2024年1月27日土曜日

エルデンリングを振り返る7 ミケラ

誕生から無垢金まで

ミケラとマレニアは唯一人の神の子供である


腐敗の女神の追憶

ミケラとマレニアは、唯一人の神の子供である

故に二人は神人であるが、その生は脆弱であり

一方は永遠に幼く、一方は腐敗を宿した


ここでいう「唯一人」とは、女王マリカと王配ラダゴン同体であることに由来する


…ラダゴンとは、マリカである

先生の指は、その数理と旋律は、そのようにしか解釈できません(聖職者コリン)


マレニア様は、女王マリカと王配ラダゴンの間に、双子のデミゴッドとして産まれました(賢者ゴーリー)


ミケラとマレニアは双子なので、ゴーリーの言うマレニアの出生が正しいのであれば、ミケラマリカとラダゴンの子ということになる


双子の一方であるマレニアから、ミケラはもっとも恐ろしい神人と評されている


マレニアの翼兜

兄さまが、約束を違えるはずがない

神の知恵、神の誘惑。ミケラこそ

もっとも恐ろしい神人なのだから


その恐ろしさの一端を示すのが「神人ミケラはあらゆる者から愛され、愛するを強いることができた」という誘惑の枝のテキストである


誘惑の枝

神人ミケラは、あらゆる者から愛された

愛するを強いることができた


誘惑の枝製作素材であるミケラのスイレンは、ミケラが幼少期に愛でたとされる幻の花である


ミケラのスイレン

たおやかに萎びかけた無垢金のスイレン

ごく稀にしか見ることはできない


聖樹の信仰花であり、神人ミケラ

その幼少期に愛でたとされる幻の花である


また同じく誘惑の枝の製作素材である聖血の木の芽は、かつて幼き聖血を与えられて育てられた若芽が原種である、と言われている


聖血の木の芽

鮮血を含んだ、育つことのなかった若芽


かつて、幼き聖血を与えられ育てられた若芽

その原種であるという


幼きミケラは父ラダゴンに「光輪」を贈っている


光輪

それは、幼きミケラ

父ラダゴンに贈った祈祷である


ミケラの贈り物に対する父の返礼は「ラダゴンの光輪」である


ラダゴンの光輪

黄金律原理主義の祈祷のひとつ

父ラダゴンの、幼きミケラへの返礼


しかし、幼きミケラ原理主義を捨てた

それが、マレニアの宿痾に無力だったから

無垢なる黄金、そのはじまりである



しかしマレニアの宿痾に無力だったという理由からミケラは原理主義を捨て、無垢金の律を掲げる


父ラダゴンとの一連のエピソードからは、当初は黄金律原理主義を継ぐ神人であったのが、やがて父を裏切り独自の律を掲げようとするミケラの姿を想定することができる


原理主義を捨てたミケラが掲げたのが無垢金の律であり、それは未完成ながらミケラの針という一定の成果を挙げている


ミケラの針

外なる神の干渉を退けるため

ミケラが紡ぎあげた無垢金の針のひとつ


狂い火を受領していても、それを鎮め

狂い火の王となる運命を回避できる


ただし、この針は未だ未完成であり

ファルム・アズラにあるという

時の狭間、嵐の中心でしか使用できない



聖女トリーナ

話は逸れるが、ここで聖女トリーナとミケラの関係についておさらいしてみたい


聖女トリーナは眠りを司る存在であり、信仰の対象ともなっている


トリーナの矢

萎びたスイレンを象った彫刻矢

強い睡眠の状態異常効果がある


聖女トリーナの司祭たちは

これを教えのために用いた

優しい昏睡は、癖になる


聖女トリーナの信仰花トリーナのスイレンである


トリーナのスイレン

たおやかに萎びかけた薄紫のスイレン

稀にしか見ることはできない


聖女トリーナの信仰花であり

精神の昂ぶりを抑える効果がある


トリーナは儚い少女とも、少年であるともいわれ、忽然と現われ、忽然と消えていくとされる


トリーナの剣

聖女トリーナの司祭が用いる白剣

睡眠の状態異常効果がある


トリーナは、謎めいている

儚い少女であるといい、少年であるといい

忽然と現れ、忽然と消えていくという


トリーナの灯火には、大人びた姿の聖女トリーナが刻まれている


トリーナの灯火

薄紫の火を灯す、燭台の松明

彫刻の意匠は聖女トリーナであるはずだが

その姿は大人びて、どこか恐ろしい


聖女トリーナがなぜミケラと関連づけられているかというと、信仰花の種が同じスイレンであること、またファリスの製法書【3】により「誘惑の枝」を製作できることなどが挙げられる


