2021年4月4日日曜日

Dark Souls シリーズ考察1 不死 修正:ダークソウル全般

はじめに

本稿はダークソウルシリーズ全体を総括した考察である


そのためDS1からDS3までのテキストを引用している。割合としてはDS1が最も多く、3がそれに次ぎ、2は少数である


当初は1つの考察として構想されたものだが、あまりに長くなってしまったために、「不死」「ダークソウル」、「深淵」に分割した


ダークソウルに関して全体的に修正した。宮崎英高氏が「ゲームの食卓」において、人類は小人の見つけたダークソウルの断片を有していると述べているからである


※しかしそのままだとやはりDS3DLCのラストに違和感があるので、王のソウルの考察そのものをやり直した



オープニング

まずはゲームスタート時に流されるオープニングムービーのテキストを引用する 


古い時代

世界はまだ分かたれず、霧に覆われ

灰色の岩と大樹と、朽ちぬ古竜ばかりがあった


だが、いつかはじめての火がおこり

火と共に差異がもたらされた

熱と冷たさと

生と死と

そして、光と闇と


そして、闇より生まれた幾匹かが

火に惹かれ、王のソウルを見出した


最初の死者、ニト

イザリスの魔女と、混沌の娘たち

太陽の光の王グウィンと、彼の騎士たち

そして、誰も知らぬ小人


それらは王の力を得、古竜に戦いを挑んだ

グウィンの雷が、岩のウロコを貫き

魔女の炎は嵐となり

死の瘴気がニトによって解き放たれた


そして、ウロコのない白竜、シースの裏切りにより

遂に古竜は敗れた


火の時代のはじまりだ

だが、やがて火は消え、暗闇だけが残る


今や、火はまさに消えかけ

人の世には届かず、依るばかりが続き

人の中に、呪われたダークリングが現われはじめていた…



生と死

古い時代、世界はまだ分かたれず、霧に覆われ、灰色の岩と大樹と、朽ちぬ古竜ばかりがあったとされる


その世界にはまだ火がなく、どこまで行っても灰色の世界である。しかしその世界に火がもたらさされたことで、差異が生じる


熱と冷たさと、生と死と、そして光と闇である。生命はこのうち闇から生まれたとされている


そして、闇より生まれた幾匹かが

火に惹かれ、王のソウルを見出した(オープニング)


これによればはじまりの火により生と死が差異化される前は、文字通り生(生命)は存在しなかったことになる


事実、生と死の存在しなかった古の時代には「灰色の岩と大樹と、朽ちぬ古竜ばかりがあった」とされる


生と死が発生したのは、はじめての火がおこってからのことであるから、それ以前の古竜生と死とは無縁の存在である


古竜が不死のウロコをもつとされたのも、彼らが生や死とは隔絶した次元に存在していたからであろう


少なくともダークソウルにおいては、生命とは生と死の差異化によってはじめて発生した現象なのである


生命を定義するとき、何をもって生命とするかにもよるが、生命の終わりとしての「死」があるからこそ、それは不死から差異化され生命と呼ばれるものになるのではないだろうか


いうなれば生命という現象は死によって定義づけられるのである。生と死は別々の事象ではなく生命という現象の裏と表なのである


があるからこそがあり、またがあるからこそ死が発生するともいえる


朽ちぬはずの古竜が敗れたのは、世界にが発生したことで古竜にも「死」がもたらされたからであろう(死の起源を語る神話は世界中にある。イザナミとイザナミの神話など)


古竜たちの死の起源となったのが、ウロコのない白竜シースである。不死のウロコをもたないシースは死すべき定めの竜であり、ゆえに生命をもったはじめての古竜であるといえる


それゆえシースは古竜から不死の秘宝である原始結晶を奪い、また不死の研究に没頭したのである


巨大な書庫で、彼にない、不死のウロコの研究に没頭した(暗月の女騎士)


それ(シースの不死)は、シースが、古い竜たちを裏切って手に入れた秘宝

原始結晶の効果らしい(ビックハット ローガン)


原始結晶で本物の不死を達成したにも関わらず、シースは不死のウロコの研究に没頭している


これはシースの研究目標原始結晶に頼った不死ではなく、朽ちぬ古竜たちのもっていた不死のウロコの完成だったからであろう


古竜の不死も原始結晶によるものとする仮説も考えたのだが、オープニングの古竜たちはシースのように体が結晶化していない。また暗月の女騎士が「彼にない、不死のウロコ」と言っていることから古竜たちはそれをもっていた、と考えた



はじめての火

さて、闇から生まれた生命が惹かれたのは火であった


そして、闇より生まれた幾匹かが

火に惹かれ、王のソウルを見出した(オープニング)


闇から誕生した生命は、「生」の象徴たる火に抗えない魅力を感じるのである(炎に飛び込む蛾のように)


魅了(DS3)

