるでしょう

[Laurence]
So, you're intent on hunting beasts?
だから、あなたは獣を狩ることを意図しているのですか?

Even if they are men?
彼らが男性であっても?

But why must you...
しかし、なぜあなたは...

Indeed, Gehrman.
確かに、Gehrman。

It won't be long...
それは長くはありません...

… So, you're intent on hunting beasts?
...だから獣を狩るつもりだ?

Even if... they are...
たとえ...彼らが...

But, Gehrman...
しかし、ゲーマン...

Why must you...
なぜあなたは...

Indeed.
確かに。

It won't be long...
それは長くはありません...

[Doll]

I must have displeased you...
私はあなたを不快にしているに違いない...

Go on, shut me down...
行って、私を止める...

Even so, this vessel will remain in your service...
それでも、この船はあなたのサービスに残っています...

So, have no fear...
だから、恐れはありません...

I must have displeased you...
私はあなたを不快にしているに違いない...

※vesselはDS1だとLordvesselで王の器の英訳だったような

[Prototype NPC]

長いので英語の後に翻訳文を載せます(あとで整形するかも)

Not from around here, are ya?

And outside, on a night of the hunt?

You must be sick, mate.

Black death upon you.

I hope they have your head before morning, now be gone.

Get away from me right now, go.

Not from around here, are ya?

And outside, on a night of the hunt?

You must be sick, mate.

Mate, not you again.

We're not like you.

Don't you understand that, we're still normal, you see.

...But, I'll tell you what though, if you want to insist on asking me questions.

Bring us blood.

That's right, blood.

Then, I'll tell you what I know.

It hardly pays to be choosy these days.

As it's written in the good book, mate.

"No blood is bad blood!"

Hee hee hee!

...But, I'll tell you what though, if you want to insist on asking me questions.

Oh, you.

Did you bring us blood?

Did you bring us blood?

Oh, ah, very good.

Yeah, nice one mate.

Yeah, very good.

So, what do you want to know?

The blood of a sage?

Hmm, I don't know nothing.

Not a thing.

It's some made-up nonsense, or... you know what... wait a minute, wait a minute...

The minister at the cathedral might know something.

Father Norbert's his name, quite an highbrow, you see but...

Well, the only trouble is...

On the nights of the hunt, the Western Quarter is boarded up, blocking passage to the cathedral

in the Eastern Quarter.

And once the hunt is done, well... well, you'll be dead, along with all the other sickos,

you see.

Hee hee hee!

Hee... hic!

And once the hunt is done, well... well, you'll be dead, along with all the other sickos,

you see.

The minds of the infected are frail.

Perhaps you deserve mercy.

I know nothing, but Father Norbert, head of the cathedral in the Eastern Quarter, might

know something.

Pay him a visit, if you dare!

Hee hee hee, be gone.

Laurence?

Ah yes Laurence, another outsider, like yourself?

Yeah, I know him.

He left for the cathedral in the Eastern Quarter.

On my advice, even.

Unlucky for him.

You see, just after he left, the bell tolled, kicking off the hunt.

And no offcomer ever lives through the hunt, trust me mate.

Hee hee hee!

Hee... hic!

My God, the minds of the infected are frail.

Perhaps you deserve mercy.

That outsider Laurence?

Yeah, he set off for the cathedral in the Eastern Quarter, on my advice.

Although I don't expect he ever made it.

Hee hee hee!

The minds of the infected are frail.

You can't be blamed.

Off with you, now.

Please go away.

You're not normal, not normal no matter how hard you try to pretend.

You're not normal.

You're not normal, not normal no matter how hard you try to pretend.

You're not normal.

Give your blessing, and wash from us the blood of beasts...

Umbasa Welcome, weary traveler.

日本語訳

ここからではありませんか?

外で、狩りの夜に?

あなたは病気でなければならない、仲間。

あなたに黒死し。

私は彼らが朝の前にあなたの頭を持っていることを願っています。

今すぐ私から離れて、行ってください。

ここからではありませんか?

外で、狩りの夜に?

あなたは病気でなければならない、仲間。

メイト、あなたじゃない。

私たちはあなたのようなものではありません。

あなたは理解できません、私たちはまだ正常です。

...しかし、あなたが私に質問することを主張したいのであれば、私はあなたに何を伝えます。

私たちに血を届けてください。

そうです、血です。

それから、私が知っていることを教えてくれるでしょう。

最近は辛抱強くお金を払うことはほとんどありません。

それは良い本、仲間に書かれているように。

"いいえ、血は悪い血だ!"

喜喜喜!

...しかし、あなたが私に質問することを主張したいのであれば、私はあなたに何を伝えます。

ああ、あなた。

あなたは私たちに血を持ってきましたか?

あなたは私たちに血を持ってきましたか?

ああ、ああ、とても良い。

うん、いい相手。

うん、とても良い。

それで、あなたは何を知りたいですか?

セージの血?

うーん、私は何も知らない。

物事ではありません。

それはいくつかのナンセンスで作られています、または...あなたが何を知っている...分を待って、分を待つ...

大聖堂の大臣は何かを知っているかもしれない。

ノーベルトの父の名前はかなり高値ですが、あなたは見ていますが...

まあ、唯一の問題は...

狩りの夜には、西部地区が掲示され、大聖堂への通過を阻止する

東部地区では

そして、狩りが終わると、まあ、まあ、あなたは死んで、他のすべてのシコスと一緒に、

分かりますか。

喜喜喜!

ええ、こんにちは!

そして、狩りが終わると、まあ、まあ、あなたは死んで、他のすべてのシコスと一緒に、

分かりますか。

感染した人の心は虚弱です。

多分あなたは慈悲に値するでしょう。

私は何も知らないが、東部地区の大聖堂の頭であるノルバート父親は、

何かを知っている。

もしあなたが勇気があれば、彼に訪問してください!

喜喜喜、行っていない。

ローレンス?

ああ、あなた自身のようなローレンス、別の部外者?

ええ、私は彼を知っています。

彼は東部地区の大聖堂のために出発した。

私のアドバイスでも。

彼のために不運。

彼が出た直後、鐘が鳴り、狩りが始まりました。

そして沖縄の人は狩りを通して生きていない、私を仲間を信用する。

喜喜喜!

ええ、こんにちは!

私の神、感染した人の心は虚弱です。

多分あなたは慈悲に値するでしょう。

ローレンスの部外者?

ええ、彼は東方区の大聖堂のために出発しました。

私は彼がそれを作ったとは思わないが。

喜喜喜!

感染した人の心は虚弱です。

あなたは非難されることはありません。

あなたと一緒に、今、オフ。

あっちへ行ってください。

どんなにあなたがふりをしようとしても、あなたは正常ではなく、正常ではありません。

あなたは正常ではありません。

どんなにあなたがふりをしようとしても、あなたは正常ではなく、正常ではありません。

あなたは正常ではありません。

あなたの祝福を与え、獣の血を私たちから洗い流す...

ウンバサようこそ、疲れた旅人。

[Blood Minister]

To the great city of Yharnam.

The troubles you must have seen.

Your homeland, plagued by a sickness that spares few.

You suffer.

Your loved ones suffer.

It's like a curse.

But there is hope for you yet.

The blood used in ministration, the trade of Yharnam, is a special thing indeed...

The only thing that can cure your sickness...

Well then, let's draw you up a contract.

Good.

All signed and sealed.

Now, let's begin the transfusion.

Oh, don't you worry.

In a few moments, you'll be as good as new...

Like it was all just a bad dream.

In a few moments, you'll be as good as new...

Like it was all just a bad dream.

Welcome, traveler.

You've suffered a long journey to this great city of Yharnam.

And you should be glad you did.

The blood used in ministration, the trade of Yharnam, is a special thing indeed...

The only thing that can cure your sickness...

Well then, let's draw you up a contract.

Good.

All signed and sealed.

Now, let's begin the transfusion.

Oh, don't you worry.

In a few moments, you'll be as good as new...

Like it was all just a bad dream.

In a few moments, you'll be as good as new...

Like it was all just a bad dream.

Aren't you lucky.

This blood's rather special.

It may well cure you of your peculiar condition.

Now, let's draw you up a contract.

Good.

All signed and sealed.

Now, let's begin the transfusion.\nOh, don't you worry.

You'll be as good as new...\nLike it was all just a bad dream.

...Heh, heh, heheheh...

...Heheheh...

You'll be as good as new... \nLike it was all just a bad dream.

...Heh, heh, heheheh...

Yes, yes, see?\nWoken up with something of a nightmare, have you?

A foul, murky story, quite beyond my own reckoning.

Won't that be something to tell the grandkids, eh?

...Heh, heh, heheheh...

Yes, yes, see?\nWoken up with something of a nightmare, have you?

...Heh, heh, heheheh...

Oh, but I've nothing more to tell.

I only show the way, and the way has been shown.

Now... it's in your hands.

Until the dank, sweet mud takes us all...

Upon the awakening of Ebrietas...

...Heh, heh, heheheh...

...Heheheh...

Heh, eh heh...

My death matters not...

It's your nightmare, after all...

Heh, eh heh, eh heh heh heh...

日本語訳

Yharnamの大きい都市に。

あなたが見たに違いない問題。

あなたの故郷で、病気に悩まされている人はほとんどいません。

あなたは苦しみます。

あなたの愛する人は苦しんでいます。

それは呪いのようなものです。

しかし、あなたにはまだ希望があります。

Yharnamの貿易である奉仕のために使われる血は、本当に特別なものです...

あなたの病気を治すことができる唯一のもの...

さて、契約を結んでみましょう。

良い。

すべて署名付きで封印されています。

今、輸血を始めましょう。

ああ、心配しないでください。

しばらくの間、あなたは新しいものと同じくらい良いものになるでしょう...

みんな悪い夢だったように。

しばらくの間、あなたは新しいものと同じくらい良いものになるでしょう...

みんな悪い夢だったように。

ようこそ、旅行者。

あなたは、この大きな都市Yharnamへの長い旅に苦しんでいます。

そして、あなたがしてうれしく思います。

Yharnamの取引である奉仕のために使われる血は、確かに特別なものです...

あなたの病気を治すことができる唯一のもの...

さて、契約を結んでみましょう。

良い。

すべて署名付きで封印されています。

今、輸血を始めましょう。

ああ、心配しないでください。

しばらくの間、あなたは新しいものと同じくらい良いものになるでしょう...

みんな悪い夢だったように。

しばらくの間、あなたは新しいものと同じくらい良いものになるでしょう...

みんな悪い夢だったように。

あなたは幸運ではありませんか?

この血はむしろ特別です。

あなたの独特の状態をよく治すかもしれません。

今、契約を結んでみましょう。

良い。

すべて署名付きで封印されています。

今、輸血を始めましょう。\ nああ、心配しないでください。

あなたは新しいものと同じくらい良いものになるでしょう... \ nそれはただの悪夢です。

...ヘイ、ヘイ、ヘーヘー...

... Heheheh ...

あなたは新しいものと同じくらい良いものになるでしょう... \ nそれはただの悪夢です。

...ヘイ、ヘイ、ヘーヘー...

はい、はい、見ていますか?\ n悪夢のようなもので覚えていますか?

私自身の計算をはるかに超えて、汚い、暗い話。

孫たちに伝えるものではないでしょうか?

...ヘイ、ヘイ、ヘーヘー...

はい、はい、見ていますか?\ n悪夢のようなもので覚えていますか?

...ヘイ、ヘイ、ヘーヘー...

オハイオ州、しかし、私はそれ以上のことは伝えていません。

私は方法を示すだけで、方法が示されています。

今、あなたの手の中にあります。

まるで甘い泥が私たちのすべてを奪うまで...

Ebrietasの目覚めに...

...ヘイ、ヘイ、ヘーヘー...

... Heheheh ...

ああ、えええええええええええええええええええええ

私の死の問題は...

結局、あなたの悪夢です...

ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘイ


[Gehrman]

What, looking to free me?

Then I graciously accept.

Forgive me, Laurence, I could not wait...

The night, and the dream, were long...

You must accept your death.

Forget the dream, wake up to the morning.

Be freed from the night...

You must accept your death.

Be freed from the night...

What were you thinking?

If I die, you are to be next...

What is it you want, from this horrific nightmare?

What were you thinking?

If I die, you are to be next...

Night will soon come again.

What's taking so long, Laurence...

Yes, the hunt must go on.

It is all that keeps us human, now.

Farewell, Laurence.

I await the realization of your "ministration."


日本語訳

何、私を解放しようとしている?

それから私は優雅に受け入れます。

私を許してください、ローレンス、私は待つことができませんでした...

夜と夢は長い...

あなたはあなたの死を受け入れなければなりません。

夢を忘れて朝に目を覚ます。

夜から解放される...

あなたはあなたの死を受け入れなければなりません。

夜から解放される...

何を考えていたのですか?

私が死ぬと、あなたは次の人になるはず...

この恐ろしい悪夢から、あなたが望んでいるのは何ですか?

何を考えていたのですか?

私が死ぬと、あなたは次の人になるはず...

もうすぐ夜もまた来るでしょう。

そんなに長い時間を要するのは、ローレンス...

はい、狩りは続かなければなりません。

今、私たち人間を守るのはこれだけです。

さようなら、ローレンス。

私はあなたの「ミニストレーション」の実現を待っています。


[Master Willelm]

Ahh...

Aa...

...Eyes, eyes, where are the eyes...

...I need more, I can't see...

...Fetch me eyes...

...Oh, faster, somebody, argh...

...Be they round, be they young...

...Fetch me eyes, for my brain...

...More eyes, I need more...

...Agh, ooh...

There you are, finally.

You are most welcome, my precious sacrifice...

Now, now, over here, quick...

Go on, give me your eyes...

...Yes, yes, a pleasure to have you...

...Yes, yes, a pleasure to have you...

日本語訳

ああ...

ああ...

...目、目、目はどこですか...

...私はもっと必要がある、私は見ることができない...

...私の目を取る...

...ああ、早く、誰か、アー...

...彼らは丸みを帯びている、彼らは若い?

...私の脳のために私の目を取る...

...より多くの目、私はもっと必要がある...

...ああ、ああ...

あなたは、最後にあります。

あなたは大歓迎です、私の貴重な犠牲...

さて、今、ここで、素早く...

行って、あなたの目をくれ...

...はい、ありがとうございます...

...はい、ありがとうございます...


[Father Gascoigne]

You think now, as Gehrman did, to betray me.

...Well, well.

A hunter is it?

Ahh, tonight, there's something different in the air...

Men leave as hunters, and return as beasts.

...Let there be no doubt.

If it moves, you can be sure it's a beast.

...And even if it doesn't, well, don't take any chances!

Ha ha ha ha ha hah!

