竜狩りオーンスタイン
無名の王に関するもう一つの不可解な点として、無名の王撃破後のエリアにオーンスタイン装備一式と、竜狩りの槍が落ちていることが挙げられる
しかもそれらは遺体にあるのではなく、ただぽつんと浮いた状態で置かれている
遺体はない |
これはかなり異質な事態である。なぜならばDSシリーズでは伝統的に装備一式は遺体と共に置かれているからである
※ちなみにローガンは装備一式を「宝箱」に入れている
つまりオーンスタインは絶命したのではなく、防具を脱ぎ捨て、槍を置いてどこかへ行ったことになる
オーンスタインが無名の王を追って廃聖堂を去ったことは、竜狩りの兜に記されている
竜狩りの兜
「竜狩り」オーンスタインの名で知られる
黄金獅子の兜。雷の力を帯びた神代の甲冑
竜無き時代、廃聖堂を守ったという騎士は
だが無名の王を追い、その地を去ったという
オーンスタインが無名の王を追ったのは、無名の王が彼の仕える太陽の長子だったからであろう
多世界解釈
ではDS1で選ばれた不死が倒したオーンスタインは何だったのか、と疑問に思うかもしれない
だが、ゲーム内で何度か言及されるが、DSの世界はロードラン含めて無数の世界が重なり合う領域なのである
貴公と俺の世界も、いつまで重なっているか、分からない(太陽の戦士ソラール)
導きの言葉[DS2]
目に見えない無数の世界はわずかに重なりあう
異なる時と場所で彷徨い続ける者たちは
微かな言葉に互いの望みを託す
また宮崎英高氏は「ゲームの食卓」において、「ソラールは自分の世界の火を継いだ」と明言している
つまり似たような世界が無数にあり、それらはどれも違うルートを通り、違う結末にいたったと考えられるのである
オーンスタインが廃聖堂を去った世界では、選ばれた不死はオーンスタインと出会わなかったのかもしれないし、あるいはオーンスタインに敗北して心が折れたのかもしれない
そのような世界にいたオーンスタインはやがて無名の王を追って廃聖堂を去ったのである
そしてまた古竜の頂という無数の世界が重なり合う領域において、DS3の火の無い灰とニアミスを果たしたのである
仮説
さて、このオーンスタインの不可解な行動(武具のみを捨てる)にはいくつかの仮説が提唱されている
- オーンスタインは竜体化し嵐の竜(無名の王の乗る飛竜)に変身した
- オーンスタインは無名の王の鎧を着て無名の王となった
- オーンスタインは無名の王の元を去り、ハイデの青聖堂に棲みついた
どれも解釈次第で可能な仮説である
実際、無数の世界が重なっていることを前提にするのならば、これらすべてが同時に実現されていたとしてもおかしくはない
つまりオーンスタインは竜体化して嵐の竜となり、その嵐の竜には無名の王となったオーンスタインが騎乗していると同時に、青聖堂には古いオーンスタインが棲みついているのである
ローガンの前例
さて、装備を脱ぐ、というのはローガンに前例がある
ローガンイベントを進めていくと、彼は帽子以外を脱いで宝箱に入れ、半裸の亡者となって選ばれた不死を襲うのである
これについて宮崎英高氏は次のような主旨のことをデザインワークスで述べている
「古竜になる、近づくために服を脱ぐイメージ」
すなわち生命が古竜になるためには、まず服を脱がなくてはならない、という観念があるのである
この観念を適用するのならば、オーンスタインは古竜になるために、鎧を脱いだことになる
そしてオーンスタインは「嵐の竜」になったのである
嵐の竜
嵐の竜について、嵐の落雷はこう述べている
嵐の落雷
古竜の同盟者、無名の王の奇跡
かつて竜狩りの戦神であった彼は
生涯、嵐の竜を戦場の友とした
これはきっとその一対の物語であろう
彼が嵐の竜を戦場の友としたのは、彼が竜狩りを止めて以降のことである。つまり、愚かさにより追放されてからのことである
というのも、竜狩りの戦神時代の彼が竜を友とすることは立場的にも心情的にも無理があるからである
追放された無名の王を追ってオーンスタインは古竜の頂にたどりつき、そこで竜と化したのである
無名の王はかつての筆頭騎士である嵐の竜を戦場の友とし、彼が倒れたときはそのソウルを己のものとしたのである
嵐の曲剣
古竜の同盟者たる無名の王は
生涯、嵐の竜を戦場の友とし
竜が倒れたとき、そのソウルを己のものとした
神代では、それは戦友の習わしであったのだ
もちろんこれはDS1のオンスタ戦で先に倒れた方を吸収する展開のセルフオマージュである
重要な点は、それが神代における戦友の習わしであったことである
すでに神を追われた無名の王が、なぜ神代の習俗を守ったかというと、嵐の竜が神代からの戦友だったからである
獅子の指輪
オーンスタインは、太陽の長子の筆頭騎士であり
その十字槍は岩のウロコをも貫いたと言う
固い誓い
太陽の長子と、その筆頭騎士
そして竜狩りの剣士の物語は
最も勇壮な竜狩り譚であるという
蛇足
次回は竜狩りの剣士
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