2023年5月10日水曜日

エルデンリング考察43 陰謀の夜

本題に入る前に、まずは「陰謀の夜」のおさらいから始めたい


陰謀の夜

陰謀の夜の語はオープニングに登場する


偉大なるエルデンリングは砕けた

霧の彼方、我らの故郷、狭間の地で


永遠の女王マリカは隠れ

黒き刃の陰謀の夜、黄金のゴッドウィンが最初に死んだ(オープニング)


黒き刃とは第一義には死のルーンを宿した武器である


黒き刃

かつて、黒き刃の陰謀の夜

黄金のゴッドウィンを殺した刺客たちの短刀


その奇妙に捻じれた刃には、儀式により

盗まれた死のルーンの力が宿っている


また黒き刃を振るった者たちは黒き刃の刺客と呼ばれ、比喩的に黒き刃とも表現されている


黒き刃のフード

黒き刃の刺客たちのフード


黒き刃、ティシー

陰謀の夜、黒き刃に死のルーンを宿し

黄金のゴッドウィンを殺した暗殺者の一人

ティシーは、黒き刃の長アレクトーの娘であり

王都からの逃亡時、母を守り命を落としている


黒き刃を振るった暗殺者たちは、一説には永遠の都の末裔であり、マリカに近しい稀人であったとされている


…これは、まさか黒き刃の刻印ですか!

まさか貴方が、手に入れられるとは…

以前お話した、黒き刃の陰謀の夜

その実行犯は、永遠の都の末裔たる、暗殺者だと言われています(魔術師ロジェール)


黒き刃のフード

陰謀の夜の実行犯たる刺客たちは

すべて女性であり、一説には

マリカに近しい稀人であったという


その稀人マリカ同族である


稀人のルーン

稀人は、かつて狭間の外からやってきた

女王マリカの同族であるという


武器としての黒き刃は、陰謀の夜に盗まれた死のルーンを宿した武器のことである


黒き刃の刻印

陰謀の夜、何者かが

黒き剣のマリケスから死のルーンの一部を盗み

暗殺者たちの刃に、その力を宿した


これは、その儀式の刻印であり

陰謀の真実が潜んでいるという


死のルーンを盗み、儀式により黒き刃死のルーンを宿したのは、魔女ラニである


確かに、私は魔女ラニ

死のルーンの一部を盗み儀式により、それを神殺しの黒き刃となした


ただし、この陰謀にマリカの関与があったことも示唆されている


黒き剣の追憶

マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった

マリカは影従に、運命の死封印たるを望み

後にそれを裏切ったのだ


そして陰謀の夜、黄金のゴッドウィン魂のみを殺されラニ肉体のみを殺すことに成功した


死の呪痕

月の王女ラニの、棄てた肉体に刻まれた呪痕

百足傷の欠環とも呼ばれる


呪痕は、デミゴッド最初の死に刻まれ

円環を為すはずである


だが、デミゴッド最初の死者は二人あり

呪痕は2つの欠環となった


ラニは、肉体だけの最初の死者であり

故に死王子は、魂だけの最初の死者なのだ


ゴッドウィン暗殺した黒き刃の刺客たちは王都から逃亡し、その際に黒き刃の長アレクトー娘ティシーが母を守り命を落としている


黒き刃、ティシー

陰謀の夜、黒き刃に死のルーンを宿し

黄金のゴッドウィンを殺した暗殺者の一人

ティシーは、黒き刃の長アレクトーの娘であり

王都からの逃亡時、母を守り命を落としている


また海外公式の情報によれば、陰謀の夜暗殺の標的となったのはゴッドウィンだけではない


真冬のある夜、無名の暗殺者たちが狭間の地を横切っていった。

帝国中の神の女王の親族の多くの命を奪ったが、その数はあまりにも多く、散らばっていたため、彼女の神の保護では救うことができなかった。(海外公式による「神代における狭間の地の歴史」)


ゴッドウィンの他、多くのデミゴッドたちも標的となり、実際に命を落としている


ゴッドウィンの暗殺後マリカエルデンリングを砕き、それをきっかけとして破砕戦争がはじまる



陰謀の夜の謎

以上が陰謀の夜の簡単なあらましである。陰謀の夜の主な謎を箇条書きにしたものが以下である


  • いったい誰が何のためゴッドウィンデミゴッドたちを暗殺しようとしたのか?
  • なぜラニはそれに加担していたのか?
  • なぜマリカラニと共謀していたのか?
  • なぜ暗殺の実行犯がマリカに近しい稀人だったのか?
  • ゴッドウィンの死を受けたマリカは、なぜエルデンリングを砕こうとしたのか?