...Well, well.

A hunter is it?

Beasts everywhere...

I like the smell of this hunt already!

Ha ha haa!

...Oooh, beasts and beasts and beasts and beasts...

...Beasts all over the shop...

...Ahh, the sweet stench of blood.

Just... just marvelous!

日本語訳

Gehrmanのように、私を裏切ろうと今あなたは思っています。

...まあまあ。

ハンターはそれですか?

ああ、今夜、空中には何か違うものがあります...

男は狩人として去り、獣として帰る。

...間違いないよ。

それが動くなら、あなたはそれが獣であることを確信することができます。

...そして、そうでない場合でも、まあ、チャンスを取らないでください!

ハッハッハハッハッハッハ!

...まあまあ。

ハンターはそれですか?

どこでも野獣...

私はこの狩りのにおいが好きです!

ハッハッハ!

...うわー、獣と獣と獣と獣...

...店のいたるところにいる野獣...

...ああ、血の甘い悪臭。

ちょうど...ただ素晴らしい!

[Password Guy]

What's the password?

Ahh, my first visitor in two decades.

I suppose it's just that kind of a night.

Ahh, my first visitor in two decades.

Well go on, then, buzz off!

The hunt is on tonight.

No need to throw yourself to the wolves.

Now, be gone!

I don't know how a hunter learned the password, but let me say this much...

Down the embankment, beyond the forest, there it stands, old Byrgenwerth.

But it's not what you think.

They don't welcome newcomers, and their knowledge is better left untouched.

No, the old college is not what it once was.

Those who enter, never return.

At least, not as who they were upon entering.

...Don't say you weren't warned...

I don't know how a hunter learned the password, but let me say this much...

I cannot stop anyone who knows the password.

I can only warn them.

So, go on, visitor.

For that's what the master wishes of you.

Sometimes, master's whims are most mystifying...

So, go on, visitor.

For that's what the master wishes of you.

I cannot stop anyone who knows the password.

You are free to go.

...Ahh, ahh, ahh, a nightmare is upon us...

Is this your doing, great master?

Does it mean that my work is done?

Ahh, ahh...

Ohhhhhhh...

Ahh, ahh, ohhhhh....

I...

I

have failed...

Forgive me... forgive me, Master Willem...

日本語訳

パスワードは何ですか?

ああ、20年ぶりの初めての訪問者。

私はそれがちょうどそのような夜だと思います。

ああ、20年ぶりの初めての訪問者。

さあ、行きましょう。

今夜は狩りがあります。

オオカミに身を投げる必要はありません。

さあ、行ってください!

私はハンターがパスワードをどのように学んだのか分かりませんが、これほど多くを言わせてください...

森の向こうの堤防を降りて、そこには古いByrgenwerthがあります。

しかし、それはあなたが考えるものではありません。

彼らは新規参入者を歓迎しておらず、彼らの知識はそのまま残されています。

いいえ、古い大学はそれが以前のものではありません。

入る人、戻らない人。

少なくとも、彼らが入社時に誰であったかではない。

...あなたが警告されていないとは言わないでください...

私はハンターがパスワードをどのように学んだのか分かりませんが、これほど多くを言わせてください...

パスワードを知っている人は誰も止められません。

私は彼らに警告するだけです。

それで、訪問者に行ってください。

それはマスターがあなたに望むものです。

時には、マスターの気まぐれが最も謎めいている...

それで、訪問者に行ってください。

それはマスターがあなたに望むものです。

パスワードを知っている人は誰も止められません。

あなたは自由に行くことができます。

...ああ、ああ、ああ、悪夢が私たちに...

これはあなたの仕事、偉大なマスターですか?

私の仕事は終わったのですか?

ああ、ああ...

ああ...

ああ、ああ、オハイオフ....

私...


失敗しました...

私を許して...許して、マスターウィレム...







2017年12月8日金曜日

ゼノブレイド2のファーストインプレッション

時代(アイオーン)の皮を被るゼノシリーズ


ゼノブレイド2はまごうことなくゼノギアスの血を継承する作品である
立ち位置的にはゼノギアスの落胤(私生児)と言って良いのかもしれない

それほどに両者はメーカーや時代を超えて相似している(中身ではなく在り方が)
やや乱暴になるが、2017年という時代の皮を被せたゼノギアスがゼノブレイド2である

ゼノギアスの時代

ゼノギアスが発売された1990年代におけるサブカル事情について触れると冗長になるので、
ゼノギアスは当時どのように受け入れられていたのかを少し語りたいと思う

当時のオタク界における最大のコンテンツは「エヴァンゲリオン」であった
少年がロボットに乗って襲い来る謎の敵に立ち向かうのだが、力点が置かれるのはロボットの活躍ではなく

パイロットの少年の苦悩である

このエヴァンゲリオンの影響は絶大で一時期はエヴァ的な作品が量産されたりもした

ゼノギアスもまたそうしたフォロワー作品のひとつだという認識を持って受けとられた
よくいう「エヴァのパクリ」である

確かにゼノギアスは時代の流れに乗り、ゲーム内にエヴァ的な知的遺伝子(ミーム)を無数にちりばめ、
また素材となった元ネタも一方は「死海文書ならびに聖書」であり、ゼノは「グノーシス主義」であり、その時代も地域も似通っているものだった

だがエヴァが単に演出面における最大の効果を狙って「死海文書ならびに聖書」を利用したのに対し、
ゼノギアスは、まず純粋にグノーシス主義的神話のゲーム的(SF的)適用であった

つまり、ゼノギアスはエヴァ時代の皮を被っていたものの、その中身は「ガチガチの神話学的創作物」だったのだ

ゼノブレイド2の時代

さて現代はどうかというと、突出した作品がないもののソーシャルゲームや膨大なライトノベル群がその代わりを果たしていると思われる
いわゆるハーレム、異世界物、ガチャ、使役キャラ(ワーカー)その他諸々である

これら現代的な皮を被っているのがゼノブレイド2である

ゼノブレイド2のラノベ、アニメ的なミームが苦手な人は多いと思う
だが実はそれは、あえて時代の皮を被っているだけであり、ゼノギアスと同様に中身はやはり「ガチガチの神話学的創作物」である

ゼノシリーズのメインテーマ

一言でいうのならばメツが言ったように「私は誰か、どこから来て、どこへ行くのか」である

メツのセリフでもあり、ゴーギャンの絵画で有名な言葉でもあるが実はグノーシス主義的な問いかけでもある

我々は誰だったのか 我々は何になったのか。
我々はどこにいたのか、我々はどこに投げこまれたのか。
我々はどこに向かうのか、我々はどこから解放されるのか。
誕生とは何か、再生とは何か。(テオドトス 二世紀後半)

テオドトスとは二世紀に生きていたグノーシス主義者である

コアクリスタルとは何か

フォトニック結晶のことである

要するに光を集積できる結晶である
情報理論によればあらゆる物質は情報の側面があり、それは光(光子)も例外ではない

例えるのなら結晶で作ったHDDのような物であり、同時に半導体(つまりコンピュータ)として利用できる結晶のことだ

人間が脳の加齢を乗り越えて永遠に生きようとするのならば、脳ではない別の物質にその機能を移転しなければならないが、
その脳代替デバイスとして最適なのが、このフォトニック結晶である(そのあたりファイブスター物語でも使われていたが)

先ほども述べたように情報と物質は等価であり、ゆえにコアクリスタルは雲海の海において情報を物質に転換するのである(J・G・バラードの『結晶世界』の逆相転移)

ブレイドとは何か

具現化した人工知能(AI)のことである
単体で機能する結晶プロセッサであるコアクリスタルは、情報と物質の等価性により情報からAIを具現化する
具現化の際にドライバの関与を必要とするのは、それがユーザー認証のメカニズムによって起動するからである(ユーザーの資格を持たない者は拒絶される)

もっと身近な例でいうと、ポケモンでありサーヴァントであり、スタンドである
(このあたり、巨大ロボットからスタンド型への流行の変遷を考えさせられる)

さてこうして具現化したAIはロボット三原則の適用を受けると思われる
(作中でブレイドが人を害するが、コアクリスタルからすると人類とはドライバのみであって、その他の人間は人類と認識されていないのかもしれない。このあたりまだ考察が及んでいない)

しかし基本的には三原則の適用を求められると思われる
ゆえに「ブレイドがドライバを喰らう」という行為はブレイドにとって最大の禁忌となる

人に使えるべく生み出されたロボットは、人に仕えるべく使わされた創世記の天使とも重なる

(人に仕えることを拒否し、神に対して反乱を起こしたのがサタンであり、それを描いたのがミルトンの『失楽園』である)
(蛇足だが『失楽園』におけるサタンのカリスマ性やかっこよさは、シンやメツに通ずるものがある)

プネウマ

ギリシャ語で「息」や「風」を意味するが、聖書的には「霊魂」という語義に近い(神は赤い土人形にプネウマを吹き込んでアダムを作った)

プネウマにはプシュケーという語形もあり、アプレイウスの『プシュケとアモル』という寓話につながる
この『プシュケとアモル』はグノーシス主義的な物語とも言われ、流転する美女とそれを助ける青年の物語は、グノーシス神話における魂の救済の理想的モデルとして考えられる

ここでいう魂とは己のなかにある魂であり、それが美女で表現されるのは、ユング心理学でいうところの「アニマ」であるからだろう(ユング心理学では男性の心のなかにある「少女像」をアニマ、反対に女性の中にある「男性像」をアニムスという)

 アニマは時間の外にいるために、たいてい完全に不死であるか不死に近い
 太古から生きつづけているとか、それとも別の世界の秩序に従う存在である。(『元型論』)
 アニマは善意に満ちた無邪気な人間という楽園に住む蛇である。
 《美にして善なるもの》を信じている
 アニマは保守的であり、気の遠くなるほど古い人類と関係をもっている
 アニマはあらゆる範疇を越えた生命であり、それゆえ毀誉褒貶からも自由である
 アニマは『ファウスト』にあるように、光の天使として「魂の導き手」としても現われ、最高の意味へと導くこともありうる
 アニマとはいわばそれまでは一度もその人の財産になったことのない心的内容(『元型論』)

(ちなみに、魂を意味する語句群「ソウル」「プシュケ」「アニマ」「ゼーレ」「ドゥーシャ」等はみな女性形である)

そしてグノーシス神話において、流転する少女(魂)としてよく使われるのがソフィア(「知恵」)である


ロゴス

ロゴスについては有名すぎてあまり語ることもないのだけれども、神との関わりにおいて少しだけ

神とは永遠に続く創造性であると語ったのが、グノーシス主義的著作である『ソロモンの知恵』の著者である

神とは創造性そのものであり、その意志を実行する神の代行者が必要となる理屈となる
彼はその神の代行者を「ソフィア(知恵)」だとした

一方アレクサンドリアのフィロンは、神の代行者とは「ロゴス(言葉)」であるとした


トリニティプロセッサー

トリニティとは「三位一体」の意味である
キリスト教で「父と子と精霊の御名において」というときの、父と子と精霊のことである
この三位一体のプロセッサーがゲート(ゾハル)を制御するのだという

上で述べたように、コアクリスタルは単体動作するコンピュータであり、トリニティプロセッサーはその元型であろう
おそらく、この三者もまたAIとして機能するプロセッサであり、シンギュラリティ(技術的特異点)を越えたプロセッサである可能性もあるが、ゲート(ゾハル)こそがそれなのかもしれない


後書き

現在、グノーシス関連の書籍が手元になくてほとんど記憶を頼りに書いたのであやふやな点が多いかと思われる
なんらかの著作にあたるということもしていないので、本当に素のままのファーストインプレッションである

以下、すごいネタバレがあるので注意
落下死するマルベーニ聖下




2017年11月22日水曜日

アサシンクリード オリジン ソベクの試練

神の試練第二弾ソベクの試練

前回とほとんど戦い方は同じ、むしろ簡単だったっていう
途中で戦うの飽きて集中力途切れてるが初見で苦戦することなく倒せた


ついでにホルス神セット





2017年11月10日金曜日

ヨセフカ 知(血)の探究者

ヨセフカという名がチェコ人の名前であるということは過去の記事に触れたと思う
このヨセフカをヘブライ語の男性系にするとヨセフとなる(Bloodborne設定考察Wikiにも載ってるので参照)

このヨセフという名前「マリアの子の父親に関する異説」で聖母マリアの夫の名として触れたが、聖杯伝説においても重要な役割の人物として登場する


アリマタヤのヨセフというのがその人物だ
聖杯伝説において、彼はキリストの血を受けた聖杯を持ってイギリスに渡ったという
そもそも聖杯がなぜ重要なのかというと、キリストの血を受けたからであり、その本質は聖杯に残るキリストの血である。実は聖杯そのものは入れ物としての価値しかない

ブラッドボーンの作中、アルフレートは次のように語る
 かつてビルゲンワースの学び舎に裏切り者があり
 禁断の血を、カインハーストの城に持ちかえった
 そこで、人ならぬ穢れた血族が生まれたのです

キリストの血を持ってイギリスへ渡ったヨセフ
禁断の血をカインハーストへ持ち帰った裏切り者

この「裏切り者」に最もふさわしい名を持つ人物はだれか?
血の医療に通じ、感覚麻痺の霧(カインハーストに関係が深い)を使い、さらにはオドンの子を身籠った人物、つまりヨセフカ(偽)である

一般に吸血鬼は不老不死であるとされる
ヨセフカはその見た目とは異なり、医療協会のできる以前から生きているのだろう(おそらくウィーレム全盛期のビルゲンワースの時代から)


ヨセフカと偽フカの関係

ヨセフカは次のように主人公に告げる
 …あなた、無事だったのね。よかったわ
 でも…何度きてもらっても、変わらないわ。扉はあけられない

これほど頑なに扉を開けるのを拒絶をしていたヨセフカだが偽フカはまんまと診療所に入り込んでいる

なぜ偽フカは診療所に入り込めたのだろうか?

プレーヤーと同じように裏口から入ったのだ、と私もずっと思っていた
だがどうやら違うようなのだ

次のSSを見てほしい。診療所の外側から内側を向いて撮影したものだ
おわかりだろうか?



ガラスの破片が飛び散っているのは、診療所の外側である
つまりこの裏口のガラス窓は「屋内側から割られた」のである

少し分かりにくいが、屋内側からのSSも提示しておく(屋内から外を向いて撮影

明らかにガラスの破片の飛び散り方に差がある。
結論としてこの裏口は屋内側からガラス窓を破って作られたものだ

つまり偽フカは裏口を破って診療所に侵入したのではない(そうだとしたら屋内側にもっと多くのガラス片が飛び散っているはず)

また以前から割れていたということも考えにくい
なぜならあの用心深いヨセフカが、割れた窓をそのままにしておくはずがないからだ
あれほど厳重に扉を閉めているにもかかわらず、すぐ横の割れた窓そのままというのはありえない話である

ではどうやって診療所に入ることができたのか?

