2019年4月2日火曜日

Sekiro 考察2 巫女(保留)

この考察はいったん保留にする。理由はいろいろな部分がガバガバだからである
戒めとして残しておく

巫女とは源の宮の神域にいる彼女のことである


Sekiroの考察の始まりとして、この巫女が何者なのかを考えたいと思う
なぜならば、この巫女が日本における桜竜の始点だと考えるからだ


結論から先に述べるが、彼女は「桜竜を宿して西から到来した竜胤」である


竜の帰郷ENDルートによると「竜胤は… 故郷を放たれ、この日本に流れ着いたもの」と言われている


この「竜胤」は「桜竜」の名前を隠すために使われたのかと思っていたのだが、「」ではなく「竜胤」と呼ばれるのはなぜなのか

同じく竜の帰郷ENDによれば、竜の故郷に戻るためには、蛇柿を二つ食べた「揺り籠」に宿らなければならない(『永旅経・竜の帰郷の章』)


で、あるのならば、故郷から出るのにも揺り籠」に宿らなくてはならなかったとも考えられる


つまり、『竜胤は… 故郷を放たれ』とは、「桜竜を宿した竜胤(の御子)が故郷を放たれ、やがて日本に流れ着いた」ことを意味しているのではなかろうか

実際、桜竜の宇宙災害的な影響力を考えると、桜竜が竜体のまま海を渡ってきたのではなく、巫女の身に宿った状態で日本に到来した、と考える方が自然である

巫女が着用している服も、平安時代的な源の宮よりもさらに古い時代のものに見える。古墳時代ぐらいだろうか。と、考えると彼女だけが源の宮で時代が異なるのである

たった一人、遥か昔からいる存在で「巫女」と呼ばれている。ということは、竜と共に、竜を宿して日本にやって来た竜胤なのではないだろうか

さて、このようにして日本にたどり着いた「巫女(揺り籠)」は、やがて葦名の地に腰を落ち着ける。葦名の地には「名も無き小さな神々が寄っているような、ひと際古い土地」があったからだ(「神食み」)


巫女は「神域にある岩(磐座)」に桜竜を降ろし、桜竜は根付くことができた。『古い土や岩が、そこに染み渡った水が、神なる竜を根付かせた』からである(「戦いの残滓・桜竜)」


そうして桜竜は根付き揺り籠は神を祀る巫女となったである

岩やその周囲から桜の小枝が生えているのは、磐座に「桜竜が宿った」ことの証である

この小枝は時期を見て接ぎ木をするために巫女に採取される(丈の持ってきた常桜も同様に採取された)。巫女の足下に転がる三方(さんぽう、神饌を載せる台)はそのためのものだと思われる

そうして接ぎ木された最初の桜が、「大桜」である。この大桜は桜竜の現世における化身である。岩に宿ったの、顕現体としての「大桜」である


「桜竜のその身は常しえ」(「桜竜の涙」)と言われるのは、接ぎ木されることで永遠に生きることが出来るからである(日本中に植えられたソメイヨシノはすべて同一の遺伝子を持つクローンである)




そうした接ぎ木によって桜竜の眷属は増え、神の力はいや増していった

この時期に源の宮が建造されたと思われる
建造した勢力は不明だが、宮の下流域にある水生村から源の水に順応できた者(体内に「お宿り石」が出来るほど)を源の宮へ連れて行く輿入れの儀式を構築。人間はそこで「京の水」を飲まされて貴人となるのである(「京の水」)(「お宿り石」)



淤加美一族は水生村の輿入れを利用し仙郷へとたどり着く。そうして淤加美たちは不老不死となったと思われる


淤加美には変若水への強い耐性がある

日本神話において「淤加美」とは蛇神を表わす言葉であり、「変若水の伝説」(Wikipedia)では、は人間の代わりに変若水を浴びて不老不死となるからである(この伝説の最古のものはギルガメシュ叙事詩にある)

この時期の貴人はゲーム内で遭遇する軟体生物的アレではなく、もっと人間らしい姿をしていたと思われる。おそらくは壺の貴人餌やり係的な姿だったのではなかろうか

彼らは京の水を飲み続けることで徐々に魚人化してゆき、やがてになったと思われる。古い時代の特徴を残す壺の貴人になろうとしていることから、本来は人→魚人→壺の貴人→鯉というサイクルが存在したと思われる

