2021年3月21日日曜日

Bloodborne 駄文 太陽と月の物語 追記:主神について

本考察はダークソウルシリーズとブラッドボーン比較したものである


太陽の物語

ダークソウル太陽の物語である


世界に差異をもたらしたのははじまりの火であり、それによって熱と冷たさと、生と死と、そして光と闇が発生したのである


その火が消えかけたとき、夜ばかりが続くとされる


だが、やがて火は消え、暗闇だけが残る

今や、火はまさに消えかけ

人の世には届かず、夜ばかりが続き

人の中に、呪われたダークリングが現われはじめていた…


火=太陽を復活させるために自ら薪となったのが、太陽の光の王グウィンである


太陽を復活させるために火を盛んに燃やす、というのは古来より行なわれてきた火祭りの形式そのものである


地上の炎によって太陽を助け、ふたたび太陽を強く燃え上がらせようという、フレイザーの言う類感呪術的な思考がそこにはある


いってしまえばダークソウルとは、火祭りをゲーム化したものなのである(何度も火が陰る=シリーズ化するのは、それが周期的に行なわれる祭りだからである)


その火祭りの祭司生け贄太陽の光の王グウィンである(凶作の際に王が生け贄として殺害されることは古い時代にはよくあることである)


さて、グウィンのもつ太陽の光の力とは、である


太陽の光の剣

太陽の光の力とは、すなわちであり

特に竜族には、大きな威力を発揮するだろう


雷が神族に結びつけられているのは、その力が主神であるグウィンの力そのものだからである(主神をグウィンとする理由については後述する)


つまるところ、雷とは神の力である


主神が雷神であるというのは、ギリシャ神話のゼウス、ヒンドゥー教のインドラなど、多くの神話に現われるものである


また、主神が太陽神であるというのも日本の天照大神をはじめ、シュメール神話のマルドゥク(名は「太陽の雄の子牛」という意味)、エジプト神話の太陽の神ラーなど、これも多くの神話に登場する


ダークソウルではこれら雷と太陽がほぼ同一視されている。ゆえにグウィンは太陽と雷の二つの属性を象徴する「太陽の光の王」と称されるのである


火の衰えは太陽神グウィンの衰えであり、世界を照らす光の王の衰えは、世界の衰えなのである



月の物語

ダークソウルとは対照的に、ブラッドボーンは月の物語である。その物語は「赤い月」が接近したことにはじまり、の出ている夜の間に進行し、そしての消える朝に終わりを迎える


※月が昼に見えることもあるが、ここでは除外する


狩人の夢のはじまりは、「青ざめた月」との邂逅によるものである(青ざめた月は青ざめた血や、赤い月とは別のものである)


過去の考察において、青ざめた月をオドンとした。オドンは月の神であり、またその月の光でもあった


いうなれば、オドンはダークソウルにおけるグウィンの地位にあるのである。その尊称をダークソウル風につけるとすれば、「月の光の王オドン」である


そしてダークソウルの太陽の光が「神の力」であるというのならば、ブラッドボーンにおける月の光とは「上位者の力」であり、太陽の光の発露が「」だとしたら、月の光の発露とは「神秘」である



苗床

さて、ブラッドボーンでは神秘をもたらす精霊を宿した者は「苗床」になる



「苗床」

この契約にある者は、空仰ぐ星輪の幹となり

苗床」として内に精霊を住まわせる



これが精霊を住まわせた苗床の姿である


ある種の菌類(キノコ)的な姿になっているが、苗床化の機構については、以下の2つのパターンが考えられる


  1. 最初に体が苗床化し、次にそれに惹かれて精霊が住みはじめた
  2. 最初に精霊が住みはじめ、次にその影響により肉体が変化していった


1のパターンでは、この体に住み着いた精霊は生長するキノコを食べ、そして苗床に神秘の智慧(啓蒙)をもたらすのである


そしてこのキノコを生長させるエネルギー、それが「月の光」である。月の光という神秘を食べた精霊は、その神秘を智慧(啓蒙)の形にして苗床にもたらすのである(排泄するともいう)


2のパターンでは、精霊そのものが月の光を摂取していると思われる。そして1と同じように精霊の排泄物(生成物)がもたらされ、その影響により肉体が変化していったのである


さて、星輪の幹すべてがキノコ形態をとるわけではない


例えば失敗作たちのボスステージは「星輪樹の庭」であるが、そこに生えている「星輪樹」ならびに「星輪草」はひまわりに似た植物である


ここには菌糸類的な要素は見いだせない

よって、苗床のすべてがキノコ類になるのではなく、キノコ化は精霊によってもたらされた神秘に対する人間の特異的な反応であると考えられる


つまり人間を苗床に変異させるのは精霊や月の光の影響であるが、それがキノコ形態であるのは、たんに人間の側の都合(反応)によるものである


また、月の光により苗床化した人間を眷属とするのならば、人間の中にも軟体生物的な「学徒」や、昆虫的な特徴を「瞳の苗床」といったように、キノコ形態をとらない「眷属」は存在する


しかしいずれにせよ、「苗床化」した狩人の姿はキノコ人間である



キノコ人

興味深いことにダークソウルにもキノコ人間が登場する


黒い森の庭や大樹のうつろにいるキノコ人である




このうち黒い森の庭の個体は100%、「黄金松脂」を落とす


黄金松脂(DS1)

黄金の光を放つとても珍しい松脂

右手の武器にをまとわせる


またダークソウル3の黄金松脂の説明には、黄金松脂がキノコから採れることが明記されている


黄金松脂(DS3)

