2021年12月29日水曜日

Dark Souls シリーズ考察33 エンディング(DS3)

DS3のエンディングは全4種ある


1.はじまりの火を継ぐ者END

2.火の簒奪者END(亡者の王)

3.火継ぎの終わりEND

4.火防女殺害END(火の簒奪END)


このうちトロフィー(実績)として設定されているのは、1~3である

2021年12月22日水曜日

Dark Souls シリーズ考察32 天使信仰

天使信仰概要


ロスリックの天使信仰は、「天使の娘ゲルトルードの破綻した書付け源流としている


天使の光柱

天使の娘」ゲルトルードの奇跡


王妃の聖女であったゲルトルードは

彼女のいう天使に見え、その物語を知ったという


彼女は光と声失い、だが物語を記し続けた

常人には理解できぬ、破綻した書付けの山

ロスリック天使信仰源流となったのだ


ゲルトルードは王妃の聖女であり、また実子でもあるといわれている


光の恵み

後の「天使の娘」ゲルトルード

王妃の実子であるといわれている


天使信仰はロスリックでは異端とされ、ゲルトルードは大書庫の天井牢に幽閉されたという


羽の騎士の兜

天使に忠誠を誓う騎士の甲冑

彼らは羽の騎士と呼ばれる


ロスリックでは、天使信仰は異端であり

三柱の何れもがそれを公認していない


故に「天使の娘」ゲルトルード

大書庫の天井牢幽閉されたという


天使信仰を公認しなかった三柱とは、王を支える賢者、祭儀長、騎士である


賢者の指輪

古くよりロスリックでは

賢者は王を支える三柱のひとつとされ

故に大書庫の領主たるを許されたという


騎士の指輪

古くよりロスリックでは

騎士は王を支える三柱のひとつとされ

故に竜の友たるを許されたという


祭儀長の指輪

古くよりロスリックでは

祭儀長は王を支える三柱のひとつとされ

それは常にであり、王子の乳母でもあったという


天井牢の内部には祈りの姿勢をとる遺体があり、「天使の光柱」を抱いている




幽閉されたゲルトルードの最期不明だが、脱獄したという情報がないため、この遺体ゲルトルードである可能性が高い


天井牢は上部開いており、またそのもプレイヤーが訪れた時には開いている


遠目に見ると天井牢は「王冠」の形をしている


また天井牢のには羽根が飛び散っている



この羽根は天使の光柱を使用したときに出現する「羽根エフェクト」としても見られる



ゲルトルード自身の奇跡、あるいは彼女を訪れた「天使」がその翼を落としていったものと考えられる


この羽根と同じものが王子ロスリックボスエリアにも散らばっている


王子ロスリックに近づくにつれて羽根は増えていく

ロスリック城には翼を生やしたフラムトと、王冠を被った石像がある



王冠を被っていることから、王であると考えられる。これはロスリック王家と天使との密接な関連を示唆しているのかもしれない

天井牢から出ると、杖をもった蛆人が待ち構えており、奇跡と思われる光線を撃ってくる


この奇跡は聖者の二股槍同じ形状をしており、衝突すると白い羽根を撒き散らす





錆びついた金貨(銅貨)翼の生えた女性の浮き彫りがある



吹き溜まりにいる「蓋かぶりの老女」の販売アイテムは、残り火、女神の祝福秘めた祝福錆びついた銅貨錆びついた金貨である



天使信仰考察

天使信仰に関する最大の謎は、ゲルトルードが見えたという天使とは一体何ものであったのか、ということである



天使=フラムト説

翼の生えたフラムト像大書庫近辺に多いことから、天使=フラムトという説がある


フラムトといえば、グウィン王であり火継ぎの推進派である


わしは世界の蛇、王の探索者フラムト。大王グウィン親友じゃ


不死人の勇者よ。お主の使命は…大王グウィンを継ぐことじゃ

かの王を継ぎ、再び火を熾し、闇をはらい、不死の徴をはらうことじゃ

(王の探求者フラムト)


だがロスリックでは天使信仰は異端とされる


羽の騎士の兜

ロスリックでは、天使信仰は異端であり

三柱の何れもがそれを公認していない


異端とされたのは、三柱による否認が原因である。その三柱の宿願は王子ロスリックが薪の王となり火を継ぐことである


…おお、火の無い灰よ

いよいよ火は陰り、最後の王を待っています


王子を、ロスリック様を、どうか…

どうか、お救いください

王に、おなりくださいと…(祭儀長エンマ)


つまりフラムトも三柱も火継ぎ推進派なのである


よって、例えばフラムト火継ぎを行なわせるためにゲルトルードの前に天使として現われた、とするのならば、三柱と目的を同じくするのだから、異端として排撃される理由はない