ファリスの製法書【3】

聖女トリーナに心奪われた男の製法書

彼は眠りの中に、トリーナを探し続けた


以下のアイテムが製作可能になる


・誘惑の枝


誘惑の枝

神人ミケラは、あらゆる者から愛された

愛するを強いることができた


また、ミケラが現在いる場所の祝福名が「神人眠りの繭」であることから、夢の世界におけるミケラの姿のひとつがトリーナであると考えることも可能であろう


血の君主の繭について

…おお、そうか!やはりミケラは、血の君主の元にいたか!


…さて、どうしてくれようか

繭の内で、眠り続けるのであれば、それでよいが

あるいは、滅ぼすべきかもしれんな

…ミケラ、あればかりは得体が知れぬ…(ギデオン)



陰謀の夜

女王マリカやすべてのデミゴッドと同じくミケラ陰謀の夜によって多大な影響を受けたと考えられる


陰謀の夜の後、ミケラはゴッドウィンを弔う剣を英雄墓に奉納している


黄金の墓標

デミゴッド最初の死者たる

黄金のゴッドウィンを弔う墓標剣


少年の静かな祈りが込められている

兄様、兄様、正しく死んで下さいな


専用戦技「弔いの墓標

墓標を掲げ、周囲の味方を含め

聖律の力を付与する戦技

死に生きる者たちを良く弔う


左は「誘惑の枝」を使った時の紋章。右は戦技「弔いの墓標」を使った時の紋章


またソール砦においては魂無き骸再誕させようとしていた痕跡が残っている


…おお太陽よ!ソールの冷たい太陽よ!

どうか、蝕まれ給え

魂無き骸再誕をっ…!(日蝕教会の幻影)


しかし再誕は今もって実現しておらず、ミケラの友魂無きままであり、二度とミケラの聖樹を見ることはないだろう、と嘆かれている


…申し訳ありませぬ、ミケラ様

まだ、太陽は蝕まれませぬ。我らの祈りが弱いばかりに

貴方の友は、魂無きままなのです…

…もう、見ることは叶わないでしょう

貴方の聖樹を(ソール砦屋上の幻影)


以上からわかるのは、太陽が蝕まれることで魂無き骸が再誕を果たす、というメカニズムである


蝕まれるべき太陽とは、この場合ミケラの無垢金の律邪魔になる黄金樹のことであろうと考えられる


つまりミケラは明確に黄金樹に弓を引いていることになる。これはモーゴットのセリフからも裏づけられている


福なき褪せ人よ

王の座に、何の用がある

ああ…

黄金のゴドリック

天賦の双子、ミケラとマレニア

将軍ラダーン

法務官ライカード

月の王女、ラニ

まつろわぬ、裏切り者共

お前たちは、皆、同じ

野心の火に焼かれた、略奪者よ

…愚かな墓標に刻むがよい

最後の王、モーゴットの名を!