いまやその製法を知る者はおらず

ある種のキノコの樹脂であるともいう


記述したように、雷は太陽の光であり、また神の力である

その力をキノコが宿しているのである


このキノコと神の力の関係性について、同じキノコ人である霊廟の守人エリザベスは以下のように明言している


ウーラシールの魔術は、私と共にありますから


ウーラシールの魔術とは、光の術である


見えない武器

ウーラシールの魔術は光を扱う術に長けており

この魔術もまたその一端である


照らす光

光を生み出す単純な魔術であるが

それこそがウーラシールの神秘であり

ヴァンハイムでは遂に実現していない


ここでいう、とは「太陽の光の王グウィン」という時の「」である

すなわち、「」は太陽の光であり、であり、それは神の力なのである


キノコ人が黄金松脂を落とすのは、彼らが太陽の光の力により生長したからであり、黄金松脂とは神の力キノコ人が凝集させた生成物である


エリザベスの「ウーラシールの魔術は、私と共にありますから」というセリフは、そのキノコの体に「太陽の光(雷)」を宿している自負からのものである


※またエリザベスの秘薬がHPを回復する効果を持つのは、「太陽の光の恵み」との関連がうかがえる

太陽の光の恵み

太陽の光の王女グウィネヴィアに仕える

聖女たちに伝えられる特別な奇跡

周囲を含め、HPを徐々に回復する



キノコ人と苗床

苗床とは人がその身に神秘を宿したとき変異する姿である


エリザベスやキノコ人も、人がその身に雷を宿したことで変異した、と言いたいが、彼女たちが元人間であるという証拠はなにひとつない


とはいえ考えられるパターンは、1.人がキノコ化した 2.キノコが人化した の2パターンである


ウーラシールの魔術には、人を変身させるものも存在するので1の可能性もある


擬態

亡国ウーラシールの古い魔術

場所にふさわしい何かに変身する


またエリザベスの秘薬には、古の聖女エリザベスという人物がいたことが記されている


エリザベスの秘薬

古の聖女エリザベスは、数多くの秘薬を作り出し

生涯を貧者の救済に捧げたという伝承がある


その貴い行いに相応しい美貌を備えていたと

信じられているが、実際はどうだったのだろう?


つまりエリザベスはすべてのキノコ人の祖であって、あるときキノコに擬態したまま子孫を継いでいったのである


とはいえ、黒い森の庭にいる個体はそれで説明できるとして(シフの場所からして過去のウーラシールと近い)、大樹のうつろに住むキノコ人たちの説明がつかない


あるいは単純に雷が落ちた地点にキノコが生え、その雷が神の力であったがために人型になった、ということかもしれない


落雷した場所に、きのこがたくさん生育するという話は、古代ギリシアの哲学者、プルタルコスが『食卓歓談集』(岩波文庫など)に記すほどの経験則である[9]。これを説明する仮説としては、電流によって菌糸が傷ついた箇所から子実体が成長するという説、電気刺激によって何らかの酵素の活性が増大するという説[10]、落雷の高電圧により窒素が固定(窒素固定)され、菌糸の養分となる亜硝酸塩等の窒素化合物が生成されるとする説[11][12]などがある。(Wikipedia)


いずれにせよ、苗床とキノコ人は、月の光と太陽の光によって変異した種であると考えられる


キノコ人大樹のうつろに多く棲息することから、大樹に寄生したキノコが大樹の力を吸い取って、ということも考えたのだが、岩の大樹はむしろ雷を弱める性質にあり、さまざまな点で矛盾することから断念した


さて、こうしてエリザベスはウーラシールの魔術の祖となり、また苗床は医療教会に神秘の力をもたらしたのである


宇宙的なエネルギーによりキノコ人が生まれるという構造は、もしかするとElden Ringにも受け継がれるかもしれない



追記:主神について

主神はロイドなのではないか、という指摘をいただいた。確かにロイドは「金の硬貨」(DS1)に主神とうたわれている


金の硬貨(DS1)

金で作られた硬貨

中央は主神ロイドと彼の白い光輪である


一方DS3のロイドの剣の指輪には、「ロイドは傍系にすぎず、主神を僭称したのだ」というカリムの司祭たちの主張が記されている


ロイドの剣の指輪

だが白教のロイド信仰は、今や廃れて久しい

カリムの司祭たちは声高に主張する

ロイドは傍系にすぎず、主神を僭称したのだと


ロイドが傍系にすぎず、主神を僭称したのだとしたら、本来の主神はグウィンとなる(カリムの性質からすると女神ベルカの可能性もある)


※ロイドはグウィンの叔父とされる。ロイドを傍系とするのならば、グウィンが主筋であると考えるのが妥当かと思われる


さて、コメントにもあったが、なぜ主神なのに影が薄いのか、という疑問が生じる。その理由については、神々の構造的な理由がある


比較神話学者ジョルジュ・デュメジルは、インド=ヨーロッパ語族の神々は、3つの機能にわけられるという

  1. 王権
  2. 戦闘
  3. 豊穣

である

 このうち1の王権は二重構造であり、統治と祭祀に分けられるという

白教のロイドが主神であるのは、王権機能の祭祀を担っているからであり、また実際に統治しているのがグウィンであるのは、グウィンが王権の統治機能を担っているからである


ロイドとグウィンは王権の二つの機能を分有しているのである。いわば両者が主神といえるのである


よって金の硬貨にロイドが主神と記されるのも正当であり、またカリムの司祭たちがロイドは主神を僭称したと訴えるのも(王権機能が二重であるのならば)、正当である


また本来の主神の影が薄くなっていく現象は、「暇な神」(デウス・オティオースス)といって、いくつかの神話に見られる現象である


シュメール神話では主神の座アヌからエンリルやエンキに受け継がれ、ギリシャ神話では最終的にクロノスがゼウスに主神の座を奪われている



ロイド

さて、上述した三機能を見ると、すべてグウィンが関わっている


グウィンは王として統治し、王として戦闘を率い、また太陽の光の王として豊穣を司っている


よって実のところDSの神話三機能をおのおのの神々に完全に当てはめることができない(一柱の神が複数の機能を担っている)


これと同じように三機能説が当てはまらないのが、ゲルマン神話である。


例えばオーディンは主神であるが、戦いの神でもある。またトールは戦いの神であり、雷神として豊穣に関係する


DSの神話においても、太陽の長子は戦いの神であり、また豊穣を司る嵐の神(雷神)でもある(無名の王を長子とするのならば)


