長くなったので「概要」と「考察」を分けた
アリアンデル絵画世界の概要
絵画世界
アリアンデル絵画世界は教父アリアンデルによって修復された絵画世界である
彼は絵画世界が血で描かれることを知っており、世界を守るために血を用いた
アリアンデルの薔薇絵画の修復者たるアリアンデルはそれが血で描かれることを知っておりそれを守るためにまた血を用いた
ミルウッド騎士
絵画世界の冷たい枯れ森にはミルウッド騎士たちが住み着いている
騎士長の遺灰遠い昔、故郷たる森を失った騎士たちはあてのない長い旅に仇敵をすら忘れその果てに、ただ冷たい枯れ森を見出した
彼らがかつて住んでいたミウルッドは、原始的な大地信仰の地であり、そこで騎士長は祭祀長でもあったとされる
アースシーカーミルウッドは原始的な大地信仰の地であり騎士長はまた、祭祀長でもあったのだろう
ミルウッドには霊樹がそびえ、鹿角をもつ聖獣が棲んでいた
ミルウッド騎士の兜霊樹の聖獣が冠するという鹿角があしらわれている
霊樹の加護はHP、すなわち生きる力を増強するものである
霊樹の盾ミルウッド騎士の用いた焦銅の中盾HPをごくゆっくりと回復する大きくあしらわれた霊樹の加護がまだ僅かに残っているのだろうか
伝承の森とも謳われたミルウッドだが、仇敵たる深淵の竜との戦いによって霊樹は腐り、森は捨てられてしまう
ミルウッド騎士の兜伝承の森ミルウッドは、それが発見されたとき腐った霊樹のそびえる無人の遺跡だったというそこには死体ひとつなくすべてがひっそりと捨てられていた
ミルウッドの大弓それはミルウッドの騎士たちが仇敵たる、深淵の竜に対する武具であったという
故郷たる森を失い、あてのない長い旅に出たミルウッドたちは、やがて仇敵をすら忘れ、絵画世界の冷たい枯れ森を見出した
騎士長の遺灰ミルウッド騎士長の遺灰祭祀場の侍女が、新たな品を用立てるだろう遠い昔、故郷たる森を失った騎士たちはあてのない長い旅に仇敵をすら忘れその果てに、ただ冷たい枯れ森を見出した
ファランの幽鬼
絵画世界にはファランの幽鬼たちも棲息している
彼らはかつて深淵に飲まれたファランの戦士を集団で狩る者たちであった
幽鬼の兜長身痩躯、虚ろな眼窩の戦士たちはファランの戦士が深淵に飲まれたときうっそりと現れ、集団でそれを狩ったという
狩りはファランの戦士がまだ人である内に行われた
幽鬼のサーベル深淵に飲まれた戦士を狩るための彼らの剣技は、だが対人の色が濃い恐らくは、それがまだ人である内に狩りは行われたのだろう
幽鬼たちは集団戦を旨とし、敵を集団で囲み、盾を構えて槍を突き、槍を一斉に投げつけた
幽鬼のジャベリン幽鬼たちは集団戦を旨とし敵を囲み、盾を構え槍を突き、一斉に投げつける役目を終えた戦士を、相応しい最期で弔うために
ファラン滅亡後、望まれずさまよう亡者の群れとなった彼らは、世界のどこにも居場所のない忌み者だけが導かれるという絵画世界にやって来た
幽鬼の兜そしてファランが滅びた後は望まれずさまよう、亡者の群れとなった
おかしな人形ある伝承によれば、忌み者だけがこれを持ち世界のどこにも居場所なくやがて冷たい絵画の世界に導かれるという
ファランを名乗るように、かつて彼らは深淵に抗する者たちであり、人の膿への対抗策も知っていた
幽鬼の盾僅かに、深淵に抗する力がある
幽鬼のトーチある種の深淵は、人中を膿で満たすという炎は、古くそれに対する有効な手段であった
鴉人
ミルウッド騎士やファランの幽鬼たちよりも前、エレーミアス絵画世界の時代から絵画世界に住んでいるのが、鴉人たちである
彼らは女神ベルカの信徒である(DS1デザインワークス情報)
鴉人たちは描き足された鴉村に住み、いつかふたつの灰が絵画世界を訪れ、アリアンデルを焼くという言い伝えを信じて続けていた
…おお、おお、やっときてくれたあんたが灰なら、お願いだ言い伝えの通り、この世界を焼いてくれよ(鴉村の忌み人)俺はもう、ずっと待っているのさ言い伝えにある、ふたつの灰アリアンデルを焼く者たち、その残った片割れをさ…(鴉村の忌み人)