医療協会(あるいは聖歌隊)の同僚だったから、というのは少し考えにくい
なぜならば彼女はすでにビルゲンワース時代に禁断の血を盗んだ裏切り者とされているからだ
血を扱う医療協会においてもその行為は冒涜的なものとされただろう
そんな危険人物非常事態の時用心深いヨセフカが受け入れるだろうか? 
答えは

では、この危険な獣の夜にヨセフカに扉を開かせることのできる人物とはいったい何者か

診療所に入り込みヨセフカに成りすまして平然としている人物とは何者か

偽フカはヨセフカの近親者(母親)だったのではないだろうか、というのが私の考えだ

吸血鬼となり見た目の変わらぬ偽フカと、その娘であるヨセフカ外見はもちろんも似ていてもおかしくはない。成りすましてもバレることはないと平然としていた理由もこれからわかる

そして両者とも高度な血の医療を施せるほどの知識と明晰さを誇り、かつ上位者にも精通していた。赤の他人というのはあまりにも「似すぎている」のである

だがその性格は正反対だった
である偽フカはためらうことなく娘に実験を施し星界からの使者にしてしまう

この容赦のなさこそ、知(血)の探究者としてふさわしいあり方ではないだろうか

マリアの子の父親に関する異説

Bloodborne DLC考察 双子の悪夢」ではマリアの子の父親についてゲールマンの名をあげたものの、オドンの子である可能性を否定できないので、その説に沿って考察しようと思う

本来ならば本稿の改稿をするべきだが、修正箇所が本文のあちこちに及び手に負えなくなりそうなので独立した異説として記そうと思う

なお、この点を訂正してもゲールマンの悲劇性はそれほど減じないので、本稿への影響もほとんどないと思われる

オドン影響説の論拠

1.マリアがカインハーストの血を引いていること
2.マリアという名前のもつ重要性
3.ベルセルクとの類似性

2017年11月8日水曜日

深読みゼノブレイド2 アルス・オプの哲学

ゼノブレイドもクロスも未プレイですが2はプレイできそうなので深読みしてみる
なおほとんど情報収集しておらず公式サイトと前回の公式放送しか観ていないので、かなり見当違いな妄想が含まれると思う

勢力/国家

インヴィディア(妬み)
スペルビア(傲慢)
イーラ(憤怒)
アヴァリティア(物欲)

これらは七つの大罪の名がつけられている
つまり概念的なものが物理的に存在している

残りの三つも登場するかもしれない
ルクスリア(色欲)
グラ(暴食)
ピグリティア(怠惰)


ちなみに公式放送に登場したリベラリタス島嶼群は七つの美徳のひとつ

謙譲 ヒュミリタス
忍耐 ヒュマニタス
慈悲 パシエンティア
勤勉 インダストリア
救恤(きゅうじゅつ)リベラリタス
節制 テンペランティア
純潔 チャスティタス

神の試練&ローマ軍センチュリオンパック

アサシンクリード オリジンの神の試練
アニムスのバグという体裁で巨大モンスターと戦えるというもの
ダクソのボスを期待するとちょっと拍子抜けかもしれない

初回撃破時の動画

2017年11月6日月曜日

アサシンクリード オリジン

フロムの新作を待ちつつ、待ちくたびれて、ブログの存在すら忘却していました。
あまり放置してるのも何なので、いまやってるゲームなんかを記事にしてみることにします

ということで、UBIソフトから発売されている『アサシンクリード オリジン』のプレイ雑感などを

※ゲーム中の画像です

遠くにファロスの大灯台が見えます
ここからずっと歩いて大灯台まで行けるというオープンワールドの規模

2017年7月28日金曜日

Bloodborne DLC考察 双子の悪夢

1.はじめに

本編ではなくDLCの考察をする理由

1.本編の資料が膨大すぎて手に負えない
2.フロムゲーのDLCは本編を解体・圧縮し再構成したような構造となっている
3.本編とDLCを対比することで、相互に補完できる

1に関して言えば、時間的な制約(ドラクエ11)があり断念したという救いようのない事情があるが、さらにいえばDLCの考察といっても、その焦点はゴース周辺のものだけである

2に関して言えばDS3のDLCに顕著に表れているのだが、フロムゲーのDLCは基本的に本編と鏡像関係にあるといっていい

DS2の本編である王殺しの物語とDLCの王たちの物語に関してもそうであるし、DS1のDLCも今思えば、本編は英雄の成功譚であり、DLCは英雄の失敗譚である

単純にそっくりというわけではなく、構造を解体し、圧縮、再構成した上にさらに別の角度からの視点を導入している

3については、補完といってもごく一部であり、全体として完全に説明できるようになるというものではない
その多くは、DLCのごく狭い範囲、人々の行為を理解できる範囲でこじつけたという程度である

DLCの大まかなストーリーライン

端的にまとめるとDLCのストーリーは、
主人公が狩人の秘密に迫り、その根源を消滅させることで悪夢を終わらせる
となる

実はこれ本編とほとんど同じである。ちなみに本編をざっとまとめると
主人公がメンシス学派の儀式に迫り、その根源を消滅させることで悪夢を終わらせる
となる

要約マジックと言われれば否定しないが、フロムゲーの本編とDLCの関係を見ていると、故意にこうした構造を取っているのではないかと邪推したくもなる

さて、大まかなストーリーがわかったところで、次に小さな考察をいくつか述べていこうと思う

DLCと全く関係のない部分の考察であったり、結論を示さずにぶつ切りだったりするかもしれないが、最終的な考察に繋がるので、外せなかったのである

先に小さな考察を述べるのは一本の考察にまとめようとすると、その都度考察を挿入しなければならず考察が冗長になり、また散漫なものとなるからである

2017年5月15日月曜日

竜の御子(2017/5/17補足追記)

竜の御子

単語だけが唐突に登場し、詳しい説明は一切されない「竜の御子」
ダークソウルシリーズには「3人の竜の御子」がいる

登場順に挙げると
1.DS2に登場した「緑衣の巡礼シャナロット」
2.DS3に登場する「オスロエスの子オセロット」
3.DS3DLC2に登場する「フィリアノールの騎士、シラ」

これを誕生順に並べ替えると
1.シラ(DS1の時代)
2.シャナロット(DS2)
3.オセロット(DS3)
となる。設定的には各作品に一人はいることになる

シラ
彼女が自らいうように、シラは公爵の娘である
私も神の末、公爵の娘、シラ。そして、ミディールの友人です
公爵とはシースのことであると思われる
フィリアノールの騎士、シラの頭冠
繊細な銀細工に、バイバルの真珠があしらわれている(シラの頭冠)
 ここにいうバイバルとはDS1の結晶洞穴に登場する五足のバイバルであり、その結晶洞穴はシースの本拠地だ

つまりシラは白竜シースの娘=竜の御子である
シラという名もまた、白という漢字から取られたと思われる。古い時代の日本では白をシラと呼ぶことが多い(オシラサマやシラヤマヒメなど)

シャナロット
私の名は、シャナロット
それは名を持たずに生み出された私に
あの竜がくれた名前
私は人によって生み出された竜の子
かつて定められた因果を超えようとした者たち…
その者たちが私を生みました
しかし、その思惑は頓挫しました
私は、失敗作だったのです
因果を超えようとした者たちが作り出した竜の子(結局失敗したが)
つまり竜の子とは「因果を超える」ために必要な存在である

因果を超えようとした者たちとはアン・ディールのことと思われる
私は、アン・ディール
かつて因果に挑み、果たされず
ただ、答えを待つ者
玉座を求めよ
光も、そして闇も その果てに…
では因果とは何か
道など、ありはしない
光すら届かず、闇さえも失われた先
何があるというのか
だが、それを求めることこそが
我らに課せられた試練…(探究者エンド)
「光すら届かず、闇さえも失われた先に何があるのかを求める」ことこそが、因果に挑むことであり、因果を超えることである

オセロット
妖王オスロエスが生みだした竜の御子
血の営みから逃れたオスロエスは白竜シースの力に救いを求めた
王はロスリックの血の営みに発狂
大書庫の異端と繋がったという
それは白竜シースの歪んだ信仰だった(妖王オスロエスのソウル)
白竜シースの研究はある程度の成果をあげた
妖王オスロエスの妄執の果ての魔術
白竜シースの結晶のブレスを放つ
結晶のブレスは貫通する
かつて「ビッグハット」は白竜に共鳴し
裸の探究の末、その神の業を己のものとしたという
オスロエスはそれを知り、また啓蒙を得たのだろう(白竜の息)
そしてついに竜の御子を生み出すことに成功する
ああ、愚者どもめ。ようやく気付いたのだろう
愛しいオセロット、竜の御子の力
だが、そうはいかぬ
この子は、私のすべてだ(オスロエスのセリフ)
オスロエスが透明な何かを抱えているが、その姿は解析しないとみられない
忌まわしい何かが生まれたことは、王妃が消え去ったことから確かであると思われる
彼女は先王オスロエスの妻であり豊穣と恵みの女神にすら例えられたが
末子オセロットを産んだ後、姿を消したという(女神の祝福)

※プリシラ
プリシラは半竜であって竜の子とは異なる
半竜は身体に竜の特徴を持つが、竜の子は外見的に人と変わらない

竜の御子考察

竜の御子は因果を超える力を持つ(あるいは持つことを期待された)

シャナロットは失敗作であり、因果を超えることはできなかった

シラは因果を超えている(DLCの最後の舞台に突然、まるで時の流れを無視したように現れるのは、彼女が因果を超える存在であるからだろう。時間という因果を超える存在なのだ)

さて、オセロットはどうだろう?

そもそもオセロットとは何者なのだろうか?

DS3において因果を超える力を持つキャラクターがシラの他にいただろうか?
光すら届かず、闇さえも失われた先に到達できるような存在がいただろうか?

一人だけあてはまる人物がいる

火継ぎの祭祀場の火防女である

火継ぎという因果を終わらせることのできる唯一の存在、それは火防女の瞳を得て、火継ぎの終わりを見た火防女しかいない

※英語版でオセロットが男性の人称代名詞で呼ばれている件は後述する

オスロエスが竜の御子に固執した理由もここにある

彼が発狂した原因であるロスリック王家の「血の営み」とは、薪の王を生み出すためのおぞましい所業だった
資格者を求めたロスリックの血の営みは
やがて人を外れ、おぞましい所業と堕した
正に火継ぎとは呪いの道であろう(王の薪)
王家の悲願、薪の王たる運命に生まれた彼
しかし病を抱え萎びた赤子であった(祈祷シリーズ)
オスロエスはこの「呪いの道」から逃れようとした
そのためには火継ぎという因果に挑む必要があった

つまり、火継ぎの終わりを希求したのだ
だが、火継ぎの終わりはロスリック王家代々の血の営みを無に帰すものだった

ロスリックの正道から外れた王を誅すべく、ロスリック王家の重臣たちは刺客を差し向けたが、結局は失敗に終わる
ロスリックの先王、オスロエスの指輪
背後からの攻撃のダメージを軽減する
オスロエスは晩年竜に魅入られ
正気を失った彼は妖王と呼ばれ
多くの刺客が差し向けられたが
そのことごとくが失敗したという
妖王はそれを竜鱗の加護と呼んだ(竜鱗の指輪)
先王オスロエスは、竜に魅入られ妖王となり
多くの刺客を差し向けられたという
しかし誰一人、無事戻るものはなかったと(影シリーズ) 
暗殺の命を出したのは三柱(騎士長、賢者、祭儀長)だっただろう
王を支えるとされた三柱だが、
古くよりロスリックでは
祭儀長は王を支える三柱のひとつとされた
それは常に女であり、王子の乳母でもあったという(祭儀長の指輪)
実状はそう単純ではなかったようだ
王と三柱との主従関係が危ういバランスの上に成り立っていたことが「狩人の指輪」のテキストからうかがえる
狩人は、古くよりロスリックの黒い手であった
三柱に対抗し、また密かに刑するために代々の王たちは黒い手を頼んだのだ(狩人の指輪) 
さて、オスロエスは火継ぎの終わりを求め、そのために「竜の御子(人造の火防女)」を造り出そうとしていた
大書庫の異端と繋がったオスロエスには、力強い協力者がいた

結晶の古老である
結晶の古老は大書庫の賢者たちの導師であり後に双子の片割れが、不死隊の同盟者となった(結晶の古老のソウル)
結晶の古老はシースの力を受け継ぐローガンの末裔だった
それはウロコのない白竜、シースの力であり
それに見え啓蒙を得たローガンの魔術である
結晶の古老は、その末裔なのだ(結晶のスクロール)
数多くの失敗の果てに竜の御子製造計画は成功しただろう

そうして生まれ出たプロトタイプの火防女にオスロエスは「火防女の瞳」を渡した
火の無い祭祀場で死んでいた火防女が「火防女の瞳」を所持していた理由がこれである

聖遺物ともいえるような貴重な「火防女の瞳」を一介の火防女が入手できるとは考えにくい。やはり何者かが何らかの意図をもって火防女に渡したのだ。「火防女の瞳が見せるものの知識」と「動機」、その両方を持っているのは白竜シースの魔術を研究し、因果を超える竜の御子を造り出そうとしたオスロエスしかいない

火防女は「火防女の瞳」により「火継ぎの終わり」を見た
だが、決して知られてはならないそのことを、他者に知られてしまう
そしてこのことは、固く秘しておきましょう。誰にも知られてはいけません(現在の火防女に「火防女の瞳」を渡した後の会話)
その事実を知ったのは二人。一人はルドレス
…ああ、君は、彼女を見つけたのだね
そしてその内に、暗い瞳を見出した、そうだろう?
懐かしいことだ
あの頃私たちは、ただそれを隠すことしかできなかった
ずっと昔の話だ…
…君に伝えておこう
それはあの火防女に僅かな光を与え、ある光景を見せるだろう
瞳無き彼女が、決して見るべきでない裏切り
火継ぎの終わりをね(火防女の瞳を入手した後のルドレスのセリフ)
 もう一人は祭祀場の侍女である
貴方様、呪いに囚われたくなければ
あまり長居は無用ですじゃ
今は暗く、誰もなくとも、火は静かに消えるもの
…それとも、貴方様、もはや手遅れですかのう?
丁度あの娘のように
フフフッ…フフ(火の無い祭祀場の侍女のセリフ)
「祭儀長の指輪」を販売していることから、この侍女は「祭儀長(おそらく先代の)」か、祭儀長につながる人物だと思われる
そもそも祭祀場そのものが祭儀長の司る領域の可能性も高く、「火継ぎの終わり」を見た火防女の情報は速やかに祭儀長に知らされただろう

薪の王による「火継ぎ」を目指す三柱にとって、「火継ぎの終わり」を見た火防女は極めて危険な存在となった

ただちに暗殺者が送られ、火防女は殺害された
暗殺者は「結晶の娘、クリエムヒルト」と様々な証拠から推測される

当時のロスリック王国は隠遁したオスロエスに代わりロスリック王子が最高権力者になっていたと思われる(王位に就いていないのだとしたら、あるいは三柱が権力を握っていたか)

オスロエスの三柱がそのまま地位を保っていたかはわからないが、オスロエスと結びついた大書庫勢力が処罰を受けたであろうことは想像に難くない
結晶の古老の愛弟子クリエムヒルトは、導師の起こした不祥事の尻ぬぐいのため、また大書庫勢力の名誉を挽回するために、自ら暗殺の任に就くしかなかった

暗殺を果たしたクリエムヒルトだが、肝心の「火防女の瞳」には手を付けずに去っている
事態の根本原因でもある重要なアイテムが放置されているのはいかにも納得がいかない
だが、事実彼女は「火防女の瞳」を放置して立ち去っている

なぜか?
彼女は結晶の古老から「それに触れるな」と厳命されていたからだ

ここでクリエムヒルトの着用している火防女の服が重要な意味を持ってくる
暗殺した火防女の服を奪って着用しているのだ、という仮説も考えたのだが、どうも説得力が欠ける気がするし、そんなことをする充分な理由もない

だとしたらなぜクリエムヒルトは火防女の服を着ているのだろうか?

