まず、仙郷には他に「仙境」という字が使われる例がある
「竜胤断ちの紙片」である
竜胤断ちの紙片
丈が遺した竜胤断ちの書の一部のようだ
不死斬りがあれば、
我が血を流すことが叶うはず
血を流せば、香が完成し、仙境にいける
そうすれば不死断ちもできるだろう
竜胤の介錯、如何に巴に頼もうか…
仙郷と仙境との違いは何か分からないが、英語版の該当箇所には「the divine realm」と記されている
この「the divine realm」は、常桜の香木や常桜の花、竜胤断ちの書、巴の手記、淤加美の古文書、にも登場し、その際の日本語訳が「仙郷」であることから、「仙境」は「仙郷」の誤字である確率が高い
また日本語版において「仙郷」の文字が登場する貴重品のなかで唯一、英語版において「the divine realm」という文字が登場しないまこと貴い餌(平田壺貴人)であるが、これは「仙郷のぬし」を代名詞Heに置き換えているからと考えられる
平田屋敷の壺の貴人との会話(英語版)では、「Bring it to the Great Carp of the divine realm.」と表記されており、壺の貴人はぬしの鯉が住んでいる場所を仙郷と認識していることがわかる
これは日本語版の「仙郷の、ぬしの鯉に与えてたもれ」というセリフと一致している
壺の貴人のテキストは宮崎氏が担当したとのことなので、「仙郷=源の宮を含む領域」と考えるのが、世界観的にも正しい…と思われるのだが、源の香を炊いた際に九郎が、
「源の宮… 丈様が書き残されていた通り そこから、仙郷に通じているのだろうな」(九郎)
ということから、やはり源の宮は仙郷に含まれないのかもしれない
仙郷の範囲が時代や語り手の認識によって変わるという可能性があると思います。壺の貴人たち元より宮に居た古い人間には仙郷が宮まで含む範囲で、九郎や狼などのいわゆる外部に生まれ育った現代の人にとってはの仙郷は雲の中の所に限定されたかもしれない。理由は特に考えていなかったのですがとある領域の範囲は立場や知識の差によって人の間に異なることは現実にもままある話なので、割とありな話だとも考えています。
返信削除そのとおりだと思います。屏風に描かれた桜竜の姿から、桜竜は元々は源の宮に棲んでいたのではないか、という印象を受けます。源の宮時代→磐座時代と桜竜の移動に伴って仙郷の範囲が変動しているのかもしれません
削除竜胤断ちの紙片の丈のセリフから、丈の時代にはすでに桜竜は神域の岩のなかに移動していたという推測も成り立ちますね