生命とは炎に惹かれるものであり

こうした業もまた呪術の一側面であろう


また現実問題として、維持するために必要としたのである


まず火はをもたらす。後述するがこの熱とは生命力に他ならない。加えて火による差異化も重要である


火が陰ると生と死の差異が薄れ、生命は生死の曖昧不死になってしまうのである。生命が生命現象を維持していくためには、生と死を差異化する火を維持していかなければならないのである


今や、火はまさに消えかけ

人の世には届かず、夜ばかりが続き

人の中に、呪われたダークリングが現われはじめていた…(オープニング)


ダークリングは呪われた不死の証(オープニング老婆)


火が消えかけたことで熱が弱まり、また生と死の差異が消えかけ、それにより人は生死の曖昧な不死になる。これが世界に不死が生まれるメカニズムである


さて、不死には生者と亡者という状態がある(NPCには正気を失った亡者もいる)。生者で死ねば亡者となり蘇るが、亡者は人間性を篝火に捧げることで生者に戻ることができる


人間性を捧げることで篝火は火力を増す(注ぎ火)。その結果、生と死の差異が強まり、また篝火の熱により生命力を取りもどすことができるのである(生身に戻る)


※不死は生と死が曖昧な状態にあり、生者と亡者の間をたやすく移行する



光と闇

闇から生まれた生命は、たとえ「死」を失ってもいきなり消滅したりはせず、生死の曖昧な不死として世界に残される


生と死の差異が失われているのだから不死は生命ではない


ではこの不死とは何者なのか?


である


さすれば、貴公ら人、闇の時代だ(闇撫でカアス)


人は闇として世界に残されるのである


同様に世界を照らす火が消えた後も、世界は灰の時代にはもどらず、差異化によって生じた「闇」ばかりが残される


やがて火は消え、闇ばかりが残る(闇撫でカアス)


火の消滅した後に残るのは「闇」なのである



王のソウル

話をオープニングにもどすが、闇から生まれた生命(幾匹)ははじめての火に惹かれ、そこで「王のソウル」を見出したとされる


そして、闇より生まれた幾匹かが

火に惹かれ、王のソウルを見出した(オープニング)


王のソウルとは端的にいえば「」という属性を持ったソウルのことである


お主が、大王グウィンを継ぐには

偉大なソウルでその器を満たさねばならぬ

だが、かの王のソウルは、際だって巨大なもの

よって、王の器を満たしうるソウルを持つものは、幾人もない(王の探求者フラムト)


王のソウルは、際だって巨大なものである


王の器を満たすためには、それらすべてのソウルが必要じゃ(王の探求者フラムト)


要するに王のソウルとは王の器を満たすことのできる「特別で巨大なソウル」のことである(ただのソウルではない)


よってソウルには2種類ある。王のと称される巨大なソウルと、王の属性のつかないただのソウルである


DS1ではどれほどソウルを溜め込もうとも、王のソウルの代替品にならないように、王のソウルには「王の」という特別な性質があるのである


そしてソウルは生命すべての源でもある


人間性

ソウルが生命すべての源であるなら

人のみにある人間性とはなんなのか?


王のソウルには生命すべての源であるソウルに加え、「王」という特筆した性質が付与されているのである


それこそが、王のソウルと、たんなるソウル差異なのである(その差異の正体については、次回ダークソウルの考察の最後に述べている)



差異

闇から生まれた幾匹はそれぞれがはじめての火に見出したそれぞれの王のソウルを継いだ


だが、いつかはじめての火がおこり

火と共に差異がもたらされた

熱と冷たさ

生と死

そして、光と闇と(オープニング)


最初の死者、墓王ニトは「生と死」を見出し、光の王グウィンは「光」を、そしてイザリスの魔女と混沌の娘たちは「熱」を見出したのである


最初の死者である墓王ニトは最初の生命でもある(生命は死によって定義づけられる)


それらの王のソウル火とともに彼らの力となった(オープニングの映像では彼らの手のそれぞれに奪った「」が見える)


すなわち墓王ニトは「火と生と死」を、太陽の光の王グウィンは「火と光」を、イザリスの魔女と混沌の娘たちは「火と熱」を手中にしたのである


残されたのは、冷たさと闇である


強い者たちが、はじまりの火から巨大なソウルのことごとくを奪い、小人に残されていたのは、わずかなと、冷たさ闇のソウルだけだったのである


このうち冷たさによって和らぎ打ち消される。一方で闇は炎が盛るほどに濃くなる


炎が盛るほどに、もまたその色を深くする(ヴァンクラッド)


よって、残されたのは闇のソウルのみとなる


光のないそのソウルはこう呼ばれた


ダークソウルと


…かつて火のはじまり、貴公ら人の先祖

古い王たちの後に、四つ目のソウルを見出した

闇のソウルだ(英語版 The Dark Soul.)(闇撫でのカアス)


