Wo Long: Fallen Dynasty(公式サイト)
三国志の死にゲー、というか仁王の三国志版という位置づけになりそうな「Wo Long」の体験版をクリアしたのでその感想など
ちなみに開発プロデューサーの山際眞晃氏はブラッドボーンのプロデューサーでもある
武技や仙術といった要素もあるが、本作の戦闘システムは気勢と化勁(かけい)に集約される
ひと言でいえば化勁はSEKIROの弾きの回避あるいは受け流しバージョンである
SEKIROで相手の攻撃を弾くと相手の体幹ゲージが貯まっていったように、本作では化勁を成功させると気勢ゲージが増加する(攻撃をヒットさせることでも増える)
ただしこの気勢ゲージは敵と共通であり、敵の攻撃を受けすぎるとマイナス側に振れてゆき、逆側にゲージが貯まりきると体勢を崩されることになる
戦闘の流れとしては、相手に攻撃を加えつつ相手の攻撃を化勁で受け流し、貯まった気勢を消費して武技を放ち、最終的に体勢の崩れた相手に絶脈(忍殺)を叩き込む、というものになっている
また敵の放つ秘技(赤く光る大技)を化勁で受け流した際には大きなダメージチャンスが発生する
※なおこの後ボコボコにされて負けた基本的に雑魚敵でもボスでも流れは同じであるが、特にボス戦では化勁の成否がそのまま勝敗に直結する
ダークソウルに例えるのならば、ボス戦ではボスの攻撃すべてを中盾パリィするような操作精度が求められる(それが出来てようやくスタート地点に立てる)
とはいえあえて全攻撃を化勁する必要はなく、逃げ回ったり防御しながら相手の秘技に化勁を合わせるという戦い方もないではない
また防御しながら化勁することでも一定の保険が掛けられる(化勁を失敗しても防御となる)
※大刀の強攻撃でボスの一段階目はハメられる
感想としては化勁の判定がシビアすぎて疲れるのと、通常攻撃を化勁で受け流した際のプレイヤーへのリターン(気持ちよさ)が薄いような気がする
相手の秘技を化勁で受け流すのは楽しいのだが、通常攻撃にまでジャストディフェンス的な精度を要求されると楽しさよりも疲労感の方が勝るのである
また通常攻撃を化勁で受け流してもエフェクトやSEが地味なので大型の敵を相手にしているとどうなっているのか分かりづらい
しかしながら化勁と組み合わせて武技や仙術を撃てるようになると非常にスピーディーに戦えるようになる
気勢ゲージは維持しようとするのではなく、貯まったはしから放ちつつ、化勁を利用して再び貯めて、という好循環が生まれると流れるような戦いができるようになる(プレイ中、まぐれで2回ほどそのような状況を体験した)
ちなみに化勁転撃という攻撃しつつ化勁判定の出るシステムもあるのだが、クリアするまでその存在を忘れていたので使用感は不明
ゲームデザインはオーソドックスなステージ制と思われる。体験版は「光和7年、冀州趙国 鬼谷溝」という高低差のある山岳マップだった
ボスの張梁(ちょうりょう)は黄巾党の指導者の一人で、史実ではやはり光和7年に戦死している
ゲームフィールドとしての鬼谷溝は、スカッとした青空なのでおどろおどろしさはそれほど感じられず、「太平道の禍々しい儀式に冒涜され」という設定とやや齟齬を感じた
高低差や巨岩、巨石など中華感は少し感じられるものの、仁王のフィールドとの違いはそれほどない
マップの造りとしては、ブラッドボーンのように迷宮的な街を探索するというよりも、士気を上げるためにマップの各所に軍旗を立てる、というオリエンテーリング的なプレイを想定したものと思われる
エルデンリングのレガシーダンジョンとは方向性が異なるので、そちらを期待するとちょっとあれかもしれない(虎牢関とかは面白そうだが)
また環境ストーリーテリング的な要素は薄めで、ゲームの要所にとりあえず大型の虎や鳥がいるような感じである
総評としては、仁王の三国志版というのが最も適切かと思う。ただしブラッドボーン的な流れるようなスピード感のある戦闘の片鱗もうかがえるので、マップやボス、戦闘の研究深化によっては化けそうな作品である(でも疲れる)
ヴァルキリーエリュシオン(公式サイト)
往年の名作「ヴァルキリープロファイル」の流れを汲む作品
体験版はチュートリアルステージ→製品版の序盤ステージという構成になっているのだが、これが尻すぼみな印象を与えてしまった感が否めない