アリアンデルを焼いた火を「お嬢様」に見せることで、次の世界が描かれる
言い伝えのとおり、この世界を焼いてくれよそしてお嬢様に、どうか火を見せてあげてくれ(鴉村の忌み人)…我らは、腐った世界を焼ける。次の世界のために
次の世界のために腐った世界を焼くことは、彼らにとって外の奴らよりもまともなことである
それだけでまともってものじゃないか、外の奴らよりもさ(鴉村の忌み人)
奴隷騎士ゲールによれば、腐れを焼く火は単なる火ではなく、特別な火である
彼女に、火を見せてあげて欲しいのさ腐れを焼く、特別な火だ(奴隷騎士ゲール)
画家
忌み人やゲールから「お嬢様」と呼ばれている画家は、腐れを焼く特別な火を見ることで、次の世界を描くことができるとされる
…私、画を描きたいのずっと寒くて、暗くて、とっても優しい画きっといつか、誰かの居場所になるような…だから私、火を見たいの…(画家)…火を知らぬ者に、世界は描けず火に惹かれる者に、世界を描く資格は無い…大丈夫、忘れてないよ、お母さん…(画家)
鴉人の騎士
一方、フリーデに心酔し、絵画世界を火から守ろうとするのが、鴉人の騎士たちである
鴉羽修道女フリーデに心酔した彼らは絵画を火から守るため同胞の処刑者となった
火によって今ある世界を焼くことを望む同胞たちから絵画を守るために、彼らは同胞の処刑者となった
フリーデ
腐れ派の指導者にあたるのが、教父アリアンデルとフリーデである
一人目の灰として絵画を訪れたフリーデは、火ではなく腐れを選ぶ
修道女フリーデのソウル一人目の灰として絵画を訪れたフリーデはだが教父と共に、火ではなく腐れを選んだ
かつてエルフリーデと名乗っていた彼女は全てを棄て、忌み人たちとその故郷アリアンデルを守ろうとする
彼女の修道女姿は忌み人たちが望む姿である
修道女のフード彼女は全てを棄て、また守るべきものを見出したそして、彼らの望む姿をその身に纏ったのだ
彼女の現在の得物である「鎌」は絵画世界では遠い郷愁の対象とされる
フリーデの大鎌絵画では、鎌は遠い郷愁の対象であり故に彼女はこれを得物としたのだろう
その戦技には、かつての彼女の剣技の記憶が残っている
フリーデの大鎌戦技は「エルフリーデの構え」大鎌を右に、魔法刃を持つ補助鎌を左に構えるそれは、かつての彼女の剣技の記憶であり通常攻撃で跳び込みからの二連撃に強攻撃で地を走る冷気に、繋ぐことができる
身に纏う修道女装束に隠されたズボンは、剣士のものである
修道女のズボン絵画の修道女、フリーデの装束薄青のドレスに隠されたそれはだが剣士のズボンである何かを守るのなら、いつか刃と死が必要になるかつて彼女が、黒教会を築いたときのように
騎士ヴィルヘルム
ヴィルヘルムは黒教会の創始者たる三姉妹の長女に仕えた亡者の騎士であり、酷薄な葬送者として知られていた
ヴィルヘルムの兜痩せた亡者の黒い甲冑「ロンドールの騎士」ヴィルヘルムの兜黒教会の創始者たる三姉妹特にその長女に仕えた亡者の騎士は酷薄な葬送者として知られていた
三姉妹の長女とは「エルフリーデ」のことであり、彼女はオーニクスブレードをヴィルヘルムに授けた時に、彼との主従の交わりを終わらせている
オーニクスブレード黒教会の指導者であった長女エルフリーデが彼女の騎士に授けたという炎を模した大剣だがそれは、主従の交わりの終わりを示す別れの品であったという
別れの品には、フリーデの内に燻り続けた黒い炎が分け与えられている
オーニクスブレード戦技は「エルフリーデの黒炎」刀身に黒い炎を纏うそれは、彼女の内に燻り続けた同色の炎の分け身である
火を拒絶し、ゆるゆると腐っていくことを願うフリーデのために、ヴィルヘルムは次の世界を描く画家を書庫に幽閉した
仕掛けの鍵鴉村の外れにある書庫その天井裏に繋がる仕掛けの鍵かつて騎士ヴィルヘルムは天井裏に白い髪の女を連れ以来この鍵を手放さなかった
教父アリアンデル
世界を焼く特別な火を、血によって鎮めているのがアリアンデルである
アリアンデルの薔薇絵画世界の鞠のような教父がその血で火を鎮めるために用いたバラ鞭絵画の修復者たるアリアンデルはそれが血で描かれることを知っておりそれを守るためにまた血を用いた火が見える。火がまた、チラついている…きっと血が足りないんだ…(教父アリアンデル)
