2026年2月14日土曜日

仁王3【クリア後レビュー】

どうせみんなこうなる

混沌あんまり意味なかった


もったいないオバケ(妖怪)

筆者なりに仁王3を一言で評するのならば、「もったいない」あるいは「もどかしい」となる


例えば最初のボスである山県昌景戦うタイミングに疑問が残る。山県戦ではプレイヤーは「捌(さば)き」も「見切り」もない状態で戦うことになるのだが、山県は「捌き」と「見切り」の練習として最適な相手だと思うからである


にもかかわらずプレイヤーはそれらのスキル抜き山県と戦わなければならない。結果としてガードして攻撃、あるいは回避して攻撃という他のゲームで飽きるほど繰り返した戦法をとらなくてはならず、それでは仁王3の面白さがまったく伝わってこないからである


そのうえ山県戦を越えた後には蛇骨婆まで「捌き」も「見切り」もほとんど使わずに進むことができる


つまり仁王3の最大と言って良いアピールポイントの「捌き」と「見切り」の真価をプレイヤーが実感するのに少なくとも数時間かかるということになる


なぜ山県戦で「捌き」と「見切り」を使えるようにしておかなかったのか。しかも山県は「捌き」と「見切り」を理解するのにこれ以上ない相手である


この点がまず「もったいない」と思う次第である


次にもどかしい点として「技研ぎ」がある。サムライスタイルでは技研ぎゲージが溜ると強攻撃や武技強化される。また武技強攻撃繋げていくとゲージを減らさずに技研ぎを維持したまま連続で武技を放つことできる


この最後の点がやや説明不足である。例えば技研ぎゲージが減らないようなモードを用意して武技コンボの練習をできるようにした方が良かったかと思う(鍛錬場は任意であるし、動線としては不十分)


Twitch等仁王3の配信をいくつか視聴したが、技研ぎを維持して武技コンボを使えている人はほとんどいなかった。多くは技研ぎ次に放つ武技が強力になるだけのシステムとして理解しているように思えた


視聴したのは主に海外勢で、仁王1~2をプレイ済みかつ高難易度ソウルライクゲーム配信を主とするストリーマーである。つまりそれなりにゲームに慣れているプレイヤー技研ぎ完全に理解できていなかったと思われ(単にする気がなかっただけかもしれないが)、であるのなら普通のプレイヤーは言わずもがなであろう


※この点について、おそらく日本人は研究熱心なので技研ぎの理解度は高いと思われる


そして最ももどかしいと思うのは、ニンジャスタイルがあることで技研ぎをまったく理解せずともクリア可能であるということである。つまり仁王3をクリアする上で最も面白い要素触れる必要がない、ということである


これをもったいないと言わずなんといおう


筆者なりの手触りからいえば、少しでも技研ぎを練習すればサムライスタイルの方が攻撃力が高くなる。しかしながらニンジャスタイルでも充分にクリア可能なので、あえてそこに踏みいる必要はない


結果としてサムライは敵の攻撃を捌きつつ技研ぎゲージが溜ったら武技を一発撃つだけのスタイルになり、これでは仁王3の戦闘面白い部分逃してしまっているように思う


繰り返すがクリアするだけなら技研ぎシステム理解せずとも問題ない。そしてニンジャが手軽に強いことでサムライとして戦う必要もないのである


面白い要素は用意してあるのに、それをうまく提示できていない。あるいはプレイヤーに伝えきれていない。そこが「もったいない」く「もどかしい」と思うのである


ニンジャという初心者にも戦いやすいスタイルを用意したことは素晴らしいと思う。しかし同時にサムライに誘導するような動線があったらなと思う次第である



オープンフィールド 70/100

過去作との大きな相違点はマップがオープンフィールドになったことであろう。といっても仁王2プレイしていないし仁王1の記憶もないので比較することはできない


仁王3のみの評価としては、オープンな感じに乏しい。オープンワールドでもなく、作り込まれたマップというわけでもなく、少し開けたように見えるものの、どこか閉塞感のあるフィールドが広がっている


またフィールドは基本的に陰鬱で、地上・地獄ともにバリエーションが乏しい。フィールドの造り込みも全体的に浅く戦国がピークである。特に幕末落下死事故死(大砲や刃の着いたグルグル回る敵など)を狙ったようなマップ構造でありクオリティが低い


