2023年1月23日月曜日

エルデンリング考察36 啜り泣きの半島

考察33「王を待つ礼拝堂」と考察34「古い主」を削除した。前者については重大な誤りがあるのと、後者については現在は違う考えを持っているからである(古い主=マリカ説に傾いている)


巡礼教会~第四マリカ教会

マリカの言霊はいくつかの祝福、教会、そして第1、第3マリカ教会に残されている。しかしながら啜り泣きの半島にある第四マリカ教会には言霊は残されていない


啜り泣きの半島においてマリカの言霊確認できるのは巡礼教会である


そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう

狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい

死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ(巡礼教会)


位置関係は動画で辿ったルートマップを参考に


マリカの言霊とは実際にマリカがその場に立って口にした言葉として残ったものであろう


よってマリカ巡礼教会まで来たものの第四マリカ教会には来訪しなかった、ということになる(第1から第4までのマリカ教会のなかで言霊が残っていないのは第4のみ)


※マリカが訪れた当時教会が建っていたかわからない。マリカが立ち寄った場所に、そして言霊が残されていた場所に後年になって教会が建てられたとも考えられる



霊廟ヶ原の廃墟

さて、マリカの消息が途絶えた巡礼教会第四マリカ教会のあいだには、霊廟ヶ原の廃墟啜り泣きの封牢がある


このうち霊廟ヶ原の廃墟には「翼の鎌」がある


翼の鎌

白き翼を象った聖鎌

聖属性の攻撃力を持つ


白き翼を持つ乙女たち

異教において、それは優しき死の使いである


専用戦技「天使の翼」

跳躍と共に、翼の刃に白い光を宿し

そのまま斬りつける戦技

白き翼は、聖杯瓶による回復を阻害する


黄金樹に関連する聖属性を持ちながら、その白き翼異教の死の使いの翼であり、そのうえ聖杯瓶の回復を阻害するという考察的に非常に厄介な武器である


まず翼の鎌のもつ聖属性であるが、作中において聖属性は基本的に黄金樹に紐づけられる


しかしミケラの無垢金の聖樹聖属性であるように、聖属性は黄金樹に限定されるのではなく、その根源にあるエルデンリングに由来すると考えられる


聖樹紋の大盾

無垢金の聖樹が描かれた、金属の大盾

ミケラの聖樹に仕えた騎士たちの得物

聖属性のダメージカット率が高い


※ここでは黄金樹無垢金の聖樹別の物と解釈している

の場合、同じ属性のカット率が高くなる(盾が聖属性なら聖属性カット率が高い)

聖樹紋の大盾の聖属性カット率は、黄金樹系の黄金樹の大盾よりも高い(79と76)


つまり白き翼をもつ乙女たちは黄金樹にとっては異教であるが、その根源には黄金樹と同じくエルデンリングが存在しているものと思われる


同じエルデンリングを根源に持ちながら異なる律であるがために、それは聖属性を持ちながら異教とされ、また何らかの相違により黄金樹の雫を貯める聖杯瓶の回復を阻害するのである


