考察
本作のメインヒロインである「メリナ」を最初に考察してみたい。といっても考察というよりは概要の把握といった段階である
また資料が限られているために誤っている部分や未完成な部分も存在する。いまも資料を集めているが、その終わりは見えない
メリナの役割
メリナの正体については、使命の刃が明らかにしている
使命の刃
使命に旅立つ者に与えられた短剣
この一振りには、その古い持ち主たる
種火の少女の力が残っている
炎と共に歩む者
いつか、運命の死に見えん
専用戦技「黄金の刃」
宙に跳び、武器に黄金の炎を纏わせ
それを刃となして放つ戦技
聖属性のダメージを与える
モーゴット戦で召喚できるメリナはこれと同じ短剣を所持している
使命の刃は、王都と禁域とを結ぶ大昇降機の秘密の部屋で手に入れることができる
扉の前に官吏の装束をもった遺体があることから、メリナは幽閉されていたと考えられる
官吏の装束
薄汚れた青色のローブ
過酷な役目を負った、官吏たちの装束
監視、処刑、陰惨な儀式
だが人は、暗い役目にこそ依存する
まとめると、メリナは種火の少女である。その使命は巨人の火の釜に己を投じることで巨人の火を燃えあがらせ、黄金樹を焼くことである
火の大罪
預言者は、黄金樹を見上げ絶望する
もうすぐに、種火が滅びを燃えあがらせる
メリナの左眼
狂い火END(真)において、メリナの左眼が開く
その左眼は青く、「そして貴方に、運命の死を」と述べることから、死のルーンの力を表わしている
黒き剣の追憶
マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった
マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み
後にそれを裏切ったのだ
またそれは運命であることから、夜の律とも連関する
星の雫
永遠の都で採取される秘雫
別名を「夜の雫」という
かつて、夜空の星は運命を司っていた
これはその名残であろう
夜の律とは同じ青い瞳をもつラニが目指した律である。彼女の説明によれば、生命に対する魂(霊体)の律である
私の律は、黄金ではない。星と月、冷たい夜の律だ
…私はそれを、この地から遠ざけたいのだ
生命と魂が、律と共にあるとしても、それは遥かに遠くあればよい
確かに見ることも、感じることも、信じることも、触れることも
…すべて、できない方がよい(ラニ)
つまりラニは生と死が重なりあっている状態を止め、生と死の世界を分離したいのである
すなわち夜の律とは死を司る律であり、反対に黄金律は生を司る律である
メリナの左眼が青いのは、そこに運命の死の力、すなわち夜の律の力が宿っているからである
※太陽の輝く昼は生の世界、夜は死の世界、という比喩もあるのだろう
金色
一方でメリナの右眼は「金」であり、黄金律を象徴する色である
つまるところメリナは、黄金律と夜の律の二つの律を体現するキャラクターでもある
彼女は自らについて次のように語っている
…私の話?
…探しているの
かつて、黄金樹で母から授かったはずの、私の使命を
焼け爛れ、霊の身体となってまで、生き続けている理由を
…貴方にも、詫びたいと思っていた
指の巫女様の替わりになる、そう言いながら、私は貴方を導けない
私は巫女ではなく、そして…、使命を失くしてしまっているから
使命とは上述したように、巨人の炎を蘇らせる種火となることである
メリナの母
以上のようにメリナは黄金律と夜の律を体現する存在であり、また巨人の火を燃えあがらせる「種火の少女」でもある
火の巨人の追憶
巨人たちは、皆一様に赤髪であり
ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという
それは巨人の呪いだったろうか
それらの属性を合わせると、金色と青色の眼をもつ赤毛の少女となる(後述するが彼女が赤髪であることにはもうひとつ理由がある)
少なくとも三種類の属性をもつメリナという存在を創りだした者とは何者であろうか
彼女は自らの母についてこう語っている
…私の話?