これらの出来事の中心にいるのは、魔女ラニである



魔女ラニの目的は、神人たる己の肉体のみを殺すことであった


…そして私は、二本指を拒んだ

死のルーンを盗み、神人たる自らの身体を殺し、棄ててでも

私は、あんなものに操られたくはなかったのだ(魔女ラニ)


肉体のみを殺すためには、魂のみを殺す生贄を用意しなければならない


なぜなら本来、黒き刃によって殺害された者は、円環の呪痕が刻まれる=完全な死を迎えるはずだったからである


死の呪痕

月の王女ラニの、棄てた肉体に刻まれた呪痕

百足傷の欠環とも呼ばれる


呪痕は、デミゴッド最初の死に刻まれ

円環を為すはずである


だが、デミゴッド最初の死者は二人あり

呪痕2つの欠環となった


ラニは、肉体だけの最初の死者であり

故に死王子は、魂だけの最初の死者なのだ


これの原理を歪めて肉体のみを殺すためには、代償として魂のみを殺される生贄を用意しなくてはならなかったのである


そして結果的に生贄となったのは黄金のゴッドウィンであった



マリカ

ただし、上述したように陰謀の夜マリカが関与していた可能性も示唆されている


黒き剣の追憶

マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった

マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み

後にそれを裏切ったのだ


封印たるを望むことの裏切りは、封印を解くことであろう


しかし黄金のゴッドウィンの暗殺(魂のみ)は、マリカエルデンリングを砕かせるきっかけとなった


様々な断片情報をまとめると、ゴッドウィンの暗殺から生じたこの事態マリカの望みではなかった可能性が高い


永遠の女王にとって黄金のゴッドウィンほど壊滅的な損失はなかった。彼の死後エルデンリングは何らかの形で砕け散り、世界の秩序は崩壊しました。(海外公式による「神代における狭間の地の歴史」


ああ、覚えているとも

冷たい霧の夜だった


死のルーンが盗まれ

黄金のゴッドウィン

デミゴッド最初の死者となったとき

女王マリカは、狂ったのだろう(ストーリートレーラー)


死のルーンの強奪協力し、また同族である稀人ラニに助力させるほど陰謀の夜関与していたマリカとその陰謀は、ゴッドウィンの死によって完全に狂ったのだと考えざるを得ない


つまりラニとマリカの陰謀は、本来の計画と違った結果となったのである



ラニとマリカの計画

では、ラニとマリカが企んでいた本来の陰謀とは何だったのであろうか


上述したようにラニの陰謀己の肉体のみを殺すことである。そしてその計画には魂のみを殺される生贄が必要だった


かたやマリカには、魂のみを殺される生贄提供する意志があった


その生贄とはゴッドウィンではなく、マリカの半身であるラダゴンである


ラダゴンとマリカが同体であることは、王都の大彫像に隠された秘密によって明らかにされている


…ただ、ラダゴン様には…、秘密があったと聞いたことがあります

黄金樹の王都の、ある高名な彫刻家が、ラダゴン様の大彫像を作るために召し出され

…秘密を垣間見たのだそうです

そして、大彫像に秘密を隠したのだと(ミリエル)


ラダゴンとはマリカである(メッセージ)




ラダゴンとマリカの状態をひと言でいえば、「一つの体に二つの魂」である


通常と比べ、魂が一つ余分にある状態であり、二人は何らかの理由により反目していた


おお、ラダゴンよ、黄金律の犬

お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない

さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!(マリカの言霊)