さて金の硬貨にはロイドの姿が刻まれているという

金で作られた硬貨
中央は主神ロイドと彼の白い光輪である

ローブをまとった人物に見える


北欧・ゲルマン神話においてローブを被った神とは、「オーディン」のことである


またオーディンには「灰色の髭」という別名もある(ロイド(Lloyd)はウェールズ語で「灰色」の意味)


そう考えると、オーディンが主神であるようにロイドは確かに主神であったのである。しかしオーディンが旅好き(不在が多い)のと同じように、ロイドはアノール・ロンドから姿を消してしまい影が薄くなっていった、という事情があるのかもしれない


代わって主神の座についたのがグウィンであり、次第に彼が主神となっていき、本来の主神であるロイドは僭称者とされたのであろう


蛇足

グウィンを主神とすることについては、途中の議論をかなりすっ飛ばした乱暴な説だったと反省している

記憶が曖昧になり過程を忘れて結論のみを覚えている、というような場合にこのような過失が発生する

ロイド=オーディン説については、思いつき程度のものである。DSの神話を考察するには、また学び直さなければならない


2021年3月18日木曜日

Bloodborne 考察総まとめ1 青ざめた血の瞳

本稿は過去のまとめ考察を元にして「メインストーリー」を総括したものである。よって引用した各考察の細部についてはざっくりと省略している


考察まとめをあるテーマを軸に概説したものであり、個別の考察まとめはまだ続ける予定である

※詳細に関しては各考察を参照のこと


メインストーリー

本作のメインストーリーはスタート地点にあるメモに記されている


青ざめた血」を求めよ。狩りを全うするために


この一文は本作の始めから終わりまでを過不足なく説明したものである



ゲーム的な解釈

メモにある青ざめた血とは、一つには「月の魔物」のことである


ローレンスたちの月の魔物。「青ざめた血


言うまでもなく「月の魔物」は本作のラスボスである(ルートにもよるが、ここでは「幼年期のはじまりEND」を正史として扱う)


プレイヤーは月の魔物を倒すことで真エンディングに到達することになる


言い換えれば、青ざめた血を探しだし、それを狩ることでゲームをクリアすることができるのである


これはまさにヨセフカ診療所のメモの内容と一致する


すなわち、狩人は青ざめた血を求め、それを狩ることで狩りを全うしたのである


ラスボスを倒してエンディングを迎える、という流れは、ゲームとしてきわめてオーソドックスなスタイルである


異色作、あるいは異質な作品と思われているブラッドボーンであるが、過去の数々の名作がそうであったように、ゲームの構造は「王道」ど真ん中なのである


以上のように、本作のゲーム的な内容を一言で要約するのならば、「ラスボスを倒すことでクリア」である



青ざめた血

しかしながら、ラスボスを倒してクリア、というのはゲーム的な解釈であって、物語的な解釈ではない


ゲーム的な解釈では物語上の数々の謎や疑問に答えられないからである


おそらく物語上の最大の謎は「青ざめた血」であろう


なぜ月の魔物青ざめた血と呼ばれているのか、なぜ青ざめた血を求めた結果として、狩人は上位者の赤子に変異するのか


これらの疑問に答えるためには、「青ざめた血」の物語上の意味を探っていかなければならないのである


さて、青ざめた血はヨセフカ診療所のメモ以外にも登場する


隠し街ヤハグルのメモがそれである


見たまえ!青ざめた血の空だ


秘匿を破いた後にヤハグルの空に広がっているのが「青ざめた血の空」である


これは宮崎英高氏によって明言されている


1つは、Vacuous Spider(白痴の蜘蛛ロマ)を倒した後の空の色で、メンシスの秘密の儀式が明らかになります。そこの空は、血を流した体のように、非常に淡い青です。見えない村のヤハルグルにも、それを呼び戻すメッセージがあると思います。(インタビューより)


そのときに見えるのが下の光景である




宮崎英高氏はこれを「そこの空は、血を流した体のように、非常に淡い青です」という独特の表現を使って説明している


たんに淡い青ではなく、そのまえに「血を流した体のように」とあるのは、血から連想されると、(おそらく死体)の青さ対比的に表現したかったからであろう


つまり、血を流した体、と表現することで、それを聞いたり読んだりした者に、「血の赤と死体の青」を想起させたかったのである


その表現どおり、青ざめた血の空赤い月と青い空が混じり合った異様な色をしている




赤だけではなく、青だけでもない。それは赤い血が青ざめたような色合いであり、「青ざめた血」という単語に相応しいような空色である


つまり「青ざめた血の色」とは、赤と青の混じったような色を指しているのである



本作において「赤い血」は「獣性」と紐づけられている


「獣」

「獣」は、最初のカレル文字であり、同時に最初の禁字である

血の発見とは、すなわち望まれぬ獣の発見であったのだ


この獣性の正体が「」であることは過去に考察しているので繰り返さない


一言で述べるのならば、「獣の病の原因は、人を獣化させる虫の、血液感染(Bloodborne)である


青ざめた血を表現するときの「血を流した体のように淡い青」のうち、赤い血は「獣性」を意味しているのである


一方、本作において「青」は神秘の色である


秘儀:彼方への呼びかけ


人に獣性をもたらすのが「虫」であるのならば、人に神秘をもたらすのは「精霊」である


人は精霊に寄生されることで「苗床」となり、神秘に見えることができるのである


「苗床」

この契約にある者は、空仰ぐ星輪の幹となり

「苗床」として内に精霊を住まわせる


狂人の智慧

使用により啓蒙を得る


狂うとて、神秘の智慧に触れるものは幸運である


ウィレームやミコラーシュが希求した「脳の瞳」とは、精霊の卵のことに他ならず、その寄生と孵化が人に神秘をもたらすのである



青ざめた血

こうしてもたらされた神秘の青が、獣性の赤と混ざり合い、統合を果たした時に出現するのが「青ざめた血」である


そして神秘の青獣性の赤、この二色(二属性)の相克が、本作の物語の底に流れる「主題」なのである


例えば宮崎英高氏は本作の構造について、ゴシックホラーを浸食するクトゥルフホラーと述べている


ブラッドボーン』は、ゴシックホラーとクトゥルフホラーの両方の側面を持っていると思いますが、最初から描かれているのは前者で、ゲームのビジュアル感覚の指針となっています。それは、ゴシックホラーがより現実の世界に根ざしているからです。もちろん、だからといってリアルなわけではなく、グロテスクな怖さのあるホラーの世界です。そういう世界が、クトゥルー系のホラーにどんどん侵食されていく。そんなイメージです。(インタビュー)より