…探しているの
かつて、黄金樹で母から授かったはずの、私の使命を
焼け爛れ、霊の身体となってまで、生き続けている理由を
彼女は使命を黄金樹で母から授かった、という
この表現からは黄金樹そのものは母でないことがわかる
母は黄金樹のもとにいて、メリナに種火という使命を与えられる者である
プレイヤーが黄金樹に辿り着いたとき、そこにいたのは黄金律のラダゴンとエルデの獣であり、それらを倒した後に残るのが「壊れかけのマリカ」である
黄金樹の恩恵を受けるマリカが黄金樹を焼こうとするのは矛盾するように思えるが、しかしエルデンリングを砕こうとしたのもマリカである
マリカの槌
狭間の外、稀人の地で作られたという石鎚
女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし
ラダゴンが、それを修復しようとした得物
マリカはエルデンリングを砕こうとし、そして黄金樹も焼こうとしたのである
女王の閨では、黄金律に従うラダゴンを犬と嘲り、神ではないと罵るマリカの言霊が聞ける
おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ
お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない
さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!(女王の閨のマリカの言霊)
ここでマリカは黄金律に対して反逆の意を示している。彼女が黄金樹を焼くために、メリナを種火という使命を与えたとしても矛盾ではない
※もう一人メリナの母となる可能性のある者がいる「ラニ」である。ただし長くなるので、別の記事にしようと思う
ここから下はかなり妄想気味になるので注意
命名規則
少し話は変わるが、本作に登場するデミゴッドや神人の名前には命名規則がある
マリカとゴッドフレイの子や末裔には、「God」「ゴット」「ウィン」がつく
ゴッドウィン
モーゴット
モーグ(モーグウィン王朝を開こうとすることから、本名はモーグウィン)
ゴドリック(Godrick)
ラダゴンとレナラの子は、頭文字が「R」
ラニ(Ranni)
ラダーン(Radahn)
ライカード(Rykard)
マリカとラダゴンの子は、頭文字が「M」
ミケラ(Miquella)
マレニア(Malenia)
この命名規則を適用すると、メリナ(Melina)は、マリカとラダゴンの子となる
死のルーン
つまるところメリナの赤髪はラダゴン由来のものであり、その右眼に金色の黄金律を宿すのはマリカとラダゴンの子だからである、となる
では左眼の青はどこから来たのか
メリナの青い左眼は「運命の死」を現わしている。それはマリカがかつてマリケスに封じることを命じたものである
黒き剣の追憶
マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった
マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み
後にそれを裏切ったのだ
メリナが産まれた後、マリカはマリケスを裏切って「運命の死」を取り出し、その力をメリナに与えたのである(あるいは生まれ持っていた)
※陰謀の夜、マリケスから盗まれたのは死のルーンの一部に過ぎない(全てでは無い)
黒き刃の刻印
陰謀の夜、何者かが
黒き剣のマリケスから死のルーンの一部を盗み
暗殺者たちの刃に、その力を宿した
ラダゴン
さて、エルデンリングを砕くという大罪を犯した故にマリカは黄金樹に捕らえられ、彼女の肉体と精神はラダゴンによって上書きされた
ラダゴンは黄金律の犬であり、女王マリカを継ぐ次代の神を作る役割に忠実であった
レナラを篭絡し、首尾良くラニという神人を授かったものの、後に続く子たちは「赤髪」が強く出過ぎたことでデミゴッドではあるが、神人ではなかった(出生順に関してはラニが最後という可能性もある)
これ以上の神人を諦めたラダゴンはレナラを捨て黄金樹に戻り、己の半身たるマリカと交わることでミケラとマレニアを産む
永遠の幼さと腐敗という刻印が押されていたものの、ミケラとマレニアは神人であった
しかしその次に産まれたメリナは神人ではなく、ラダゴンが絶望した巨人の赤髪を受け継ぐ者であり、マリカによって種火の使命も与えられる
火の巨人の追憶
巨人たちは、皆一様に赤髪であり
ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという
それは巨人の呪いだったろうか
その上メリナの左眼には「運命の死」の力も宿っていた(後天的なものかもしれない)
黄金律の体現者であるラダゴンにとって黄金樹を焼く種火であり、かつ運命の死の力をもつメリナは危険な存在である。それ故に彼女の左眼を封じ、幽閉したのである
殺さなかったのは、王族は例え忌み子であっても角を切られることなく地下に捨てられるように、王族殺しは禁忌だったからである
王家の忌み水子
王家の忌み赤子は、角を切られることはない
その替り、誰にも知られず、地下に捨てられ