故にラニの陰謀に「魂のみを殺される生贄」が必要だと分かったとき、マリカはおのれの内にある余分な魂(ラダゴン)を生贄として差し出したのである


魂のみを殺される生贄が必要だったラニと、余分な魂を疎ましく思っていたマリカ。この点において、二者の利害は一致していたのだ


二人の計画予定通りに実行された場合、ラニは肉体のみを殺すことができ、マリカはおのれの内にあるラダゴンという魂を殺害することができる…はずだったのである



第三の陰謀

マリカとラニの陰謀は、想定外の事態によって大きく歪んだ結果を迎えることとなった


想定外の事態とは、ゴッドウィンの死である


暗殺計画の首謀者は利害の一致するマリカとラニであり、その実行犯はマリカの信頼できる同族、「黒き刃」だった


通常であれば暗殺はスムースに行われ、マリカとラニはそれぞれの目的を達成できていたはずである


しかし二人の陰謀を快く思わない者がいた


暗殺対象となった当のラダゴンである


そこでラダゴンは陰謀の夜第三の陰謀を付け加えた。それが黒き刃によるゴッドウィン暗殺計画である


ここで二つのルート想定することができる。黒き刃がラダゴンに寝返っていたルートと、黒き刃がラダゴンに寝返っていないルートである



黒き刃寝返りルート

黒き刃寝返りルートでは、ラダゴンの命により暗殺の標的がラダゴンからゴッドウィンに変更されたと考えられる


また陰謀の夜にはゴッドウィンの暗殺に加え、多くのデミゴッドたちも同時に暗殺されている


それは神であるマリカが保護しきれないほど迅速かつ大規模に行われた


真冬のある夜、無名の暗殺者たちが狭間の地を横切っていった。

帝国中の神の女王の親族の多くの命を奪ったが、その数はあまりにも多く、散らばっていたため、彼女の神の保護では救うことができなかった。(海外公式による「神代における狭間の地の歴史」)


その後のラダゴンの言動(自分以外の者が神や王の座につくことを拒絶する)から考えると、無数のデミゴットたち暗殺したのもラダゴンの命令ということになる


※実は陰謀の夜デミゴッドたちの暗殺は、ゲーム本編では示されず、また日本公式サイトにも言及はない。海外公式サイトにのみ記された情報である。これを考察の材料としていいものか議論の余地はあると思う。ただし、発売から一年経った今も公式サイトに記載されていることから、考察材料として利用する価値はあると考えた


またシンプルに考えれば女王マリカ子供たちを暗殺する動機ない(推定を重ねればひねり出すことは可能だが)


よって陰謀の夜の時点で、黒き刃たちはラダゴンに寝返っていたと考えることも可能である


ラニイベントの最後、夜の律を掲げようとするラニ陣営黒き刃が襲撃している


これを夜の律を掲げようとするラニ陣営に対し、ラダゴン黒き刃を使って制裁を科したと解釈することも可能であろう



黒き刃を寝返らせていないルート

次に想定可能なもう一つのルート黒き刃が寝返っていないルート」の場合を検討する


このルートの場合、ではラダゴン黒き刃を寝返らせることなく、どのようにして自分ではなくゴッドウィン黒き刃に暗殺させたのか? という疑問が生じる


その答えはオープニングに堂々と描かれている



赤髪のラダゴン

ラダゴンが赤髪であったことは各種アイテムに記され、描かれている


ラダゴンの肖像

赤髪のラダゴン

カーリアのレナラの夫として魔術を修め

女王マリカの夫として祈祷を修めたという

英雄は、完全たるを目指したのだ


ラダゴンの肖像(タリスマン)、魔術学院レアルカリアで拾う

また彼が赤髪である理由としては、「巨人の呪いだったろうか」という推測が述べられている


火の巨人の追憶

巨人たちは、皆一様に赤髪であり

ラダゴンは、自らの赤髪に絶望したという

それは巨人の呪いだったろうか


ラダゴン鮮やかな赤髪をもつことは、ラダゴンの肖像ボスとして戦うラダゴン(ムービー)を見れば一目瞭然である


だが不思議なことに、オープニングに描かれているラダゴンは「金髪」あるいは、「赤みがかった金髪」である




これを金髪であるマリカからラダゴンへ入れ替わりつつある状態を描写したものと解釈することも可能かもしれない


しかし、デビュートレーラーに描かれたラダゴンの髪の色は、槌を振り上げ、それを振り下ろすまで薄い赤金のままである(よく見ると完全な金髪ではなく赤味を帯びた金色)