それが彼女の正式な装束だったからだ、というのがその答えだ
「結晶の古老」が「結晶の〇〇」と呼ばれるのは、シースに見え啓蒙を得たローガンの末裔だからである
それはウロコのない白竜、シースの力であり
それに見え啓蒙を得たローガンの魔術である
結晶の古老は、その末裔なのだ(結晶のスクロール)
だとしたら「結晶の娘」もローガンの末裔なのだろうか?
否、彼女は古老の愛娘でもローガンの末裔でもなく、あくまでも愛弟子
結晶の古老として知られる双子の導師が
愛弟子クリエムヒルトに授けた結晶の杖(古老の結晶杖)
彼女はローガンとは無関係だ。だが「結晶の〇〇」と呼ばれている

なぜか?

彼女はローガンとは無関係だが、その上流、シースと関係があるからだ
結晶とはシースの力の片りんであり、シースの力の根幹だった

つまり「結晶の娘」とは「シースの娘」と言い換えることでき、これをさらに言い換えると、「竜の御子」となる

そうクリエムヒルトもまた竜の御子だった。だが彼女は失敗作だった。しかしその魔術の素質を見抜いた古老によって弟子にされ育てられたのだ

だが本質はあくまでも「竜の御子」であり、ゆえに「竜の御子」の衣装を身にまとっている。そして竜の御子である彼女にとって「火防女の瞳」は危険な代物であった
だからこそ結晶の古老は愛弟子を守るために「それに触れるな」と命じたのだ

さて、実は竜の御子の失敗作は彼女だけではない
因果を超えるような凄まじい力を持った竜の御子を、失敗なしに作れるとは到底思えない。そこにはおびただしい数の失敗作が生みだされたはずだ

ここで作品は異なるが「ブラッドボーン」の偽ヨセフカを思い出してほしい
彼女は患者を実験体とし上位者を造り出そうとしていた。そしてその失敗作を診療所の裏手にある禁域の森に捨てていた

類似した構造が頻出する宮崎作品にあって、この偽ヨセフカの構造がダークソウル3では、妖王オスロエスとして現れたのだろう

つまり、オスロエスは竜の御子を造り出そうとして、副次的におびただしい数の失敗作を造り出してしまったのだ

失敗作はどうなったのか?

もちろん裏手に捨てられたのだ

妖王の庭の裏手には無縁墓地があり、そこにある祭祀場の塔には「おびただしい数の火防女の死体」が捨てられている

だが中には火防女の力を有するものや、別種の力に秀でた竜の御子もいた
それが「火防女の瞳を持って死んでいた火防女」や「クリエムヒルト」だった

やがてついにオスロエスは竜の御子の完成体を生み出すことに成功する

アン・ディールにも作ることができなかった、因果を超える力を持つ完全な竜の御子

オセロット」だ

竜の御子であるオセロットは、シース由来の不死身の力と、火継ぎの終わりをもたらすことのできる火防女の力を兼ね備えている

実は「不死の火防女」というのはかなり稀有な存在
DS1の火防女は普通に死ぬし、DS2の巡礼も普通に殺せる
さらに火の無い祭祀場の火防女は、登場時からして死んでいる

殺しても殺しても生き返るような不死身の火防女は、火継ぎの祭祀場にいるあの火防女だけなのだ

そしてついにアンディールの悲願は成就され、世界は因果を超える
灰の方、おかしな話をお許しください
あの瞳の見せる、火の消えた世界は、永遠に続く暗闇です
…けれどそれは、瞳の無い私たちのそれとは異なり
どこかずっと先に、小さな火たちがあるように思えるのです
それはまるで、王たちの継いだ火の証、残り火のように
だからこそ、私はその暗闇に惹かれるのでしょうか?
火の時代の始まりに「裏切り」があり、それに関わったのが鱗の無い白い竜であるように、火の時代の終わりには「裏切り」があり、それに関わるのが光の無い白い竜の子である

補足

オセロットについて
英語版でオセロットは「He」と呼ばれている。男性の人称代名詞だ。
ここからオセロットが男であり、火防女ではない、という論が成り立つ

日本版ではどう書かれているかというと
愛しいオセロット、竜の御子の力に
この「御子」という言葉、古くは「童子」や「子供」を意味する言葉であり、そこに男女の差異は存在しない

例えば酒呑童子、茨城童子などが有名であるが、このうち「茨城童子」には女性説が存在する。つまり童子には男の子という積極的な意味合いはない

だが、童子という言葉にはやや男の子的な意味合いが感じられるのも事実だ
御子を翻訳しようとしたとき、人称代名詞が「he」になってもやむを得ないというものだろう

あの娘について
…それとも、貴方様、もはや手遅れですかのう?
丁度あの娘のように
祭祀場の侍女のいう「あの娘」はクリエムヒルトを指すのではないか、という説が不意に頭をよぎったので自分で否定してみる

無縁墓地は過去の世界だというのがだいたいの定説となっているかと思われる
つまり無縁墓地のクリエムヒルトは過去、大書庫に登場するクリエムヒルトが現在だ
もし「あの娘」がクリエムヒルトを指すのだとしたら、手遅れであったはずの彼女が、ほかの二人の仲間と組み、灰を迎撃してくるということになる

呪いにとらわれ「手遅れに」なってから長い時を経て、まだ戦う力や意思を有しているということになるが、だとしたら「手遅れ」という表現と矛盾しているように思われる

やはりあの娘とは、死んでいる火防女のことだろうと考えるのが自然だろう

竜の御子の母
オセロットの母は言うまでもなくオスロエスの王妃である
だが他の竜の御子については不明である

想像だが、おそらく母体となった女性は数多くいただろう
しかしそのことごとくを失敗し、やがて母体がいなくなってしまった

オスロエスは最後の手段として自分の王妃を母体とすることにした
そうして生まれたのがオセロットだった

火防女について(追記)
必ずしも火防女=竜の御子と言いたいわけではない
あくまでDS3の世界における特定の火防女が竜の御子だといいたいのであって、DS1の火防女やDS3の一部の火防女は、竜の御子ではない

火防女には天然の火防女と人造の火防女がいて、DS1の火防女などは天然だろうと思われる
また、シラの例を見るように竜の御子が必ず火防女になるわけでもない

シースと火防女(オセロット)の関係について(追記)
二者を繋ぐ概念は「裏切り」である
シースは古竜を「裏切る」ことで、世界の秩序を変え、
火防女は「火継ぎの終わり」という「裏切り」によって世界の秩序を変えた

シースは白く、鱗がない
火防女は白髪で、瞳(光)がない

火の時代の始まりに「裏切り」があり、それに関わったのが鱗の無い白い竜であるように、火の時代の終わりには「裏切り」があり、それに関わるのが瞳の無い白い竜の子である




2017年5月13日土曜日

図説ダークソウル3の世界構造

文字だけだとわかりにくいうえに自分でも混乱するので図にしてみた

※ダークリングとは「ダークリングが空に浮かんでいるマップ」のこと
※時間軸ではなくて時間。左から右に時間が流れているわけではない。様々な時間相を保ったマップが同じ時代に存在している
※図ではかなりずれているが、生贄の道、深みの聖堂、ファラン城塞はだいたい同じ時間相
※DLCに関しては暫定的なもの
※青空のマップは時間から切り離されている可能性があり、古い新しいという基準が存在しないかも

気付いたことなど
吹き溜まりにはダークリングがあるのに、輪の都は黄昏(薄暮)の世界なのは、時空がそこだけ切り離されているのかもしれない

あまり急激にマップの時間を変えるとプレーヤーが違和感を覚えると思ったのか、それぞれの時間相の間には空の無い「通路的」なマップが挟まれている

青空のマップは、かなり特異な存在といえる



2017年5月4日木曜日

ダークソウル3の世界構造

ロスリックは薪の王たちの故郷が流れ着く地だという

私ははじめこの言葉から、同時代の故郷がたどり着いているのだと思っていた
(例:1970年の日本と1970年のアメリカが連結)

だが、どうも違うらしい

空間的に遠く離れた地が連結されたのと同様に、時間的にも遠く離れた地が連結されているようだ(例:1970年の日本と2017年のアメリカが連結)

この仮説の論拠となるのが、物語が終盤になると空に現れるダークリングだ
確認した限りを以下に分類してみる

ダークリングの時代(ダークリングが確認できるマップ)

ロスリック関連のマップおよび、不死街、生贄の道、深みの聖堂、ファラン城塞、妖王の庭、火の消えた祭祀場(篝火の名前から)、最初の火の炉、吹き溜まり

夜の時代(月が出ていたり夜と思われるマップ)

イルシール、アノールロンド、イルシールの地下牢

青空の時代

灰の墓所、火継ぎの祭祀場、古龍の頂

黄昏の時代

罪の都

火の無い世界

無縁墓地、火の無い祭祀場(英雄グンダのソウルのテキストからこう呼ぶ)
遅れてきた英雄を迎えたのは
火の無い祭祀場と、鳴らない鐘だったという(英雄グンダのソウル)

不明の時代

カーサスの地下墓、燻りの湖

時間という差異の喪失

火の無い時代→青空の時代→ダークリングの時代
上記の時代区分けを大雑把にまとめるとこういう時系列になると思われるが、実はこれは正しくない
なぜならばこの「非可逆的な時間の流れ」を前提にしてしまうと、説明できない現象が多々あるからだ(後述する)

正しくは「複数の時代が共時的に存在しているのがダークソウルの世界」である
過去と現在、未来のある土地の時代相が、同じ時間層(時代)に押し込められているのだ

火が陰り「時間という差異」が失われたためにこのような奇妙な世界になったと思われる

二つの祭祀場の謎

その結果、物理的に同一であるが、存在する時間層が異なっていたはずの「火の無い祭祀場」と「火継ぎの祭祀場」が、同じ時間層に存在してしまうこととなる

そしてこの奇妙な状態が、片方の祭祀場で「銀蛇の指輪」を入手すると、もう片方の祭祀場から「銀蛇の指輪」が消える(入手済みとなる)という現象を引き起こす

一見不可解であるが、時間の差異が消滅したと考えれば説明可能だ

まず、前提として祭祀場は「二つに分裂したわけではない」
あくまでも祭祀場はこの世界にひとつだけあり、同様に「銀蛇の指輪」はひとつしかない

で、あるにもかかわらず、祭祀場は二つあるように思える

なぜか?

過去と現在の祭祀場の「時間の差異(時間の相対性)」が失われ、同一の時代に押し込められているためだ

その結果、因果律的にはひとつである祭祀場が、二つの祭祀場としてプレーヤーの前に立ち現れてくる。しかし両者は根本的に同一であるゆえに、一方の変化がもう一方にも影響を与えてしまう

「銀蛇の指輪」の不可解な挙動は「過去と現在にある祭祀場が時間という差異を失い、共時的に存在しているがゆえに引きおこる必然の出来事」なのである
火の無い祭祀場にいる結晶トカゲも同じ理由で、同じようなふるまいをする

他にも似たような現象が起きる
本編で「深淵の監視者」を倒すと火の無い祭祀場に「スズメバチの指輪」が出現する

「火の無い時代(火の無い祭祀場)」→「ロスリックの時代」という非可逆的な時間の流れを前提すると、これは絶対にありえない現象なのだ

未来の行動過去に影響を与えてしまうことになるからだ

だが、様々な時代相が同じ時間層に押し込められていると考えると、少なくとも不可能ではなくなる
「深淵の監視者」が倒されたことを察知した何者かがそこへスズメバチの指輪を置いた、あるいは、そういう仕組みだった等々

何者かを倒す→どこかにアイテムが出現する、という現象は「過去→現在」の構造を有するか、「それぞれの時代相が同時代にある」という仮定のみにおいて可能である

しかし「過去→現在」という構造を否定する根拠(英雄グンダ関連など)があるために、論理的には後者の仮定のみが可能となるのだ

まとめ

プレーヤーは過去の世界に時間を遡って行くのではなく、同時代層に押し込められた様々な時代相を持つ土地を冒険するのである

たとえるならば、2017年の東京に1945年の神奈川県や1980年の埼玉県が連結しているようなもので、人は空間的な移動を行うことで、「時間を遡ることなく」過去の時代相を保持している土地を旅行することができるのだ

そもそも薪の王とは、その役割から一時代に一人、と考えられる
長い時間をかけて、順々に薪の王となり、そして役割を終えていったのだ

しかしダークソウル3の世界では、6人の薪の王が同時に目覚めている
その6人の故郷を再現するには、それぞれの時代相を保った土地を、時間差を無視して連結するほかなかったのだと思われる

そうして生まれたのが、「無数の時間相が同時代層に押し込められている」というダークソウル3の奇妙な世界なのだ

その他の考察

なぜ私がこんなややこしい考察を主張しているかというと、これ以外に「銀蛇問題」を解決する考察が思い浮かばないからである

以下はいろいろ考えてみたものの却下した仮説。あまり読む必要のないもの

銀蛇問題とはどういうものか
「貪欲な銀の蛇の指輪」とは、火の無い祭祀場(過去の祭祀場)と、火継ぎの祭祀場(現在の祭祀場)、その両方に置いてある宝箱に入ってる指輪だ

