Elden Ring Nightreignに登場する夜の王と夜渡りについて
夜の王
※前提としてエルデンリングとナイトレインは共通する設定やワードが登場するものの別の話であり、ナイトレインを通じて本編の設定の謎が明かされることはないと明言されている
夜の王というワードはノクスの民の装備テキストに登場している
ノクス僧のフード
永遠の都の僧たちの絹のフード
大古、大いなる意志の怒りに触れ
地下深くに滅ぼされた、ノクスの民は
偽りの夜空を戴き、永遠に待っている
王を。星の世紀、夜の王を
夜巫女の鎧
永遠の都の夜巫女たちの胴鎧
それは、最高位の聖職たる証であり
絹のマントを纏っている
大古、大いなる意志の怒りに触れ
地下深くに滅ぼされた、ノクスの民は
偽りの夜空を戴き、永遠に待っている
王を。星の世紀、夜の王を
ここで夜の王は星の世紀とセットで語られている。夜の王の支配する時代が星の世紀ということになろうか
ラニエンディングによれば、星の世紀とは夜の律によって支配された世界のことである
星の世紀エンディング
私は誓おう
すべての生命と、すべての魂に
これよりは星の世紀
月の理、千年の旅
すべてよ、冷たい夜、はるか遠くに思うがよい
恐れを、迷いを、孤独を
そして暗きに行く路を
さあ、行こうか
…永遠なる、私の王よ
素直に解釈すれば、夜の王とはラニの王となった褪せ人のことになる。つまるところ、ナイトレインのラスボスはラニエンディングを迎えた後の褪せ人ということになろうか
確かにDS3では過去作の不死人(プレイヤー)を彷彿とさせる存在をラスボスとして登場させたこともあるし可能性がないではないが、やや直球過ぎるきらいがある
歴史は繰り返さないが韻を踏むという言葉があるように、そうだとしても少し変化を加えてくるように思う
同じ夜の律の王であっても、ラニの世代ではなくもっと過去の世代の夜の王である可能性もあるし、原初の夜の王が狂ったなれの果てということもありえるかもしれない
一方で他にも夜の王になり得る存在が本編に語られている
銀雫の殻
銀の雫と呼ばれる、不定形生物の硬化した殻
永遠の都と、その近辺で見つかる
銀の雫は生命を模倣する
模倣はやがて再誕となり
いつか、王になるのだという
銀の雫は生命を模倣し、やがて王として再誕するという。ここでいう王とは永遠の都との関連性の深さから、夜の王である可能性が高い
※ノクステラなどにある椅子に座った巨大な骸骨は夜の王のなり損ないであろう
つまりナイトレインに登場する夜の王は、オリジナルの夜の律の王ではなく、それを模倣した複製(しかしそれはやがて本物となる)ということになろうか
喪失の戦灰
戦いの記憶を失った、空っぽの戦灰
そのままでは、何の付与もできないが
円卓の鍛冶師ヒューグの手により
あらゆる戦灰の複製となる
そして複製は、もうひとつの本物となる
このオリジナルと複製品の関係性は、オリジナルである本編エルデンリングとナイトレインの関係性に重なる部分があるように思う
ナイトレインの舞台もそのボスも、そしてメタ的に言えばナイトレインという作品自体が、オリジナルであるエルデンリングの素材を再構成した複製品なのである
故にオリジナルであるエルデンリングとその複製品であるナイトレインは、本質的に無関係なのかもしれない(設定やワードに共通するものがあっても)
ダークソウル
夜の王の影響でナイトレインの世界に引き寄せられたという設定なのが、ダークソウルシリーズの何体かのボスである
※このことは狭間の地とダークソウルシリーズの世界の非連続性を肯定する情報であるが、むしろ筆者は、引き寄せられたら狭間の地に来られるほど両者の世界は近いのか、という驚きの方が大きかった
さて、この設定は突飛なように思えるが、実は初代ダークソウルからすでに世界が多世界解釈的世界、あるいはマルチバースであることが、NPCのセリフによって明かされている
ここは、まったくおかしな場所だ
時の流れが淀んで、100年以上前の伝説がいると思えば
ひどく不安定で、色んなものがすぐにずれやがる
貴公と俺の世界も、いつまで重なっているか、分からない
だが、こいつを使えば…
世界のずれを超えて、協力できる
霊として召喚することで、「ずれ」を渡るのさ
(太陽の戦士ソラール)
そもそもが、プレイヤーとソラールの世界は別世界なのである。しかし二つの世界が重なってしまったがために、両者は同じひとつの世界に存在することが可能となった
世界と世界はすぐに「ずれ」てしまうが、白いサインろう石を使えば、世界を超えて協力することができる
このことをソラールは「ずれを渡る」と述べている
ナイトレインのキャラクターたちは「夜渡り」である。夜を渡るとは抽象的な表現であるが、「夜」を「ずれ」と置換すれば意味が通るように思う
すなわち、夜とは世界と世界の間にある漆黒の「ずれ」のことであり、夜渡りはその「ずれ」を渡って様々に重なった世界に降り立つ者たちである
不安定であるが故に世界のあり様はランダムとなり、また重なりが解消されるが故に徐々に生存範囲が狭まっていくのであろう
この漆黒のずれを支配するのが夜の王であり、世界のずれが完全に解消される瞬間にだけ姿を見せる夜の支配者なのかもしれない
ノクスが永遠に待つのは星の世紀、夜の王。ラニの暗月の律も星の世紀。夜の王=暗月。ナイトレインの夜の王はかつての王と同じなのかどうかは不明ですが、かつての夜の王と設定は繋がりがあるでしょう。そう考えれば、「本編の物語の謎が解き明かされることはない」の真意としては、破砕戦争後の褪せ人の物語について、追加補足する内容ではない、ぐらいの意味で捉えられるのではないでしょうか。破砕戦争までは同じ世界なので当然ノクスの民は「夜の王」を待っており、そこに今回の夜の王が襲来。暗月=夜の王と考えるのと
返信削除狭間の中心で霊炎に焼かれ霊魂は暗月の霊界に向かい無数の星に宿り狭間の地に降り注ぎ生命が生まれる。暗月によってダクソキャラが呼出される理由は、メタ的な設定として、別ゲームの世界線でも暗月は死者の霊魂が集う霊界として機能し、開発者はその設定を採用したと考えられます。