※水生村の村人が酒を飲まされてから喉が渇き川の水を飲みたくなった、というのも魚人化を示唆しているように思われる
※水生村の神主が「京の水」で貴人化する理由後述する


ちなみに「京の水」と「変若水」は同一の物ではない。京の水は特別製の「御神水」である(「京の水」)


簡単に区分けすると「京の水は貴人(魚人)」を作り、「変若水は赤目」を作る


この時期がいわば源の宮の最盛期である

「源の宮勢力」が葦名へ攻め込んだのもこの時期だったと思われる
護国の勇者たちと「錆び丸」の力により撃退されるも、勇者たちの何人かは道を踏み外し、あるいは貴族に敗れ、御霊と化した(「阿攻の御霊降ろし」「夜叉戮の御霊降ろし」「錆び丸」)




その後、おそらくかなり経ってから後述するある理由において、仙郷の門は閉ざされる(「戦いの残滓・宮の破戒僧」)


門を守る破戒僧の真の名は八百比丘尼である。伝承では人魚の肉を喰らい不老不死となったとされる人物だ

人魚とはつまり、鯉となった貴人たちのことであろう。その肉を喰らうことで、人は蟲に寄生されて不老不死となるのだ

この鯉の肉がどこからもたらされたかというと、死んだぬしなりなりが仙郷から「獅子猿の水場」に流れ落ちて来たものだろう(鯉の餌やりイベント)

人はそれを桜竜から「授けられたもの」だと勘違いしたうえに食べてしまい、蟲憑きとなったのである(獅子猿が蟲憑きなのも、流れ落ちてきた鯉の死体を食べたからであろう)


まとめると「京の水は貴人(魚人)」を作り、「変若水は赤目」を作り、「鯉の肉は蟲憑き」を作る


この人魚を喰らうという秘法は、人魚の肉と共に仙峯寺に伝わっていたと思われる。僧侶たちは死なずの求道者となり、さらなる完全な不死の研究に邁進したのである。その結果、多数の犠牲者を出しながらも、偽りの竜胤と呼ばれる「変若の御子」を誕生させることができたのだ

もし「変若の御子」が蟲憑き技術の延長線上の成果であるとすれば「蟲の御子」と呼ばれているはずなので、おそらくは変若水を用いた方法であろう


変若の御子をまとめてみよう
・変若の御子は複数人いる
・一人を残して全員死んでしまった
・姿は見えない幻廊に亡魂となって存在している
・幻廊は生と死の狭間にある(「戦いの残滓・屏風の猿たち」)


端的に言って「変若の御子」とは「変若水の子ども」であり、さらにそれを略すと「水子」である。妊娠中に流産や中絶によって死んだ子どもたちのことである

姿が見えないのは生まれる前に死んでしまったために「生きた姿を得ていない」からであり、成仏せずに「幻廊」にとどまるのも、そこが「賽の河原」的な場所であるからである


さて変若の御子の具体的な作り方だが、おそらく妊娠中の女性の胎内の羊水を、変若水に入れ替えたのであろう

生まれる以前から「桜竜の水」に満たされていれば、「竜の眷属」つまり「竜胤」として誕生する、と考えたのであろう

人工的な竜胤の作り方とは以上のようなものであったと考える。ほとんどが死産だったと思われる


そうして誕生した偽りの竜胤が「揺り籠」になるわけだが、条件がある。その条件とは蛇柿を二つ食べることである(『永旅経・竜の帰郷の章』)


この蛇柿、ゲーム的には二種類あるが重要なのは種類が二つあることではなく、数が「二つ」であることである(『永旅経・竜の帰郷の章』)

蛇柿は心包であり、心包とは、神たる御魂を宿す臓であるとされる(「生の蛇柿」「乾き蛇柿」)



なぜ二つかというと、神道では神の魂には二つの側面があるとされるからだ

「荒魂」「和魂」である(Wikipedia)

この二つの魂を宿すために、二つの心包が必要なのだ
(一つの神魂の二つの側面であるが、神によっては別々に祀られる例もある)