吸血鬼に代表されるゴシックホラーは血の赤であり、クトゥルフに代表されるクトゥルフホラーは神秘の青である


クトゥルフと青の関係性については、大祭司クトゥルフが海底都市に封じられていることから「海の青」、またはクトゥルフのモチーフの一つであるタコの血液が「青い」ことからの連想と考えられる


このように赤いゴシックホラー領域青いクトゥルフホラー領域が浸食することで発生するのが、「青ざめた血の空」である


二つの世界の混淆によって現われるのが「青ざめた血の空」であるのならば、「青ざめた血(月の魔物)」とは、二つの知的生命体の神秘的な交わりによって誕生する者である


3本目のへその緒(アリアンナ)

姿なき上位者オドンもまた、その例外ではなく

穢れた血が、神秘的な交わりをもたらしたのだろう


※ここでも血の赤と神秘の青の混淆(交わり)が強調されている


ここで重要なのは「血」であれば何でもいいわけではなく、「穢れた血」すなわち獣性を多量に含んだ血でなくてはならないことである


なぜならば、神秘に対抗できる赤は獣血だけだからである



青ざめた血の瞳

以上が世界、そして知的生命体の次元における「青ざめた血」の発生メカニズムである


しかし、赤色と青色の根源たる「虫」と「精霊」もまた「境が曖昧になる時空」において、統合を果たすのである


虫の卵と精霊の卵、この二種が神秘的な交わりにより融合することで生まれる新たな寄生虫の卵、それが「3本目のへその緒」である


イメージ図

その卵は、虫(赤)と精霊(青)の両者を統合した卵であるために、その色は「青ざめた血」となり、また卵であるので「」とも称される


すなわち、3本目のへその緒とは「青ざめた血の瞳」である


3本目のへその緒が青ざめた血を持っていることの根拠として、使用したときに「青ざめた血」のエフェクトが発生することが挙げられる



まさしく「血が流れた体のように淡い青」である


3本

狩人が上位者の赤子に変異するためには、3本目のへその緒を3本使わなければならない


それが3本である理由は、アデラインのイベントにより明かされている


病棟の患者アデラインに「脳液」3個与えると、彼女は「苗床」に変異する


脳液

そして脳液とは、頭の中でになろうとする

その最初の蠢きであるという


ここで示唆されているのは、人間が人以外のものに変異するためには、特殊な卵が3個必要である、というルールである


この規則があるからこそ、狩人は3本目のへその緒、つまり「青ざめた血の瞳」を3本使うことで上位者の赤子に変異したのである



2本のプロットライン

本作のメインストーリーを過不足なく説明するものとして、ヨセフカ診療所のメモを冒頭に提示した


「青ざめた血」を求めよ。狩りを全うするために


狩人はこのメモの指示に従うことで、エンディングに到達するのであるが、途中で不可解な概念と遭遇する


脳の瞳、がそれである


狩人には「青ざめた血」に加えて「脳の瞳」を追い求める、というタスクが課されるのである


つまりプロットラインが2本あることになるが、その2本のプロットラインの収束する地点にあるのが、「青ざめた血の瞳」である



それは青ざめた血であると同時に「」でもあるのである


どちらかのプロットラインがミスリードというわけではなく、どちらもが真実の一端を担うものであり、その両者の統合によりはじめて真実が明らかになるのである


真実、とは「青ざめた血」と「瞳」両方を得ること

すなわち「青ざめた血の瞳」により、上位者となることである



青ざめた血を求めよ

こうして最初のメモの物語的な理解が得られる


青ざめた血を求めよ」とは、「青ざめた血の瞳」を得ることであり、またその使用により、青ざめた血(上位者の赤子)になることである


そして「狩りを全うする」とは、「青ざめた血」を得ることで

内なる獣」を狩り尽くし、獣を克服した上位者となることである



我らにを与え、獣の愚かさを克させたまえ(ミコラーシュ)



月の魔物

もちろんゲーム的な「月の魔物を倒して狩りを全うする」という解釈も間違いではない


月の魔物に関しては過去に考察しているので概要を述べるに留める


一言でいえば、月の魔物は獣性と神秘を統合した上位者の赤子である


彼女が「青ざめた血」と呼ばれるのは、曲がりなりにも獣性と神秘を統合した存在だからである


ただし彼女は獣性と神秘の完全な統合に失敗している


彼女は上位者にはなれたものの、内なる獣を克することができず、その獣性と神秘の相克(対立)によって、肉体に深刻な傷を負っているのである


彼女の肉体は傷つき続け生命を維持するためには、血の遺志それを力にする機構が必要なのである


狩人が月の魔物に抱き寄せられるのは、彼女が狩人に宿った血の遺志を食らおうとしているからである




またそうして貯められた血の遺志は、人形を介して月の魔物の力となり、その肉体を癒すのである


3本目のへその緒にはこうある


3本目のへその緒

すべての上位者は赤子を失い、そして求めている


これは月の魔物にとっても例外ではない


彼女もまた赤子を失っているのであろう。だが、彼女が赤子を求める理由は、オドンのように純粋に子孫を残したいからではない(オドンの意図は正直よくわからないが)


