2023年3月15日水曜日

ダークソウル考察42 ベルカとは何者だったのか?

ベルカに関しては、かつて黒髪の魔女と呼ばれていたこと、罪の女神ベルカとも呼ばれていること、古今あらゆる秘儀に通じ、神々の中でも強い影響力を持っていたことなどが伝えられている


沈黙の禁則

黒髪の魔女ベルカの伝える秘儀


罪の女神ベルカは異端であるが

古今あらゆる秘儀に通じており

神々の中でも強い影響力を持つと言われる


罪の女神としての活動は、罪人記録帳に記すことや、罪を赦し呪いを癒すことなどが挙げられる


罪人録

罪の女神ベルカ管理する記録帳

罪人とは、神々や誓約を蔑ろにした者たちであり

いつか暗月の刃に倒れる運命にある


墓地の鍵

いまや訪れる者のない墓地には

かつて罪の女神ベルカの像があり

罪を赦し、呪いを癒したという


神としての影響力グウィンにも匹敵するようで、かなり強力な神性だったと思われるのだが、しかしプレイヤーダークソウルシリーズを通じてベルカと対面することはなかった



黒髪の魔女

話はベルカから逸れるが、ダークソウルシリーズに登場する名前にはトールキンの人工言語から命名されているものがある


有名なのはアノール・ロンドだろう


アノール(Anor)はシンダリン語で「太陽(Sun)」を意味し、ロンド(Lond)はやはりシンダリン語で「天国(heven)」や「港(harbour)」等を意味する


さて、ここからが本題である


先日、戯れにトールキンの人工言語検索できるサイト「Parf Edhellen」でベルカ(Velka)を検索しようとしたとき、間違えてVelcaと綴ってしまったところ、偶然にもその単語がヒットした


それによるとVelcaとはクウェンヤ語で「Flame(炎)」を意味するという


もし仮にベルカの語源がトールキンの人工言語にあるとしたら、ベルカは魔女であり、その名前は「」を意味することになる


魔女の繋がりは、DS1のオープニングに既に登場している


そして、闇より生まれた幾匹かが

火に惹かれ、王のソウル見出した

 

最初の死者、ニト

イザリスの魔女と、混沌の娘たち

太陽の光の王グウィンと、彼の騎士たち

そして、誰も知らぬ小人


それらは王の力を得、古竜に戦いを挑んだ

グウィンの雷が、岩のウロコを貫き

魔女の炎は嵐となり

死の瘴気がニトによって解き放たれた


そして混沌の娘たちは、炎の魔女でもあった


イザリスの杖

イザリスの魔女が混沌に飲まれる前

まだ娘たち炎の魔女だった頃の杖


これらから勘案するに、ベルカとは元は混沌の娘たちの一人だったのではないかと考えられるのである


ただし混沌の娘たちの方にも命名規則があって、判明している混沌の娘たちにはクラーナ(Quelana)グラナ(英名不明)クラーグ(Quelaag)、と頭文字にQがついている


つまるところベルカ混沌の娘ではない


以下の考察は確認不足から生じた誤りなので撤回する


私の母イザリスは、かつて最初の王の1人だった

最初の火のそばで、ソウルを見出し、その力で王になったんだ

(イザリスのクラーナ)