翼の鎌の特徴をまとめると「聖属性、異教、死の使い、聖杯瓶を阻害」ということになる


これらに当てはまるものとして、あえて作中に登場済みの設定から探すとすれば、「宵眼の女王」と「神人ミケラ」がそれなりに適合する



宵眼の女王

宵眼の女王は神人であるから、そのエルデンリングに起源をもつ


黒炎の儀式

使徒たちを率いた、宵眼の女王

彼女は、指に選ばれた神人であったという


また神肌の使徒たち運命の死に仕え、産まれたばかりの使徒は宵眼の女王に抱かれることで神の死となったという


神肌の使徒フード

神狩りの黒炎を操る使徒たちは

かつて、運命の死に仕えていたという

しかし、黒き剣のマリケスに敗れ

それを封印されてしまった


神肌のおくるみ

産まれたばかりの使徒は

これに包まれ、宵眼の女王に抱かれる

そして神の死となるのだ


作中に神肌の使徒は二種類が登場しているが、そのどちらもが男性である


神肌の使徒に女性がいたとして、男性使徒のように神肌を着用するのではなく、のように背中に垂らしていたとしたら、白き翼のように見えるかもしれない


背中の皮膚とする表現はブラッドボーンのゴースの遺児で使用されている


また宵眼の女王を死の鳥と関連づけるのならば、その翼は死儀礼に由来するのかもしれない(ただし死儀礼の鳥の翼は黒い


死儀礼の槍

死の鳥、そのに列することを許された

古代の祭祀たちが抱く儀式の槍


死儀礼により、祭司たちは鳥の守護者となる

それは、遠い再誕の契約でもあるという



神人ミケラ

聖属性、異教、死の使い、聖杯瓶を阻害」に適合するもう一人は神人ミケラである


まず無垢金の聖樹聖属性であり、黄金樹とは系統を異にするため異教である


次に死の使い要素であるが、ミケラの聖律の力死に生きる者たち正しく死なせることができ、狭間の地に生と死の循環をもたらすことが可能である


黄金の墓標

デミゴッド最初の死者たる

黄金のゴッドウィンを弔う墓標剣


少年の静かな祈りが込められている

兄様、兄様、正しく死んで下さいな


専用戦技「弔いの墓標」

墓標を掲げ、周囲の味方を含め

聖律の力を付与する戦技

死に生きる者たちを良く弔う


正しき死や良く弔うことを言い換えれば、優しき死となるのかもしれない


またエブレフェールには白い繭が多く見られるが、その中身は老いたしろがね人(解析情報)である


しろがね人が白い繭から羽化した場合、その成体に白い翼が生えていてもおかしくはない


ダークソウル3には天使という白い翼をもつ敵が登場するが、天使は巡礼の蛹から羽化した個体である


天使


加えてしろがね人の血液には聖杯瓶による回復を阻害する穢れが含まれている(しろがね壺しろがねの凝血とキノコから製作可能)


しろがね壺

儀式壺を使った製作アイテムのひとつ

カッコウの魔術が施されている


FPを消費して敵に投げつけ

一定時間、聖杯瓶による回復を阻害する


カッコウたちは嘯くだろう

とくと見よ。お前たちの血の穢れたるを

こんなものが、まともな生命に流れるものか


しろがねの凝血(ぎょうけつ)

どろりと固まった、しろがね人たちの血液


しろがね人とは、人に創造された生命である

それ故に、彼らは黄金樹に祝福されぬ

穢れた命であると考える人々がいる


ただし作中に羽化した成体が確認されていないことから、翼の鎌のテキストを預言と解釈する必要があるかもしれない(単に未登場なだけかもしれないが)



啜り泣きの封牢

啜り泣きの封牢にはラダゴンの刻印をドロップするザミェルの古英雄が封じられている


ラダゴンの刻印

エルデのルーンが刻印された瞳

それは、王配ラダゴンの印であるという


生命力、持久力、筋力、技量が高まるが

被ダメージも大きくなる


刻印は、神に見出された者

生涯の使命を与えられた証である


マリカの痕跡が残る巡礼教会から第四マリカ教会のあいだにラダゴンに見出された者が封じられているということになる


そしてマリカの言霊が残る最後の地である巡礼教会には、マリカではなくラダゴンの彫像が立っている



そしてその周辺には黄金百足が落ちている


黄金百足

黄金に干からびた百足の死骸


黄金律の原理主義者

特に、死に生きる者の狩人たちの呪物であり

教会の側などで見られる


なぜ巡礼教会は“巡礼”という名を冠した教会であるのか。巡礼とは聖地巡礼というように、聖なる秘蹟の起こった地信徒が目指す旅のことである


そしてその教会にはラダゴンの彫像が建っている


またマリカはその教会に言霊を残した後、次の第四マリカ教会には来訪していない


つまりマリカ巡礼教会最後の演説をした直後ラダゴンに変化したと考えられる


巡礼教会黄金律原理主義者たちが神ラダゴン誕生した地巡礼するために建てられた教会であろう(その痕跡は黄金百足)