彼女は上位者の赤子のもつ莫大な量の血の遺志を必要としているのである。生きるために血の遺志を集め、力にしなければならないからである


よって彼女もまた赤子を求めている。ただしそれは、生きるために血の遺志が必要だからである



蛇足:他作品との比較

血の遺志を集め、それにより世界を更新する


これはダークソウルにおける、主人公とソウルの関係と一致する


DSでは主人公が集めてきたソウルは火継ぎによって世界の更新に使われる


ブラッドボーンにおいては、月の魔物は血の遺志を生命の維持に用いる。しかし、上位者をひとつの世界の主と考えるのならば、月の魔物は世界を維持するために血の遺志を集めているに等しい


そして狩人は、月の魔物を倒すことで自らが上位者になり、世界を更新する(グウィンを倒して自分が火継ぎを行なうことと類似)


つまりフロムゲーには、世界を創造するような宇宙的な力があり、主人公は世界を復活させるために、その力を集めラスボスの元へ向かう、という基本的な構造がある


Elden Ringもこの構造を踏襲すると思われる


Elden Ringにおいては、それはタイトル通り、砕け散った「Elden Ring」を集めることであろう


流れる星すら律し

命の灯を高らかに輝かす


と言われるElden Ringは、DSにおけるソウルやBBにおける血の遺志と同じ、宇宙的な力である


違いは、ソウルが各ボスのであり、血の遺志が各ボスのに含まれる遺志であったように、その力が宿る部位である


魂、血、と来たら次は「肉体」であろうか


各ボスの皮膚、筋肉、骨、腕や脚といった肉体の部位にElden Ringの力が宿り、宿った部位が宇宙的な力を得ているのである


※例えば左腕に力が宿れば左腕が肥大化する。これは怨嗟の鬼マヌス、聖職者の獣にも共通するフロムが好む表現法である


おそらくElden Ringとは、何らかの生物の肉体そのものである


北欧神話においては、世界は巨人ユミールの肉体から作られたとされるからである


これを上述した基本構造に当てはめるのならば、バラバラになった巨人の肉体を集めることで、再び世界を作り直す、となるであろう


しかしながらElden Ringが巨人であるかというと、名前的にあり得そうにない


Eldenはともかく、「環(輪)」と巨人がどうにも繋がらないのである


だがこれもまたダークソウルの構造を元にすれば正体が分かりかけてくる


すなわち、ダークソウルの世界がもとは灰色の岩と大樹と、朽ちぬ古竜の世界であったように、そして竜の討伐から火の時代が始まったように、Elden Ringにおける世界の始まりも「竜」が関係している


すなわち、Elden Ringとは「」のことであり、その肉体が砕かれたことで世界は不滅から定命の世界へと変化したのである


北欧神話において、世界蛇ヨルムンガンドは世界の水平軸の維持を担っている(ちなみに垂直軸の維持は大樹ユグドラシルである)


神話における世界とは宇宙そのものであるから、世界蛇ヨルムンガンドは宇宙蛇ヨルムンガンドであり、宇宙を維持する巨大な力そのものである


その力が砕かれたことで、世界は滅びへと突き進むことになるが、一方で宇宙蛇の力を得た者は宇宙的な力を得ることになる


宇宙を環のように取り囲んでいた竜肉体は細切れになり、世界へ散らばっている世界が衰えたとき、世界を再び作り直すために、またはその秩序を取りもどすためには、散らばった竜の肉体を一つに統合しなければならない


主人公は各ボスに宿る竜の肉体を奪い集め、自らが宇宙竜となり世界を更新するか、あるいはその力をもって、定命の世界に君臨するか選択することになる


以上はElden Ringがフロムゲーの基本構造を踏襲したと考えた場合の単なる妄想である


これにGRRM的な風味を加えるのだとしたら、Elden Ringと呼ばれる竜は、超科学文明が造り出した巨大な宇宙船、あるいは太陽を遮る「宇宙楯」(シールド)の名前となる


超科学文明の遺物は破壊されるが、バラバラになったパーツは未だ機能しており、その機能が原始的な惑星の種族に、超自然的な力を与えるのである


2021年3月4日木曜日

Bloodborne 駄文 すしざんまい

※悪ふざけが過ぎたのと、整合性に欠ける部分があるので「考察」から「駄文」に格下げする


ビルゲンワース(教室棟編)で使用した資料には不可解な文字列が書かれている(下の図の赤で囲った部分)

Bloodborne Wikiより転載
 Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License 


これを拡大したのが以下の図である

Bloodborne Wikiより転載
 Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License 


Sushizanmaiと読める

すなわち、有名な寿司チェーン店である「すしざんまい」(Wikipedia)のことである


すしざんまい

なぜこの文字列がマップ設計図に記されたのか


食べに行く予定の店名開発書類に覚え書きしておいた、とは考えにくい(コンプライアンス的にもアウトだろう)


もし仮にそうだとしたら、「Sushizanmai」ではなく「すしざんまい」と書いた方がより文字数が少なく分かりやすい


と考えると、「Sushizanmai」の文字列はこの書類に必要だから記されたのである


答えの鍵は、この書類は全体マップの設計図であるということだ


全マップが描かれていると想定すると、しかし抜けている場所がある


それが「漁村」である


その漁村には寿司ネタになりそうな、魚介類の数々が豊富に見られるのである


漁村に見られる魚介の一例

つまり「Sushizanmai」とは、食べに行く予定の店ではなく、漁村の隠語なのである


もちろん漁村は本編から遅れてリリースされたDLCの舞台である


しかしながら、大聖堂のアメンドーズ像が銛(もり)を持ち、また禁域の森にある旧神の墓の裏にすでにナメクジが見えていることからも、開発当初から予定されていた可能性が高い


深海系のカレルの側には、ナメクジ魚によって侵食された墓石がある

開発初期にはすでに予定されていた「漁村」。だがその存在を早々と公にするわけにもいかず、しかしマップ設計図にはその存在を示しておかなければならない


コメントにより、DLCは開発終盤に決定されたことが明らかになったので訂正する(コロコロオンライン参照のこと)


