2018年9月24日月曜日

Death Stranding 考察10 エジプト神話 TGS Trailer

エジプト神話はまったく詳しくないので浅い考察

建物

まずはエジプトと関係ない部分から
奥にある建物アールデコ様式のビル建築で、この様式のビルはかなり多い。あえて似ているのを探せば「エンパイアステートビル」である

しかしながら、ビルの背景には山塊が連なっているのが見える。「エンパイアステートビル」のあるニューヨークにはこれほど高い山脈はないので、単純に「エンパイアステートビル」であるとはいえない

ではアメリカの山に囲まれたような都市はどうだろう
シアトルやサンフランシスコ、バンクーバーなどいろいろ挙げられるが、カメラがノーマンから黄金仮面の男にパンする時に一瞬だけ映る巨大な山影に匹敵するような山はアメリカには無いように思える

黄金仮面の男がいる場所も、火星の表面のような荒れた土地であり、地球上とさえ考えにくいような荒涼とした場所

もしこれほどの山が隆起したのだとしたら、奥に見えるビルなどは跡形もなく消し飛んでいるだろう

ここで何が起きたのか、そもそもここはどこなのか?

完全なる推測だが、奥のビルはやはり「エンパイアステートビル」であろうと思う
だが、場所はニューヨークではない。ここは冥界や煉獄と称されるような場所なのだ

巨大な山脈が延々と続くような低温の山間部(イメージとしてはヒマラヤあたり)である。その煉獄へ、都市ごと転移したか落ちてきたのだ

おそらくアメリカ全土がバラバラになり、この時空へと転移してしまったのだ
そのようにして、エンパイアステートビルと山脈が合成したような風景が生まれたのである

赤ちゃん

左目をつむっているのは、セトとの闘争で左目を失うホルスを象徴していると思われる(セトとの闘争神話 wikipedia)
また、指を口にくわえるポーズは「子供のホルス」「ハルポクラテス」をあらわすと思われる(wikipedia ハルポクラテス)


赤ちゃん人形

片足がなく、左目をつむっている
エジプト神話において左目をつむった姿というのは、ホルス(wikipedia)を象徴し、片足がないのはセト(wikipedia)を象徴するものである。おそらく、オシリスとセトを象徴的に合体させた形象なのではないかと思われる

黄金仮面の男

では、黄金仮面の男トロイ・ベイカーは何者か
デル・トロのもつ赤ちゃんがホルスであり、それがノーマンに受け継がれたとすると、ノーマンはホルス側勢力だと思われる。また人形がマッツを示すのだとしたら、ホルスとセトとの闘争においてマッツは中立の立場を意味するのかもしれない

であるので、黄金仮面の男はセト側の勢力に属すると思われる

肩口のマークはファラオのマークだと思われる
このファラオのマークで最も有名なのがツタンカーメンであろう
このツタンカーメンの父は、アメンホテプ4世(wikipedia)であり、
多神教であった従来のエジプトの宗教を廃し、唯一神アテンのみを祭る世界初の一神教を始めた事が挙げられる。
という人物であるが、このアテン神は数多くの手を持った姿で描かれる

下エジプトはホルスを、上エジプトはセトを崇拝する傾向にあり、アテン神を崇拝するアメンホテプ4世が造ったアマルナ上エジプトに位置する。つまりセトの勢力圏にある

歴代王朝のファラオは、自身がオシリスとセト二人の最強神兄弟の相続人であり、セト(上エジプトの守護神)ホルス(下エジプトの守護神)、つまりは上下エジプトの地位の合体であるとして、その権威を民衆に誇示していた。(セト wikipedia)

セト・アニマル

 セトはまた多くの合成獣と結びつけられる神である
想像上の動物(合成獣)をわざわざ作ってセトに充てたとする説も存在する。この正体不明な動物を英語では「セト・アニマル」と呼ぶ。(セト wikipedia 外見の項)
またその咆哮はセトの声である
敗れたセトは、地上の世界を去り地下世界に隠遁した。地上には、雷の声として響くだけである。(セト wikipedia 登場神話の項)

