ブラドー
ブラドー装束のテキストによれば、彼が被っているのは獣となった友の皮である
ブラドーの徴恐ろしい聖職者の獣、その1匹の頭皮医療教会の刺客、狩人ブラドーが友を狩った徴以来ブラドーは友の頭皮を被り、自ら地下牢に籠りそして教会は、彼に1つの鐘を与えた秘密を守る、音の鳴らぬ死の鐘を
獣皮の装束恐ろしい聖職者の獣、その獣皮を羽織る血塗れの装束獣皮を取り去れば、それは異邦の服にすぎないブラドーは、血も乾かぬうちに、友の頭皮、獣皮を被った装束の血の大半は、そのときのものだ
この「友」については諸説あるが、頭部の角の類似性から判断するに「ローレンス」である
角度が異なっていたり隠れている部分もあるので違うようにも見えるが、注意してみればほぼ同じ形である |
現実におけるローレンスの獣化した姿は、狩人が狩人の悪夢で遭遇する「初代教区長、ローレンス」と同形であったであろう
大聖堂に安置された「ローレンスの頭蓋」は炎の獣となったローレンスの頭蓋から頭皮を剥ぎ取った後の姿なのである
この頭蓋には頭皮がない |
ローレンスの頭蓋
大聖堂にローレンスの頭蓋が安置されている理由は、その内部に「神秘の智慧」が宿っていたからである
神秘の智慧(上位者の叡智)は頭蓋から飛び出してくる |
ローレンスが「獣の抱擁」を落とすことからも判るように、またその知見が「礎」となったように、医療教会はローレンスを被検体に「獣を制御する実験」を行っていた
「獣の抱擁」獣の病を制御する、そのために繰り返された実験の末優しげな「抱擁」は見出された試み自体は失敗し、今や「抱擁」は厳重な禁字の1つであるがその知見は確かに、医療教会の礎になっている
宮崎:それは、カットシーンにも登場するローレンスの記憶を垣間見ることを目的としています。彼の頭蓋骨はヒーリングチャーチ自体の始まりとして機能しましたが、それはねじれた獣の形をとっています。そこから想像できることがたくさんあります。(インタビュー)
宮崎氏はローレンスの頭蓋を「ねじれた獣の形」と表現しているが、これは獣の形そのものを「ねじれた」といっているわけではない。ローレンスの頭蓋は獣としてもねじれて、歪み、不完全な形なのである
ローレンスの頭蓋がねじれた獣の形をしているのは、ブラドーに皮を剥ぎ取られたからである
※また、ローレンスは完全に獣化する前に狩られたのかもしれない
医療教会は人を「苗床化」する実験も行っていた
「苗床」実験棟の患者、アデラインにもたらされたカレル人ならぬ声、湿った音の囁きの表音であり星の介添えたるあり方を啓示する
カレル文字「拝領」によれば、「拝領」は医療教会の象徴であり、血の医療とは「拝領」の探求に他ならないとされる
「拝領」それは医療教会、あるいはその医療者たちの象徴である血の医療とは、すなわち「拝領」の探求に他ならないのだ
拝領とはつまり「聖血」を得ることである
密かなる聖血が血の渇きだけが我らを満たし、また我らを鎮める。聖血を得よだが、人々は注意せよ君たちは弱く、また幼い冒涜の獣は蜜を囁き、深みから誘うだろう(エミーリアの説教)
ここで聖血には人を満たし、鎮める効果があるとされる一方、冒涜の獣の危険性も指摘されている
聖血には医療教会の求めた「精霊」と忌避した「獣」という二つの相反する属性が宿っているのである
結果的にローレンスは冒涜の獣の蜜にあらがうことができず、炎の獣となったのである
しかしその頭蓋内には上位者の叡智をもたらす「精霊」が宿っていた。ゆえに医療教会はその頭部のみを聖遺物として祀ったのである
事実、その頭部からあふれた「叡智」は医療教会の基礎となって現在の医療教会に至る最初の繁栄をもたらしたのである
獣皮
炎の獣となったローレンスを狩ったのはブラドーである
彼がなにゆえ友であるローレンスを狩らねばならなかったかというと、やはりローレンスが「友」であったからであろう
友を狩った後に自らを罰するかのように地下牢に籠ったことから、ブラドーが友を親愛なる者と位置づけていたことがわかる
ブラドーの徴以来ブラドーは友の頭皮を被り、自ら地下牢に籠りそして教会は、彼に1つの鐘を与えた秘密を守る、音の鳴らぬ死の鐘を
ゲルマン戦士が熊の毛皮を被ることでベルセルクになるように、スカンジナビアには戦士が狼の毛皮を被ることで人狼になるという伝承がある
またブラッドボーンにも大きな影響を与えていると思われるジョージ・R・R・マーティンの『皮剥ぎ人』には、人狼になるために人狼の皮を剥ぎとって被ろうとする人物が登場する(人狼の皮には魔法がかけられている)