誕生したラダゴンはマリカの軍勢に帯同していたザミェルの古英雄を見出し、刻印を与えたと考えられる


ザミェルの湾刀

巨人戦争の英雄として名高い

ザミェルの騎士たちの得物


ザミェルの古英雄封牢に封じられた時期や理由は不明である


ここからは推測になるがラダゴンはすぐに王都へ帰還したのではないだろうか。リエーニエに侵攻するためである


ラダゴンが王都への帰還に利用した奇跡が、後に舞い戻りの塔として伝承されたのかもしれない


一方、軍を率いていたゴッドフレイマリカの消失ザミェルの古英雄の刻印に気づき、その不穏分子を封牢に封じたと思われる


おそらくゴッドフレイ・マリカ軍啜り泣きの半島の西に向かったのは、モーン城攻略の後だったと考えられる


というのも、現在そこは霊廟ヶ原と呼ばれており、モーン城攻防戦の戦死者を弔った場所であると思われるからである


その後ゴッドフレイは最後の地、ケイリッドに向かうことになる


ゴッドフレイ王の戦、最後の地

黄金の軍勢は止まることなく勝ち続け

だが祝福は失われ、色褪せた(ケイリッドの剣の碑)



モーン城

モーン城の出来事は剣の碑剣接ぎの大剣に概ね記されている


モーン城攻防戦

復讐の英雄、唯一人となって戦い

ゴッドフレイ王に敗れる(剣の碑)


剣接ぎの大剣

モーンの城に所蔵された伝説の武器

無数の嘆き、怒りを背負った復讐の大剣

「伝説の武器」のひとつ


かつて、ただ独り生き残った亡国の英雄

一族の戦士すべての剣を集め、戦い続けた


獅子の混種(モーン城ボス)が剣接ぎの大剣を所持していた理由は不明である。鉄の大剣を振るっていることから、獅子の混種が亡国の英雄というわけではなさそうである


墓地に埋められていたのを掘り出して持っていただけなのかもしれない


問題はなぜ辺境の小砦ゴッドフレイ攻めなければならなかったのか、である


マリカを帯同していることから、それは単にまつろわぬ勢力征服する戦いではなく、黄金律に抗する勢力との戦いであったと考えられる


実際、黄金樹完全に従属していたわけではないが、といって黄金律に抗する律をもっていなかったリエーニエラダゴンの時代まで侵略されていない(時系列の前後関係は不明瞭なのでリエーニエ侵略が後だったと確定することはできないが)


強者との戦いを求めて来たということもゴッドフレイの性格から考えられなくもないが、その場合マリカが同行する必要はないだろう


これらについては様々な理由が考えられるものの、白き翼の乙女とその神(神人)を崇める未登場の異教勢力がいたのかもしれないし、単にゴッドフレイが好敵手との戦いを求めマリカがそれに着いていっただけということも考えられる