リンゼイ・ワグナー

太陽を背負う女神、ということでおそらくハトホル(wikipedia)だと思われる

ハトホルはホルスの母とも妻ともいわれる女神であり、セトとホルストの闘争では、ホルスを治療し、また死者を冥界に導くという

オシリス

オシリスもまた殺されてバラバラにされる神である(wikipedia)。セトに殺されたオシリスは14の部位に分けられてエジプト中にばらまかれたという。

妻のイシスはバラバラになった夫の遺体を集めてオシリスを復活させようとする

このばら撒かれた「神の遺体」をノーマンは運んでいるのではないだろうか
もちろん「神の遺体」というのは象徴的な意味で、実際に神の肉体があるということではない

それはおそらく「神に等しい存在」「神に属性を受け継ぐ人」「神的な物質や生命」といった形で全米に散らばっているのではないだろうか




2018年9月18日火曜日

ゼノブレイド2 考察 終 金の瞳の一族

最初に言い訳をさせていただくと、ゼノブレイド2本編の記憶が薄れてきているうえに、DLCもコンプリートしていないため、いつも以上に雑である(何か根本的な錯誤をしている可能性が高い)


英雄アデルの物語

まず前提として、英雄アデルの物語はマルベーニが都合よく改ざん、脚色したものであるとする
英雄アデルの物語を利用し、世界を自分の望む方向へ誘導しようとしたのである

実際のアデルの物語はDLCをプレイすればわかるように、バッドエンドである
また、ミノチによるアデル劇は、現実があまりに悲劇的すぎた結末だったために、少しでもそれを和らげようと真実を隠蔽したものであろう


金の瞳の一族

さて、この考察の結論から述べさせてもらうと、
レックスは金の瞳の一族の末裔である
である

レックスは「どこにでもいる少年」ではなかったのか? という疑問を抱かれるかもしれないが、アルストにおいては「金の瞳をもつ人間」はどこにでもいる程度に多いのである。要するに程度問題になってくる。

例えば日本において「どこにでもいる少年」と言えば、黒髪に黒い瞳の少年を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、これが金髪碧眼の多い国、例えばドイツだったら事情が異なってくる。かの国においては「黒髪黒瞳の少年」は「どこにでもいる少年ではない

つまり、周囲の環境によって「どこにでもいる」の基準が変わってしまうのだ

そしてアルストでは「金色の瞳をもつ人間」は「どこにでもいる」程度に「多い」のである
(ルクスリア王、マルベーニ、マルベーニの母親、レックス、ラウラ、アデル等、珍しいとはいえないレベルに多い)

これら金色の瞳をもつ人間共通点としては「ブレイドと親和性が高い」というのが挙げられるだろう
天の聖杯と同調した人間は例外なく(といっても3人だけだが)金色の瞳を持っている(マルベーニ、アデル、レックス)
ある意味で、ブレイドと強い絆を結ぶことの出来る「印」あるいは「烙印」のようなものなのである

ではこの「金色の瞳」はどこからきたのか?

まずイーラ人ではないのは、作中のセリフから明らかである(イーラ人は碧眼)
また、インヴィディア人でもグーラ人でも、スペルビア人でもない

となると残りは一つである。「ユーディキウム」である(シヤに関しては情報が少ないので割愛)

このユーディキウムは作中において、マンイーター技術の発展した国とされている
マンイーター技術とは人とブレイドを細胞レベルで融合させた存在であるが、裏を返せばこれはブレイドイーター技術でもある
人とブレイドの細胞レベルでの融合」という点において、マンイーターもブレイドイーターもそう違いはないのだ

つまりユーディキウムにおいて、ブレイドイーターがすでに誕生していたとしても不思議ではない

人がブレイドを喰らう、おそらく喰われたブレイドは金色の瞳を持つブレイドだったはずだ
そうして人とブレイドの融合したブレイドイーターは、基体が人であるがゆえに、伴侶を得て子を作れただろう
生まれた子供は、ブレイドの血を四分の一受け継ぐクォーターであり、その完全優性遺伝により金色の瞳を発現したはずである

こうして誕生した金色の瞳をもつ一族は、祖先にブレイドがいるがためにブレイドとの高い親和性を発揮する一族となったのである

ここでもやはり「どこにでもいる少年」でなくなる気がするが、しかしながら「金色の瞳をもつ人間」は「どこにでもいる程度に多い」ので、やはり「どこにでもいる少年」と表現しても問題はないのである

やがて金の瞳の一族は世界中に広がっていった。血を受け継ぐ者は残らず金の瞳をも受け継ぐゆえに、その数はかなりの速度で増えていったと推測される。その時期はおそらく500年前の聖杯戦争のさらに遙か昔であろう(種族に関係なく子を成せたと思われる)

