2023年9月3日日曜日

【レビュー】スターフィールド

一周目クリアの感想など。クリアタイムは約20時間(メインだけならもっと短くいける。あと聖堂イータは許さない


本作はプレイ中のほぼ全要素不満点や欠点が散在しているゲームであり、いくらでも不満点や欠点あげつらうことのできるゲームである


ロード

たとえばロード。ゲーム中なにをするにもとにかくロードが挟まる。町中を往き来するクエストでは、単なるお使いにもかかわらずクリアするまで10回以上ロードを挟むことも稀ではない


また遠距離の移動はほぼFT(ファストトラベル)であるが、目的地にダイレクトに到着することはほとんど無く、だいたい2~3回のロードが挟まる


1回のロード時間は短いものの(SSD必須)、その都度、没入感ガリガリ削られていく音がする


作中頻繁に立ち寄ることになるロッジへのFTも首をかしげざるを得ないような仕様である。ロッジへFTした場合、ロッジ内部に到着するのではなく、ロッジの玄関前に到着する仕様である。当然、そこから内部に入ろうとするとロードが挟まる


FTそのものは目的地がクエストがらみであれば、クエスト欄から直接FTすることができる。しかしクエストがらみでない自由行動の場合、まずメニューを開き、そこから星図画面に移行し、目的地が異なる星系であればTAB(キーボード操作の場合)を何度か押して、目当ての星系を見つけなければならない


最近のゲームであればワンボタン地図を開いて目的地をクリックするだけで済む操作をスターフィールドはこれだけの煩瑣な行程を要求してくる


※クリア後にメニューボタン長押し星図画面に直接飛べることを知った


スキル関連

スキルポイントの付与スピードも疑問である。筆者は第一段階のスキルしかとってない状態でクリアしてしまった


総スキル数に対して与えられるスキルポイントがあまりにも少ない。そもそもスキル効果の重複するようなスキルがあったり、実装スキル自体があまり洗練されていない印象を受ける


数は多いもののほとんどが水増しスキルである。しかし上位のスキルを取るためには、下位のスキルを取らなくてはならず、実際に役に立つスキルを取得できるのはかなり遅くなる


そんな中でも個人的に必須だと思ったのは「重量挙げ」と「ロックピック」、「ブーストパック」。解放条件もあるので、可能な限り早くそれぞれ振っておいたほうがよい


所持重量はPC版ならコンソールで増やしてしまってもゲームの楽しさを毀損することはないと思われる。むしろプレイしやすくなる


効果が感じられなかったのは「ステルス」と各種武器スキル。ステルスはしゃがんで透明化していても普通に見つかる(夜間、遠くからでも発見される)


クライマックスまでほぼこれを着ていたが、カメレオン(透明化)の効果を実感したことはない。武器の重量50%軽減は便利


各種武器スキルは効果が出るほど振れていないのも原因であろうか


店売りミニガン。セイレーンや強敵も溶ける


アイテム関連

とにかくデジピック貴重品。目を皿のようにして探索し、店に立ち寄った場合は必ず「その他」を確認。デジピック使用時には事前にセーブ→失敗したらロード、という涙ぐましい努力の結果、クリア時には35個ほど残っていた


・・・デジピックコンソールで増やして問題ない


アイテム関連の最大の不満点は、アイテムを保管しておくスペースが少ないことである。初期船450まで保管できるが、資源を保管しておくにはあまりにも少なすぎる。積載量の大きい上位の宇宙船を早期に買うべき(筆者は最後まで初期船だったが)


いちおうロッジにはいくらでも入る金庫があるものの、なぜか金庫内資源製作所で使うことができない


また上述したようにロッジに行くにもロードを何度も挟むことになり、かつ与えられた自室遠いので、アイテムを預けるだけで時間あっという間に過ぎていく


時間があっという間に過ぎるといえば、所持アイテムを売却するのにも時間がやたらと掛かる


店員が貧乏すぎて戦利品をすべてさばけないことも多く、その場合は複数の店舗ハシゴすることになる


しかしながらFT到着地点からやや離れた店多いこと、場合によってはロードを何度も挟まなくてはならないことなどから、ただアイテムを売るだけで十分以上かかることも稀ではない


また店についてからも販売UI出来が悪いせいで間違って売却してしまうことや、売ろうとして間違って店員から購入してしまうことが頻発。いつの間にか重要アイテムを売っていたということも1度や2度ではない


