※説明が長くなる自説はなるべく控える方針
※ゲーム内に登場するオブジェクトのモチーフなどは「葦名探訪」にいくつか
※2019/05/12追記:表面的、ビジュアル的な類似まで挙げていくとキリがないので、これ以上の更新は控える
隻狼
藤原 秀郷(俵藤太)(Wikipedia)九郎
源義経(Wikipedia)葦名一心
会津蘆名氏(Wikipedia)剣聖上泉信綱(Wikipedia)
※バガボンドにも出るし…
葦名の天狗
能の「鞍馬天狗」エマ
能の「絵馬」無限の住人の伊羽密花(いばね ひそか)(Wikipedia)
道玄
曲直瀬道三(Wikipedia)道順
楯岡の道順(『万川集海』)※楯岡の道順は忍びなので、元は忍びとして設定されていたのかもしれない
捨て牢
『無限の住人』の不死実験編猩々
猩々歌舞伎・能の「猩々」
→仏師
『火の鳥』(手塚治虫)の我王(猿田)(Wikipedia)
梟
狂言・梟山伏※苦し紛れ
お蝶
能の「胡蝶」※苦し紛れ2
死なず半兵衛
『無限の住人』万次壺の貴人・維盛
平維盛(Wikipedia)壺の貴人・春長
織田信長(『絵本太功記』)(『三日太平記』)※考察9 仙郷のコメント欄にて情報をいただきました
敵将、田村
坂上田村麻呂(Wikipedia)田村隆顕(Wikipedia)
能の「田村」
家紋は「丸に九曜」。「九曜系」は千葉氏や相馬氏などの家紋
首無し
河童(平家の落ち武者説 Wikipedia)七面武者
七人ミサキ(Wikipedia)北面武士(Wikipedia)
丈
ヤマトタケル(Wikipedia)巴
巴御前(Wikipedia)能の「巴」
淤加美の長、静
静御前(Wikipedia)仙峯寺
清水寺(Wikipedia)坂上田村麻呂と関連が深い
甲冑武者
南蛮胴(Wikipedia)武蔵坊弁慶の千本の刀狩り(Wikipedia)
変若の御子
オオゲツヒメ(Wikipedia)奥の院
高野山・奥の院(Wikipedia)太郎兵
神隠しに遭う典型的なタイプのひとつ(参考『神隠しと日本人』小松和彦)座頭市(北野武監督)の走り回る男(無法松)(ただの第一印象)
即身仏
即身仏(Wikipedia)奥州藤原氏のミイラ(Wikipedia)
らっぱ衆
乱破(Wikipedia)平田家
蘆名四天、平田氏(Wikipedia)侍大将 河原田直盛
蘆名氏家臣、河原田盛次(Wikipedia)侍大将 山内典膳
蘆名氏家臣、山内氏(Wikipedia)侍大将 松本内蔵佑
蘆名氏家臣、松本氏(Wikipedia)佐瀬甚助
蘆名四天、佐瀬氏(Wikipedia)林崎甚助(Wikipedia)
水生氏成
不明山内式部利勝
蘆名氏家臣、山内氏勝(Wikipedia)鬼庭形部雅孝
鬼庭綱元(Wikipedia)鬼鹿毛
武田信虎の愛馬小栗判官の説話に登場する人食い馬(Wikipedia)
鬼庭主馬雅次
不明火牛
倶利伽羅峠の戦い(Wikipedia)弥山院圓真
宝蔵院流槍術(Wikipedia)根来衆(Wikipedia)
内府
徳川家康(Wikipedia)慶長元年(1596年)5月8日、秀吉の推挙により内大臣に任ぜられる。これ以後は江戸の内府と呼ばれる。
赤備え
赤備え(Wikipedia)井伊直政
飯富虎昌
山県昌景
真田信繁(幸村)
孤影衆 正就
服部正就(Wikipedia)長手の百足
武田家の金掘り衆(Wikipedia)四猿
『論語』の「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」(Wikipedia)蛇の目、シラフジ/シラハギ
シラとは白のことで、元は白拍子(静御前)から来ている(Wikipedia)ジラフはおそらく白斑か白夫、あるいは白父
