オープニング
…落ちた葉が伝えている
偉大なる、エルデンリングは砕けた
霧の彼方、我らの故郷、狭間の地で
永遠の女王マリカは隠れ
黒き刃の陰謀の夜、黄金のゴッドウィンが最初に死んだ
マリカの子たるデミゴッドたちは、エルデンリングの破片を得
その力に歪み、狂い、破砕戦争を起こし…
王なき戦いの末に
大いなる意志に、見放された
おお、だからこそ褪せ人よ
未だ死にきれぬ、死者たちよ
遠い昔に失くした祝福が、我らを呼ぶ
蛮地の王、ホーラ・ルーよ
輝ける金仮面よ
死衾の乙女、フィアよ
忌まわしき糞喰いよ
百智卿、ギデオン=オーフニールよ
…そして、失われた祝福はまた、もたらされる
まだ名も無き、褪せ人の元に
霧の彼方に向かい、狭間の地に至り
エルデンリングに見えよ
そして、エルデの王となるがよい(オープニングより)
時系列
オープニングの文言を素直に解釈してしまうと時系列に乱れが生じてしまう
オープニングの文章からは、エルデンリングが砕けた後に女王マリカが隠れ、ゴッドウィンが死んだと解釈できてしまうからである
しかしこれはゲーム内のさまざまな情報と齟齬が生じる
ロジェールによれば、黒き刃の陰謀の夜にゴッドウィンが死亡し、その後に女王マリカがエルデンリングを破壊、破砕戦争が起こるという順序である
古い黄金樹の盛期、まだエルデンリングが砕ける前
何者かが、黒き剣のマリケスから死のルーンの欠片を盗み
冷たい夜に、黄金のゴッドウィンを弑したのです
それは、歴史上はじめてのデミゴッドの死であり
エルデンリングが砕け、破砕戦争が起こる、その切っ掛けになったと言われています(ロジェール)
マリカの槌
狭間の外、稀人の地で作られたという石鎚
女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし
ラダゴンが、それを修復しようとした得物
マリカとラダゴン
オープニング冒頭で槌をふるっているのはマリカとラダゴンである
マリカがエルデンリングを破壊し、ラダゴンがそれを修復しているシーンを象徴的に描いたものであると考えられる
マリカ |
ラダゴン |
よく見ると火花の飛び散り方が違う。これは両者が別々の行程を担当していることを示しているのかもしれない
やや奇妙なことにラダゴンの髪色は黄金に見える。ラダゴンは赤髪のはずなので、この時点で彼は金髪であった可能性もある
巨人の赤髪
巨人たちは、皆一様に赤髪であり
ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという
それは巨人の呪いだったろうか
もしくは同じく金髪であり、また体型もよく似ているゴッドウィンと何らかの関係があるのかもしれない
陰謀の夜
黒き刃の陰謀の夜、ゴッドウィンがデミゴッド最初の死者となる
肉体を損壊して殺すというよりも、何らかの汚染された物質を注入しているようにも見える |
ゴッドウィンを弑した死のルーンは、マリケスの黒き剣に宿っていたものが陰謀の夜に盗まれたものである
黒き剣の追憶
マリケスの黒き剣
運命の死を宿したマリケスの黒き剣
その大いなる抜け殻
陰謀の夜に、死の一部が盗まれた後
マリケスはこの剣を、自らの内に封じた
もう二度と、誰にも死を盗ませぬように
死のルーンは儀式により暗殺者たちの刃に宿された
黒き刃の刻印
陰謀の夜、何者かが
黒き剣のマリケスから死のルーンの一部を盗み
暗殺者たちの刃に、その力を宿した
これは、その儀式の刻印であり
陰謀の真実が潜んでいるという
死のルーンとは、黄金律のはじまりに取り除かれ、封じられた運命の死のことである
黄金樹を焼くは、原初の大罪。まして、死のルーンの力を求めるとは…
死のルーンとは、即ち運命の死
黄金の律のはじまりに、取り除かれ、封じられた影
それを再び解き放つなど…(指読みのエンヤ)
儀式の主であり、陰謀の夜の主犯はラニである
…それに儀式の主、つまり陰謀の夜の主犯も、見当がつきましたよ
月の王女ラニ。王配ラダゴンと最初の妻レナラの、子供たちのひとり
将軍ラダーン、法務官ライカードの兄妹たるデミゴッド
刻印には、彼女の名が隠されていたのです(ロジェール)
また法務官ライカードも何らかの形で陰謀に関わっていた
冒涜の爪
陰謀の夜、法務官ライカードは
ラニから謝礼として片鱗を貰い受けた