その血脈の果てに、どこにでもいる少年レックスが位置するのである

またレックスはイーラの血を引く少年でもある
エルピス霊洞がイーラ王家の霊廟であることが明かされるが、その扉が開く理由として、イーラの血を受け継いでいるとするのが、最もシンプルであろう(墓守を新たに登場させるのはオッカムの剃刀的にあまりよろしくない)

ここでも「どこにでもいる少年問題」が登場するが、イーラの血リベラリタスの住人ほぼすべてが受け継いでいると思われるので、リベラリタスにおいてはやはりレックスは「どこにでもいる少年」なのである

またレックスはアデルの血を引く少年でもある
レックスという名がラテン語で「王」を示すように、本作は貴種流離譚の一種であると考えるのが妥当であろう。イーラ本家ではなく、アデルをして「王」とするのは、ルクスリア王国アデルの末裔を名乗っている(偽称であるが)ためである。本来であれば正統な王は、レックスなのだ(アデルの妻が妊娠しているという作中の情報が何かの意味をもつのであれば、その血を受け継ぐのがレックスであるとするのがシンプルだと思われる)

ここでも「どこにでもいる少年問題」が登場するが、アデルの血は「何の力も持たない」ので、「どこにでもいる少年」の範疇を超えてはいないのである。また理屈上はレックスはルクスリアの正統な王位継承者であるが、実際はルクスリア自体アデルが関わっていないのでレックスとは無関係である。よって、「どこにでもいる少年」以外の何者でも無い

アデルが天の聖杯と同調できたのは「金の瞳」の力ゆえであり、アデル自身の力ではない。そして「金の瞳」をもつものは、アルストには「どこにでもいる」程度に多い

まとめると、レックスは、
1.金色の瞳の一族の末裔である(しかしながら金の瞳をもつ人間は「どこにでもいる」程度に多い
2.イーラの血を引く(しかしながら、リベラリタスの住人はほぼすべてイーラの血を引いているため、リベラリタスならば「どこにでもいる」程度の希少性しかない
3.アデルの血を引く(しかしながら、アデルの血は何の力も権利も有さない。よって「どこにでもいる少年」以上の力は持っていない

結論として、金の瞳の一族の血、イーラの血、アデルの血を受け継ぎながら、レックスは「どこにでもいる少年」以上の存在ではないのである


アデルの行方

第三の剣とホムラを封印した後、アデルはどこへ行ったのか

シンプルに考える+レックスがアデルの血を引いていると考えると、まずリベラリタスではない。レックスの両親はイーラの民族衣装を着ており、リベラリタスの風俗とは異なるし、その温暖な気候とはそぐわない。
また鎖国中のルクスリアではないグーラは温暖であり、隠れ住む場所もないことから可能性は低い。皇帝に統治され治安もわりとよさそうなスペルビアでもない

とすると、残るはインヴィディアである
なぜミノチがインヴィディアにいたのか、それはおそらくインヴィディアがマルベーニの目の届きにくい国だったからであろう。つまり身を隠すには最適の場所なのだ

ホムラを封印した後、アデルが隠遁するにふさわしい場所だと思われる
おそらくアデルはその際には妻子を伴っていたとであろうし、数少ないイーラの生き残りを引き連れてきたと考えてもおかしくはない

こうしてインヴィディアの辺境にアデルの村が隠れ里のように誕生したのである
ルクスリアと同じく、この村でもアデルの血筋は主家として続いていっただろう(ルクスリアと違いこっちは本物のアデルの末裔だが)

ところでミノチは一人の孤児を保護している。イオンである。このイオンもまた金の瞳を持つ人間である
ミノチがイオンをことさら大事にしているのは、イオンもまたアデルの血を引く可能性があるからだろう

500年も経つとアデル村とミノチの繋がりはほとんど消えかけていたと思われる。その折にアデル村は戦火に巻き込まれる。スペルビアとの小競り合いか、あるいはマルベーニの刺客か。

アデル村は壊滅し、アデル直系の血を引くレックスの両親は、イーラ王家にゆかりのあるリベラリタスを目指したのだろう

一方、アデルの血を引くが庶民であるイオンはそのまま孤児となり、ミノチに保護されたのだ(あるいはミノチはアデル村のことを覚えていて、だからこそ積極的に孤児を保護したのかもしれない)

およそ500年という時間は、人が歴史を忘れ、現実が神話になるのに充分な長さなのだろう
作中では史実と物語が同時に語られるので、英雄アデル物語や聖杯戦争の何が真実で何が嘘であるのかわからなくなってしまう
おそらくそれは作中の人物も同じことで、500年も経つといろいろ忘れたり、思い違いをしたりしているのだ(ということにしておく)