この指輪が厄介なのは、過去と現在、どちらかの祭祀場で入手するともう一方の祭祀場から消える、ということだ

これが「過去で取ると現在では取れない」というだけなら説明は簡単だ
時間は過去→現在というふうに流れているので、過去の行為が現在に影響を与えるのは当然だからだ

だが、問題はそう簡単ではない

この指輪、「現在の祭祀場で入手しても、過去の祭祀場から消える」のだ
つまり現在の行為が過去に影響を与えるのだ

たとえるならば、二日前から冷凍庫に入ってるアイスを今食べたとする。そうするとアイスは「二日前から入っていない」ことになるのだ
奇妙というか意味不明すぎる

そこで無い知恵を絞って考えたのが以下の考察群である

時間旅行説
プレーヤーは過去の世界に時間を遡ることができ、その影響が未来へと現れるとする説
この仮説では「銀蛇問題」や「スズメバチの指輪」が解決できない

多世界解釈
二つの祭祀場がパラレルワールド関係にあるとする説も考えたのだが、実はパラレルワールド説を取ってもこの銀蛇問題を解決することはできない

世界は平行(パラレル)に分かれているはずなのに、「一方の世界で銀蛇を取ると、もう一方の世界から銀蛇が消える」のだ。これは明確に平行世界の定義を外れる

バグ仮説
同じマップリソースを使ったために残ったバグ、というメタ的な考察もあるかと思う

白い光として落ちている「スズメバチの指輪」や「混沌の刃」とは異なり、銀蛇は宝箱に入っている。この宝箱の配置/削除がプログラム的に厄介でやむを得ず残されたのだろう。結晶トカゲが銀蛇と同様のふるまいを見せるのも、そうしたプログラム上の処理の問題であろう、とする考察だ

量子論的重なり合い、絡み合った二つの祭祀場説
二つの絡み合った状態にある粒子は、一方を観測により確定すると、もう一方の状態も自動的に確定される(うろ覚え)
二つの祭祀場も粒子の絡み合いに類似した状態にあるのではないか、とも考えた

だが、この説の場合、プレーヤーが必ず「銀蛇指輪」の入った箱を最初に開けるという事実を説明できない(確率が常に100%になってしまう)

二つの祭祀場が重なり合った状態(シュレディンガーの猫的な)とすると、今度は二つの祭祀場の差異が説明不可能になる(一つの事象が確率論的に重なっているだけなのに、差異がある)

まとめ
本音を言うとバグ仮説を取りたい。それが最もシンプルな仮説だからだ

オッカムの剃刀を持ち出すまでもなく、直観的にはバグ説が正しいことを知りながら、どうしても考察せずにいられなかったのは、この世界構造の考察にダークソウル3の根幹が含まれているように感じたからだ

本編を考察しようとすると、どうしても世界構造の問題が立ちはだかって来る。そこを解決しないと、本編の細部すら考察を進められなくなるのである

しかしバグを前提にしてしまうと、今度はゲーム内のあらゆる現象にバグの影が付きまとうことになる。実際、説明しにくい現象はすべてバグやご都合主義で説明できてしまう

銀蛇はプログラム的なバグだし、DLC2にパッチや土の塔がでるのも開発の都合、オスロエスの存在が秘匿されているのは、そのシナリオを自重したからで、その他さまざまな疑問点は納期のデーモンにやられたのだ、と

きっとそれが正しいのだろう
まあいいや

2017年4月21日金曜日

【個別考察】ヨーム

大きく分けて「DS2の巨人の末裔」と「ヴァンクラッド王の末裔」の二説がある

ヴァンクラッド王の末裔説
顔の有無や、征服者という称号、巨大化したヴァンクラッド王の姿、「巨人殺し」の異名を持つ大剣ストームルーラーを持っていることなどがその主な理由

人が巨人になるという設定
個人的にヴァンクラッドの末裔説には抵抗がある
なぜならば、「人が強大な力を得て巨大化すると、巨人というになる」という設定を付け加えなければならないからだ

ソウルを得ると巨大化する、というところまではわかる。だが巨人という「」になるというのが解せない

明確な事実として、ストームルーラーはヨームに特攻を持つが、巨大化した人(サリヴァーンやアリアンデル)には特攻を持たない
やはり、ソウル(力)を得て巨人化した人間と、巨人種とは明確に区別されるべきじゃないかと私は考える

そもそも「ヴァンクラッド王が巨人となってその末裔が~」ということは、ヴァンクラッド王が巨人種に変貌したのちに子供をもうけたことになるが、果たしてそれが可能だっただろうか? 

巨人種になったのだから、相手は巨人しかいないはずである
巨人族の女性とのあいだに生まれた子供の末裔がヨーム、ということになる

そして、もしもヴァンクラッド王の巨人としての子息がいるのだとしたら、デュナシャンドラが見逃すはずがない。子息を利用して玉座を狙ったはずである

だが、DS2においてヴァンクラッド王の子息は登場していない。存在を示唆するテキストもない

征服者という称号
巨人の国を平らげたので、征服者という称号がヴァンクラッドに与えられた、ということなのだろうが、「征服者」という命名はどちらかというと「被征服者」側が新たな支配者に授ける称号だろう

そもそもDS2の時点で、ドラングレイグは滅んでいる
かつてドラングレイグを滅ぼした
巨人の王のソウル
 
海を渡ったヴァンクラッドは
巨人たちを捕え、王城へと連れ去った
その頃から、王の面持ちには
次第に暗い影が差すようになった(巨人の王のソウル)
征服され、滅ぼされたのはドラングレイグであって、 巨人の国ではない
ヴァンクラッドは海を渡り、力の源を奪ってきただけで、征服したわけではない

ドラングレイグという国を征服したのは、巨人族だ
その征服者の末裔となれば、当然巨人であるのがあたりまえなのである

ストームルーラー
自身に特攻を持つ剣を持つ理由
もちろん自分で作ったわけではないだろう。誰かが作りそれをヨームが受け継いだのだ

ヴァンクラッド王のソウルで創れるのが「ルーラーソード」であり、巨人を平らげた王の剣が巨人殺しの力を得たとしても不思議ではない

だが、何度も言うようにドラングレイグは巨人によって滅んでいる
その征服者が彼の剣を戦利品として入手していてもおかしくはない

顔の有無
顔とは差異の象徴である
元々巨人には顔があったはずだ。だが、ヴァンクラッドにその力(おそらく火)を奪われて、差異が消失し顔を失ったのだ
よって、DS2に登場する顔のない巨人のほうがイレギュラーであり、巨人は元は顔があった。そしてDS2における火継ぎにより、差異が復活、巨人たちは顔を取り戻したのだろう

あるいは征服者の数少ない生き残りがドラングレイグの地に住まい、その火によって差異を得た。その末裔こそがヨームであったと考えられる

まとめ
正直なところ、どちらにも決め手がない
考察しているうちにふと浮かんだのが、巨人(種族ではなく巨大化)となったヴァンクラッドは巨人族の女性とのあいだに子供をもうけたのではないか、そしてヨームはその末裔ではないか、という考えだ

つまり二つの説はどちらも合っていた、とする説だ
ヨームはヴァンクラッド王の末裔であり、DS2の巨人の末裔でもある

巨人という種ではなく、単に巨大化した人と、巨人族の女性とのあいだに子供が生まれる。その末裔がヨームだった

この場合、顔の有無の問題は解消される(人と巨人族のハーフ)うえに、征服者がヴァンクラッドでも巨人族でも、どちらでもよくなる

ダークソウルの手法について2 作者の死

手法については以前「ダークソウルの手法について」でいろいろ書いた
ロスリック王家の構造がイギリス史上の「エドワード懺悔王(証聖王)」と類似しているとか、クリエムヒルトとグンダが『ニーベルゲンの指輪』に登場する等々。

それ以前にも「グウィンという名前について」という記事で、グウィンやサリヴァーン、ロイド、アルトリウス、グウィネヴィアなどの語源を明らかにしたこともある

今ちょうど考察スレに「フィリアノールと小人の王たち=白雪姫と七人の小人」の一致が挙がっているが、おお、となった
眠る姫と小人という要素から白雪姫というストーリーを思い浮かばなかった自分の迂闊さをののしってやりたい

そのうえハーラルド騎士のソースコード上の名がマヌスであるという
白木の弓のテキストからウーラシールが輪の国と交流があったことがうかがえるが、マヌスの意思によるものだったという可能性も示唆される

ここで一つ疑問が思い浮かぶ
ウーラシールは魔術の国であり、マヌス自身も魔術師であった
騎士の要素などないではないか? 

いや、あるのだ。かの騎士の中の騎士アルトリウスである
つまりハーラルド騎士とは、ハーラルド騎士団が深淵に取り込まれて生まれた、アルトリウスの義兄弟のようなものである
強いはずだ

そしてハーラルドは、映画「白雪姫と七人の小人たち」の監督の名でもあるという
だからマヌスは小人の王たちの父であり、マヌスは恋人と再会できない恐怖にとらわれている云々
映画のヒロインはいわば「監督の恋人」のようなものであり「娘」のようなものでもあるこの「構造」を見事に表しているではないか

と、このように様々に考察が展開できるかもしれない

ただ、なんというか製作者が便宜上つけた名をもとに、創作物の重要なストーリー部分を解釈していいのかどうか、いつも悩むところである

要するにマヌスとは、「深淵に取り込まれた者だからマヌスにしとこう」という開発上の便宜的な理由からつけられた名であって、実際の「深淵の主マヌス」と関係があるのかわからないのである

自分で言っといてなんだが、映画監督の名との「構造的関係性」なんて、なんというか一種のうさん臭い精神分析的な印象すら受ける

ハーラルドは監督の名だ、という指摘には私自身は肯定も否定もできないのである。それがわかるのは製作者側だけだからだ

というわけで、私自身は最近はこうした方法を取らなくなってきている

作者の死
ロラン・バルトの言葉に「作者の死」というものがある
ウィキペディアから引用すると
バルトの仕事の中でも頻繁に議論されるのが、『物語の構造分析』に収録されている「作者の死」である。本稿でバルトは、現代においても、大きな支配的な概念となっている「作者」という概念に疑問を投げかける。私たちは、ある芸術作品を鑑賞するとき、その作品の説明をその作品を生み出した作者に求めがちである。これは、作品を鑑賞するということは、作者の意図を正確に理解することであるという発想である。このことから、たとえばボードレールの作品はボードレールという人間の挫折のことであり、ヴァン・ゴッホの作品とは彼の狂気であるという発想が導き出せる。しかし、バルトは、この発想を「打ち明け話である」として批判する。このように作者=神という発想ではなく、作品とはさまざまなものが引用された織物のような物であり、それを解くのは読者であるとして、芸術作品に対してこれまで受動的なイメージしかなかった受信者の側の創造的な側面を本稿で強調した。この概念は、後年のバルトの作品でもよく言及されている。たとえば、『テクストの快楽』においても、この概念についての論考が見られる(『テクストの快楽』p120)

要するに、ダークソウルというゲーム上に示された情報からストーリを解くことと、プログラムソースや元ネタをも含めて「作者の意図」を追求することとは別のことであり、ロラン・バルトは後者の方法を受動的として批判している

私自身もロラン・バルトの意見に賛同しているし、最近では元ネタにはあえて触れないようにしている

例えば阿部謹也さんの著作を読んでいると章題が「鐘の音でつながる世界(うろ覚え)」だったりゲートルードが出てきたりしてにやりとすることがある。だが、これがダークソウルのあれの元ネタなんだ、と強く主張することはない

ほかにも例えばブラッドボーンには「穢れ」という概念が登場するが、『ケガレ』を著した波平恵美子氏の論文に『水死体をエビス神として祀る信仰―その意味と解釈』というものがある。これをゴースの遺子(とそのマップ構造)の元ネタだろうと主張することも可能だろうが、するつもりはない(参考程度に触れるかもしれないが)

まとめ
紆余曲折して無駄に長くなったが、要するにもっと自由に考察してもいいのではないか、ということだ
ダークソウルはゲームなのだから、ゲームをプレイしたときの印象もテキストと同様に大切にしなければならないのではないか
あまり元ネタ探し、プログラムコード漁りに血道をあげても、それは作者の意図を理解するには適正かもしれないが、ダークソウルというゲームの考察としては、不十分なのかもしれない
以上


2017年4月19日水曜日

【個別考察】罪の都

考察スレで罪の都に関する考察が盛り上がっているので便乗して考察してみる
自分は以前に「ヨーム=ニト説」として罪の都を扱ったこともあるが、これはDLC発売前の余興という単なる戯言に近いものでもあった

まずはアイテムテキストを重視して考察してみたいと思う

罪の都の辿った歴史

1.神官の家族(女性)の呪いが切欠となり罪の火が生じる

異形と化した罪の都の住人
その中にあった異様な武器
彼女たちはある神官の家族であり
その呪いが、罪の火の切欠になったという
だが当人たちは、のうのうと生き続けていた(エレオノーラのテキスト)

2.罪の火が罪の都を焼く

冷たい頭蓋の器に納められた
罪の都を焼いた火の残滓(罪の種火)

3. 巨人ヨームが罪の火を鎮めるために薪の王となる

孤独な巨人は、罪の火を鎮めるため薪の王となった
彼を王と呼ぶその声に、心がないと知っていても(ヨームの王の薪)

4.ヨームを王として罪の都は敵対者と戦う

ヨームは王として一人先陣に立ち
決して揺るがず、その大鉈を振るったという
そして守る者を失い、彼は盾を捨てたのだと(ヨームの大盾)
大盾と一対で常に先陣にあったというが
ヨームが盾を捨てた後、左の持ち手が追加された
それは独特の叩き潰す剣技を生み
彼の晩年、その凄まじい戦いの語り草になった(ヨームの大鉈)

5.罪の炎が罪の都を滅ぼす

罪の炎に由来する呪術
離れた敵を炎で包み、焼き払う
巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという(罪の炎)

補足

・神官とは宮廷魔術師のことである
その黒く高い帽子が示唆するように
彼らはまた、神官でもあったという
その儀礼的な金刺繍が示唆するように
彼らはまた、神官でもあったという
罪の都、その宮廷魔術師たちの絹の手袋
彼らはまた、神官でもあったという
罪の都、その宮廷魔術師たちのズボン
彼らはまた、神官でもあったという(宮廷魔術師シリーズ)
 ・宮廷魔術師はローガンの魔術を継承すると主張していた
大賢者「ビッグハット」ローガンの魔術
その継承を主張する魔術師は多いが
罪の都は、その大きな二派のひとつである(宮廷魔術師シリーズ)
宮廷魔術師たちは
かの「ビッグハット」ローガンの継承を主張し
その杖もローガンのものに似せたという(宮廷魔術師の杖)
・事実、ローガンの魔術を継承していた
罪の都の宮廷魔術師たちの秘蔵の書
魔術師に渡すことで
ローガンの魔術を学べるようになる
それは確かに、かの「ビッグハット」の魔術であり
ローガンの後継を名乗った宮廷魔術師たちにも
三分の理ていどはあったようだ(ローガンのスクロール)