いつか来る冒涜の時、黒き剣のマリケスに
運命の死たる黒獣に挑む切り札として
黒き刃
暗殺の実行犯として名前が明かされているのが、黒き刃の長アレクトーとその娘、ティシーである
黒き刃、ティシー
陰謀の夜、黒き刃に死のルーンを宿し
黄金のゴッドウィンを殺した暗殺者の一人
ティシーは、黒き刃の長アレクトーの娘であり
王都からの逃亡時、母を守り命を落としている
実行犯たちはすべて女性であり、一説にはマリカに近しい稀人であったとされる
黒き刃のフード
陰謀の夜の実行犯たる刺客たちは
すべて女性であり、一説には
マリカに近しい稀人であったという
まとめると陰謀の夜の主犯はラニだが、ゴッドウィンを弑した直接の実行犯はマリカに近しい稀人の黒き刃であった
デミゴット
エルデンリングの破片である大ルーンを手にしたデミゴッドたちは王なき戦い「破砕戦争」を繰り広げ、ついに大いなる意志に見捨てられる
このラニの手は生身のようにも見えるし、まだ劣化していない状態の人形の手にも見える
時系列的には破砕戦争時のラニはすでに生身を失い人形の姿を得ていた
死の呪痕
月の王女ラニの、棄てた肉体に刻まれた呪痕
百足傷の欠環とも呼ばれる
呪痕は、デミゴッド最初の死に刻まれ
円環を為すはずである
だが、デミゴッド最初の死者は二人あり
呪痕は2つの欠環となった
ラニは、肉体だけの最初の死者であり
故に死王子は、魂だけの最初の死者なのだ
もし仮に前者(つまり生身の手)なのだとしたら、この魔女はラニではなく彼女の師匠である雪魔女であるとも考えられる
雪魔女の尖り帽
それは、幼少のラニが森の奥で出会い
冷たい魔術を学んだ、老いた雪魔女の装束であり
彼女がその魂を宿す、人形のモデルになったという
老魔女は、ラニの秘密の師であった
ただし老いているようには見えないのでラニとするのが適切かと思う
モーゴット
破砕戦争では忌み鬼(モーゴット、マルギット)が活躍する
忌み鬼マルギットとして戦ったと思われる |
忌み鬼のマント
ボロボロの毛皮を、裸体の上に纏うもの
忌み鬼、マルギットの装束
破砕戦争において、数多の英雄を狩った忌み鬼は
黄金樹に挑み、王たる野心を抱く者たち
そのすべての悪夢である
襲われている赤毛の人物は身体的特徴からラダーンではなくラダーン軍の騎士の一人であろうか
赤獅子騎士の兜
将軍ラダーンと共に戦った騎士たちの兜
赤髪の兜飾りは、ラダゴン王の子たる象徴であり
自らが赤獅子たるを誇る、たてがみである
第一次ローデイル防衛戦、第二次ローデイル防衛戦を通じマルギット(モーゴット)は夜の騎兵を率い、英雄たちを狩り続けたと考えられる(イラストは第二次ローデイル防衛戦のものかもしれない)
第一次ローデイル防衛戦
君主連合、内から瓦解し敗軍となる
血の陰謀、その痕跡あり(剣の碑)
第二次ローデイル防衛戦
忌み鬼、英雄の屍を築く
黄金樹に揺らぎなし(剣の碑)
夜騎兵の兜
夜の街道をさまよう騎兵たちは
かつては、忌み鬼に率いられた
あらゆる戦士、騎士、そして英雄の死神である
破砕戦争
破砕戦争のシークエンスで「ミケラ強奪」が描写されることから、モーグによりミケラが奪われたのもこの時期であったと考えられる
「その力に歪み、狂い、破砕戦争を起こし…」 |
より具体的には、血の陰謀の痕跡が見られる第一次ローデイル防衛戦の時だった可能性が高い
第一次ローデイル防衛戦
君主連合、内から瓦解し敗軍となる
血の陰謀、その痕跡あり(剣の碑)
※推測を飛躍させれば、君主連合(ミケラ、マレニア、ラダーンその他)がローデイルを攻撃したものの、ミケラが奪われたことでマレニアがラダーンを疑った結果、内紛が起こり瓦解したのかもしれない。
※モーグウィン王朝の地上部分はケイリッド(ラダーンの支配地)である
一方ゲルミア火山ではライカードがその身と大ルーンを蛇に捧げていた
ライカードの大ルーン
そしてライカードは、冒涜の蛇に喰らわせたのだ
己が身と共に、偉大なる大ルーンを
冒涜の君主の追憶
永遠に生き、喰らい、成長し続ける
そのために、ライカードは大蛇となった
我は知る。冒涜の道の遠き険しさを
罪を厭って歩めるものか
蛇は黄金樹の反逆者であることから、ゲルミアはローデイル軍に侵攻されたと考えられる
ゲルミア火山
火山館攻略戦
穢れた者たち、疫病、冒涜