以上、ゼノブレイド2の考察終わり


蛇足

そもそもDLCは考察するつもりはなかったのだが、金色の瞳の謎がどうしても気になったので考えてみた次第である
レックスの出生については、最もシンプルでわかりやすい仮説を採ったが、私個人としてはレックスが特殊な血筋ゆえに活躍できた、とするのは本意ではない

しかしながら、特殊な血を受け継いでいないただの少年、とするにはエルピス霊洞の封印が解けたことやリベラリタス出身者として選ばれている時点で多少無理があるように思われる。よって様々な血を受け継ぎつつも、「どこにでもいる」程度の希少性しかもたない少年としてのレックスを想定してみたものである

ブレイドイーターが子を作れたという仮説に関しては、金の瞳の人間とブレイドとの特別な関係を鑑みると、そうなのではないかという妄想に近いものである。もともとブレイドとの絆を結びやすい金の瞳の種族がどこかにいた、という仮説のほうがよりシンプルであるが、ユーディキウムと絡めたかったのでブレイドイーター説を採用した次第である

極論すれば最もシンプルなのは、金の瞳に意味はなくレックスはただの少年である、とする説であろう

ただしこの場合、なぜレックスがアデルの紋章の封印を解けたのか、両親がイヤサキ村にやって来たのはなぜか、なぜありえない再同調が起きたのか、唐突に出てきたアデルの妻子の情報は何なのか、といった点について考えなくてはならず、かえって複雑になってしまう気がするのである

すべてを偶然とするのももちろん可能であるし充分に蓋然性が高いと思う
が、とりあえず自分は考察をそれほど深めようとは思わなかったので、とりあえず出てきた情報をすべて繋げてみた、という次第である





2018年9月14日金曜日

隻狼 『白猿伝』 SHADOWS DIE TWICE TGS Trailer

※発売前の考察です


前回は日本神話における猿に触れたが、ここでは怪異としての猿について書こうと思う

遠野物語には年を経て異常な力をもった猿の経立(ふつたち)の話がある

猿の経立はよく人に似て、女色を好み里の婦人を盗み去ること多し。松脂を毛に塗り砂をその上につけておる故、毛皮は鎧のごとく鉄砲の弾も通らず。(『遠野物語』青空文庫

さて、猿の怪異は中国古代から、人をさらう山怪として登場する
基本的には、女性をさらい、危害を加えたり子供を生ませたりするが、最後は退治されて終わる、というのが話のパターンとなっている。さらに猿退治に犬が協力することが多い。

隻狼に登場するのは白い猿であるが、中国には『白猿伝』と呼ばれる物語が伝わっている
(岡本綺堂『中国怪奇小説集 白猿伝・其他』)

例によって若い女性をさらい子供を産ませるという異類婚姻譚である
少し異なるのは、『白猿伝』では最後に白猿の子供が生まれるが、この子供は異能の力をもつ特別な存在とされることだ
このように、『白猿伝』における白猿は、かなり神の要素を残していると思われる

また滝沢馬琴の『兎園小説』には、大山十郎なる侍が白猿に先祖伝来の貞宗の刀を盗られる、という話がある
隻狼の大猿が刀を所持(首を貫かれる形で)しているのは、あるいは刀を盗んだからかもしれない


白色

猿退治の物語は多いが、白い色の猿というのは『白猿伝』がもとになっているのではないかと思われる。その話の展開も結末も、日本各地にある猿退治の説話とほぼ同一である

唯一異なる点は、『白猿伝』の猿には神の要素が残っている、ということだろう
時代が下るにつれ、猿の怪異の神性が失われ、やがてただの化け物となっていく
この化け物の極まった形が、酒呑童子の説話であろう(酒に酔わせて殺すところも酷似している)


猿退治の構造

このように、猿退治の物語は基本的にその形が決まっている

1.女性猿の怪異にさらわれる
2.勇士をともない退治に向かう
3.の活躍によって猿は殺される

隻狼にあてはめると、猿は白い大猿であり、犬は隻狼である
さらに女性はあの赤い傘の女性か、まったく登場していない
そして、猿退治のモチーフをあえて採用するのならば、「勇士」が登場するはずであるが、葦名一心かおそらく死んでいる(刀の持ち主)。さらに『白猿伝』を踏襲するのなら、異能の力を有する白猿の子がいるはずである



2018年9月10日月曜日

隻狼 SHADOWS DIE TWICE TGS Trailer

龗神(おかみのかみ)