※店員と話す前には必ずクイックセーブするようになった



時間泥棒

以上のように何をするにもやたらと時間のかかるゲームとなっている


その原因となっているのがプレイヤーへの不便の押しつけ出来の悪いUI圧倒的な説明不足である


何をするにもほとんど説明がない。例えばスキルコンバットスライドが可能になるものがある。だがコンバットスライド何なのか、どのように使用するのかといった説明は一切ない(見落としている可能性あり。UIがぐちゃってるので説明も見つけられない)


拠点、船の改造、アイテム製作等々、すべてがこのような具合であり、プレイヤーが何かをやろうとしても、まずそのやり方から試行錯誤(あるいは検索)しなければならない


いわば悪い意味での時間泥棒ゲーである


だが一方で、不親切であり不便であり、テンポの悪いゲームであるものの、やめどきがわからずいつの間にか10時間経っていたという不思議なゲームでもある


こちらは良い意味での時間泥棒ゲーとでもいおうか


ゲーム中のあらゆる要素に不満点があるものの、世界中にばらまかれたオブジェクトとクエストとNPCがぶつかり合って、ある種の混沌的均衡状態が生みだされているのは確かである


この雑然とした混沌状態こそ、スカイリムやフォールアウト4から受け継がれているベセスダゲーの魅力であろう


世界中にばらまかれたオブジェクトクエストNPC洪水。それらが砂嵐のようなノイズを構成しており、プレイヤーはそのノイズの中にそれぞれの「ユニティ(調和)」を見出すのである


数多の要素相互に影響させることで、製作者にも想定できない自然発生的な複雑系形成する。そういう手法なのかもしれない


ある意味でこの複雑系現実に近い。よくよく考えてみれば不便と不親切と説明不足は、現実世界もそうである(現実世界はクソゲー


スターフィールドはスカイリムやフォールアウトのようなオープンワールドではないが、しかし複雑系が構築されているという意味で「ワールド(世界)」なのではないだろうか


そこは無数の星々が織りなす銀河のように、数多の要素によって形成されたひとつの領域、「スターフィールド」なのである


一周した段階の筆者なりの点数は「86点」である


あまりにも多い不満点欠点に紛れているものの、他のゲームにはない不思議な魅力のある作品である



蛇足

メインクエストのひとつ「もつれ」は有名なトロッコ問題をベセスダなりに調理したものであろう(一方の世界が蟲まみれなため純粋な選択問題ではなくなってるが・・・大抵の人は蟲のいない方を選択するのではないか)


直近のAC6が「82点」、スターフィールドが「86点」。ただし不満や欠点が多いのはスターフィールドの方。プレイしていて楽しいのはAC6の方。完成度が高いのも、SFとしてみた場合のストーリーAC6が上である


けれどもスターフィールドには得体の知れない混沌がある。そしてその混沌にどのような調和を見出すのかはプレイヤー次第である


3 件のコメント:

  1. AC6目当てにPS5買うつもりだったんですが、スタフィにも惹かれてXbox X/Sにも目が向いてしまい、予算の問題もあってPS5とXSXとXSSのどれを買おうかで迷いに迷って困ってます。
    プレステも箱も未経験のドのつく初心者で、WiiU買って以来7年もハードやPCのゲームには触れてません。
    エルデンリングはどのハードでも買う予定です。

    PS5とXSXとXSSのうち何を買うべきか、背中を押してもらえるような助言を頂きたいです。

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    1. オンラインプレイを重視するのであれば「PS5」、
      オンラインプレイを重視しないのであれば「XBOX」かなぁと思います

      PS5の場合は「スターフィールド」を諦めることになりますが、
      ベセスダの過去作のファンでない場合、新規にプレイするのはやや辛いかもしれません

      また、PS5を選択すると「ブラッドボーン」や「デモンズソウル」を遊べます(ブラボはPS4とPS5のみ、デモンズソウルはPS3とPS5のみ)

      助言になったか分かりませんが、あくまでも私個人の意見です

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    2. 返信ありがとうございます。

      新規はやや辛いとのことで、オンライン対戦もしてみたいし、ブラッドボーンやデモンズソウルを遊べることも考えると、PS5にしようかと思いました。

      因みに通常版とデジタルエディションはどちらが良いでしょうか。
      通常版は中古を買って遊んだりソフトを売ったりできる一方、デジタルだとダウンロードしたエルデンリングをPS4版にすることで安定した高画質でプレイできると聞いたのですが。

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