攻略も完全に自由というわけではなく、おおむね道に沿って攻略することから攻略順を考える楽しさは少ない


なんとなくオープンワールドゲーム後半充分に強くなったキャラクターで攻略地点をしらみつぶしに攻略しているときのような感覚が最初から最後までずっと続く


要するにオープンというより複数のステージ連結させたようなエリア構造となっており、探索や攻略に一定の楽しさ(70点くらいの)があるものの、上振れや下振れは少ない


楽しさの上下の振れ幅が狭いので黙々と敵を倒しアイテムを拾い続けてしまうが、それはどこか梱包材のプチプチ1個ずつ潰していく暗い遊びに浸っている様に似ている


そしてエルデンリングの時も思ったが、オープンフィールドと周回要素は食い合わせが悪い



戦闘 90/100

戦闘は文句なしに楽しい傑作アクションの条件として操作して楽しいというのがあると思うが、その点でみれば仁王3はその水準にある


捌き技研ぎを組み合わせた戦闘システムは、これまでオートで行なわれていた一連のアクションを細分化することで、高難易度アクションゲーム新たな方向性を示したように思う


例えるのならこれまでの高難易度アクションゲームオートマ車だとしたら、仁王3マニュアル車を運転している感覚に近い


どちらもメリットとデメリットがあるものの、操作の楽しさという点で評価するのであれば、マニュアル車に軍配があがる(特に車の運転が好きならば)


反面、操作の難易度が上がってしまったことは否めないが、そこをカバーするために導入されたのがニンジャなのだろう(つまりニンジャはオートマ車)


ニンジャスタイルの是非は上述したので省略するが、サムライもニンジャクリアするだけならバランスブレイカー気味の強さを誇り、それゆえにかえってバランスが取れているように思う


ただし結果として強敵を倒した達成感のようなものは極めて希薄である



ボス 80/100

戦闘における難点の一つが印象的なボスが少ないということである。本作のクオリティのピーク戦国編にあり、なかでも馬場信春はボスとして戦っていて楽しい敵であった


しかしながら、他のボスはというとどれもパッとしない国松もヒルコも強いことは強いのだがもっと戦いたいかと問われると首肯しにくい


※慶喜やラスボスは初見で倒してしまったので、ほとんど覚えていないことにも一因がある。その他のボスもだいたい2度目くらいで倒していた


捌き技研ぎという良い要素が用意されているのに、それに値するようなボスがほとんどいないことは残念であった


捌き技研ぎを駆使する必要もなく、ニンジャ混沌にしてサムライの技研ぎで殴るだけで倒せてしまうところに問題があるようにも思うが、これはプレイヤーのプレイスタイルにも拠るので一概にダメとは言えない


というのも強い戦法を封印して捌きをメインにして戦っていたら、おそらく評価はもっと上がったかと思うからである(ただしそれをする理由があまりない)



総評 80/100

死因第一位は墜死。特に幕末では死亡原因のうち9割くらい墜死と事故死が占めている。最後までジャンプの挙動に慣れなかったのと、グラフィック的に地形が見えにくいところに原因がある


例えばここ。モチベーションが一気に下がった



グラフィックについて触れていなかったのでここで述べるが、高輝度、高コントラストでかなり眼の疲れるグラフィックとなっている。エフェクトは輪に掛けてギラギラでとにかく色々なものが見えにくい


なおストーリーに触れなかったのは、これといった感想がないからである。そろそろ西欧を舞台にした作品を遊びたい


総評としては多くの要素があるものの、それらがかけ算になっておらず(足し算にもなってない)、ゲーム全体としてバラバラで統一感に欠けるような印象を受けた


もっと要素を整理してプレイヤーに一番面白いところを提示できていたらな、ともどかしい気持ちになった。筆者は何でもかんでも思いついたものを足していくのではなく、引き算の美学を感じられるような作品が好みである(ValheimやSEKIRO、Clair Obscur Expedition 33、ARC Raidersなど)


ニンジャスタイルを追加したことで幅広い層アピールできたのは良かったかと思う。おそらく仁王3のメインコンセプト初心者やこれまで仁王シリーズをプレイしてこなかった層への訴求だったのだろうと思う


オープンフィールドもそうした観点から導入されたものだろう。プレイヤーの裾野を広げるという意味で仁王3は成功だったように思う


ただし完成度という意味では各要素が噛み合っておらず、やや雑な印象を受けた

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