旗印に書かれた文字は「おかみ」と読み、これは淤加美神(Wikipedia)の『日本書紀』での表記である。竜神や水神ともいわれる「おかみのかみ」であるが、ポイントはその出生だと思われる。

この「おかみのかみ」は、火の神カグツチがイザナギに切り殺された際に生まれた神の一柱である。カグツチの各部位からは多くの神が生まれているが、この「おかみのかみ」は噴き出した「血」から誕生した神だ。

「狼よ、我がと共に生きてくれ」における「血」とは「神の血」を意味すると思われる。しかも血の主「火の神」である。ここにおいて、フロム特有の「血/炎」の同一視がまたも現れている。

つまり「狼よ、我がと共に生きてくれ」とは「狼よ、我がと共に生きてくれ」と同義であり、その炎とはカグツチの炎のことである

さて、カグツチはバラバラにされている。誰かが『どろろ』との類似点を上げていたように思うが、『どろろ』もまたバラバラにされた肉体を取り戻す話である(『MADARA』でもいいが)。『どろろ』もまた、というのは、隻狼もそれを踏襲している、つまりカグツチの分散した力を集めてゆく物語なのではないか、と思ったからだ。

ただし、神がバラバラにされる話は世界中の神話に頻出するものなので、『どろろ』が直接的なモチーフであるかはわからない。

さて、カグツチの体からは他にも多くの神が生まれている。登場するのがこの「おかみのかみ」だけとは考えにくい。というよりも、皇子自身がその神のうちの一柱なのではないだろうか。

こう考えると、皇子→火の神カグツチ→イザナギ(イザナミ)という血統が想定されるが、これは皇子の異能の力を説明するには充分だと思われる。

火の神の犠牲的創造ソウルシリーズを通したテーマであったように、今回もまた火の神の犠牲により生まれた異形の神々の物語なのではないか。

言うまでもないがこれらは単なる想像である

ラスボスはだれか

上記の神統譜、皇子→火の神カグツチ→イザナギが正しければ、ラスボスはイザナギの産んだ別系統の神の首領であろう。アマテラス大神である。

おおかみと読み、それが大神に通じることから、かつて狼は大神であった。だが、狼は神としての争いに敗れやがて忌まわしい獣の神にまで零落してしまった。

アマテラスイザナギ直系の神であるのに対し、カグツチイザナミの影響が濃い(イザナミの胎から誕生)。そのイザナミは死者の国へと去ってしまっている。彼女は死者の国から、人の生と死を支配しているが、要するに彼女自身は不死である。ゆえに、カグツチもまた不死の属性が濃い神と言える。そのカグツチから誕生した神々もまた、不死属性である。

カグツチの力を集めるためには、不死を殺す武器がいる。それが不死斬りである。そしてカグツチの力を結集させたあかつきには、一度敗れた相手である大神との戦いにのぞむのだろう

葦名の国

葦原中国(あしはらのかつくに wikipedia)を略して葦名の国なのかもしれない

五毒

中国には五毒という言葉があって、ヒキガエル、ムカデ、毒ヘビ、サソリ、クモをいうが、ボスの数にちょうどいいかもしれない。
ちなみに大猿は、普通のボスと系統が違う。たぶん猿田彦

その他

 城の地図かな?


密教の護摩壇だと思われる。左端に曼荼羅図

曼荼羅図
おそらく胎蔵曼荼羅(wikipedia)なのではないかと
密教系のやばいボスいそう。金星人とか


両爪の敵。顔からすると不死者?

皇子だと思うけど違うかも。ソウルシリーズにおける火防女的な女性かも 


赤いモヤモヤの正体はおそらく炎(血+炎) 


このボスはたぶん「蜘蛛」 

血というのは神の血でありカグツチの炎

大猿。猿田彦か 

お尻

肩についているキノコ状のなにか。冬虫夏草

首に大刀が刺さっている


蛇足

カグツチだとかイザナギだとか日本神話の名前を出したが、これは、それらの神がその名前のままで隻狼に登場するということではない。これらはフロム流の再解釈を経た姿で登場するはずである

よってここに登場させた神の名は、あくまで便宜上のものであり、日本神話に当てはめるなら、という前提条件がつく

たとえば火の神が登場するとして、それはまず間違いなくカグツチという名前ではない。そのうえ、その火の神が主神であることも考えられる。仏教や密教と混淆し、もっとインド的な神(アグニとか)、不動明王的な属性をもつ可能性もある