エルデの王の冠

最初のエルデの王、ゴッドフレイの王冠

黄金樹の始まりは、戦と共にあり

ゴッドフレイは戦場の王であった


巨人戦争、嵐の王との一騎討ち…

そして、好敵手がいなくなった時

王の瞳は色褪せたという


あるいはそもそもゴッドフレイの進軍と、霊廟ヶ原の廃墟が使われていた時期が違っていた可能性もある


その場合、霊廟ヶ原にたむろする死に生きる者たち正しく死なすために、死の使い(羽化したしろがね人)をミケラが送り込んだというシナリオも想定できるかもしれない



亜人森の廃墟

亜人森の廃墟には咎人の盾の入った宝箱がある


咎人の盾

罪の茨を潰された巫女

それを祀るために作られた盾

巫女は、この地に再び産まれるという


正気耐性を高める鎮魂の盾であり

茨の刺は、攻撃に使用することもできる


罪の茨血の星に繋がる概念である


罪の茨

追放された咎人たちの、異端の魔術

学院が最も忌み嫌うもの


罪の茨で自らを傷付け

周囲に、渦巻く血の大茨を召喚する

3度まで、連続で使用できる


でそのを潰された咎人たちは

永遠の暗闇で、血の星を見出したのだ


咎人の使う魔術は、生贄の血に生じる赤い輝石を用いる異端の魔術である


咎人の杖

燻る枯れ木の先に贄を刺し

その血を輝石となす、異端の魔術杖

それはもはや、呪術に近しい


知力ではなく、信仰により魔術を補正し

特に、茨の魔術を強化する


アルベリッヒの装束

狂い舌、アルベリッヒの装束


生贄の血に生じるという

赤い輝石が埋め込まれており

茨の魔術を強化する


孤高にして異端の、病んだ魔術師は

かつて円卓のために、舌に狂ったという


奇妙なことに罪の茨巨人の火の監視者である火の僧兵にも関連している


茨鞭

赤い刺がびっしりと生えた太鞭

火の僧兵たちの指導者たる、司教の得物

罪の茨を模し、激しい指導鞭撻に用いる


火の僧兵たちは巨人の火の監視者である


血の星を見出した咎人と、巨人の火を監視する火の僧兵たちが罪の茨という概念によって連結していることになる


咎人+火の僧兵+火の司教の組み合わせはライード砦などで実際に見られるものである


なぜ血の星巨人の火が関連しているのかは分からない


血の星という語句からは血の君主に繋がりそうなものであるが、モーグウィン王朝には咎人はいない


また両眼を潰されたことや、巫女の再誕を預言していることからイリーナ(=三本指の巫女ハイータ)と繋がりそうであるが、しかし狂い火咎人にも関連性が見出せない


血から輝石が生じるということは、星や琥珀と同様にには生命が宿っていると考えられる


琥珀黄金樹の古い雫であるが、黄金樹の雫黄金樹の血と解釈するのであれば、琥珀もまた血液のカテゴリに含まれるのかもしれない


琥珀黄金樹の雫という血液から生じた輝石となる


緋琥珀のメダリオン

琥珀とは、黄金樹の古い雫であり

最初のエルデの王、ゴッドフレイの時代に

特別な宝石として扱われた


それは生命の原始的な力を宿している


また血から輝石が生じるのだから、(巨大な輝石)も血から生じたのかもしれない(血⇔輝石水と氷のような関係性)


輝石には、星の生命の残滓、その力が宿っているのだよ

覚えておくがいい

輝石の魔術とは、と、その生命の探究なのだと(魔術師セレン)


以上のように狭間の地のさまざまな神秘的現象の根本には、ある種の血液的な液体があり、その血液のさまざまな干渉循環が多種多様な現象や争いを引き起こしているのかもしれない


狭間の地とは言葉遊び的に「狭間の血」であり、そこは「神々の地」であると同時に「神々の血」であるのかもしれない



2 件のコメント:

  1. 念のために確認ですが、第二マリカ教会にもマリカの言霊は残っていない理解ですが間違いないでしょうか?

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    1. ご指摘ありがとうございます
      返事が遅れて申し訳ありません
      動画と考察を同時に作成するのは私にはキャパオーバーなようで、いろいろ滞ってます

      第2マリカ教会の件ですが、私の誤りでしたので訂正しました
      多分、書いたときに小黄金樹教会あたりと混同してしまったのだと思います
      さらに啜り泣きの半島とは地理的に離れていることから確認も怠ってしまいました
      (最近、初歩的なミスが多いです)

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