あるいは、だからこそ「異端」で留まったのだとも考えられるが、しかし天使信仰の内容を見ても、天使と火継ぎとは全く関係ないような印象を受ける



巡礼の蝶

ロスリックの天使信仰の最も世俗的な形は、巡礼巡礼の蝶として現われている


巡礼の蝶と巡礼


黒教会のヨエル巡礼の姿をしていたが、黒教会は火継ぎ否定派である(あるいは単に巡礼を装っていただけということも考えられるが)


なぜ巡礼が北に向かうか。そこに天使信仰の源流があるからであろう


だから巡礼者たちは北に向かい

そして、予言の意味を知るのさ(オープニング)


ロスリックに押し寄せた巡礼はロスリック城への大橋が落ちたことで聖地への道を失う


橋の向こう側に飛竜が死んでいることから、戦闘で橋が落ちたとも、あるいはロスリックが異端である巡礼者を拒むために故意に落としたとも考えられる


聖地への橋を落とされた巡礼は行けるとこまで近づき、そして死んでいったのである


私はロンドールのヨエル、見ての通りの巡礼者ですが

どうやら一人死に損なってしまいましてな(ロンドールのヨエル)


ヨエルひとりが死に損なったのは、彼が亡者の国ロンドール出身であり、ダークリングが現われていた(=不死)からと考えられる


ただし少数の巡礼聖地たるロスリックに辿り着くことができた


そこで彼らが変異したのが「巡礼の蝶」である


巡礼の背負っている亀甲のようなものは「蓋(ふた)」であり、巡礼の蝶羽化するのを押しとどめる効果があった


吹き溜まりにいる「蓋かぶりの老女」の名から、背中の石が「」であることが分かる

老女の遺灰

蓋かぶりの老女の遺灰

祭祀場の侍女が、新たな品を用立てるだろう


ロスリックに到着した巡礼たちはを下ろし、そして巡礼の蝶へと羽化していったのである


ただし、巡礼の蝶は純粋な天使とはいえない


その体に純白の羽根はなく、白い光線ではなく赤い塊を投げつけてくるからである



イルシールの地下牢の「なりそこない」が竜のなりそこないであったように、巡礼の蝶は天使ではなく「天使のなりそこない」である



天使

では天使とは何ものか?


DLCの吹き溜まりに出現する「天使」がそれである


敵名「天使」


天使が光線を撃つ際に、白い羽根が飛び散るエフェクトがある。これは天使の光柱同じものである






吹き溜まりの天使は近くにいる巡礼の蛹(さなぎ)召喚しており、このサナギを倒すことで消滅する


またこのサナギは天使を召喚すると、祈りのポーズを取って静止する。つまり天使はサナギが見る神秘的実体として存在しているのである



このサナギ生えているのは、巡礼者の遺体である




同じデザインの「蓋かぶりの老女」で代用するが、衣装や頭部の巻き布、鎖などが一致している


天井牢

さてもう一度、天井牢に戻ろう


天井牢には天使の降臨を示す白い羽根が飛び散っている


またそこには祈りの姿勢をとった遺体(ゲルトルード)が置かれている


この遺体の姿勢は、天使のサナギとよく似ている


左が天井牢のもの、右がサナギである。角度は異なるが両手を胸の前で組んだ姿勢は同一である


天井牢にはゲルトルードひとり幽閉されていた。しかしそこに天使の来臨があった。そして結局はゲルトルードひとりが死んで遺体となっている


さて、ゲルトルードが見えたという天使とは何ものだったのか?


ゲルトルードの見えた天使とは、彼女自身が見た神秘的実体(天使)としての自分である


プロロするとサナギが天使を召喚するシーンを見ることができる。天使はサナギ自身が呼び出したものである

天使=ゲルトルードであることは、羽根の騎士の斧槍からも推測できる


羽根の騎士の斧槍

天使に忠誠を誓う騎士の斧槍

彼らは羽根の騎士と呼ばれる


彼らは天使を信仰しているのではなく、実在する天使に忠誠を誓っている

また羽根の騎士の最も強い者が「ゲルトルードの三騎士」と呼ばれることからも、彼らが忠誠を誓っているのは天使たるゲルトルードであると考えられる



ゲルトルード

しかしなぜゲルトルードは巡礼の蝶ではなく天使に羽化したのであろうか


ゲルトルード含むロスリック王家には神の血が流れている


これはグウィネヴィアとロスリック王妃との繋がりが、各種アイテムにより幾重にも示唆されていることからも明らかである


つまりゲルトルードは神の末裔であるが故に、神の使いとされる「天使」に羽化したのである(あるいは天使を召喚)