赤みがかっているが、鮮やかな赤髪ではない


上述したがラダゴンの赤髪は金髪と見間違えられる様な、薄い赤髪ではない


またラダゴンの子であることを誇りにしていたラダーンの軍勢の兜飾りも、濃い赤色である


赤獅子の兜


ということは奇妙なことに、エルデンリングを修復しようとしている時点において、ラダゴンの赤髪はなぜか赤味を帯びた金色だったということになる


ラダゴンがこの髪色(赤味を帯びた金色)となったのは、その肖像鮮やかな赤髪として表現された後のことであろう(「ラダゴンの肖像」は魔術学院レアルカリアの宝箱に入っている)


つまり女王レナラに婿入りした後、より具体的にはマリカの王配となった後のことであると考えられる


それは黄金樹の祝福を受けて金色を帯びていったのかもしれないし、あるいは絶望するほど忌み嫌っていたために金髪に染め直したものかもしれない


赤味を帯びた原初の黄金坩堝迫害したのは己の赤髪を思い出させるからであろう


重要な点は、マリカの王配としてのラダゴンは「赤味を帯びた金髪」だった可能性があるということである


そしてこの髪色となったラダゴンは、髪色はもちろん体格までもがゴッドウィンによく似ているのである


左がゴッドウィン、右がラダゴン

もちろん明るい場所であるのなら、ゴッドウィン鮮やかな金髪ラダゴン薄い赤金は一目で違うことがわかるだろう


しかし、灯りを持つ黒き刃が描かれているようにゴッドウィンの暗殺現場暗かったのである




薄暗い空間標的と似た髪色体格人物。これで暗殺対象の取り違えの条件が揃ったことになる



黒き刃

結論から言えば、黒き刃は暗殺対象を取り違え、ラダゴンではなくゴッドウィンを殺害してしまったことになる


※黒き刃がラダゴンに寝返っていない場合のシナリオである


そして標的の顔松明で確認する段になって、それが別人であったことに気づいたのである


彼女たちはマリカの敵であるラダゴンではなく、間違えてマリカの愛息であるゴッドウィンを殺害してしまった


失態を悟った黒き刃たちは王都から逃亡しようとする。当然ながら愛息を殺されたマリカは怒り追手を差し向ける


この追手との戦いにより、黒き刃の長アレクトーの娘ティシーは死亡し、アレクトー自身も月光祭壇の封牢に封じられることとなる


生き残った黒き刃たちは各地へ落ち延び墓所に隠れ住むこととなる。当然マリカとの連絡は途絶え、陰謀の夜になぜ標的を取り違えたのかすら分からない


やがてラニが夜の律を掲げる条件を満たす。この時に至って黒き刃たちはようやく悟る。陰謀の夜にマリカを裏切ったのは魔女ラニである、と。なぜならば奴らは黄金の律ではない夜の律を掲げようとしているではないか(ただしそれは間違いなのだが)