具体的なメカニズムであるが、中国医学における心包の理解で問題ないと思われる
中国医学的には心包は心臓を包む袋や膜とされ、「神(しん)」を宿すという(Wikipedia)

変若の御子が心包を食すことで、変若の御子の心包が神性を帯び、神を宿せるようになる
もっとわかりやすく「心」と言い換えても良いかもしれない

竜の帰郷ENDで、「九郎が喜んでいる」と変若の御子が口にすることからも繋がっているのだと思われる


長くなったが以上のように、巫女と変若の御子とはほぼ同一の存在だと考えられる。どちらも神の魂を宿せる器(うつわ)的な存在なのである



ここから先はやや話が逸れるが、源の宮の大桜を見ると、空から落ちてきた何かにぶち折られたように、大枝が折れている(大桜は桜竜の顕現体である。大桜を見ると、折られた大枝と桜竜の欠損した左腕の位置はだいたい同じ)



エマの言う「かつて葦名に竜咳が広がり、そのときは治るものは無かった」というのはこのときのことであろう。損傷を回復させようと葦名中の人間から生の力を奪ったのだ

さて、折れた大枝の直下のには、深い穴が空いている
この深い穴の最深部になにがあるかというと、グロテスクなので注意して欲しいが


形や色からアゲハチョウ科の幼虫と推測される

一般にアゲハチョウの幼虫は柑橘類の葉を食べるが、かつて「橘の実」は常世の国に生える「非時香果」と考えられていた。この非時香果は時じくの香の木の実(ときじくのかくのこのみ)とも呼ばれ、不老不死をもたらす果実とされた

この橘につく虫を神として祀ったのが「常世神」(wikipedia)である
この神を祀ると、富と長寿が授けられ、貧者は裕福になり、老人は若返ると説かれた。(wikipediaより引用)

このことから、落下してきた飛来物には「常世神」が付着していたと思われる。この虫は橘の木の葉ではなく、竜(鯉は竜の眷属)を食らう神である


ここに竜/虫の構図が発生するが、両者は対立しているわけではない


さて、植物は病気になったり虫に食害されるなどストレスを感じると、様々な化学物質を分泌する自己防御機構があることが知られている

傷つけられた植物は、防虫や抗菌といった作用のある化学物質を分泌するのである


飛来物によって損傷を受けた桜竜もまた自己防御機構を作動させ、それは神の災いとも言うべき害悪となって文字通り垂れ流されていく

この毒によりまず「京の水」が汚染され、元人間である貴人が最も大きな影響を受けて軟体生物と化す。淤加美一族は上記で触れたように蛇の属性を持っているため人間ほど影響は受けなかったが、やはり首が長くなったりなどの変化が認められる

本来魚人化するはずの「京の水」であるが、汚染されてしまったため、それを飲んだ水生村の神主は即座に軟体生物となってしまったのである

神主が村人たちに飲ませたものは「酒」であり「京の水」とは成分が少々異なると思われる。ある意味で「京の水」の劣化品であったがために効果が薄まっていたのだろう(喉が渇くといった多少の魚人化傾向、火を怖がるという赤目傾向はあったようだが)

また、飛来物に付着していた常世神の眷属であるムカデが鯉に寄生、それは鯉を食べた人間に寄生し、人間は蟲憑きとなる

ここで桜竜と常世神の系統を整理してみよう

桜竜ーぬしー鯉ー壺の貴人ー魚人ー人
常世神ームカデ、コオロギー蟲憑き

つまり桜竜から連なる竜の眷属と、常世神から連なる蟲の眷属があるが、両者は特に争っているわけではない。桜竜は傷ついたので防御機構を発動させただけであり、常世神側は本能に忠実に生きているだけである

しかしながら、人間の様々な思惑が絡んでくるために、両者の関係性が分からなくなるのである

飛来物の到来からしばらくして、正常な暮らしの成り立たなくなった源の宮は自ずから門を閉ざす。永久に門を閉ざすために蟲憑きに門を守らせ、霧ごもりの貴人を差し向けて源の宮に通じる水生村を隠してしまう