 考察

以上の記述から罪の都の歴史が大まかに理解できるかと思う

最盛期の罪の都は、おそらく魔術の国であったと思われる
宮廷魔術師(神官)が権力を握り、王は軽視されていたか、存在していなかった

ある時、ある神官の家族(女性たち)の「呪い」を切欠として、罪の火が生じる
罪の火は都を焼き尽くす勢いで燃え広がり、その「決して消えない罪の火」を鎮めるために人々は巨人ヨームにすがった
ヨームは人々の心が虚ろであることを知りながら、薪の王に就く

そこへ敵国が侵攻してくる
 ヨームの大盾のテキストによれば、彼は守る者を失ったのち大盾を捨てたとされる=おそらく味方の軍が全滅したのだろう。もし侵攻していたのであれば、そうなる前に撤退するはずである。また、罪の火に焼かれた罪の都には、他国を攻めるほどの国力はないはずである

ヨームは大盾を捨て、大鉈を用いて戦った
そして勝利したのだろう。そうして彼は「孤独な王」となった

敵国とはどこか?
ヨームの玉座を狙う高台に「鬼討ちの大弓」と「鬼討ちの大矢」が落ちている
東の地に伝わる独特の大弓
彼らの神話によれば、角を持つ巨人
鬼を討つために使われたという(鬼討ちの大弓)
東の地で鬼を討つために使われたという大矢
大弓でしか射つことができない
老カラスの羽を用いたというその矢は
羽の主と同じく真っ直ぐに飛ぶという(鬼討ちの大矢)
このことから推察するに罪の都は「東国」と戦ったと考えられる
 奇妙なことにイルシールの地下牢やアノールロンドには「東国関連」のアイテムが落ちている(アルバや東人の遺灰など)。古い時代には東国と罪の都やイルシールがわりと近い位置にあったのかもしれない

自軍が全滅した後、大盾を捨てたヨームは凄まじい戦いを繰り広げ、侵略者を追い返す
大盾と一対で常に先陣にあったというが
ヨームが盾を捨てた後、左の持ち手が追加された
それは独特の叩き潰す剣技を生み
彼の晩年、その凄まじい戦いの語り草になった(ヨームの大鉈)
孤独な王は、心無い者たちにかしずかれながら、罪の都を統治する
だが罪の都の人々の、冒涜的な行いが破滅をもたらすことになる
罪の都の侍女たちの短剣
攻撃命中時に、ほんの少しFPを回復する
その女たちは愉しみに人を傷つけたという(侍女の短刀)
このような行為が平然と行われる罪の都に「罪の炎」 が降り注ぐ
罪の炎に由来する呪術
離れた敵を炎で包み、焼き払う
巨人ヨームが薪の王となった後
罪の都は炎により滅びた
それは空より生じ、人々だけを焼いたという(罪の炎)
罪の都はついに滅び去り、宮廷魔術師はその顛末を物語に記し、それは奇跡となった
「フォース」の古い原型
強い衝撃波を発生させる
「神の怒り」は非常に長い物語であり
「フォース」はその略述である
原型となる深い怒りの物語は
衝撃波に大きなダメージを伴うものだ(神の怒り)
やがて一人の若き魔術師が罪の都を訪れる
遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
若き魔術師サリヴァーンの心にも
消えぬ野心が灯ったのだろう(罪の大剣)

妄想

「罪」「呪い」「巨人」といった単語群から、どことなくダークソウル2に関係が深そうな場所であるが、結論を先に述べると「罪の都とはドラングレイグの別称である

ヨームは「古い征服者の末裔」である
これについてはDS2において「最後の巨人」が打ち倒されたのだから、その末裔であるはずがないという疑問が浮かぶが、これについてはDS2本編ですでに「巨人兵」なる巨人が登場するという矛盾が生じている
そして「最後の巨人」とは別の巨人(しかも征服者にふさわしい兵士である)が登場するのだから、その末裔が存在しても不思議はない

ヨームはヴァンクラッド王の末裔説
ヨームをヴァンクラッド王の末裔とする説もある
顔の有無や「征服者」の称号、巨人殺しのストームルーラーを二本持っていたことも併せて考えると腑に落ちる点も多い

篝火の近くにギリガンの死体がある
梯子をかけるのを仕事としている彼がなぜそこにいるのか
当然ながら仕事で梯子をかけに来たのである

誰のために?

サリヴァーンだろう

最後の梯子をかけたあとで、彼はサリヴァーンに殺害されたと思われる

ドラングレイグから罪の都までの流れ
DS2の火継ぎエンド後、王国は活力を取り戻したと思われる
だが、王になるべき者は姿を隠したままだった(ピザ窯に入ってる)
そこで王のない国としてドラングレイグは新たな秩序を必要とした
それが、宮廷魔術師たちによる統治である
ゴーレムの技術はやがてガーゴイルを生み出した

神官たちによる統治はやがて腐敗してゆく
王妃デュナシャンドラを矮小化したような女性たちが富を渇望し、やがてそれは「呪い」となった
デュナシャンドラのソウルから生み出された弓
かつて深淵にあった者は
滅びと共に、無数の破片に分かれ散った
闇と光は一体であり、ソウルと呪いもまた然り
かつて王たらんとした者たちの前に、それは現れた
その強く、眩い力に惹かれて(渇望の弓)
これによるとソウルと呪いは表裏一体。ソウルを集めることは呪いを集めることと同義。
彼女たちは貪欲にソウルを集めた果てに、「始まりの火」を生みだそうとする
だが「始まりの火」を生み出すことは
その牢獄のずっと奥に「忘れられた罪人」がいるのよ
はじまりの火を生み出そうとした、バカな罪人がね(愛しいシャラゴア)
とあるように、罪と直結する
彼女たちが始まりの火を作り出すことができたかどうかはわからない
だが、その「切欠」となった
罪の火(始まりの火、あるいは闇)は王国を焼き尽くそうとするが、一人の巨人に救われる

「古い征服者の末裔ヨーム」だ
王は彼でなければならなかった。「罪の火」を一身に引き受ける存在が必要だった
それは古い時代には「王」と呼ばれていた。ゆえに「征服者(王)」の血を引く存在が必用だったのだ

薪の王となり、始まりの火に身を焦がされ続ける運命を受け入れたヨームは、王国のために戦い、そして勝利する

しかし王国は結局「罪の炎」によって滅亡してしまう
王国の名は忘れ去られ、その消えることのない罪の火から、罪の都と呼ばれるようになった

罪の炎とはなにか?
罪の炎がおかれているのは、イルシールの地下牢にいる巨人囚人の足元である
あの巨人はイルシールの地下牢の最初の囚人だ
イルシールの地下牢
その最も古い牢の鍵
地下牢最初の囚人は一匹の巨人であり
その足元に人のための牢が作られたという(古牢の鍵)
 侍女が囲んでいる罪の火ではない
遥か昔、イルシールのはずれ
その地下に罪の都と消えぬ火を見出したとき
若き魔術師サリヴァーンの心にも
消えぬ野心が灯ったのだろう(罪の大剣)
罪の都のガーゴイルの持つ灯火の石槌
消えることのない罪の火を灯し
炎属性の攻撃力を持つ (ガーゴイルの灯火槌)
サリヴァーンが見たのは、消えることのない罪の火であり、罪の「炎」ではない

「神の怒り」とも異なる。神の属性は雷であり、炎ではない。「罪の炎」に由来する「罪の炎」という呪術がある以上、そして「神の怒り」という奇跡がある以上、それらは区別されなければならない

では「罪の炎」とは何なのだろう
罪の炎は「消える」「空から生じる」「人々だけを焼く」といった特徴を持つ

あまり自信はないが、ひとつだけあてはまるものが存在する
「空に浮かんだダークリング」
である

ダークリングの周囲は炎が象っている
さらにそれが人にも現れることがある
人々はダークリングの炎に焼かれ、呪い人となった
(罪の炎のテキストには人々を焼いたとだけ書かれている。焼き殺したとは書いてない)

呪術「罪の炎」は、「罪の炎」に由来するだけであって、「罪の炎」そのものではない
人々がダークリングに焼かれる、その烙印を押される様を、呪術として再現したものが「呪術の罪の炎」である

お決まりの流れ
始まりの火が現れ、やがて火が衰えてダークリングが現れるというのはシリーズ定番の流れのようなものである
そして火継ぎをして火勢を復活させたとしても、結局は火は衰え、世界は滅亡に向かってしまう
滅亡の寸前、空に巨大なダークリングが現れる、その黒い穴を象る炎こそ「罪の炎」なのだろう

罪の都は始まりの火(罪の火)を起源としダークリング(罪の炎)を終局とする、その「流れ」を象徴する場所だと思われる

後記

テキストによる考察と、考察、それと妄想、それぞれ矛盾した部分、齟齬がある
というかそもそもテキストによる考察からして正しいとは思っていない
いろんな読み方があり、ある部分は妄想で補うことしかできない
罪の都の考察はなかなか難しい。だからこそ人が惹きつけられるのだろうか


2017年4月17日月曜日

ダークソウルの世界における「輪の都」とその歴史

ダークソウル1の頃から構想されていたという「小人」とその舞台としての「輪の都」とは、いったいどういったモノなのだろうか

分かる人にしかわからない例えで申し訳ないが、簡単に言ってしまうと
「輪の都とは漫画版ナウシカの墓所」
である

ナウシカの墓所とは、旧人類が再び世界に復活するときのために作られた「旧人類の技術力と種の保存場所」である

内部には科学者の末裔が住み着き、旧文明の高い技術力を保有しており、ドルク国は墓所を聖地として、そのうえに首都を築いたのだという
ドルク国の王は彼らからの技術供与を受けて繁栄し、先代の王は人を救う方法を求めて墓所へと至り、ヒドラという不老不死の怪物を連れて帰ったという

要するに技術、科学力が保存されている文明の卵的な聖地だ

さて、輪の都にも様々な国の者たちが訪れた形跡がある

「それは、深淵歩きの英雄譚でも知られる
深淵に飲まれた古い魔術の国の足跡である」(白木の弓)

「古く王命により、輪の都を訪れた騎士団の兜」(虚ろの兜)

「はるか昔、ある使節団が輪の都を訪れたとき」(古めかしい平服)

彼らは何を求めて輪の国へとやってきたのか
おそらくは「輪の都」にだけ伝えられる技術、魔術、知識だろう

というのも、輪の都の外部では無数の王国が勃興と衰退を繰り返し、そのたびに文明が衰退していたが、流刑地である「輪の都」は滅びを経験することなく存続していたゆえに、神代の知識が保存されていたからだ

ある者は魔術を超える深淵を求め、ある者は呪いを解く法を輪の都に求めた
ある者はそれを持ち帰り、ある者は代わりのナニカを持ち帰った

ダークソウルのストーリーの背後には必ず「輪の都」があったのである


輪の都の歴史
その輪の都の歴史を再構成したいと思う。いうまでもなく妄想だ

1.小人たちが神グウィンから「輪の都」とフィリアノールを贈られる
2.小人の王たちから狂王が出てフィリアノールを殺害
3.シラが狂王を封じる
4.小人の王たちがフィリアノールのソウルを使い、かりそめの都を創る
5.世話するもののいなくなったミディールが解き放たれ、闇を求めて都を去る
6.様々な国から様々な使節団が訪れる(DS1~3)
7.ゲールが隠されていた本物の輪の都に侵攻
8.フィリアノールが眠る
9.ミディールが約束を果たすために戻ってくる
10.灰の英雄が訪れる
11.ミディールが殺され、フィリアノールの眠りが壊される
12.ゲールが小人の王たちを喰らい始める


狂王がフィリアノールを殺害したという考察
前提としてフィリアノールはシラの主人である
「私はシラ。教会の主、王女フィリアノールに仕える者です」

にもかかわらず、彼女は不死の狂王を封じている
彼女だけにそれが可能だったのもあれど、もうひとつには、狂王の存在が主たるフィリアノールを害する可能性があったからだろう

狂王はどんな形態であれフィリアノールを害そうとする
ゆえにフィリアノールに使えるシラはそれを防がなければならなかった
単に狂った王がいるというだけであれば、シラはそれを放置したはずである
どうにかして封じなければならない理由があったのだ
「主の危機」以外にこれほど苛烈な手段をとることはないだろう

眠りが壊れた後で、シラがそれまでこもっていた部屋から出て主人公に襲い掛かってくるのは、フィリアノールが消滅し、狂王が主を襲う心配がなくなったからだろう

そして彼女は言う
「だからこそ、私は許しません
お前たちの裏切り、冒涜、そして卑しい渇望を!」
裏切りとは、狂王がフィリアノールを殺害したこと
冒涜とは、小人の王たちがフィリアノールのソウルを錬成したこと
卑しい渇望とは、フィリアノールの眠りを壊してまでダークソウルを求めたこと

シラの行動原理はすべて主人であるフィリアノールが絡んでいるのである
シラの不可解な言動は、フィリアノールを中心に考えることで、理解できるものとなる





2017年4月16日日曜日

王廟について

輪の都の入り口にある篝火の名は「王廟の見張り」である
この塔のような建物が王廟だと思われる

フィリアノール教会前から見ると↓のように断崖絶壁の孤立した地形となっていて、歩いて到達することは不可能となっている

右側にちらりと見えている建物の全体像が↓である。ここは「王廟の見張り」の篝火から進み、巨人の法官の裏側に進んだ場所で、中段、左側のあたりに説教師がいるところである
この王廟が物議を呼んだのは意味ありげに登場するにも関わらず、到達できなかったからである。行く方法があるのではないか? とか、隠しマップか、などと言われていたが真相はもっと単純なものだと思われる

考察スレにも書かせてもらったがようするにここは
そのままでは王廟に行けない→卵に触れる→王廟が崩壊する→小人の王たちと会えるっていうギミックかと
吹き溜まりのDS3→DS1へマップがつながっているという演出に続き、わかりにくい演出である