とすると可能性は一つである


ベルカとは炎のソウルを見出したイザリスの魔女、その人の本名なのである



罪の女神

イザリスとは魔女たちの故郷の名であって魔女の名前ではない


混沌の火の玉

呪術の故郷イザリスの、混沌の炎の業

混沌の火の玉を投げつける


イザリスの魔女たちは、混沌の炎を生み

故郷もろともそれに飲み込まれたという


イザリスとは呪術の故郷の名でもあり、また炎の魔女たちが住んでいたである


混沌の炎の種火

武器を進化させるために必要な種火

混沌の炎の種火は廃都イザリスの業であり

古い作法を知る鍛冶屋だけが扱える


炎のソウルを見出したイザリスの魔女の名前はついに明かされることはなかった


オープニングに登場するイザリスの魔女たちの、一際巨大な魔女混沌の娘たちを産んだイザリスの魔女である


そしてそのイザリスの魔女こそ、ベルカだったのである




イザリスの魔女混沌の娘たちは、自らが生んだ混沌の炎に飲み込まれ、混沌の苗床と化したと考えられる


混沌の火の玉

イザリスの魔女たちは、混沌の炎を生み

故郷もろともそれに飲み込まれたという


その苗床は「イザリスのの、憐れな証であろう」と言われている


浮かぶ混沌

束の間に燃え尽きるその混沌は

だが苗床に生じた原初の生命であるという

それはイザリスの罪の、憐れな証であろう


上述したようにイザリスとは地名であって魔女当人の名前ではない。それはイザリスの魔女たち全員のなのである


そのうちもっとも力が強く(炎のソウルを見出した)、罪が重大だったのが、魔女ベルカであった


それ故に彼女は罪を司る神となったのである


なぜなら炎(Velca)は、生贄の穢れを祓う浄火でもあるからである


浄火

元は生贄の穢れを祓う儀式であり

故にその火は浄火と呼ばれる


罪の女神ベルカの力は、罪を赦し、呪いを癒すことである。その根幹にある属性が「」なのである。それは「罪穢れ(日本神話ではセットで語られる事が多い)」を祓う力があるからである


以上のようにVelcaという名前が「」を意味していることが分かると、ベルカイザリスの魔女が直接的に繋がり、また「罪の女神」であることも説明できるものとなる


ただし上で述べたようにベルカ正しい綴りは「Velka」である。これを「Velca」の意味をぼかすために綴りを変えたものと解釈するか、やはりそれはVelkaが正しく炎の意味はない、と解釈することも可能であろう


しかしながらアノール・ロンドイルシールにも人工言語が使われていることを鑑みるならば、ベルカは本来はVelcaであって「」の名前を持つ魔女だったと解釈することも可能なのではないだろうか


そしてそうであるのだとしたら、プレイヤーベルカとDS1のイザリスで対面している


それは苗床と化したベルカであったが、プレイヤーはそれとは知らずベルカを倒し、そしてすでに倒しているとも気付かずに、DS3を終えてなおベルカを探し続けていることになる


※そうだとしたらDSシリーズにまつわる逸話のなかでも上位に入るぐらい好きな話かもしれない


※罪の女神ベルカが顕在であるかは不明である。苗床となった後にベルカの神性のみが神として祀りあげられたものかもしれない


6 件のコメント:

  1. ベルカを名前から紐解く試み、非常に興味深かったです。イザリスの魔女の名前についてはシリーズ考察17 イザリス1でも触れられていますが、クラーナのセリフに「私の母イザリスは」とあることから「イザリス」が都市名・魔女その人(=その歳の女王)の両方を指すとも解釈できるように思います(女王ヤーナムとヤーナムの街の関係にも似ているかもしれません)

    返信削除
    返信
    1. 誤字です。”(=その都市の女王)”

      削除
    2. ご指摘ありがとうございます
      この記事を書くときに過去の考察を確認したのですが
      なぜかその一文だけすっぽりと抜け落ちていました

      クラーナのセリフと矛盾するので、魔女イザリス=ベルカ説は早計だったと思います

      記事を取り下げることも考えたのですが、
      「velca」に「炎」の意味があるかもしれない、という点は残しておきたいのでそのままにしておきます(本分の訂正はすると思います)

      削除
    3. あああなんだか重箱の隅をつついたみたいで申し訳ない。ただ、ベルカとイザリスの魔女が同一人物で、例えば信仰される宗教によって呼び方が違う、というような可能性はあるんではないかという風にも思います。あるいは、本来の名前はベルカだけど、次第に都市の名前と同一視されていった、とか(実際、”二つ名”のような形で地名で呼ばれる貴人、というのも歴史的には珍しくなかったわけですし)

      削除
    4. いえいえ、むしろ助かりました。ありがとうございます

      考察をしていて個人的に一番怖いのは、間違った知識が固定化されてしまうことだと思います

      考察をすることや、それをブログの記事にすることは、ご指摘を頂くことで、自分の思い込みや間違いを見つけ出すことが主要な目的であるとすら言えるかもしれません

      イザリスとベルカの関係性については、三兎群青さんの二つ名説もありそうですね

      もしくは母としてのイザリス、魔女としてのベルカという説もなくは無いのかなと思ったのですが、具体的なテキストを見つけられなかったので、今のところ再検討中というところです

      削除
  2. こんにちは、少し前にあなたのブログに出会いました。とても気に入りました!私もこのゲームの世界を探求しているのですが、日本語が分からないので、調査に行き詰まっています。助けていただけませんか?私もお役に立てるかもしれません。

    返信削除