永遠に幽閉される
その後メリナは霊体となって逃れ、狭間の地をさまよい、褪せ人と出会うことになる
※メリナの左眼のアザが三本指に見えることについては「二本指と三本指の考察」の時に詳しく考察したい
※またマリカがエルデンリングを砕いた理由についても別の考察で述べたい(オープニングのセリフから、ゴッドウィンの死はその原因ではない)
生と死の循環
破砕戦争の果てに狭間の地は膠着状態に陥る
停滞してしまった狭間の地を蘇らせるため、大いなる意志はエルデンリングを修復し、生と死の循環を蘇らせようとしている
生と死の大いなる循環、それがエルデンリングの象徴するものだからである
死王子の修復ルーン
それは、2つの欠環が合わさった聖痕であり
死に生きる理を、律の一部とするものである
黄金律は、運命の死を取り除くことで始まった
ならば新しい律は、死の回帰となるであろう
本来的にエルデンリングには、生と死が含まれていた。そこから運命の死を取り除いて封印したのがマリカであり、その時から永遠を謳歌する黄金律の時代が始まったのである
黒き剣の追憶
マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった
マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み
後にそれを裏切ったのだ
死王子の修復ルーン
黄金律は、運命の死を取り除くことで始まった
ならば新しい律は、死の回帰となるであろう
よって、そこに死を戻すことはエルデンリングを本来の形にすることであり、エルデンリングが砕けたことで停滞した、生と死の循環を蘇らせることでもある
生と死の循環が蘇った場合、そのままでは生者と死者とが同じ世界に同居することになる
それを終わらせようとしたのが、ラニである
夜の律により、生者と死者は互いに見ることも感じることも、信じることも、触れることもできない状態に移行する
生命と魂が、律と共にあるとしても、それは遥かに遠くあればよい
確かに見ることも、感じることも、信じることも、触れることも
…すべて、できない方がよい(ラニ)
死者(魂)は夜の律の司る世界(死後の世界)に住むことになり、以後の狭間の地は生者のみが住むことになる
狭間の地とは、生と死の分離する以前の世界のことであり、それは現実世界を生きる我々から見れば、神話的な世界なのである
こんにちは、ソウルシリーズの考察でたびたびお世話になっております
返信削除数日前に、ラニエンドで???だったのがやっと理解できたかな?と思っております
魂だけの「ラニ・メリナ」はどこであの体を手に入れたのか
ラニの封じられた目や二人が一部重なったイラスト等???な点が多々ありますが
朱き腐敗、この作品の一つのテーマですがこの存在が私にとって一番の???でした
朱き腐敗にすべてを飲み込まれた世界はどうなるんだろ~とか、起源とか
とりあえずは、メリナブチギレエンドを見なければデス
今後も、楽しみに閲覧したいと思います
ラニとメリナの関係も気になりますね
削除メリナの左眼とラニの右眼を重ねると霊体とラニのイメージ図の通りになることから、二人は何らかの関係があると思われますが詳細は不明です(トレントを介しても何らかの関係がうかがえます)
朱き腐敗は世界が停滞していることで、腐敗の神の干渉が強まったために登場した、とも考えられます
その停滞をうち破る世界の循環を取り戻そうというのが大いなる意志の“意志”なのかもしれません
もう一度この考察を読み直し、赤き腐敗が多少は理解できました
返信削除マレニア=赤の腐敗が、ケイリッドとラダゴンをあのような姿になのですね
だからこそ、マレニアは腐敗を身にまといながらも正気でいられたのですね
だとしたら、巨人の呪い=赤髪がなぜラダゴンに出るのか
この世界に何故、種火が有るのか?巨人の存在とは??
竜と仲良しの人も居るので、ソウル繋がりなのでしょうか?
狂い火村を見て、ソウル1の「俺の太陽だといっていた太陽の鎧の人」
を思い出してしまいました
謎が深まるばかりです
自己完結記入ごめんなさい
巨人に関しては、黄金樹の時代の創生期に最大の敵であったことがアイテムテキストに書かれていたような記憶があります
削除黄金樹と火(種火)は対立する二つの勢力だったのですね
ソウルとの関係は表向きは無いと思われます(シリーズが違うので)。ただファンサービス的なものはあると思います
ラダゴン=マリカなのは理解出来るのですが、ラダゴンとマリカは肉体を共有してるはずなの何故、子作りとかを出来たのでしょうか?
返信削除その辺りは想像するしかないのかもしれません。ただ、神話では一柱の神から神々が生まれることが多々あります(ギリシャ神話など)
削除肉体を共有する二つの神性から神人が生まれるということもあるのかもしれません
言葉の意味がちゃんと理解できないと内容理解するの難しいですね
返信削除黄金律が死を取り除いたとものと言っても具体的にどういう状況なのかよくわからない
死に生きるというのはメリナやラナみたいな肉体を失った魂だけってことでいいのかな?