↓は殻に触れた後の世界である。王廟が崩れているのが確認できる。

おそらく王たちは崩壊によって住むことのできなくなった王廟を棄て、砂漠に玉座を移動したのだろう。そこをゲールに襲われたのだ

DS3のDLCは一見なにか意味ありげなように見えて、実は開発者側の意図が伝わっていないだけ、ということが多いように思われる

しかし、それでいいのだろうとも思う
本来この記事はもっと早く公開しようと思っていたのだが、あまりに「まともな考察」だったので踏ん切りがつかなかったものだ
普段、妄想に近い考察を書きなぐっているが、時にはまともな考察もするんだぞと

2017年4月15日土曜日

【個別考察】吹き溜まり

時系列

本編の未来だが、ゲールと戦う時空よりも前

本編→→吹き溜まり→→→→ゲール戦の場所

マップ構造

ファミ通の宮崎氏インタビューによると
ロスリックの残骸(DS3)→土の塔(DS2)→初代祭祀場(DS1)と時代を遡る構造になっている


NPC

蓋かぶりの老婆

遺灰のテキストやセリフからローリアンの乳母であったと思われる
鉄塊の坊や(ラップ)とは知り合い

「鉄塊の坊やが最後かと思ったけど、どうして分からないものさね」
このセリフからゲールのことは知らないのではないか? という推測が一部にはあるが、ラップが最後と言っているだけで、ゲールを知らないと断言しているわけではない

ラップ

記憶をなくしたラップとして登場

ゲール

白霊としてデーモンの王子戦に加勢してくれる
プレーヤーを導くようにメッセージと赤い布を残していく


考察

蓋かぶりの老婆をエンマと解することも可能だが、そうすると本編で死んだエンマはいったい何だったのか、という疑問が生まれる。異なる世界線だとかパラレルワールドだとか考え始めると収拾がつかなくなるので、まずは別人だと考えることにする

さて、乳母とは一般に子供の世話を終えたらお役御免である
デーモンの王子と戦えるほど成長したローリアンの乳母も役目を解かれているはずである。一方ロスリックはいまだ病弱の身であり、独り立ちしていない。ゆえにエンマが近くで見守っていたのだろう。

役目を解かれたローリアンの乳母はどうしただろう? おそらく王権の中心からは遠ざけられたはずだ。辺境へと送り込まれたか、あるいはそこが故郷だったのか。とにかくロスリック城からは遠ざけられた。(※祭儀長の指輪のテキストの内容から間違い)

蓋かぶりの老婆が「巡礼」の姿をしているのは、遠い辺境の地からロスリックを目指して巡礼の旅に出たからだろう。
しかし彼女が到着したときロスリックはとうに滅び去り、吹き溜まりに打ち捨てられていた。彼女はロスリックの残骸から、滅び去ろうとしている世界を見下ろすことにした。

その彼女の横をゲールやラップが通ってゆき、ラップとは言葉を交わすまでになった。そうして最後に到来したのが灰の英雄であった

老婆は最後にこう言う
「あんた、死ぬんじゃないよ
あたしの景色が、悲しくなるのはご免だからね」

驚いたことに、フィリアノールの眠りを壊したタイミングで彼女は死に、遺灰を残し天使になってしまう
吹き溜まりに登場する天使とは異なり、彼女には本体がなく、倒しても篝火にかがれば復活してしまう


老婆の正体

「フィリアノールの眠り」によって存在形態を変えるということは、フィリアノールの眠りと老婆には何らかの関係があると考えられる

私は以前の記事「【個別考察】輪の都」においてフィリアノールのソウルを利用して「かりそめの輪の都」が作られたと考察したことがある
「かりそめの輪の都」は、「本物の輪の都」を世界から隔絶するための緩衝帯として存在し、人類は「かりそめの輪の都」を本物の輪の都だと思い込まされてきた

だが、本物の輪の都が滅びを迎えたとき、フィリアノールは「かりそめの輪の都」を救うために、「眠り」についた
その眠りが壊れることで時間の流れが元に戻り、滅びへの道へ戻るのである

そのあたりは考察が複雑になりすぎて、完全に白紙に戻して考察しなおそうとも思っているが、とにかく「フィリアノールの眠り」が壊されることで、老婆が死ぬことは確かである

だとしたら老婆の正体はいったいなんだったのだろう。
結論を述べると「蓋かぶりの老婆はかりそめの輪の都の人間であり、フィリアノールの眠りが壊された時、停滞していた時間が再び動き出したことで天使と化すのである」

ロスリックは輪の都の人間を王子たちの乳母としていた
十分に成長したローリアンの乳母は故郷(輪の都)へ帰された
ロスリックが火継ぎを拒否したことを知った乳母は、ロスリックへの巡礼の旅に出る
だが、すべては遅すぎた。乳母が到着したときロスリックは滅び去り、そこにあったのはロスリックの残骸だけであった。
老婆はそこで「神様」のように人の営みを見下ろし続けていた
やがてフィリアノールの眠りが壊されたため彼女の時間が流れ出し天使となった

老婆に「輪の都」について尋ねたとき、彼女はこう答える
それは確かに、この吹き溜まりの先、一番深い、その先さね」
それは確かに
老婆はその存在があることを確かに知っていたのである

なぜなら彼女こそ輪の国の人間であり、そこからやってきたからだ

補足
輪の国にいる人々は「虫」の姿をしている者が多い
説教者だったり、あるいは亡者であったり、聖職者であったり、彼らは「虫」的な特徴を持っている
そして、吹き溜まりに登場する「天使」の本編における名前は「巡礼の蝶」である
老婆が「巡礼の蝶」となったのは、彼女が輪の都の人間であるからだ

2017年4月14日金曜日

電撃PlayStation Vol.636 完結記念インタビューについて

宮崎氏のインタビューに関するいくつかの覚書

DLCについて

・DLC1は絵画世界の終わりの話
・DLC2は次の世界を描くための話
・DLC全体が「古い絵画が終わり、新しい絵画を描こうとする話」
・本編「火継ぎの終わり」で描かれた「世界の終わりとその次の話」という「流れ」との類似

ここで注意したいのは、本編火継ぎの終わりEDとDLCのEDは、その「流れ」が類似しているのであって、「ED自体」が類似しているのではないということだ

あくまで「世界の終わり→新しい世界」という「流れ」、「構造」が類似しているのである。けっして両者のED後に描かれる「新しい世界」が類似しているわけではない

名前について

・火の陰りきった世界では意味が失われてゆく
・名前は意味の象徴である
・画家の最後のセリフにも意図がある

言語学者ソシュールの差異の話を想起させるような内容である
うろ覚えながら簡単に説明すると、意味とは「ア」と「イ」という音を区切ることで初めて生まれるものであり、そうした差異の集合体が「言語」である、というものだ
その区切り方は恣意的なもので、「言葉」とは意味そのものではなく、意味を象徴するものである

要するに、「差異」が世界を創造するダークソウルの世界において、「差異」の仕方を変えればまた別の世界を創造することができるということだ
火であったり、絵を描くことであったり、恣意的なやり方で世界を創造することができるのである

だから画家はプレーヤーに名前を聞いたのだ
プレーヤーの名前ごとに、名前の数だけ新しい世界が創造される、そういう意味を込めて

人間について

・性格的に、高らかに人間愛を謳いあげることはしない

だから隠した、ひっそりとその最も暗い世界の果てに
と、曲解することも可能だが、あまりこだわろうとも思わない

篝火について

・「困難に挑むための僅かな希望であり、困難に挑み克服した僅かな証」

宮崎氏にしては珍しく「クサい(誉め言葉)」言葉である


絶望の闇の中に瞬く希望の光
暗い魂の内に宿る、導きの灯
その熱い血潮こそが、新たなる世界を創造する
DLCはそういう話

2017年4月12日水曜日

【個別考察】輪の都(THE RINGED CITY)

個別の考察に入りたいと思う
まずは「輪の都」

よく挙げられる考察例
1.幻影だよ
2.時間を止めてたんだよ
3.夢の中だよ

1は脈絡のないステージ構成からだろう(DS3→1という構造はわかるが、その選別の意味が不可解という意味)
2は眠りを覚ました後、未来(と思われる)砂漠に飛ばされるから
3はフィリアノールが眠ってるんだから夢の中なんじゃないか、という連想

先に結論を述べさせてもらうと「輪の都」とは、
フィリアノールのソウルで錬成されたかりそめの都市」である

3つの事実

1.現時点で「フィリアノールのソウル」をプレーヤーが入手することはできない
 近しい存在であろうロザリアやオスロエス、無明の王、王たちの化身のソウルすら入手可能であるにもかかわらず彼女のソウルだけが手に入れられないというのは不自然である。何らかの理由があるはず。

2.フィリアノールが抱いている卵の殻は錬成炉である(公式アートブックから)
 錬成炉はソウルを錬成して何かを具現化する装置である

3.殻に触れた後も「輪の都市」に転送可能
 輪の都が錬成炉で生み出された「かりそめの時空」であるとすれば、システム上の都合と割り切る必要もない

まとめ

まとめると、フィリアノールのソウルが得られないのは、それがすでに利用されているからであり、何に使われたかというと彼女が自分で抱いている錬成炉によってソウル錬成されたのである

ソウル錬成によって生まれたのが「輪の都市」と呼ばれる場所であり、この場所は「現実に実在する場所」でありながら、「かりそめの場所」でもある

ソウルを使われた以上彼女は「死んで」いるのが必然であり、ソウルによって生み出された都市は、ソウル錬成によって生み出された武器と同様に、ソウルの主が死んでも残るものなのである

殻に触れる

では殻に触れるという行為にどういった意味があるのか

錬成炉によって「かりそめの場所」が創られたとき、その時空はある一点から爆発的に拡がったはずである(一点から風船が膨らむイメージ)

その一点こそ錬成炉の中心である

現実に存在する錬成炉の中心から「かりそめの場所」が創造されたことで、その一点は「現実」と「かりそめの場所」が接する特異点ともなった

ゆえに、そこの至った者(灰の英雄)はワープホールを通るように「かりそめの場所」から「現実」へと転移するのである

その転移した「現実」こそが、あの荒れ果てた砂漠だった


ゲールと灰の英雄の時間差について


果てしない旅を経てきたゲールと、灰の英雄との間には時間差が見受けられる
この時間の相違はなぜ生まれたのだろうか

私は過去に「先に到達したゲールが卵を損壊したため、時空が狂った」的な考察をしたこともあるが、卵が錬成炉だったとすると結論が異なるように思われる

混同してならないのは、「輪の都」には「現実の輪の都」と「錬成炉製(かりそめの輪の都)」のものがあるということだ

そして「かりそめの輪の都」は「時間が停滞」している
ゆえに、現実の輪の都が砂に埋もれているにも関わらず、灰の英雄が通った輪の都は崩壊前の姿を保っていたのだ

おそらく二つの都市はある時期までは、同じ時間の流れを共有していただろう
だが破局を迎えるにあたって、ある者が時間の流れを押しとどめた

誰か?

「かりそめの輪の都にいるフィリアノール」である
彼女は眠るという行為によって時間の認識を「拒絶」し、その結果「かりそめの輪の都」は完全な破局を免れることができたのである

シラが眠りを侵すなと強く頼むのは、フィリアノールが目覚めてしまえば再び「時が流れ出す」からである

よってフィリアノールの殻に触れた後に転送によって行ける「輪の都」は厳密にはそれ以前と異なる
それ以前は時間が停滞していた世界であり、触れた後は実は時間が流れているのである
やがて長い時の果てに「かりそめの輪の都」も「現実の輪の都」と同じ姿になるであろう

さて、この「フィリアノールの眠り」は最終手段として予定されていたことだった

ミディールは「古い約束に従い、王女の眠りを守るために」街へ戻ってきた
ずっと眠っていたわけではない。眠ったから約束に従いミディールは戻ってきたのである

もしフィリアノールが太古から眠っていたのだとしたら、ミディールもまた太古からずっと輪の都にいることになる。となると闇を喰らうタイミングが失われる。やはり王女が眠ったのは、時間がかなり下った時点だと考えるのが適切だろう

では彼女に最終手段を取らせた原因はなんだっただろうか

それはゲールしかいない

奴隷である彼は「勅使の小環旗」を使用することが許されなかった
そこで彼は「吹き溜まり」から「果てしない旅」を経て王女のもとにたどり着いたのだ

灰の英雄は「フィリアノールの目覚め」という一回限りの出来事により、最後の地にたどりつくのである
よってゲールは灰の英雄とは別のルートで、あの場所へたどり着かねばならない

どこを通ってきたのか?

「現実の輪の都」である

彼は「現実の輪の都」を死闘を繰り広げながら通り抜けた
輪の都が砂に埋もれるほど、気の遠くなるような長い時間をかけて侵攻していっただろう

その際、シラのことは素通りしただろうと考えられる
なぜならシラは闇を恐れていたし(狂王を抱いて部屋にこもっていたということもある)、ミディールは神族など興味はなかった(同じ理由でミイラ化したフィリアノールは素通りしたはずだ)

ついに彼は王廟へ至り、王たちを喰い始めた

その時点でフィリアノールは「火の終わり」を「知った」した
特異点の直近におり、火にすがる神族でもある彼女には、それが把握できた

そして「かりそめの輪の都のフィリアノール」は「火の終わりに、闇の傍」で「眠りについた」
その後、王女の眠りを護るために、ミディールが「かりそめの輪の都」へとやってきた

そんな状況で灰の英雄が到来したのである
灰の英雄は停滞した時間のなかでミディールを屠り、シラの頼みを無視してフィリアノールを目覚めさせてしまう(その間現実の世界ではものすごい速さで時間が進んでいた)

フィリアノールが目覚めたことで停滞していた時間は再び流れ出し、破局は必然となった

目覚めはフィリアノールにとっても悲劇的なものとなった
目覚めたことで彼女は、自身が「かりそめの存在」であり本当の自分が死んでいることにも気づいてしまう

いわば二重の目覚めにより、「かりそめの輪の都」の彼女は死体すら残さずに消滅してしまう(目覚めさせたあと「かりそめの輪の都」のフィリアノールの寝室を訪れると姿が消えている)
もし、灰の英雄がいた世界が現実であるのならば、フィリアノールの遺体があるはずである(廃墟になった未来では、彼女の遺体はそこにある)

時間が止まっていたんだよ説だと、これが説明できない
遥か未来にすら遺体が残っているというのに、その過去に遺体がないのは不自然だ

よって、灰の英雄が通ってきた輪の都は「現実の輪の都と同一ではない」

だが、完全な夢というわけではない
灰の英雄が、最後の地に到達したときフィリアノールはすでにミイラ化している
死んでいる彼女が夢を見られるはずがない
フィリアノールの夢だよ説だと、これが説明できない


