[蓋かぶりの老婆]
吹き溜まり
…ほう、あんた、まともなのかい
鉄塊の坊やが最後かと思ったけど、どうして分からないものさね
それで、蓋っかぶりの婆に、何か用かね?
…何もしちゃあやれないよ。あたしはここで、ただずっと、眺めているだけだからね
→用などない
あんた、まともでいるんだよ
少なくとも、この婆がまともな内はねえ
→用がある
あんた、おかしなことを言うものさね
いったい蓋っかぶりの婆が、何を持ってるっていうんだい
…妙な期待はしないでおくれよ
→話す
火の時代が終わるとき、すべての地は最果てに吹き溜まる
王の国も、乞食の地も、みんな同じ。人の営みなど、そんなものさね
…だからあたしは、この景色が気に入ってるのさ
まるで神様みたいじゃないか
→話す
…ああ、そうだ、もしあんたが物好きなら、注意することだね
ここからずっと下に、大きな暗い、木のうろがある
…あのうろから、今でもたまに、聞こえてくるのさ
あれは、ローリアン様の仰っていた、デーモンの声さね
病に侵され、それでも人を呪っている。そんな化け物の声さね
輪の都到達後(パッチから輪の都の話を聞いたあとかも)
…あんた、ほんとにおかしな子さね
一体何が気に入ったのかね…
→「輪の都」について尋ねる
あんた、どこでその名前を聞いたんだい?
…まあ、いいさね。婆が知っていることは、教えてあげよう
伝承によれば、輪の都は最果てにあるという
それは確かに、この吹き溜まりの先、一番深い、その先さね
…けれど、考え直すことだね
輪の都は、神が作り給う、小人たちの流刑地。壁に囲まれた拒絶の街
…闇の魂に、近づくべきじゃあないんだよ
→話す
あんた、どうせ考え直しゃあしないんだろう?
まあ、それもいいさね。使命など、誰にもあるものじゃあない
精々大事にすることさね
あんたや、鉄塊の坊やには、きっとそれが一番さね
→立ち去る
あんた、死ぬんじゃないよ
あたしの景色が、悲しくなるのはご免だからね
[輪の都入り口の小人の王(衣服が小人の王と同じなので便宜上そう呼ぶ)]
輪の都
なあ、あんた、あいつらに運ばれてきただろう
あんた神の使いかい?それとも、そのふりをしただけなのかい?
→そのふりだ
そうだろう、そうだろう。あんたのようなものが、神の使いであるはずがない
そして、あんたのようなものの目的も、分かってるんだ
…暗い魂が欲しいんだろう?
そうでなくて、誰がこんな糞溜めにくるものか
隠すなよ。俺はあんたの味方なんだぜ
…ひひひ…ひひひひ
なあ、あんた、暗い魂が欲しいのなら
崖下のフィリアノール教会に向かうがいい
そしてそこで、王女の眠りを壊すがいい
…その眠りはまやかし
糞溜めの蓋、お前から、暗い魂を遠ざけるものさ
…きひひ…きひひひ
疑うことはない。俺はあんたの味方なんだ
あんたも人なら、きっと分かるようになる
滅茶苦茶にしたいんだよ、この神共の糞溜めをさ
…きひ…きひきひひ
さあ、崖下のフィリアノール教会に向かい、王女の眠りを壊すがいい
暗い魂が欲しいのならね
ぐひひひひ…
[説教者]
王廟の見張り
火に望まれぬ者がいる
君たちのこと、そして私たちのことだ
この街を見よ!我らは同朋、瞳を覗くように明らかに
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ
放浪の騎士、終わりなき忌み探しの旅
その終わりは深淵にのみあった。たとえ彼女が訪れぬとも
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ
大階段
知をもって、闇に対する者がいた。そして最後に、無知を知った
世界のはじまりにそれは無く、終わりにもそれは無いだろう
あたりまえのことじゃあないか
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ
肉親を殺めた憐れな娘も、深淵に溶けてその腕に抱かれた
薄暮も月も、決してそれを与えなかった
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ
沼地
女は恐れた。闇に潜み、噛み苛む虫たちを
けれど、どうだ!そんなものが、深淵のどこにいたろうか!
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ
男は恐れた。固い鎧を身に着けて、弱い女を、まるで児戯のように
火の側では、影が歪む者もいる。深淵に影はない
だから君、闇を恐れるなかれ
我ら食餌の時だ
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