ミケラは他のデミゴッドたちと共に、まつろわぬ裏切り者として糾弾されている


要するに幻影が述べているのは「黄金樹が陰って無垢金の時代が到来すれば魂無き骸再誕する。そのときミケラの友であるゴッドウィンも復活するであろう」ということである



太陽を蝕むもの

では具体的に太陽を蝕むものが何なのかについて考えてみたい


現時点において黄金樹を実際に蝕んでいるものは、死王子から発するところの「」である


よって黄金樹を蝕むものの最有力候補としては「死王子の死」が挙げられる


ただし狭間の地における「」は他にも存在する


例えば「古き死」である


古き死の怨霊

それは、死の鳥が

霊炎の内から掻き出すという

古き死の燃え滓である


爆ぜる霊炎

まだ黄金樹無き頃、死は霊炎に焼かれた

死の鳥は、その火守りなのだ


また霊界という「」に関連が深い領域も存在している


ヘルフェンの尖塔

霊界において死者の道標となる灯火の樹

ヘルフェンの黒い尖塔を模した大剣


その灯火は祝福に似て

英霊だけが、それを見ることができるという


専用戦技「滅びの霊炎

剣を振り、その刀身に霊炎を纏わせる戦技

霊炎は魔力属性のダメージを与え

また、とても冷たい


まとめると狭間の地には三種類の「」がある。1つ目は「死王子の死」であり、2つ目は「古き死」、3つ目が「霊界の死」である


このうち現時点で黄金樹を蝕んでいるのは死王子の死であるが、この死は「死に生きる者の死」であり、死王子が体現するように不完全な死を生きることを意味している


再誕するためには完全な死が必要であるとすると、それが可能なのは「古き死」と「霊界の死」に絞られる


またこの2つは「冷たい霊炎」という共通点があることから、同一のものであるとも考えられる


よって結論としては、黄金樹を蝕むものは「霊界の死」ということになる


DLCのタイトルは「黄金樹の影」であるが、そのが「霊界の死」を意味していると考えると、ミケラがそこにいる理由がはっきりするのではないかと思われる


つまりミケラがDLCの舞台にいるのは、そこが霊界であり霊界の死によって黄金樹を完全に殺すことを目指しているからである


太陽として表現された黄金樹完全に蝕まれたとき、魂無きデミゴッドたちの永遠性は剥奪され、霊界の死による完全な死が訪れる


※魂無きデミゴッドは永遠性ゆえに不完全な死の状態にある


そして完全な死を迎えたデミゴッドたちは、新たな黄金樹たるミケラの聖樹により還樹が施され、再び狭間の地に誕生するのである


再誕したデミゴッドたちが最初に目にするもの。それがミケラの聖樹である



さまよう霊廟と死儀礼の鳥


蝕まれた太陽さまよう霊廟の象徴であるともされる


蝕紋のヒーターシールド

魂無きデミゴッド眠るさまよう霊廟

蝕まれた太陽は、その象徴であるという


さまよう霊廟は魂無きデミゴッドが“眠る“墓所であり、蝕まれた太陽とも関連している。


つまりさまよう霊廟もミケラの作ったものであると考えられる


また死儀礼の鳥や死の鳥が狭間の地に出現するのも、ミケラや「我らの祈り」の影響と思われる。というのも、死儀礼の鳥は“”に出現する存在であるが、夜は“眠り”の支配する時間でもあるからである


このようにミケラは狭間の地に「霊界の死」を呼びだしていたのである。ただしそれは、幻影がいうように「我らの祈りが弱いばかりに」、黄金樹を完全に陰らせるには到らなかったのである




ミケラの聖樹

死によって黄金樹を蝕む計画のほか、ミケラ自身は聖樹に宿って次なる黄金樹になろうとしていた


…なるほどな。やはり聖樹は、抜け殻だったか

ミケラは聖樹に宿ろうとした

だが完全な宿りを前に、何者かが聖樹を切開し、幼子を奪った

…あの言葉、どうやら事実であったらしい


しかしミケラは完全な宿りを前に、何者かによって誘拐されている。

ミケラを誘拐したのは、モーグである


…おお、そうか!やはりミケラは、血の君主の元にいたか

君、それは素晴らしい情報だ(ギデオン)


モーグ、呪われた血の忌み子め

…返せっ

ミケラ様を、返せっ

玉のお身体、お前ごときが触れてよいものか…(幻影)


モーグによるミケラ誘拐を指し示しているのかはやや微妙だが、これが第一次ローデイル防衛戦における「血の陰謀」であったのかもしれない


第一次ローデイル防衛戦

君主連合、内から瓦解し敗軍となる

血の陰謀、その痕跡あり


結局ミケラの聖樹黄金樹とはならず、美しい聖樹は見果てぬ幻想となった


聖樹紋のサーコート

サーコートには、聖樹の紋章が描かれている

ミケラの血を受けた、聖なる芽生えの若木

だがそれは、遂に黄金樹とはならなかった


聖樹紋の大盾

無垢金の聖樹が描かれた、金属の大盾

ミケラの聖樹に仕えた騎士たちの得物

聖属性のダメージカット率が高い


しかし、聖樹は醜く育ち

美しい聖樹見果てぬ幻想となった


しかし聖樹兵たちは今もミケラの帰還を待ち望んでいる


聖樹兵の遺灰

聖なる灯を宿した雑兵たちの霊体

劣勢になると、自ら爆発して果てる

それは、腐敗した聖樹で主を待ち続けた兵たち

どうしようもなく見出した、過酷な啓示である


いつか我らの灯が、その爆発

ミケラの帰還を導かんことを


ミケラ聖樹兵たちに崇拝されている。というのも彼は名も無き者、弱き者をこそ祝福するからである


聖冠の鉄兜

名も無き者、弱き者をこそ

ミケラは祝福する


ただしこれは愛することを強いるミケラの特性が彼らをそうさせている可能性もある



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