落ち谷衆
『もののけ姫』の石火矢衆(Wikipedia)白蛇
白蛇伝(Wikipedia)祭蛇記(青空文庫)
倭迹迹日百襲姫命(蛇神との神婚)(三輪山伝説 Wikipedia)
水生のお凛(Wikipedia)
無限の住人、乙橘槇絵(Wikipeida)貴人の笛
平敦盛(Wikipedia)能の「敦盛」
貴人の笛の音
雅楽・蘭陵王(YouTube)
竜の舞い面
雅楽・蘭陵王の面(Wikipedia)破戒僧
八百比丘尼(Wikipedia)五条大橋(Wikipedia)
橋弁慶(YouTube)
称名寺(Wikipedia)
白木の翁たち
式三番(能・狂言事典 - ジャパンナレッジ)白色尉(はくしきじょう)
黒式尉(こくしきじょう)
怨嗟の鬼
能「猩々乱」歌舞伎・能の「猩々」
修羅
修羅能(Wikipedia)阿修羅道(Wikipedia)
桜竜
『雷神不動北山桜』の「鳴神」(歌舞伎 on the web)七支刀(Wikipedia)
巫女
卑弥呼(Wikipedia)アマテラス(Wikipedia)
勾玉(Wikipedia)
源の水
変若水(Wikipedia)若返りの泉(Wikipedia)
ソーマ酒(Wikipedia)
能の「養老」「枕慈童(まくらじどう)」
隻狼と梟ですが
返信削除常陸国風土記の土蜘蛛に関する記述に
「普(あまね)く土窟(つちむろ)を掘り置きて、常に穴に住み、人来たれば窟に入りてかくる」とされ、狼(おおかみ)の性、梟(ふくろう)の情をもつもので、いよいよ風俗を阻(へだ)てる種族であるといっている。
とのことです
情報ありがとうございます
削除茨城郡の条に「狼の性、梟の情にして、鼠のごとく窺ひ、狗のごとく盗む」、とありますね
「国巣(くず)」(土蜘蛛、やつかはぎ)である「山の佐伯、野の佐伯」と呼ばれる者たちの野蛮さを動物にたとえて表現したもののようです。
「狼の性」というのは、その荒くすさむ性情、「梟の情」というのは感情のことではなく、その暴虐性。鼠のようにひそかに様子を窺い、狗のように盗み取る、というふうに
山野の穴倉の居住し、世間からは孤立していたようで、最後は黒坂命によって「茨棘(うばら)」によって討伐されたところから、この地を「茨城」と名付けたとあります
Sekiroの命名規則は分かりませんが、梟(薄井右近左衛門)たち薄井の森の民が、自らを僭称で呼ぶ可能性は低いのではないかと
ただし、薄井の森の末路は佐伯たちと似たようなものなのかもしれません
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返信削除いつも考察を拝見しております。
返信削除水生氏成ですが、「水」から「氏=うじ=蛆=虫」が「生まれる」との言葉遊びなのかな、と思いました。
安直なので既に考えつかれた案かもしれません。お目汚し失礼しました。
GOTYでこのゲームを知り、クリアし、考察全て拝見しました。
返信削除ゲーム、考察ページともに、重厚な伝奇小説やミステリ評論を読んだような素晴らしい心地になりました。
他にも元ネタとして、あまり言及されませんが、下記はどうだろうかと思い、失礼ながら列挙してみました。
なるだけシンプルに書きます。どちらかのトピックと被っていたらすみません。
・葦名一心 ➡︎ 大名としては蘆名盛氏。剣術家としては、疋田新陰流の上泉氏よりも、塚原卜伝の方が近いイメージを感じました。
(塚原城主。こちらも剣聖と呼ばれ、一之太刀など。鹿島新当流、新陰流、一刀流などの遠祖にも当たる) 名前は、伊藤一刀斎や、関口氏心あたりからの組み合わせの意味もある?(エマ、一心ともに、剣居に加え、弥和羅の要素があるので、関口流 要素?)
