2020年11月16日月曜日

デモンズソウル レビューとSS集

1周目をクリアしたのでレビューを書く


PS3版との差異

一言でいえば、ゲームの根幹部分はほぼ同じである

それはつまりソウルシリーズの原点であり、今なお評価の高いPS3版デモンズソウルと比肩しうる傑作であるということである


しかし“ほぼ”といったように差異はある


デモンズソウルのゲーム体験を個人の独断と偏見をもって図にしたものが以下である





このうち赤で示した根幹部分はほぼ変わっていない


例えばリメイク版のグラフィックをPS3のものに変更した上でプレイしても違和感を覚えないであろうほど操作性その他は同一である


ただし処理落ちのない60fpsという点で快適度はリメイク版の方が上である


旧作と新作で大きく変化しているのは、図の青で示した視聴覚要素である

ゲームの根幹は変わっていないにも関わらず、この視聴覚要素には大きく手が入っている


その点で、例えばスカイリムに非公式のグラフィック変更MODを導入したような印象を受けることもある(よく言えば改良、悪く言えば偽物感


これはPS3版に思い入れがある人ほど感じられる感覚であろう



グラフィック

視聴覚要素といってもいくつか項目がある


このうちグラフィックは大幅に方向性を変えた


あえて“方向性”といったのは、フォトリアル=グラフィックが良い、という認識を筆者が持たないためであろう


一般的にグラフィックは現実に近ければ近いほど良い、とされる。しかし筆者は必ずしもそうとは思わないのである


映画や写真に絵作りという言葉があるように、グラフィックもまた「表現」の一種である


制作者のセンスや思想がストレートに表現される表現体であり、そこにこだわりのない制作者の作品は退屈なものにしかならない


要するに現実と同じ画像を見せられてもゲームならではの感動は生まれないのである


その点でいえば、リメイク版はギリギリ前作のグラフィックを保ちながらも、現代風のグラフィックを作り上げたと言えるであろう


ただしグラフィックを表現の一種としてとらえるのならば、PS3版の方が上である


それが顕著に現われているのが「腐れ谷2」である


ここは本来は、文目も分からぬ闇に包まれた広大な沼地をさまよい歩くエリアである


闇の奥から得体の知れない何かが飛び出してきたり、またさまよったあげくに巨人の住む島に上陸してしまい巨人たちに襲われる、といったような恐ろしいエリアである


しかしPS5版では、このエリアの闇は晴れてしまい遠くまで見通せるようになっているのである




巨人の島も遠くから見えるので安全に避けられ、またそもそも道に迷う心配もない


しかしこれは改悪とばかりはいえない

よりユーザーフレンドリーになったとも評価できるからである


新規ユーザーにとってPS3版のような難易度の高い腐れ谷は、ゲームを止めてしまう要素にもなりかねない


逆にPS3を経験しているのならば、どちらのグラフィックでも迷うことなく進めてしまえる


つまりPS3のような闇に包まれた沼地を再現した場合、新規ユーザーの心を折るというデメリット面のみが大きく、そういった観点から闇が晴れたとも考えられるからである


※ただしフロム自身がもしリメイクしていたとしたら、闇は闇のままであったろう



デザイン

デザインに関しては旧作の良さが失われたのは確かである


特にNPCキャラクター性と整合しないような変更が入っているため、PS3のユーザーが思い描いていたようなキャラクターとかけ離れてしまっている


例えばユーリアは塔の牢にとらえられ、絶望し疲れ果てたようなセリフを口にする。PS3版の方は確かにそのような雰囲気を漂わせるデザインであった


しかしPS5の方は、今にも立ち上がり公使を撲殺して脱獄していきそうなほどに健康的なのである




また吹き替えの声健康的で、あの儚げな囁くような声は失われている


サツキなどは旧作では狂った浪人風(東洋ファンタジー的)であったのがなぜか謎の中国人になってしまっている



この顔で「誠」を探しているといわれても説得力に欠けるのである


※関係ないがジャッキー・チェンの「プロジェクトA」に登場する海賊のボス、ロー・サンにちょっと似ている



演出

長くなるのでさっさと演出の項に入る

ゲームの根幹と視聴覚的要素のあいだに存在し、両者を結びつけてユーザーに提示するのが演出である


例えばラトリアの鈴の音や正体不明のうなり声、腐れ谷のハエの音など、PS5版は演出面がかなり弱められている


ラトリア塔1のインパクトは薄れ、腐れ谷の耳から入ってくる不快感はなくなり、全体として薄味になっている


辺境卿ライデル。声はおじいさん

本体のほうはきちんとハゲている


個人的にホラー映画やホラーゲームでは「」が重要だと思っている。例えば映画「ジョーズ」というだけであの有名な曲が思い起こされるように、人間の恐怖体験には音も重要なのである


※幽霊などの登場シーンでヒュードロドロと音が表現されるのも同じ理屈であろう


もしホラー映画から恐ろしい曲やSEのみを削除したら、おそらくはちっとも恐ろしくはない


まとめ

上でも書いたように根幹部分はほぼ変わっていない。なのでゲーム体験としてはおなじようなものを体験できる


しかし視聴覚要素にかなり変更が入ったため、旧作に強い思い入れのある人間にとっては受け入れられない部分もあるだろう


逆に言えばPS3版をプレイしていないのなら、これらの不満点はそもそも生じないであろう


むしろ高画質化処理落ち無し60fps化など明確な改善点もあるので、これからデモンズソウルをやるのならばPS3版よりもPS5版を勧める(そもそもPS5を買えないという苦情はSonyにしてください)


SS集

なおこれらはすべてゲーム内のグラフィックである

つらぬきの騎士

つらぬきの騎士の剣

なり損ないのオーラント

聖者ウルベイン


オストラヴァ

暗銀装備

スキルヴィル

セレン

ドラン

ナメクジ

パッチ

ビヨール

ブラインド

ブラインド2

メフィストフェレス

グルームシリーズ(ユルトの装備)

不潔な巨像

公使

北のレガリア

ドランシリーズ

原生デーモン

原生デーモン正面

古の勇士

月明かりの大剣

火防女

炎に潜む者

看守

竜の神

竜の神2

竜骨砕き

赤目騎士




3 件のコメント:

  1. 公使じゃなくて公吏では?
    「吏」は役人を意味する漢字です。官吏という言葉をよく目にします

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    1. ご指摘ありがとうございます
      ゲーム内の表記が公“使”なので「公使」としています

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  2. どのボスも迫力が満点すぎて、没入感という点ではソウルシリーズトップレベルなのではないかとプレイしながら考えていました。
    トロコン目指して2週目行ってまいります。

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