以上が「黒き刃がラダゴンに寝返っていないルート」で想定されるシナリオである



陰謀の夜

陰謀の夜とは何人もの陰謀が交錯する夜であった。当初それはラニとマリカの陰謀として企てられ、やがてラダゴンの陰謀の干渉を受けて形を歪めていく


そしてついに黄金のゴッドウィン魂のみの死という想定外の事態を経て、エルデンリングの破砕へと繋がっていく


陰謀を歪められ、あろうことかゴッドウィンを殺されたマリカは狂乱し、ラダゴンを道連れに自分自身を砕く


だがそれは完全には砕けず、エルデンリングを砕いたことの罰としてマリカ黄金樹内部へと囚われる


代わりにとなったのがラダゴンである


まだ神ではなかったラダゴンは、マリカの失脚の後に(エルデンリングを宿す幻視の器)となり、エルデンリングの修復しようと槌を振るう


自らが神であり王であることを自負するラダゴンにとって、新たな神になるかもしれないデミゴッドたちは恐怖の対象でしかなかった


それまでも彼はデミゴッドたちを堕落させようと様々な奸計を張り巡らせていた。しかしエルデンリングが砕けたことで、デミゴッドたちは大ルーンの力を手に入れてしまった


そこで彼はデミゴッドたちが大ルーンを巡って相争うように扇動し、破砕戦争を完全なる膠着状態に陥るよう導いていったのである


黄金樹は褪せ人に祝福を与えた

だがそれは、導きの使命に対して、とても小さい

…故に、褪せ人力を漁り争う。そうすることを求められる

かつてエルデンリングが砕けたとき大ルーンの君主たち求められたように

我が王は、それに憤った。分け与えられたものを漁りあう、そんな浅ましい生き方など、受け入れられぬと

黄金樹が、が我らを愚弄するならば、
背律の冒涜を犯してでも、尊厳の反旗を翻す



褪せ人の追放

ゴッドフレイから祝福を奪い、狭間の地を追放した時期については、断定が難しい


ただし祝福を奪う、という神としての力を行使していること、褪せ人の追放という政治的権力を行使していることなどから、エルデンリングが砕かれる以前の出来事であったと考えられる


そもそもゴッドフレイを追放した後でないとラダゴンを王配として迎えられないことから、ゴッドフレイの追放は陰謀の夜以前、ラダゴンが王配となるずっと以前のことと思われる


ゴッドフレイの追放エルデの獣に対するマリカの陰謀のひとつと考えるのであれば、マリカの陰謀はラダゴン暗殺計画だけではなかったことになる


ラニと共謀した陰謀の夜とは別に、マリカは神を殺す算段をしていた


ゴッドフレイとその軍勢を褪せ人として追放。その間に黄金樹を守護するための領域「円卓」を創造。神殺しの武器の製作を鍛冶師ヒューグに始めさせたのである


儂の武器で、神を殺してくれ

それが儂の、生きたすべて

そして、女王マリカとの誓約なのだ(ヒューグ)


マリカの最終的な目標は、エルデの獣の殺害であると思われる。その前哨戦として位置づけていたのが、ラダゴンの暗殺だったのであろう


陰謀の夜におけるラダゴン暗殺は、エルデの獣に対するマリカの宣戦布告となるはずだったのである。だが、それはラダゴンの干渉により無残な結果に終わった


神に刃向かう意志を抱いた報復として、愛息ゴッドウィン子供たちを虐殺されたマリカは、絶望のあまりエルデンリングを宿す幻視の器、すなわち自分自身の肉体を砕くに至る


ラダゴンはマリカの陰謀を知りながら素知らぬ風を装い、その目的が達成される瞬間、強烈なカウンターパンチを喰らわせている。かなり性格が悪い



マリカの試練

前回の考察で、ゲームの舞台を整えるためにはデミゴッドたちを歪ませ堕落させる必要があった、と述べた


そのなかにはもちろんマリカも含まれていた(そうしないと狭間の地そのものの滅びが起きない)


女王マリカに与えられた試練とは、子供たちの死なのであろう


※このあたり、なんとなくゲーム・オブ・スローンズキャトリンを想起させないでも無い


陰謀の夜は〈釁られた婚儀(ちぬられた婚儀)〉であり、マリカ家族を惨殺され、自らも殺された後復讐するために復活するキャトリンにあたる


マリカ歪め、堕落させるために宮崎英高氏が用意した試練が、愛息ゴッドウィンのおぞましい死と、子供たちの虐殺劇であった


その試練はマリカがラダゴンに対して絶対的な勝利を収めようとするその瞬間、最大級の打撃をもって彼女の肉体と精神を粉々に砕いたのである

1 件のコメント:

  1. 大変興味深かったです!
    特にラダゴンの動機や主体的に動いている辺り、ゲーム中のラスボスがラダゴンとなる流れとして自然に感じました。


    以下、読む中で思った事です。

    黒き刃が誰に操られているのか、という点では、二本指・大いなる意思の線もあるように思います。ラダゴンはそちらサイドという見方もあるかと。

    ラニに嫌がられる二本指の傀儡ですが、ラニだけでなく、マリカも嫌がり現状を打開しようとするのが自然に思えます。指殺しが試みられた可能性があるように思います。

    また、ラニの打開策・手段が、これだけ計画しておいて、自刃という消極的手段だけだったというのは府に落ちない感じです。
    自刃は、本来の計画が失敗したことによる、急場しのぎの妥協案だったのでは?

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