では肉体が残って魂の無いもの生きていると定義していいのか
よろしければ出てくる用語や意味についても分かる範囲で解説して欲しいです!
死に生きる者の発生源は、死王子ゴッドウィンと思われます
削除彼の今の在り方が死に生きる者と定義できるかと
つまり魂を失った生命という感じでしょうか
メリナやラニのような霊体は逆に肉体を失った魂だと思われます
これらの現象はエルデンリングが砕かれたことにより引き起こされた停滞のひとつなのだと思います
生命はきちんと生きてきちんと死ななければならない。そのためにエルデンリングは修復されなければならない、と私としては解釈しています
まだ私としても理解の端緒についたばかりなので、定義は常に揺らいでいます
考察していくなかで、それらの差異を腑分けしていけたらなと思います
返信ありがとうございます。
削除黄金律は運命の死を取り除いたもの、この運命の死とは寿命や病気事故などと仮定すると
黄金樹の祝福を受けたものはデミゴッドでもなくても基本死なないってことですかね
ゴッドウィンが死に、狂ったマリカがエルデンリングを破壊
黄金律は壊れ狭間の地は生も死も漂う歪な地になった
黄金律の前の時代は寿命や病気事故で普通に死ぬ?
黄金律の時代=不死の時代なのか
初見プレイヤーが最も多くむかえるエンディング(修復ルーンを使わない)
エルデの王エンドではナレーションにより壊れかけの時代と語られますが
エルデンリングを修復をしたはずなのに壊れかけの時代と称させるのは何故なのか、
僕の言ってる黄金律の時代=不死の時代っていう考えは雑なのですが
本来の生きて死ぬというあり方は自然であり当然で
運命の死を取り除いた黄金律の方が歪んでるように感じます
シードさんは時代による生と死とはありかたについてどう解釈してるか知りたいです!
ソースはどこだか分かりませんが、エルデンリングは北欧神話を元にしていると聞きました。北欧神話で火と巨人と言えば「スルト」ですね。スルトは北欧神話の最後あたりで世界を焼き尽くすという話があるので、「巨人の呪い=黄金樹、黄金律の破滅」みたいな意味なのかもしれませんね。
返信削除世界喰らいの王笏などを見ても、北欧神話の影響は色濃いですね
削除太陽を蝕で蝕むことにも、太陽を喰らう狼というラグナロクの最初のエピソードが想起されます
ゴッドウィンはバルドルで、ゴッドフレイはオーディン、マリカはフリッグと比べることも可能かも知れません
返信ありがとうございます。シードさんもやはりそう思われますか。キャラを北欧神話の神に置き換える考え方でいくと私的には、ラダゴン=ロキだと思ったりするんですよね。巨人族の末裔という共通点しかないですが;;。話は若干それますが、赤髪であることを絶望したところ(火の巨人の追憶)、完璧を目指した(確か”ラダゴンの肖像”)などを見るに、ラダゴンさんは神になりたかった、マリカの後を継ぎたかったと思っていたのかもしれませんね。ここから妄想ですが、レナラを降った理由もマリカの後を継げる存在をせめて子供に欲しく、レナラさんじゃ無理だと思ったのかもしれないですね。
削除メリナがいるときにレベルアップすると字幕のないセリフがありますが、内容としましては
返信削除Share them with me,your thoughts,your ambitions, the principles you would follow.
(あなたの思想、野心、原則を私に教えて(共有して)ください。
レベルアップするときに唱える内容としてはちょっとおもしろいかもしれません。
このコメントは投稿者によって削除されました。
返信削除いつも面白い考察楽しんでいます。
返信削除ただ一つ気になったので書き込ませてください。
メリナは赤髪であることからラダゴンの娘なのでデミゴッドである事(他にもメリナがデミゴッドである要因はありますが)。彼女の肉体は死んで霊体である事。ラニは最初のデミゴッドで死んだ一人である事と彼女は肉体だけ死んで魂は生きている事。そして彼女の死体にはプレイヤーが拾うまで死のルーンが刻まれていた事。つまり古から現在までラニ以外のデミゴッドで肉体だけ死んで魂が生きている例はないという事です。
あと地名スリーシスターズに一つ下劣なおっさん魔術師の塔をわざわざフロムが置いてわかりやすく誘導してくれてるのを無視しないであげてくださいw
面白い考察楽しみにしています。