この指揮を執ったのはまだ眠っていなかった巫女だったであろう

そうして源の宮を封じてから、桜竜を癒やし鎮めるために巫女は眠りについたのである



蛇足

話が横道にそれ続けて長くなってしまった

Sekiroはストーリーがはっきりと分かる部分と、ヒントが少ないか全く無い部分があって、今回はとにかく分からない部分から暫定的に考察していったものである

全体的に叩き台的なものである。書いた本人も納得してない部分が多々あり。

飛来物に関しては源の宮を観察してそうではないかな、という程度
桜竜の左腕は、故郷での戦いで失ったという可能性も考えた

変若の御子の作り方に関しては全くヒントが無いのでかなり妄想気味

鯉の肉に寄生虫が~というのは、八百比丘尼の伝承から考えるに妥当かと思われる
八百比丘尼が門守になった時期については自信がない

巫女が神を宿して~というのは、あの巫女に関する情報がほとんど存在しないので、服装や状況から推測してみたものである

竜と蟲の関係がさっぱり分からずとても困っている
一応こじつけてみたものの自信はない

大桜=桜竜の顕現体に関しても、折れた枝と桜竜の欠損した左腕をこじつけたもの。強く主張する気はさらさらない

全体としてラディカルな仮説を繋げてみたものである。それでどこまで行けるかを試してみたかった。結果的には、もっと細部から攻めないとなぁという結論を得た

11 件のコメント:

  1. 巫女に関する推測はすごく面白いと思います!
    何か所で色んな考察を見ましたが、やはりバラバラに断片を挙げているだけでまとまらないように感じました
    細部から詰めるべきだと私もそう思いました

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    1. コメントありがとうございます
      巫女は何もわからないのに重要な地位にいるキャラクターなので、扱いに非常に困ります
      ここまで情報が乏しいと、巴から元祖揺り籠まで何とでも言えてしまえるので、考察的には便利な存在かもしれません

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  2. 楽しく読ませていただきました!
    岩戸の巫女が元祖揺り籠だとして、古代日本人だと思いますか?西方人だと思いますか?
    西方から放たれた割には和風の服を着ているので、こんがらかりました。

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    1. 感想ありがとうございます。コメントに気付くのに遅れてすいません

      「西」をどう捉えるかだと思います。いわゆる西方極楽浄土なのか、それとも現実にある西の国なのか

      ただし極楽の観念は仏教伝来以降のことですので、古墳時代的な巫女の服装とは合致しません。巫女の服装と時代を合わせると、西方を高天原と考えることもできるかと思います

      国生み神話や天孫降臨、あるいは国譲り神話に示されるように、厳密には高天原は日の本とは異なります。また天孫降臨の地は九州ですので、東北から見ると西方でありますし、そこから先は不明という意味で「西方」なのかもしれません

      最もシンプルに考えるのならば、揺り籠といっても人間であり人の着物を着るわけです。当時の衣服というのは着ている限り、また旅をしている限り数年ももたないでしょう。よって、足を運んだ土地の衣服を調達しながら旅をしていたのだと思います

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  3. 神域の巫女の左目周辺がヒビ割れたみたいになっているのを発見しました。拝涙する前です。
    拝涙した後にこの跡ができるなら巫女が桜竜自身だということになるかなぁと思ったのですが拝涙する前からあるので謎です。

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  4. 左目周辺のヒビですがこのページに載せてくださっている一枚目の画像でもなんとなく確認できると思います。

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    1. 貴重な情報ありがとうございます
      五色米を使って検証したものを考察32として記事にしてみました

      左眼にうっすらと白い筋があるのが確認できました。これが意図的なものなのか、オブジェクト間の光の干渉によるものなのか私には判断できないのですが、意図的なものだとしたら興味深いです

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  5. 源の宮の内裏の帳台のそばに、白と赤の着物がかけてあるのに気が付きました

    現代の巫女の服に近いように見えますが、件の巫女の服だったのでしょうか

    そうであれば、内裏の主は帝ではなく巫女だったのかもしれませんね

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    2. 内裏の奥には二つの御座があって、正面の御座に帝が座り、紅白の帳台に后宮(あるいは斎宮)がおられたと想定していたのですが、赤白の水干は確かに巫女や白拍子に特徴的な衣装ですね。もしかすると帳台に巫女が座っていたのかもしれません

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    3. 追記:存在が定かでない帝を持ち出すよりスマートだと思います

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