名誉なく、終わりもない惨戦
闘士の兜
蛇は、黄金樹の反逆者であるとされ
人々は、その傷つく様を喜んだ
破砕戦争の最後に起こったのがマレニアとラダーンの決戦である
地図断片:ケイリッド
将軍ラダーンと、ミケラの刃、マレニア
その最後の戦いの地として知られるケイリッドは
大地すべてが、朱く腐敗に染まっている
エオニアの戦い
ラダーン、マレニアと相討ち
朱い腐敗の花が咲き誇る(剣の碑)
結果、ラダーン軍はマレニアの朱い腐敗に敗れ、敗軍となった
赤獅子騎士の鎧
マレニアの朱い腐敗に敗れ、敗軍となった時
騎士たちは、決意と共に左胸の紋章を焼いた
遙かなる故郷よ、もう戻ることはない
我々は、この地で腐敗を抑え続ける
将軍ラダーンとマレニアは剣の碑にあるように相討ちである。しかし軍隊としてのラダーン軍は敗れたということなのだろう(勝負に勝ったが試合に負けた的な)
そして王無き破砕戦争の末に、大いなる意志はデミゴッドたちを見捨てる
褪せ人
大いなる意志が次に目を付けたのが、かつて祝福を失ったことで狭間の地を追放された褪せ人たちである
オープニングには褪せ人たちのなかでも代表的な五人の名が謳われている
祝福の光がもたらされたことで彼らは狭間の地へ帰郷することになる
蛮地の王ホーラー・ルーは、蛮地(英名バッドランズ)と呼ばれる場所で死体を晒されていたところに祝福の光がもたらされる
中央にある金色の光が祝福の光と思われる |
輝ける金仮面は毒入りの飲み物を飲まされたかあるいは自ら飲んだかにより毒殺(毒死)されたところに祝福の光がもたらされる
金仮面は菌仮面 |
四人のうち唯一死んでいなかったのが死衾の乙女フィアである
死に生きる者という意味でフィアもまた死者だったのかもしれない |
忌まわしき糞食いは絞首刑に処されたところに祝福の光がもたらされている
百智卿、ギデオン=オーフニールは棺に寝かされていたところに祝福の光がもたらされている
棺には大量の耳が納められている |
ギデオンを埋葬したのは亜人と思わしき異形の者たちである
名も無き、褪せ人
最後に祝福がもたらされたのは、名も無き褪せ人である
…そして、失われた祝福はまた、もたらされる
まだ名も無き、褪せ人の元に
褪せ人の手の平に光の粒子が舞い落ちることで褪せ人は蘇生し、霧の彼方の狭間の地に帰還する
霧の彼方に向かい、狭間の地に至り
エルデンリングに見えよ
そして、エルデの王となるがよい
祝福の導き
褪せ人が死んでも生き返るのは祝福の効果である。宮崎氏によばれ祝福が褪せ人を解放してくれない、とのことである(インタビューより)
またこの祝福は導きの光を褪せ人に見せることがあり、その光の先にエルデンリングがあるという
このことから祝福には2つの効果がある。1つは褪せ人を蘇生させる生命付与の効果。2つ目は褪せ人を導くナビゲーターである
祝福が褪せ人を蘇生させる具体的なメカニズムや、導きの光を見せる仕組みなどは、ゲーム内の情報からは不明な部分が多い
これまでの筆者の考察を援用するのであれば次のようになる
エルデンリングとは生命の環のことであり、その粒子が生命を付与することは自然である
またエルデンリングとは狭間の地のすべての生命が形作る環であるので、環の一部となった褪せ人には、環の総体であるエルデンリングの意志の光が見えることがある
この他により具体的(物理的)な説明もある
エルデンリングとは菌類の環のことであり、菌類が褪せ人に寄生することで褪せ人は菌類からエネルギーを得て復活することができる
また褪せ人に導きという幻覚を見せることで、菌類は褪せ人を思うがままに操ろうとしている
エルデンリングという菌類の宿主の最たるものが女王マリカである
女王マリカは、エルデンリングの宿主、その幻視を宿す者
すなわち神さね(指読みのエンヤ)
エルデンリングは多面的に語られ得るものなので、これらも解釈の1つである(当然ほかの解釈も成り立つ)
通常は、なんだかよく分からないけれども祝福なるものが褪せ人を復活させ、エルデの王にさせようとしているのだ、という理解で充分かつ十全であろう
エルデンリングに見えよ
そして、エルデの王となるがよい
ああ、英雄を導く欺瞞の光よ...
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