教父の纏う鴉羽の装束は、彼がベルカの信徒であるか、あるいは「大沼」出身の呪術師であることを示している
コルニクスの上衣大沼では、自然の生命を身に付ける習わしがありコルニクスのそれは、特に鴉羽が使用されているかつて鴉は、火継ぎの使いであり不死たちを古い神々の地へ導いたという
王者の墓守
やや異質なのが王者の墓守である。不死闘技の王者の死後に、その小姓が墓守となったものである
ヴァローハートかつて不死闘技の王者が用いた武具幅広の剣と、獅子の盾を組み合わせた特殊な双刀武器のひとつ王者はただ戦い続け、遂に我を亡くしたそして一人の小姓と、狼だけが連れ添ったという
不死闘技は、不死性を貴び、心を亡くさぬための戦いに端を発している
王者の遺骨まだ燃え尽きていない王者の遺骨祭祀場の篝火にくべ、不死の闘技への道を開く古く、ある不死人が戦いをはじめた不死性を貴び、心を亡くさぬための戦いはやがて闘技となっていった不死の価値は、死の積み重ねにこそある終わりなき闘いが必要なのだ
奴隷騎士
鴉村には「奴隷騎士シリーズ」を所持した遺体がある
奴隷騎士の頭巾奴隷騎士に与えられる装束その立場を衆目に示す赤い頭巾かつて不死者だけが奴隷騎士として叙されあらゆる凄惨な戦いを強いられたという老いさらばえ、皮膚が焼け爛れ骨が歪み、正気などとうに失ってもその戦いが終わることはなかった
鴉村の忌み人と奴隷騎士ゲールは、画家のことを「お嬢様」と呼び、また火を見せてあげて欲しい、という願いも共通である
…アリアンデルと呼ばれる、ある冷たい国に、儂のお嬢様がいる彼女に火を見せてあげて欲しいのさ腐れを焼く、特別な火だ(奴隷騎士ゲール)…だからあんた、お願いだ言い伝えの通り、この世界を焼いてくれよそしてお嬢様に、どうか火を見せてあげてくれ(鴉村の忌み人)
死斑の呪術師、ダネル
ダネルが狂った霊として侵入してくるのは、かつてプリシラのいた円形の神殿である
ダネルの用いた呪術火は、あらゆる死から名残を集め、そしてそれを解放することで、エストを得ることができる
呪術の送り火死斑の呪術師、ダネルの用いた呪術火あらゆる死から名残を集める戦技は「送り火」集めた死の名残を解放し引き換えに幾許かのエストを得る
ダネルの呪術火は醜い伴侶の死に捧げられて送り火となり、ダネルは狂った霊となる
呪術の送り火それは醜い伴侶の死に捧げられ送り火となりダネルは狂った霊になったという
ダネルは燻りの湖の助祭たちが用いる混沌呪術を使う
浮かぶ混沌死斑の呪術師、ダネルを魅了した儀式呪術燻りの湖の助祭たちが用いるもの飛沫を放つ、混沌の火球を浮かべる束の間に燃え尽きるその混沌はだが苗床に生じた原初の生命であるというそれはイザリスの罪の、憐れな証であろう
サリヴァーン
絵画世界は、サリヴァーンの故郷であった
瞬間凍結若き魔術師サリヴァーンが絵画を去る前に残した魔術のひとつ極低温の霧を発生させる絵画で生まれ育った彼にとってその冷たい地は、捨てるべき故郷であったまだ何も、失ってさえいなかったのだ
やがて彼は絵画世界を去り、罪の都で罪の火を見出し、ついに法王の地位にまで上り詰める
絵画の腐食者
※ややグロいので画像は割愛する
※またやや考察気味である
礼拝所の地下や雪原の赤く変色した場所に住み着いているのが、絵画の腐食者である
腐食者とは、腐れを喰らう者の意ではなく、絵画を腐食させる者のことであろう
腐食者のいる赤い場所を、まどろむ忌み人は「寝床」という
…だから君も、はやく探すといいずっと甘く腐っていく、君の寝床をね…(まどろむ忌み人)
よく見ると赤い場所には「サナギ」のようなものが無数にある
完全な眠りについた忌み人から幼虫が生まれ、サナギを経て羽化するのが絵画の腐食者であろう
腐食虫でもなく、腐食“者”であるのは、それがもとは人だからであろう
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