というのも序盤はエインフェリアは一人もおらず、習得しているアーツも少ないので地味な戦闘が続くからである
一方で最初に体験するチュートリアルでは、2人のエインフェリアが加わった派手な戦闘が楽しめる
本作ではエインフェリアは単に仲間というだけでなく、武器の属性を強化・変更できたり、フィールドのギミックを起動させたりなど様々な運用法がある
エインフェリアを呼び出して氷の足場を造っているところ |
ところがそうしたチュートリアルを終えたあとに、システムが未解放の序盤をプレイすることになるので、チュートリアルで上がった期待感が萎んでしまうのである
またエインフェリアなしのマップも当然ながらギミック等が限られたものになっているので、単調にならざるを得ない
とはいえ、たった一人の戦闘はやや寂しいもののコンボ主体の戦闘は爽快感がありなかなか楽しい
コンボはジャンプ+□や、□□□△といったボタンの組み合わせで発動するので、戦技や武技をセットして云々というゲームの多かった最近としては新鮮さを感じた(また懐かしさも)
最初から使えるソウルチェインという技は、ひと言でいえばSEKIROの鉤縄やゼルダのフックショットなのだが、これがあると高低差のあるマップではやはり楽しい
敵に撃つことで急接近することもでき、戦闘の高速化に寄与している
ひとつ言わせてもらえばマップがやや単調である。城ステージだったのだが、橋や通路が広すぎて走っている時間が長く感じてしまう
そしてWo Longと同じようにやはり要所要所に敵が雑然と置かれているという印象が否めない
ただし本作は立ちはだかる敵をガンガン倒していく、というものであるのでゲームデザイン的には問題はない
それだけにマップが間延びしている感じがするのがやはり惜しい。とはいえエインフェリアのギミックが登場すれば、少しは緩和されるであろう
戦闘の流れとしては、敵の弱点に見合ったディバインアーツを放つことで敵をブレイクさせ、コンボや大技を叩き込んでいく、というものになる
ディバインアーツは範囲攻撃になるので複数相手でも有利に立ち回れるようになり、効率よく敵にコンボを叩き込むことで、ステージ評価も上がる
この点で Wo Longやエルデンリングとは戦闘の方向性が異なる
ただし戦闘時の視点とターゲットに関してはあまり良くない(設定で変更もしてみたのだがしっくりせず)
総評
短期間に「Wo Long」と「ヴァルキリーエリュシオン」という2つのアクション(RPG)の体験版をプレイしたわけだが、一長一短あるもののどちらも面白かった
この両者は似ているように思われるが、そのゲームデザインや操作感は似て非なるものである
比べる対象でもないし発売日も近くないのだが、あえてどちらを買うかと問われたら、「ヴァルキリーエリュシオン」を選ぶ(買うとは言っていない)
理由は単純で、ヴァルキリーエリュシオンは死にゲーでもソウルライクでもないからである
これは個人的な感傷に過ぎないかもしれないが、死にゲーやソウルライクの集大成としての「エルデンリング」が登場したことで、なんとなくひとつの時代が終わった気がするのである
もちろんこれから先も死にゲーやソウルライクの神ゲーや傑作は発売されるだろう。しかし筆者としては当分(数年)はそれ以外のジャンルを注目していきたいと思っている
筆者がいま最も期待しているのは「Starfield」であり、またもうすぐ体験版が登場する「スターオーシャン6」も楽しみである
いつも楽しく拝見しています。
返信削除シードさんは「Disco Elysim」はプレイされないのでしょうか?
ゲームジャンルとしてはアクションではなくTRPGを電子化したようなものですが、膨大な背景世界の作り込みと、それをゲームプレイを通してプレイヤーに伝える方法は大変優れていてユニークだと思います。
シードさんの感想や考察があれば是非みたい作品でした。
コメントありがとうございます
削除doopeさんの記事をいくつか読んでDisco Elysimの存在は知っていたものの、難しそうで何となく手が出せませんでした
私の性格的にプレイするとしたら関連書籍を読むところから始めなくてはならず、ちょっとハードルが高いかなと
ただ興味はあるのでゲームだけ購入して浅いレビューはするかもしれません