武術伝書からみた案
・一方で、SEKIROに登場するスキルの絵は、神道流系の武術伝書の巻物の絵 (現在トンボ絵と呼ばれる形式)を模しています。ここから、実在の伝書を参考にしたのは確かと思いますが、特定の実在流派をそのまま使っているというわけではなく、モチーフ、意匠程度に使っているのかなと思います。
・新陰流・示現流だと、受太刀(先生側)に烏天狗が立つ絵伝書、受太刀、仕太刀ともに刀を持った猿が立つ絵伝書が多いです。葦名一心の天狗面や、落ち谷などになぜか刀を持った猿がいるのは、この辺がモチーフではないかと思います。
・梟 ⇨ 風魔小太郎(「北条五代記」での描写: 盗賊、夜討、放火、福禄寿の頭⇨”ふくろ”う? 風魔と名前のニュアンスも近い)、
猪苗代盛国 (戦国末期の葦名氏最後の諸々) また、猪苗代氏の祖は蘆名家と同じ佐原姓。猪苗代に別れた初代の名は大炊助経連。この「大炊助」が梟の名乗る「薄井」に字面が近い?
・孤影集 ➡︎ 黒脛巾組
・織部正綱 ➡︎ 服部半蔵正成(正成を正綱と誤記している史料を参照? 正長、正就などの息子の名前の傾向からも)
・猩々 ➡︎ 能「羅生門の鬼」(大手門と羅生門をかけて) 歌舞伎「茨木」 (明らかに見栄を切っているので歌舞伎? ➡︎ 葦名一心、狼が渡辺綱に当たる?)
・赤目 ➡︎ 半村良「妖星伝」の赤目 (胎内道に住み、石仏を彫る、赤く輝く目、青銅色の肌、元は人だったものたち)
・九郎 ➡︎ 半村良「妖星伝」の小太郎 (幼少で、斬れども斬れず、突けども突けぬ体)
・水生村の「血染めの布干し」 (アートワークスより) ➡︎ 国枝史郎「神州纐纈城」纐纈布から?
返信削除・双子の首無し ➡︎ 言わずもがなですが、甲賀忍法帖の漫画版「バジリスク」の薬師寺典膳の蘇生の術の源、生まれるはずだった双子の痣から。
・七面武者 ➡︎ 仁王胴具足(戦国時代)、兜の前立は①百足(伊達成美? SEKIROでは不死の象徴)、②日輪(大日如来?)、巨大な三鈷杵剣(真言密教)。戦国時代に没した、仙峯寺に関連する武者の怨霊の可能性が高い。
・水生氏成 ➡︎ 壬生浪士 (会津戦争で鶴ヶ城を守る新撰組ら※) + 関口流居合・関口氏業 (居合術の一般的に知られる流派で、有名どころで名前が一致するのが関口流しかない)
・百足衆 → ビジュアルは「サムライスピリッツ」 不知火玄庵
・らっぱ衆 ⇨ 「もののけ姫」ジコ坊
・shadows die twiceの題名は、作品の内容も含めて、イアン・フレミング「007は二度死ぬ」のオマージュを含んでいるように感じますが、たまたまでしょうか?
※水生氏成についてのみ、追記。
1. 将の中で一人だけ蘆名家臣団にない苗字。(「みずせ」「みぶ」)
2. 通常、「水生」を「みぶ」とは読まないが、考察42にある折口信夫的解釈で、「水生は壬生」と関連づけが可能、
3. 記紀神話〜戦国時代まで歴史を丁寧に包含して描く作風から、江戸時代の会津戦争を反映しても不思議はない、
(特に、会津藩主・松平容保が京都守護職として新撰組(壬生浪士組)を受け持ち、斎藤一らは鶴ヶ城(=葦名の城)の戦いにも参加している)
これに関連して、「水生」という単語は幕末の新政府と徳川幕府の争いについても含みを持ち、シード様の考察39に関連させると、明治政府の神道奨励のための廃仏毀釈にも関連するかもとも思いました。(また、会津藩自体、江戸初期から廃仏毀釈の傾向はあったようです)