このダークソウルに由来する「闇」を王グウィンは恐れた


ダークソウルとそれに由来する「」は似て非なるものである。これは王のソウルと、ただのソウルとの違いに等しい


ダークソウルは王のソウルの一種であり、そこには「王の」という属性が付与されているのである


人の受け継いだは、そのダークソウルの欠片といってよいものであるが、そこには「」という属性はつかないのである


また、分け与えられた王のソウルと人の受け継いだダークソウルの断片は、その大きさが異なる。王のソウルは「巨大で特別なソウル」でなくてはならない


分け与えられた王のソウルがいまも巨大な王のソウルであるのに対し、人の受け継いだダークソウルは断片化が進んだことで「巨大な」とは言えなくなってしまったのである


かろうじて「巨大な」といえるソウルを宿していたのが、DS3DLCに登場する小人の王たちである


さて、話が逸れたので繰り返すが、ダークソウルに由来する「闇」を王グィンは恐れた


王グウィンは、闇を恐れた

火の終わりを恐れ、闇の者たる人を恐れ

人の間から生まれるであろう、闇の王を恐れ

世界の理を恐れた(闇撫でのカアス)


闇のソウルを見出した小人は人の祖先である。人のもつ闇はこの闇のソウル(ダークソウル)に由来するものである


そして、人の闇は冷たいのである


というのも、が小人から受け継いだのはダークソウルに由来する「闇」のみである。そこに小人の手にした「」はない。よって冷たさは打ち消されず、人の闇は冷たいのである


こうした理由からそもそも生命力(熱)の希薄な冷たい闇の種族なのである


熱と差異を与えてくれるが陰ると、すぐさま生と死の曖昧な不死堕落するような脆弱な種族である


それゆえに不死人篝火エスト、つまり外部から熱を加えることでHP(生命力)を回復する必要があるのである


エスト瓶

不死人の宝たる鈍い緑ガラスの瓶

篝火でエストを溜め、飲んでHPを回復する


篝火の守り手、火防女と深い関わりがあるようで

暗い伝承にはこんな一説がある


 火防女の魂から、その緑瓶は生まれる

 彼女たちは、生きて篝火を守り

 死してなお、そのを守り続けるのだ


エスト瓶はではなく「不死人の宝」である。それが不死人にとってのみ宝なのは、自らが失った熱を宿すからである


※英名のEsuts FlaskのうちEsutsは「」を意味するラテン語aestus」が由来である。


篝火で休息するとHPが回復するのも、篝火の熱が不死を温める(生命を与える)からである


エストが熱と関係の深い概念であることは、エストの灰瓶が「火の無い灰の宝」とされ、熱を冷たく変える、と言われていることからも仄めかされている


エストの灰瓶

鈍い灰色のガラス瓶

火の無い灰の宝


篝火でエストを溜め、飲んでFPを回復する


篝火の熱を、冷たく変える灰瓶は

火の無い灰にこそ相応しいだろう


本来は篝火の熱を宿すエスト瓶が、灰瓶では熱を冷たく(冷ますのではなく冷たく)変えるとされる


結果として灰瓶のエストではHPは回復しない


つまり不死や火の無い灰は熱によってHP(生命力)を回復し、さらに火の無い灰はエストの冷気によってFP(集中力)を回復するのである


それもこれも人のもつ闇が冷たいからである



蛇足

ひとつの考察を三分割したことでやや歯切れの悪い部分が生じたことは否めない

再度、強調するが誰も知らない小人が見出した「闇のソウル(ダークソウル)」と、人が受け継いだ「」は似て非なるものである

もし仮に人の闇がダークソウルそのものであるとすると、奴隷騎士ゲールはわざわざ輪の都に赴く必要がないからである。人を狩ってダークソウルを集めればそれで済む話である

だが奴隷騎士ゲールはわざわざ輪の都にまで赴き、小人たちからダークソウルを手に入れようとしたのである

こうした理由から暗い魂は小人たちにのみ受け継がれた、と考えるのが妥当だと思われる。しかし完全に別の物であるとも思えない

人が受け継いだは、ダークソウルとしては利用できないものの、しかしその欠片である。そうした意味で本稿では人の闇を「ダークソウルに由来する闇」と表現した


※「ゲームの食卓」において、宮崎英高氏はダークソウルの断片を人類は受け継いでいると述べている。人類はダークソウルの魂の一部を所有しているのである。ただし上でも書いたように、王のダークソウルとただのダークソウルは似て非なるものである。暗い魂の血を得るには王のダークソウルでなくてはならなかったのである


なぜ冷たい闇を持つ人が同時に生命や人間性を持っているのか、なぜ闇が冷たいことを強調するのか、等については次回以降に考察している

熱と生命力の関係については、混沌についても触れたかったのだが長くなるので省略した。

要するに混沌の苗床がデーモンを生み出したのは、混沌を発生させたイザリスの魔女と混沌の娘たちが、はじめての火に見出された王のソウルのうち「熱」の性質を受け継いだからである(その熱が「生命力」と深い関係にあることは既述)

混沌の娘の一人であるクラーナやクラーグが今もなお生き続けているのも、熱の持つ生命力の力によるものであろう

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