開発終盤に漁村エリアの導入が決定されたために、全体マップ設計図には漁村がなかったのである(よくよく考えてみれば当初から計画されていたら描かれていたはず


急遽その導入が決められたために漁村エリアの設計図を描く時間やタイミングがなく、やむなく漁村を意味する「Sushizanmai」という隠語を書き入れたのである


その際、漁村ではなくSushizanmaiという隠語が使われたのは、それがまだ予定段階だったからであろう


隠語(暗号)であることをより強調するようにそれはローマ字で記され、しかもそれだけを読むと「寿司チェーン店」の名前としてしか認識できない


だが、漁村の存在を知っている者たちからすると、それが「漁村」の隠語であると察することができるのである


蛇足

完全に蛇足だが書く機会を逸していた事柄を書く

ヴァルヘイムのレビューでヴァルヘイムの名前の意味を間違えていた

おそらくヴァルヘイムはヴァルハラ(戦死者の館)ヘイム(国)の合成語で、その意味は「戦死者の国」であろう





Bloodborne 考察まとめ11-2 ビルゲンワース(教室棟編)

教室棟

前方の湖後方の湿地帯に囲まれた「」がビルゲンワースである(語源編参照


このビルゲンワースにはかつて学び舎があったことが知られている


講義室の鍵

教室棟、講義室の扉の鍵


いまや悪夢に漂う二階建の教室棟は、かつてビルゲンワースが

史学と考古学の学び舎だった頃のものである

あるいは今でも学徒たちは、講義室で師を待つのかもしれない


ヴィクトリア&アルバート博物館でのBloodborne展」(Bloodborne Wiki)に展示された資料の中に、かつてあった学び舎の場所を指し示すものがある

Bloodborne Wikiより転載
 Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License 

地図の左上にあるのがビルゲンワース本館と教室棟である




現在、教室棟のあった場所には湖面しか見えない


上記マップによれば、かつてこの先に教室棟があった


眠り

教室棟は現在、悪夢に漂っているとされる。その悪夢とは大量の水が守っているという「眠り」に他ならない


大量の水は、眠りを守る断絶であり、故に神秘の前触れである

求める者よ、その先を目指したまえ(カレル文字「湖」)


まず眠りとは上位者の眠りのことである


トゥメル=イルの大聖杯

トゥメル=イルとは、トゥメル人の王ないし王都を意味する

それは、上位者の眠りを祀るトゥメル文明の末裔たちが

せめて彼らの王を戴こうとした証しであろう


骨炭の仮面

上位者たちの眠りを守る番人たちは

その姿と魂に業火に焼かれ、灰として永き生を得たという


上位者の眠りは祀られたり守られたりする対象なのである


彼らが上位者の眠りを守護するのは、祀り人たちにとって眠りによって生み出される「悪夢」が重要だからである


悪夢と現実世界の混淆した領域においてのみ、人と上位者との間に赤子が生まれるからである


赤い月が近付くとき、人の境は曖昧となり

偉大なる上位者が現われる。そして我ら赤子を抱かん(ビルゲンワースのメモ)


婚姻の指輪

古い上位者の時代、婚姻は血の誓約であり

特別な赤子を抱く者たちにのみ許されていた


エーブリエタース星界からの使者(大)のように、現実世界に住んでいると思われる上位者は存在する


だが、人と上位者との赤子、すなわち上位者の赤子が生まれるのは、悪夢(赤い月もそのひとつ)が現実世界と混ざり合った領域でのみである


そのためトゥメル人たちは「上位者の眠り」を祀っていたのである。上位者の眠りから漏れ出る悪夢の兆候(神の徴)を見逃すことなく、上位者の赤子を抱くためである


このような事情を含んで「眠り」と表現されているが、端的にいうのならば「眠り」とは「悪夢」の換喩的表現である


つまり、大量の水の下には「悪夢の世界」があるのである


教室棟が現在、悪夢にあるのだとしたら教室棟は水の下に突き抜けた、すなわち、湖に沈んだのである



悪夢の教室棟

その教室から繋がっているのは辺境とメンシスの悪夢である


教室棟の1階からは辺境に転移することができ、2階からはメンシスの悪夢に転移することができる


その際の描写から空間的には繋がっていないことが分かる


空間的につながっているのではなく、ワープする

ただし教室棟の1階と2階の上下関係は、辺境とメンシスの悪夢の上下関係と等しい


辺境からはメンシスの悪夢は遙か頭上にみえる


ところが現世実界とのつながりにおいては、教室棟の空間的な上下は保持されないのである

教室棟1階へは聖堂街の古聖堂から転移し、教室棟2階へは再誕者撃破後の再誕教会(再誕広場の奥の教会)から転移することができる(便宜的に再誕教会と呼ぶ)を


非常にややこしいのだが、この際の教室棟の上下と現実の上下は逆転している



地理的に高所にある古聖堂から転移するのは教室棟の1階である。ひるがえって2階に転移するのは古聖堂より遙か下方にある再誕教会からである


まとめると、教室棟の上下関係悪夢世界においてのみ正しく機能しているが、それは現実世界においては「上下が保持されず逆転」しているのである


かつて悪夢の世界は「逆さまの世界である」と考察したことがある


悪夢の世界はねじれて現実とは逆さまなのである。よって、現実世界の高所から教室棟に入ると1階にたどり着き、現実世界の低所から教室棟に入ると2階にたどり着くのである


三角形が屋根である(便宜的なもの)

教室棟が逆さまになったのは悪夢に飲み込まれた瞬間からである。それはすなわち大量の水に沈んでゆき、逆さまにねじれながら、ついに向こう側の世界に到達したときである



※わかりやすくするために簡略化した図(重要なものがいろいろと抜けている)


悪夢の教室棟現実世界から見ると1階が上であり、2階が下である。しかし悪夢の世界においては、構造通りに1階が下であり、2階が上である



現実世界にも湖面に富士山が逆さに映り込む「逆さ富士」という現象が存在するが、本作における現実と悪夢の関係性も似たようなものである


悪夢と混淆した現実世界は「逆さま」になるのである。かつて赤い月の夜を迎えた旧市街には逆さ吊りの生け贄が多く見られる


これは逆さまである悪夢を正面から捉えようとした努力の痕跡、あるいは逆さまの世界(悪夢)を召喚しようとした生け贄の儀式の犠牲者である


2021年2月27日土曜日

Bloodborne 考察まとめ11-1 ビルゲンワース(語源編)