だが「フィリアノールのソウルで錬成されたかりそめの都市」であれば、現実のフィリアノールの生死は問わないし、ゲールと灰の英雄の時間の流れの差も説明できる


結論

「輪の都」は二つある
一つはゲールの通ってきた「現実の」、もう一つは灰の英雄が通ってきた「かりそめの」輪の都だ
「かりそめの輪の都」はフィリアノールのソウルを使用して錬成された都市であり、「現実の輪の都」とは時間の流れ方が異なる

かりそめの輪の都の存在理由としては、「流刑地である現実の輪の都」を世界から隔絶する役割があると思われる
人がその歴史に記した「輪の都」はおそらく「かりそめの輪の都」であり、「現実の輪の都」は、「誰も知らぬ」存在として誰の目にも触れずにずっと隠されていた

火が陰り、あらゆる時代のあらゆるものが吹き溜まりに集まるような末世になって初めてそこへ到達することが可能となったのだ

2017年4月6日木曜日

ダークソウル3 DLC ASHES OF ARIANDEL, THE RINGED CITY解説

DLC1とDLC2を貫く主題

新しい世界(絵画)を創造するための旅
DLC1と2のストーリーを総合すると上記のようになる

新しい世界を創るために必要なもの

  • 画家
  • 顔料

「…火を知らぬ者に、世界は描けず」(フリーデ撃破後の画家)
「火に惹かれる者に、世界を描く資格は無い」(同上)

画家

お嬢様のこと

顔料

素材となるのは、暗い魂(ダークソウル)

DLC1:ASHES OF ARIANDEL

新しい世界を描くために、画家は「火」を見なければならない
だが火は教父アリアンデルの血によって抑え込まれている
それが可能なのは灰がフリーデ一人しかおらず、その火勢が弱いからだ

 アリアンデルが苦しんでるのは、灰でもあるフリーデのせいである。苦しみの原因がフリーデであることを理解しながらもアリアンデルはそれを許し、一方フリーデはアリアンデルの苦痛を愛おしく思っている…あるいは嗜虐的な悦びを見出している
 フリーデが灰の英雄に倒された時、アリアンデルは彼女を復活させるために火を熾す。それが世界を燃え立たせると知りながら

そこへ奴隷騎士ゲールの要請を受諾した灰(プレーヤー)がもう一人あらわれる
二人目の灰は囚われていた画家を解放し、浄化の炎を熾そうとする

「いつか灰はふたつ、そして火を起こす」(フリーデ戦のアリアンデル)
「やはり君には、灰には、火が相応しい」(同上)
フリーデとプレーヤーの灰が合わさることで生まれた火により、絵画世界は浄化される

 絵画世界が燃えてなくなるのではなく、おそらく深みの聖堂でゲールが手にしていた腐った切れ端が燃え尽きる。そのことで絵画世界は元の世界から完全に切り離される

キャンバスの前に戻った画家はこうつぶやく
「…火の音が聞こえる…きっともうすぐ見える」(フリーデ戦後の画家)

これで絵画を描く画家の準備は整った
あと必要なのは顔料となる暗い魂だけである

DLC2:THE RINGED CITY

暗い魂を求めて奴隷騎士ゲールは輪の都を目指す
彼が灰の英雄(プレーヤー)を誘ったのは、自分が英雄ではなく、画家のもとに帰れないことを知っていたからだ。顔料をお嬢様に届ける者が必要だったのだ。

「彷徨える奴隷騎士、赤頭巾のゲールは絵画世界の顔料のため、暗い魂の血を求めた。だがゲールは、自らが英雄でないと知っていた。暗い魂は彼を侵し、帰ることはないだろうと」(奴隷騎士ゲールのソウル)

果てしない旅と戦いののち、ゲールはついに輪の都にたどり着く。

「果てしない旅と戦いにより各所が歪み、血に錆びついており酷使により壊れやすい」(連射クロスボウ)
「奴隷騎士ゲールの大剣。ずっと共にあった唯一の武器。元々は処刑用の断頭剣であったが歴戦により、その刃は大きく欠け血と闇に染まりきっている」(ゲールの大剣)

だが、小人の王たちの血は、顔料としては使い物にならないものだった

「ゲールが小人の王たちに見(まみ)えたとき、彼らの血は、とうの昔に枯れ果てていた。そして彼は、暗い魂を喰らった」(暗い魂の血)

怒りに身を任せたのかあるいは確信があったのか、ゲールは小人の王たちを、その暗い魂を喰らいはじめる。

やがて暗い魂の血がゲールの虚ろに生じる
「奴隷騎士ゲールの、虚ろに生じた暗い魂の血」(暗い魂の血)

暗い魂(ダークソウル)の化身と化したゲールは、遅れてきた灰の英雄に討伐される

暗い魂の血を得た灰の英雄はそれをお嬢様へ渡す
「これで私は、世界を描きます」

お嬢様は灰の英雄の名をつけた世界を描く
「…ありがとう。私はその名で、世界を描きます」

「ずっと寒くて、暗くて、とっても優しい画」
「きっといつか、誰かの居場所になるような」

彼女は帰ることのないゲールの帰還を待ち続ける
「…ゲール爺も、いつか帰ってくるのかしら」
「新しい画が、お爺ちゃんの居場所になるといいな…」

DLCの主役

DLCにおいてプレーヤーはいわば脇役である
主役にふさわしいのは奴隷騎士ゲールのほうだろう

帰ってこられぬことを知りながら、彼は顔料を求めて長く厳しい旅に出る
そうまでして彼を駆り立てたものは何だろう?
彼はそれを語ろうとしない

ただ、お嬢様の描くであろう新しい世界の絵のために、彼は死の旅に出るのである
自らを犠牲とし、その身の内に暗い魂の血を宿し、自らを討たせることで彼はその目的を遂げるのである

そうして創られるのは、誰かの居場所となるような優しい世界である

彼はお嬢様のためでもなく、自分のためでもなく、ただ他者に対する慈しみの感情によって、自らの身に世界で最も邪悪な、穢れたものを宿すのである

この自己犠牲によって、穢れの極致であったダークソウルが尊いものへと反転する

それこそが、人間が人間であり続けるための条件「人間性」である

人間性とは、神を崇めることではなく、聖なるものを尊ぶことでもなく、ただ他者のためにその身を犠牲にしてもかまわないという、その行為こそが体現するものであり、そうすることでしか生きていられない、小さき人にこそ宿るものである

小人の王たちのそれが枯れ果てていたのは、虚栄に浸り、権威に溺れることで、人間性が失われていたからだ。

神が人間性を暗い魂とさげすみ、恐れるのは、神にはそれが理解できないからだ
グウィンは人間性を理解しようとしなかった。理解することもできなかった。神々にとって尊いものとは栄光に照らされていなければならないからだ

ここにきてダークソウルというタイトルの意味が初めて明らかになる
暗くて陰鬱な、残酷で残虐な物語を紡ぎながら、これは紛れもなく人間賛歌である

人間賛歌
これが自分なりのダークソウルの答えである

「人間性=ダークソウル」という考えに至る前はゲールに代わるラスボスを待望していたこともあるし、そういった記事をいくつか書いた

だが今はもうその考えはない

なぜならば、ダークソウルという物語のラスボスとしてゲール以外のボスは考えられないからだ

「プレーヤーに倒される」というボスとしての宿命を完遂しながらも、彼は倒されることで初めて完全無欠の「ダークソウル」を体現する

「ダークソウル」というRPGのボスとしてこれ以上ふさわしい存在は考えられるだろうか

プレーヤーは確かに奴隷騎士ゲールに勝利しただろう。だが、それは「かりそめ」の勝利に過ぎない。ゲールの望みであった「人間性」によって描かれた世界は、お嬢様によって描かれようとしている

きっと絵画が完成するところは明らかにされないだろう。絵画の完成は=プレーヤーの絶対的な敗北を意味するからだ

あるいは絵画の完成を阻止することが、プレーヤーに残された最後の――。

2017年4月1日土曜日

誰も知らぬ小人について

輪の都の入り口にいたNPCがそうなのではないかという仮説
よく見ると彼は「小人の王たち」と同じ衣服を着ている

上が輪の都入り口のNPC、下が小人の王たち





にもかかわらず彼の言動は「小人の王たち」とは正反対で神を憎んでいる様子だ
しかも何やら暗い魂について何かを知っていそうな口ぶり
(フィリアノールの眠りを壊すと都から消える)

単なるシステム上の案内役という可能性もあるが、吹き溜まりにおいてその役目についていたのは、貴人の乳母(たぶんローリアンの乳母)であり、なんのバックボーンもないキャラクターが担うとは思えない

「疑うことはない。俺はあんたの味方なんだ
あんたも人なら、きっと分かるようになる
滅茶苦茶にしたいんだよ、この神共の糞溜めをさ
…きひ…きひきひひ」

まさに「最初の人」であった彼は最も早くに神の欺瞞に気付いたのではないだろうか
彼が都の入り口にいるのは、輪の都を訪れる者たちに誰よりも先に「王女の眠りを壊せ」と告げるためなのかもしれない


2017年3月31日金曜日

DS3本編とDLC2の対構造

本編とDLC2のストーリーは意識的に相似あるいは対構造になっていると思われる。

本編
・貴人の乳母に導かれるようにして上方へ昇った主人公は、対存在的なボスを倒した後に祭祀場から最後の舞台へと至る。さらにそこでソウルの集合体である王たちの化身(王)と戦い、それを打ち倒すことで新たな世界を創出する

DLC2
・貴人の乳母(蓋かぶりの老婆)に導かれるようにして下方へ下った主人公は、対存在的なボスを倒した後に、祭祀場(デーモン王子と戦うのはDS1の火継ぎの祭祀場)から最後の舞台へと至る。さらにそこでダークソウルの集合体であるゲール(奴隷)と戦い、それを打ち倒すことで新たな世界を創出する

そもそもダークソウルの世界は火(光)と闇という対存在がテーマであり、その二つの主題は螺旋構造を辿りながら、やがて終局へと至る。

だが終局へ至った瞬間、世界は無に帰すのではなく、二つに分裂する。
ひとつは本編におけるエンディング(火継ぎ、火継ぎの終わり、闇の王)の世界
もうひとつはDLC2におけるエンディング(絵画)の世界

二つの世界は再び対となり、互いに影響を与えながら未来永劫に続いてゆく
あるいはまったく別の世界として継続してゆくのだろう


思いつきネタ

ドレ→レド
ミ→ミディール
フ→フィリアノール
ア→アルバ
ソ→ゾーイ
ラシ→シラ
ド→奴隷騎士ゲール

ファ(ハ)→ハーフライト?

蓋かぶりの老婆、説教者、その他の会話文

[蓋かぶりの老婆]
吹き溜まり
…ほう、あんた、まともなのかい
鉄塊の坊やが最後かと思ったけど、どうして分からないものさね
それで、蓋っかぶりの婆に、何か用かね?
…何もしちゃあやれないよ。あたしはここで、ただずっと、眺めているだけだからね

→用などない
あんた、まともでいるんだよ
少なくとも、この婆がまともな内はねえ

→用がある
あんた、おかしなことを言うものさね
いったい蓋っかぶりの婆が、何を持ってるっていうんだい
…妙な期待はしないでおくれよ

→話す
火の時代が終わるとき、すべての地は最果てに吹き溜まる
王の国も、乞食の地も、みんな同じ。人の営みなど、そんなものさね
…だからあたしは、この景色が気に入ってるのさ
まるで神様みたいじゃないか

→話す
…ああ、そうだ、もしあんたが物好きなら、注意することだね
ここからずっと下に、大きな暗い、木のうろがある
…あのうろから、今でもたまに、聞こえてくるのさ
あれは、ローリアン様の仰っていた、デーモンの声さね
病に侵され、それでも人を呪っている。そんな化け物の声さね

輪の都到達後(パッチから輪の都の話を聞いたあとかも)
…あんた、ほんとにおかしな子さね
一体何が気に入ったのかね…

→「輪の都」について尋ねる
あんた、どこでその名前を聞いたんだい?
…まあ、いいさね。婆が知っていることは、教えてあげよう
伝承によれば、輪の都は最果てにあるという
それは確かに、この吹き溜まりの先、一番深い、その先さね
…けれど、考え直すことだね
輪の都は、神が作り給う、小人たちの流刑地。壁に囲まれた拒絶の街
…闇の魂に、近づくべきじゃあないんだよ

→話す
あんた、どうせ考え直しゃあしないんだろう?
まあ、それもいいさね。使命など、誰にもあるものじゃあない
精々大事にすることさね
あんたや、鉄塊の坊やには、きっとそれが一番さね

→立ち去る
あんた、死ぬんじゃないよ
あたしの景色が、悲しくなるのはご免だからね

[輪の都入り口の小人の王(衣服が小人の王と同じなので便宜上そう呼ぶ)]
輪の都
なあ、あんた、あいつらに運ばれてきただろう
あんた神の使いかい?それとも、そのふりをしただけなのかい?

→そのふりだ
そうだろう、そうだろう。あんたのようなものが、神の使いであるはずがない
そして、あんたのようなものの目的も、分かってるんだ
…暗い魂が欲しいんだろう?
そうでなくて、誰がこんな糞溜めにくるものか
隠すなよ。俺はあんたの味方なんだぜ
…ひひひ…ひひひひ

なあ、あんた、暗い魂が欲しいのなら
崖下のフィリアノール教会に向かうがいい
そしてそこで、王女の眠りを壊すがいい
…その眠りはまやかし
糞溜めの蓋、お前から、暗い魂を遠ざけるものさ

…きひひ…きひひひ
疑うことはない。俺はあんたの味方なんだ
あんたも人なら、きっと分かるようになる
滅茶苦茶にしたいんだよ、この神共の糞溜めをさ
…きひ…きひきひひ

さあ、崖下のフィリアノール教会に向かい、王女の眠りを壊すがいい
暗い魂が欲しいのならね
ぐひひひひ…

[説教者]
王廟の見張り
火に望まれぬ者がいる
君たちのこと、そして私たちのことだ
この街を見よ!我らは同朋、瞳を覗くように明らかに
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ

放浪の騎士、終わりなき忌み探しの旅
その終わりは深淵にのみあった。たとえ彼女が訪れぬとも
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ

大階段
知をもって、闇に対する者がいた。そして最後に、無知を知った
世界のはじまりにそれは無く、終わりにもそれは無いだろう
あたりまえのことじゃあないか
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ

肉親を殺めた憐れな娘も、深淵に溶けてその腕に抱かれた
薄暮も月も、決してそれを与えなかった
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ

沼地
女は恐れた。闇に潜み、噛み苛む虫たちを
けれど、どうだ!そんなものが、深淵のどこにいたろうか!
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ

男は恐れた。固い鎧を身に着けて、弱い女を、まるで児戯のように
火の側では、影が歪む者もいる。深淵に影はない
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