2026年3月21日土曜日

紅の砂漠10時間レビュー


10時間やると楽しくなるということで10時間プレイした後のレビュー


擁護不可能

まずこのゲームには擁護不可能ポイントが3つある


  • 操作性
  • ストーリーとキャラクター
  • パズル


この3要素に関しては、はっきりいって出来損ないである


足元に落ちているアイテムを拾うことすら困難なボタン配置(なぜかジャンプと拾う同じボタンという狂気)。そもそもアイテムをターゲットすることもかなり難易度が高い


その他あらゆる操作が筆者の直感に反するのでセーブすることすら未だにミスる


このゲームは100時間やってもやりきれない要素があるという。しかしそれが本当だとしたら、そのかなりの部分はアイテムを拾い損ねてジャンプしている時間であろう


ストーリーに関しては支離滅裂。灰色のたてがみ団が黒熊団に奇襲されて仲間が散り散りになったところまでは分かる。しかし蘇生したクリフがすることは酒場に行って腕相撲をし、脈絡なく物乞いに恵み、なぜか下水道に行き…とキャラクターの心情を完全に無視した展開が繰り広げられる


またクリフはキャラクター性無色透明なほどに希薄であり、彼は自らの意思を表明することなく製作者の強引なプロットに唯々諾々と従うだけである


パズルに関しては一定のルール内でプレイヤーが考えて答えを出すというのではなく、ほぼ総当たりであり、またクリアしてもなんとなく釈然としないものが残るような出来である


また脈絡なく新ルールが出てきたり、同じ操作別の手順でやらせようとしたり、アンフェアというか率直に言ってクオリティが低い



かろうじて擁護可能

次にかろうじて擁護できる要素が3つある


  • クエスト・サブクエスト
  • 戦闘
  • グラフィック


クエストとサブクエストに関してはスタート開始から最初のボスマティウスを倒すまでのクオリティは最低である


この段階で見切りをつけて返品する人も多いかと思う。個人的には7割くらいのプレイヤーがふるい落とされても不思議ではないと思う。それくらい低クオリティなのだ。


なぜこれほどクオリティが低いかというと、ストーリーと同じく製作者の都合を優先したからであろう


つまり本来は丁寧にクリフの心情を描くことでプレイヤーの感情移入を誘い、物語へ没入させなければならない場面で、製作者はプレイヤーにやらせたいことだけを強引にねじ込んだのである


なのでクリフは自分の心情とは無関係にプレイヤーが進むべき行程(と製作者が思っている)を辿るだけの製作者の操り人形にしかならないのである


世の中にダメな映画や小説、アニメは数あれど導入部がここまで失敗している創作物は記憶にない。中学生がはじめて書いた小説でももうすこしマシなものになるだろう


しかし本当に不思議なことにマティウスを越せばクエストやサブクエストのクオリティは格段に上がる。上がるといっても普通のゲームくらいであるし平凡なクエストラインなのだが、理解できるという点で最序盤よりはるかにマシである


次に戦闘だが、その最適解料理をむしゃむしゃ食べながらごり押しという、いつの時代のネトゲだろうと思うような代物である


要するに深みはない。ただしやれることは多いし、アクションも揃っているので爽快感はある。ボス戦に関しては上述したように料理食べながらごり押しが適したクオリティとしか言えない


グラフィックに関しては高い評価を得ているようだが、筆者的には期待はずれだった。Youtubeやスクリーンショットでは高いクオリティのように見えるのだが、実際にゲーム画面でみると思っていたよりも粗いな、というのが率直なところである


またアートスタイルに関しては平凡の一言。どこかから拾ってきたアセットを統一感のないまま導入したような印象である


遠景は確かによく見える。しかし見える景色のすべてをくっきりはっきり描き出すと、これほどまで情緒のない絵になるのかと悪い意味で驚いた


しかしながら情緒に乏しく芸術性や創造性をまるで感じない絵だとしても、グラフィックに比較して動作が軽いことは確かである


また配信やスクリーンショットではかなり綺麗に見えるので、そう言う点で騙しやすい絵であり、良くも悪くも時代に見合ったグラフィックと言えるのかもしれない



クソゲーか否か

さて以上をまとめると完全にクソゲーである。実際これらの擁護しにくいポイントを列挙していくとクソゲーであることは否定しがたいように思う


しかしながら、これらのダメなポイントをそのまま喉の奥にゴクンと呑み込みつつ、その苦味を味わいつつ、吐き出しそうになるのを堪えつつ、しかしそれでもオープンワールドとしてみれば、そこそこ面白いのではないか、というのが筆者の今の感想である


ストーリーやクエストのことなんて放って崖に採掘ポイントを探しに行ったり、指名手配犯を捕まえに行ったり、見知らぬ敵集落に突っ込んで死んでみたり等々、オープンワールド的インシデントが積み重なってくると徐々に世界が広がっていく


そう考えると無意味なストーリーやキャラクターであることがむしろ逆に利点になってくる(けっして褒めているわけではない)


というのも例えばサイバーパンク2077では死期が近いのにのんびりとクエストをこなすことでロールプレイングとプレイヤーとの間に二律背反的な感情が生まれ、結果としてゲーム性とストーリーに齟齬が生じているような気がしたからである


ただこれが製作者の意図したことでないことは、主人公クリフの存在が証明している。なぜなら意図したものであるのなら主人公を固定せずキャラクリできるようにしたはずだからである


10時間

10時間過ぎると面白くなるという言葉の意味を筆者なりに解釈すると次のようになる


例え10時間プレイしたとしても操作性やストーリーやキャラクター良くなるわけではない。それは開始直後から延々と超低空飛行を続けている


またクエストやサブクエも盛り返したとはいえ秀逸というわけではない。映えるグラフィックも見続ければ見慣れるし徐々に粗も見えてくる


こうした点は10時間プレイしても変わらないし、おそらくクリアしても大きな変化はないだろう


何が変わるかというと、プレイヤーオープンワールドへの関与の仕方である。もはやストーリーやキャラクター、操作性には期待できない。しかしそれらを諦めてしまえば、親しみのあるオープンワールドゲーがプレイヤーの前に現れるのである


オープンワールドとしてのフィールド構成はおそらく及第点である(すべてのマップを見たわけではないので)


また大雑把な戦闘オープンワールドのゲームとしてみればそれほどおかしなものではない。むしろアクションが豊富な分だけ遊びの幅は増える


映える景色を眺めながら、馬に乗ってあてもなくフィールドをさすらい、それほど込み入った事情でもないサブクエを気の赴くままクリアしつつ、飽きたらプレイを止める。そのような気軽にできるオープンワールドとして紅の砂漠に望めば、それはそれで面白いのではないか、というのが筆者のこれまでの評価である


現時点で点数を付けるとしたら65点である。旨くはないが酷く不味いというわけでもなく、食えなくもないが美味しくもない。例えるのなら素人の作ったチャーハンのようなゲームである


※ちなみにアイテム所持数に関しては筆者のカバンはまだ空きがあることから、言われるほど不満はないという印象。倉庫も増えるらしいので。この先は分からないが。


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