名前

過去の考察でも述べたが、名前には非常に重要な情報が秘められている


しかし、結局、私はすべての名前を選びます。私が監督したタイトルはいつもそうだった。もちろん、名前はあなたが描きたい世界の非常に重要な部分ですが、それ以上に、私は名前を思いつくのが大好きです。私はちょっとしたネーミングオタクだと思います。それは私にとっていつも楽しいです。私は、単語の起源、表現でどのように聞こえるか、地域の考慮事項など、すべてを考慮します。(インタビューより)


本作に登場するNPCの名前は、ネーミングオタクを自認する宮崎氏が決定したものなのであり、その決定は、語源、響き、地域性などを考慮に入れてなされたものなのである


何度も引用している文章だが、理由も無しに語源を追求しているわけではないということを最初に触れておく



ビルゲンワースという地名

ビルゲンワースの英名は Byrgenwerth である


このうち後半部のWerthは、イギリスの地名に詳しい者であれば、Worthを連想するであろう


Worthは「囲い」や「定住」を意味する古英語の「worð」に由来する言葉である(Werth History, Family Crest & Coats of Arms


しかしながらWorthWerthは と が異なるうえ、英国系の名前をもつガスコインを異邦人として扱っていることからも分かるように、ビルゲンワースから見ると英国は異国である


その異国の慣例的な命名法を用いるのはどうにも腑に落ちない


ヤーナムが中欧をモチーフにしていると考えられることからも、唐突にイギリスの慣例姓が地名として登場するのは違和感を覚える


実のところWerthはWorthとは直接的には関係がない(語源的にはあるかもしれない)


Werthとはれっきとしたドイツ語であり、その意味は「排水前は河口や河岸の湿地だった川中島や耕地」(『ドイツの河岸地名Werderとその場所の微地形』PDF)である


それによると、ドイツ中部河岸地名にはWerthという名前の場所が多いのである


異字同語地名である Werder, Werd, Wörth, Ward, なども挙げられているが、その語義は「島、半島、湿地間の水害のない微高地」であり、水と関係の深い場所につけられる名前なのである


いうまでもなくビルゲンワースの建物は、月前の湖の岸辺に建っている


つまるところByrgenwerthのWerthの語義は「囲い」や「定住」ではなく、「島」「半島」「微高地」を意味するのである


ワースの部分だけを訳すのならば「ビルゲン島」や「ビルゲン半島」「ビルゲン河岸」「ビルゲン干拓地」という意味になろうか


大量の水は、眠りを守る断絶であり、故に神秘の前触れである

求める者よ、その先を目指したまえ(カレル文字「湖」)


カレル文字にあるように、ビルゲンワースは大量の水の先を目指したのである。その前哨基地として相応しいのは湖岸に突き出したような半島、またはである



Byrgen

さてByrgenwerthのWerthが判明したところで「byrgen」の考察に移りたいと思う


結論から先に述べれば、byrgenとは『散文エッダ』に登場するビュルギル(byrgir)の泉からとられた地名である(語尾のgirgenの差異は後述する)


『散文のエッダ』の「ギュルヴィたぶらかし」11章で、ヴィズフィンルを父とするヒューキとビルという名の二人の子供たちが高い地位へ置かれた。彼ら二人はビュルギルByrgir、古ノルド語で「何かを隠す者」の意[3])のから歩いて来たが、二人はセーグ(Sæg)という桶をシームル(Simul、古ノルド語でおそらく「永遠の」の意[4])という天秤棒で運んでいた。マーニは彼らを地上から取り上げ、彼らは今や天をマーニに付き従っており「それは地上からも見る事ができる」[5]。(Wikipedia


※北欧神話と本作の関連についてはオドンの考察参照のこと


Wikipediaによれば、ビュルギル(byrgir)とは古ノルド語で「何かを隠す者」の意であるという


その語義通り、学長ウィレームは湖に秘密を隠していた


月見台の鍵

ビルゲンワースの二階、湖に面した月見台の鍵


晩年、学長ウィレームはこの場所を愛し、安楽椅子に揺れた

そして彼は、湖に秘密を隠したという


また、月前の湖にいたロマが儀式や月を隠していたことは各所のメモに記されている


ビルゲンワースの蜘蛛が、あらゆる儀式を隠している

見えぬ我らの主も。ひどいことだ。頭の震えがとまらない(オドン教会のメモ)


あらゆる儀式を蜘蛛が隠す。露わにすることなかれ

啓蒙的真実は、誰に理解される必要もないのだ(ビルゲンワースのメモ)


狂人ども、奴らの儀式が月を呼び、そしてそれは隠されている

秘匿を破るしかない(隠し街ヤハグルのメモ)


さて、神話に登場する「ヒューキ」と「ビル」という二人の子供たちは、月相(満ち欠け)の擬人化である


北欧神話におけるヒューキ(古ノルド語: Hjúki、おそらく古ノルド語で「快復する」の意[1])とビル(古ノルド語: Bil、文字通り「その瞬間」の意[2])は、天を横切る月の擬人化であるマーニに従う子供の兄妹である。彼らは13世紀にスノッリ・ストゥルルソンが書いた『スノッリのエッダ』にのみ認められる。学説では二人を取り巻く特性から、彼らが月のクレーターあるいは月相を体現している可能性があり、ゲルマン系のヨーロッパの民間伝承に関連するとしている。ビルはヨーロッパのドイツ語圏に伝わる民間伝承に認められる農業に関連する存在のビルヴィス(英語版)と同一視されている。(Wikipedia)


神話ではビュルギルの泉から歩いてきた二人が、高い地位、つまり月に上昇させられたという


本作における「」とは「宇宙」と同義であり、そこは上位者の住む「悪夢」でもある(「月の落とし子エーブリエタース」参照のこと)