天使への羽化(あるいは召喚)は、ゲルトルードのみの現象ではない。王子ロスリックのボスエリア大量の羽根が散っていたように、天使への羽化はロスリック王族よく見られる現象なのである


大量に積もった羽根は、王子ロスリックとローリアン、あるいは歴代の王が召喚した天使による

ロスリック城には王冠を被った石像が置かれているが、これこそロスリック王家の本質を示した像である



すなわち、ロスリック王家は神の末裔であるが故に天使に羽化(召喚)する一族なのである


なぜ天使信仰は「“ロスリックの”天使信仰」とロスリックに限定されているのか。それは天使の正体ロスリックの王族だからである


また敵としての天使は「闇属性に弱い


DSシリーズにおいて、闇属性を弱点として持つ敵は「神族」に多い(踊り子やボルド、法王の騎士など)


まとめると、天使とは神の血を引く者羽化(あるいは召喚)することで出現する、神の成れの果てである


巡礼者の背中から生えている天使の蛹(サナギ)。上述した仮説を当てはめるのならば、この巡礼者は神の血を引いている。あるいはロスリックの王族の零落した姿なのかもしれない

だが火継ぎ国是(国家としての方針)とするロスリックにおいて、天使への羽化忌避されるべき事態とされた


なぜならば、天使とは神の成れの果て、つまり失敗作だからである


ロスリック王家は血の営みにより、ロスリックに流れる神の血を濃縮することで、再び火を継ぐことのできる、純粋な神性得ようとしていたのである(その力は薪の王としての力でもある)


天使は神の失敗作であるが故に天使信仰は異端とされ、ゲルトルードは天井牢に幽閉されたのである


だが彼女はそこで彼女の体験をそのまま記した


すなわち、神の血を引く者がサナギとなりやがて天使に羽化するという、羽化登仙の物語である


そしてその物語こそ、ロスリック天使信仰の源流となったものである


それはやがて神の血限定されなくなり、人がサナギとなり天使に羽化する、という教義へと変化していった


ゲルトルードの破綻した書付けは、あくまでも「源流」であって、世間に流布した信仰とは異なっている。それを強調するために「源流」という言葉を用いているのである



蛆人

人がサナギとなり天使に羽化する、という教義救いを見出したのは巡礼者たちだけではない


ゲルトルードの書付けはロスリックの天使信仰源流となったとされる。源流であるということは、源流の下流にある宗派の存在を示唆している


天使の光柱

彼女は光と声を失い、だが物語を記し続けた

常人には理解できぬ、破綻した書付けの山が

ロスリック天使信仰の源流となったのだ


天使信仰の下流に生まれたのが、生まれ変わりの母、ロザリアを信奉する蛆人たちである


上述したが、蛆人の使う奇跡聖者の二股槍同じ形をしており、また衝突すると白い羽根が飛び散る



聖者の二股槍はホーリーシンボルを象ったものであるという


聖者の二股槍

かつて聖者クリムトが用いたという

ホーリーシンボルを象った二股の銀槍


このホーリーシンボルの正体は天使である



以上のように天使信仰ロザリア信仰はまったく同じ物ではないが、ロザリア信仰は天使信仰の流れを汲む宗派である


これにより、聖者の二股槍にあるクリムトの宗旨替えの意味が理解される(これまで筆者も間違えていた)


聖者の二股槍

かつて聖者クリムトが用いたという

ホーリーシンボルを象った二股の銀槍


信仰を攻撃力に変えるといい

信仰と共に捨てられたという


これまでクリムトは「深み」、もしくは深みの聖堂前身にあたる正統派の宗派信仰しており、その信仰を捨てて「ロザリア信仰」に宗旨替えしたと考えていた


しかし、二股槍のホーリーシンボルが天使であるのならば、クリムトは元々は天使信仰の信者であったのが、やがて天使信仰を捨て、「ロザリア」に信仰を見出したということになる


クリムト現在進行形ロザリアに仕えていることは「ロザリアの指」からも明らかである


ロザリアの指

生まれ変わりの母、ロザリアに仕える

大主教クリムトの聖印



ゲルトルード=ロザリア説

この点について、ゲルトルードとロザリアは同一人物であるという説もある


光と声失ったというゲルトルードと同じく、ロザリア3Dモデルには両眼がなく、また彼女は声を発しないからである


ただし名前が重要な意味をもつ本作において、ゲルトルードからロザリアへの改名の理由が見当たらない


※例えばパッチは記憶をなくしたために「ラップ」と名乗るが、音の響きはパッチを彷彿とさせるものであり、改名の理由も提示されている


またゲルトルードがロザリアだとすると、天井牢の遺体は誰なのか、という謎が増えてしまう


身代わりの遺体を置いたのだ、とすることも可能だろうが、であるのならば天井牢を見張っている蛆人の存在理由がよく分からなくなる


というのも、身代わりの遺体なのだとして、ゲルトルードがロザリアになったとするのならば、なぜ蛆人は身代わりの遺体監視(あるいは守護)しなければならなかったのか、という疑問が生じるのである