皮を被ることで人狼になる、という設定の元ネタは北欧神話にあり、そこではシグムンドとシンフィヨトリが魔法がかけられた高貴な人の脱いだ狼の皮を被ることで、狼のようになる、ということが描かれている(ここでも皮に魔法がかけられている)
※人狼伝説はヘロドトス『歴史』に言及されたネウロイ族まで遡れる(wikipedia)
古来より獣皮は人を獣にするという観念が存在するのである
つまりブラドーは獣化したローレンスの毛皮を剥ぎとることで獣化したローレンスを人間に戻そうとすると同時に、その毛皮を被り獣になろうとしたのである
獣化という呪いを身代わりに引き受けようとしたのである。彼ならば呪いに対処できると信じていたからである。なぜならば彼の信念によれば「悪い血」は「瀉血」することで体外に放出することができるからである
瀉血の槌それはまた、悪い血を外に出す唯一の方法だ地下牢に籠ったブラドーは、そう信じ続けていた
だがローレンスは獣化したまま死に、その頭蓋は切り離されて祭壇に祀られたのである
地下牢
獣化した友を狩り、その頭皮と獣皮を被ったブラドーは自ら地下牢に籠ったという
ブラドーの徴恐ろしい聖職者の獣、その1匹の頭皮医療教会の刺客、狩人ブラドーが友を狩った徴以来ブラドーは友の頭皮を被り、自ら地下牢に籠りそして教会は、彼に1つの鐘を与えた秘密を守る、音の鳴らぬ死の鐘を
彼が自らの意志で地下牢に籠ったのは、ローレンスの血に塗れたことで彼自身が獣の病に感染したからである
獣皮の装束ブラドーは、血も乾かぬうちに、友の頭皮、獣皮を被った装束の血の大半は、そのときのものだ
自分が獣化した場合の被害を最小限にするために、自らを地下牢に閉じ込めたのである
そしてまた彼の信念が正しかったのか、ブラドーはその「瀉血」の効果により獣にはならず地下牢最深部に籠り続けているのである
秘密
血の医療の成就、すなわち「獣の病」の根絶は医療教会の悲願である
だが「獣の病」の原因は医療教会自身なのである。諸悪の根源である自らの本性を隠すために医療教会は秘密を守らねばならない
なぜならばそれが知られてしまえば、血の医療の大義名分は失われるからである。それは医療教会の存在理由を揺るがす事態である
獣の病とは呪いであり、呪いとは上位者の怒りに触れた証である
冒涜の聖杯呪いとは、上位者の怒りに触れた証であり、呪詛でありこの儀式を成就するためには、特別な素材が必要である呪いに挑むのなら、「ローランの落とし子」を探したまえ
ローランの落とし子獣の病に塗れたローランに生まれた、落とし子たちの遺体それは冒涜の象徴であり、呪いを呼ぶ
上位者ゴースを殺害し、赤子を奪ったことで上位者の呪いはヤーナム(人類)に降り注いだ
母は殺された。赤子は奪われた(漁村の囁き声)ヤーナムの呪い、か…(身を窶した男)
呪いの原因となった漁村の惨劇を引き起こしたのはビルゲンワースであり、そこに所属していたローレンスであり、最初の狩人ゲールマンであり、マリアである
このうち主導的な地位にいたのは後に医療教会を設立するローレンスである
そのローレンスはブラドーの友である。ブラドーは友であった男の罪を隠すために秘密を守り続けなければならないのである
ここに医療教会とブラドーの目的が一致したのである
すなわち、教会が彼に1つの鐘を与えたのは慈悲の心からではないし、ブラドーがそれに従ったのは教会に対する忠誠心からではない
医療教会は自らの穢れた素性を隠すために、友の罪を暴かれたくないブラドーを利用したのである。ブラドーは友の罪を暴かせないために教会の刺客となり秘密に近づく者に死を与えていたのである
友
ブラドーに関しては、友が何者であるかということと、その友に対するブラドーの感情といったものが大きな意味を持ってくるように思われる
暗殺という汚れ仕事を担い、人間に対する絶望を口にするブラドーという人格のなかで、「友」という言葉だけがどこか浮いている
まるで「友」そのものが「秘密」であるかのように、それは明かされず秘匿されている
不敵な、あるいは傲岸とも言えるブラドーの態度には教会への慎ましい忠誠心などは見受けられない。ただ彼の言動から感じられるのは秘密を守ろうとする強い意志である
その秘密は友であったローレンスの犯した罪である
彼が友を狩ったのはその呪いを引き受けようとしたからであり、自ら地下牢に入ったのは自らを罰すると共に獣血に汚染されたおのれを隔離するためである
そして彼が教会の刺客になったのは友の罪を暴かせないためである
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