2018年7月31日火曜日

考察メモ 隻狼、ブラッドボーン、ゼノブレイド2、Death Stranding

個別の記事にするまでにはいかない雑多なメモ

隻狼 回生について

ゲームにおけるプレーヤーの死と復活ストーリーに組み込むか、システムに組み込むかという問題(前者はソウルシリーズなど。後者はマリオ)

フロムゲーは基本的に死と復活をストーリーに組み込む傾向にある(ソウルシリーズやBBなど)
隻狼もその傾向を踏襲するとして、では回生とはいかなるものなのだろう

隻狼のモチーフの一つは忍者であり、忍術には身代わりの術と呼ばれるものがある
おそらくこれでも十分にストーリーに組み込めるとは思うが、ここはあえて別の、フロム的な側面から考えてみたい

回生とは「起死回生」とも書くように、死んで生き返ることである。また回生ブレーキというものがあるように、エネルギーの別のエネルギー様態への転用ととらえることもできる

これを生と死の尺度でとらえ直すと、ひとつの生から別の生の様態への死を介した転化となる

PVにおいて、仏師の掘っている仏像が四本腕であり、足と合わせると六本の手足となるが、これは虫(蟲と呼ぶ方が適切)を表しているのではないか、と以前の考察で触れたことがある

蛇や百足、あるいは蜘蛛なども蟲に含まれるのは、時代的な背景からだと思われる。当時は生物学的な分類などはなく、蛇に虫偏がつくように、様々な生物が蟲と考えられていた

蟲の様態転化としてすぐに思い浮かぶのが、幼虫→サナギ→成虫という、いわゆる完全変態のシステムであるが、これはあくまで蟲という生物のなかでの変化であり、生の様態が別の様態に転化しているものではない。また厳密には死を経ているわけではないので、回生という概念とは矛盾する。

では、生から死を経て様態転化を起こす現象とはなんだろうか

それが「冬虫夏草」である(Wikipedia 冬虫夏草)

もはや生物としての種が違うではないかという疑問はもっともであるが、そもそも「生物としての種」という概念自体が近代の発明である

蟲は死を経ることで、別の様態(菌)へと転化する
この冬虫夏草の観念を、人に応用したのが隻狼の「回生」ではないだろうか

この冬虫夏草の観念を援用した先行創作物も存在する

例えば『ナウシカ』の王蟲がそれだ
王蟲は死ぬとそこから腐海の植物が生え、やがて広大な腐海となる。これは明らかに冬虫夏草がモデルであり、さらにいえば腐海は一個の巨大な生命ともとらえることができる。この巨大な生命の象徴的な姿が、巨大粘菌なのであろう

他にも『ベルセルク』の「世界を夢見る卵型の使徒」。あるいは使徒そのものも「人→使徒」という存在様態の転化を体現している。

さらにいえばダークソウル3DLCに登場する巡礼者の蝶(本体であるサナギと羽化した蝶)などは、冬虫夏草的概念の根源にあると思われる「羽化登仙」の思想を極めてよく表していると思われる

隻狼の世界の中心にあるのは「蟲」なのではないか、という直感(大体外れる)


ブラッドボーン ルドウイークの実像について

DLCに登場するルドウイークは、馬の姿をしている
この馬というのは西洋美術史的には「好色」のシンボルでもあり、例えばケンタウロス好色なものとして表され、フュースリーの描いた『夢魔 The Nightmare 』という作品には、眠れる女性に淫靡な夢を見せる黒い馬が描かれている(Wikpedia ヨハン・ハインリヒ・フュースリー

さらに獣となったルドウイークはゲーム中もっとも醜悪な姿をしている。顔は崩れかけ、頸にはもう一つの口があって虚言をもって人を欺く

一体、英雄であったはずのルドウイークがなぜこのような姿をしているのか

結論から先に述べれば、彼の二つの口は「英雄」である彼と「性的倒錯者」としての彼を表している。顔が崩れているのは彼が梅毒患者だからであり、人々が嘲り、罵倒したのは彼の崩れてゆく顔を見たからである(すでに獣化した後での話ならば、人々は恐怖するか殺されているはずである。よって嘲り罵倒されたのは、彼が人であった時分。しかも醜く歪んだ獣憑きと表されるような外見をしていなければならない)

ルドウイークには、市民から狩人を集う民衆の英雄としての面と、性欲を制御することができず淫売宿に入り浸る性的倒錯者としての面という二つの側面があった

フロイト的には月光剣は男根のメタファーであり、彼はずっとそれを導きの師としていた。いつからか梅毒の影響で性欲そのものが(あるいは男根そのものが腐れ落ち)なくなり、ひととき道を見失ったのだろう。さらにいえば彼が見いだした「導き」(光の小人)とは精子そのものであり、目も眩む欺瞞の糸とは男根から放出される精液のことである
ついでにいうのならば、「ボス、ルドウイーク」の攻撃そのものが射精と男根による殴打のメタファーである


ゼノブレイド2

新ブレイドの「ヒバナ」。グノーシス神話において「火花」とは人間の肉体の檻に閉じ込められた「神的要素」のことである。プネウマやヒカリ、ホムラなどと分類上は同じ(まだプレイしてないのでなんとも言えず)


Death Stranding

なぜDSの考察が多くなってしまったかというと、ゲームやその世界観が「まったくわからない」からである。検討もつかない状態であれやこれや考えたものの、どれもこれも「しっくりこない」ので、結果として考察が多くなってしまったが。本人としても「これが正解だ!」とは微塵も思っておらず、未だにE3の動画を見たときに感じた「困惑状態」から一歩も進んでいない気がしている





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