以上のようにゲルトルード=ロザリア説を採用しようとすると「改名の理由」、「天井牢の遺体」、「守護蛆人の動機」等々の新たな謎が発生してしまう


これは筆者が考察の指針としている、オッカムの剃刀(「ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでない」)にもそぐわない


※オッカムの剃刀は真偽を判定する指針ではないが、考察が膨らみすぎるのを押しとどめてくれる



天使信仰とロザリア信仰

天使信仰の源流はゲルトルードの破綻した書付けである


その流れを汲む宗派がロザリア信仰であり、蛆人たちは羽化への希望生まれ変わりの母に求めたのである


ただしそれは正統の天使信仰とは異質な宗派である


たとえ生まれ変わりにより外見や能力を変え続けたとしても天使に羽化することはなく、やがて信者は蛆人に変異してしまう


イルシールの地下牢の「なりそこない」が竜のなりそこないだったように、蛆人もまた巡礼の蝶と同じく「天使のなりそこない」なのである



蓋かぶりの老女

さて、吹き溜まりの入り口で出会う蓋かぶりの老女は、かつてローリアンの乳母だったと考えられる




あれは、ローリアン様仰っていた、デーモンの声さね(蓋かぶりの老女)


老女の遺灰

吹き溜まりには、成れの果てばかりが積もっていく

老女とてかつては貴人の乳母であった


かつて貴人の乳母であり、声を失う前のローリアンの声を聴いた経験があることから、蓋かぶりの老女はローリアンの乳母であったと推測できるのである


その彼女を殺害すると、次のように述べる


…やっと、お迎えってわけかい

あたしにも天使が見えるといいねえ…(蓋かぶりの老女)


この「見える」は「まみえる」ではなく、「see」の意味である


Well, maybe I’ll get to see an angel.(英文)


あたしに“”、とあることから老女は天使を視たことのある第三者を念頭に置いている


ローリアンの乳母であった彼女であれば、王妃の王女たるゲルトルードのことも知っていたであろう


そしてゲルトルードの見えた天使のことも知っていたかもしれない


ゲルトルードは天使を見た。そして「あたしにも」、天使が見えるかもしれない


そう言い残した老女の死後、その上空に一体の天使が現われる




その天使にサナギはおらず、倒しても復活する


この天使については、老女が天使に羽化したものと解釈するのが最も蓋然性が高い


ローリアンの乳母だったということは、王子ロスリックが生まれるまで、王子の乳母であったということになる


そして王子の乳母祭儀長である


祭儀長の指輪

古くよりロスリックでは

祭儀長は王を支える三柱のひとつとされ

それは常に女であり、王子の乳母でもあったという


歴史的には貴人の乳母高位の家柄の出身であることが多い


血の営みを続けるロスリック王家にとって、乳母が与える母乳でさえも、王家の血の濃さ優先された可能性がある


つまり乳母もまたロスリック王家の血脈と考えた方が設定的にも自然である


※血の営みとは、王族間の近親交配のみならず、ロスリックの血を濃縮しようという人の営み全般のことである


老女の羽化は、ロスリックの血を引く者は、サナギ化することなく天使になることができ、また本体が死んでも天使として存在し続けられる、という例を示したものである


であるのならば、天井牢の遺体の主であるゲルトルードもまた、死んでなお天使となり、今も世界の空を漂っているのかもしれない



天使信仰

前々から不思議に思っていたことがひとつある


ロスリックの土着宗教に過ぎない天使信仰が、なぜあれほど多くの巡礼者惹きつけたのか


なぜ巡礼たちは世界中から北の地を目指してやって来るのか


彼らは故郷で見たのかもしれない


北の空を飛ぶ天使の姿



蛇足

かなり遂行不足なので大幅に修正を入れる可能性が高い


2021年12月4日土曜日

Dark Souls シリーズ考察31 オスロエスとオセロット 追記:火防女の死

オスロエス概要


オスロエスはロスリックの先王である


竜鱗の指輪

ロスリックの先王、オスロエスの指輪


オスロエスが血の営みに発狂したのは、彼がまだ先王ではなく「王」であった時代のことである


妖王オスロエスのソウル

はロスリックの血の営み発狂

大書庫の異端と繋がったという

それは白竜シース歪んだ信仰だった


血の営みに発狂した大書庫の異端と繋がり、それは白竜シースの歪んだ信仰へと発展していった