月に上昇させられた、とはすなわち「上位者」になることと同義であり、それと符合するように、月前の湖には上位者ロマが住んでいる



byrgirからbyrgenへ

しかしながら、byrgirbyrgenとは語尾の二文字が異なっている


girからgenへの変化の合理的な説明は可能だろうか


まずbyrgirスウェーデン語やノルウェー語などの北欧語では「byrge」と記される


Vidfinn (fornvästnordiska Viðfinnr, ”skogsjägare”[1]) är i nordisk mytologi far till barnen Bil och Hjuke, som kidnappades av månguden Måne då de var på väg från brunnen Byrge med en så, som de bar på axlarna med såstången Simul. Detta berättas i Snorres Edda, Gylfaginning, kapitel 11. Snorre skriver: ”De barnen följer Måne, såsom man kan se från jorden.” Det kan alltså röra sig om en bild som syns på månen.[2](Wikipedia



古ノルド語やスウェーデン語、ノルウェー語はおなじ「インド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派"北"ゲルマン語群に属する言語」であり、Byrgeの意味も同義(「何かを隠す者」)である


またドイツ語は「インド・ヨーロッパ語族・ゲルマン語派の"西"ゲルマン語群に属する言語」であり、おなじインド・ヨーロッパ語を祖にもつ近しい言語である


これらスウェーデン語とドイツ語には名詞の格によって語尾が変化するという共通する特徴がある


簡単にいうと単数形から複数形にすると語尾が変化するのである


スウェーデン語の名詞には共性名詞と中性名詞の二種類ある


このうち中性名詞を複数形にする際に、単語の語尾が母音だった場合、語尾に n をつけることになっている


中性名詞で単数形が母音で終わるものは、複数形はその末尾の母音の後に-nを加える。(例:äpple (リンゴ)/äpplen)(Wikipedia)


※つまりByrgeを複数形にするとByrgenになる


また単数名詞不定形から定形に変化させる際にも、語尾にenをつける場合がある


例:brevet(手紙)→breven(定形の手紙)


スウェーデン語では、たとえば英語で「定冠詞」と呼ばれているものに似た働きをする語はあるが、それは独立した語ではなく、名詞の後ろにつける接辞である。この接辞は共性名詞単数では-enまた-n,中性名詞複数では-etまたはtという形をとる(例:flaskan (ビン) brevet)。複数形につくときは文法性でなく複数形の語尾によってそれぞれ-na,-a,-enなどがつく(例:flaskorna(ビン),breven (手紙))。名詞にこの接辞のついた形を定形といい、つかない形を不定形という。 (Wikipedia)


本作に登場するByrgenwerthの場合には、Byrgeを定形化してByrgenにしたものとも、「何かを隠す者」という名詞を複数形に変化したものとも考えられる(つまり「何かを隠す者たち」になる)


おなじゲルマン語系のドイツ語でも名詞を複数にした際に語尾に nen がつくことがある


複数型の語尾には、-(無語尾), -e, -er, -(e)n, -sの五つのパターンが存在する。(Wikipedia)


例:Schule(学校)→Schulen(学校:複数形)

例:Funke(火花)→Funken(火花:複数形)

例:Biologe(生物学者)→Biologen(生物学者たち:複数形)

例:Auge(目)→Augen(目:複数形)


Byrgeにこの規則を適用すると以下のようになる


Byrge(何かを隠す者)→Byrgen(何かを隠す者たち



Byrgenwerth

以上の考察を組み合わせるByrgenwerthの語義が明らかになる


Byrgen何かを隠す者たち

Werth島、半島、干拓地、河岸


Byrgen+Werth=何かを隠す者たちの島(半島、干拓地、河岸)である


より文学的に表現するのならば「隠秘者たちの孤島」という感じになろうか


その孤島は神秘を隠す水の際にあり、(半)島にある学び舎には隠秘者たちが住んでいたのである


そして「何かを隠す者たち」の名に相応しく、合い言葉の番人はビルゲンワースそのものを隠し、その学長ウィレームは湖に秘密を隠し、白痴の蜘蛛ロマは儀式を隠していたのである


神話ではByrgeの泉から来た二人の子供たちが月に誘われて神的存在になったとされる(上で引用したヒューキとビルの神話を参照のこと)


神話をトレースするように、Byrgenwerthにある月前の湖には、(悪夢あるいは上位者オドン)によって上位者となったロマが棲んでいる


あるいは月前の湖のロマ嘆きの祭壇のロマとは兄妹なのかもしれない



禁域の森

禁域の森の底にはカレル文字「深海」が落ちており、また周囲には広範囲に水たまりが広がっている


これは過去に禁域の森の底部に水が溜まっていた期間があったことを示している


ということは、その期間ビルゲンワースは前方の湖後方の湿地帯によって島のようになっていたのである


ビルゲンワースの語義が「隠秘者たちの」と名づけられたのは、こういった理由からなのかもしれない


蛇足

ByrgirからByrgenへの変化は単にドイツ語風の響きを選んだとも考えられる

「~~ゲン」とつくとドイツ語風に聞こえるからである

いろいろと最もらしくgirからgenへの変化を説明してみたものの、言語学的な素養や教養はまったくないので、正しいかも分からない

その点、Byrgirをドイツ語風の響きにしたらByrgenになった、という説ならばシンプルかつ明解である

2021年2月20日土曜日

Valheim 鉱石を運搬する話

 Valheimレビューで、鉱石を持ってワープ出来ないことにやや不満があると述べたが、それは間違いであった


実際に本腰を入れて鉱石を運搬してみると、これが非常に面白いのである


手順としては以下のようになる

  1. 本拠地までの道をならす
  2. 上陸地点に設けた仮拠点にカートを用意
  3. 輸出港から鉱石を積み込んで出航
  4. 上陸地点で鉱石をカートに積み直す
  5. 本拠地までの道を運搬


今回たどった経路が以下の図である


※ストーンサークルの左上にある「犠牲の石」付近が本拠地である

出発点は船着き場として建造したものの、やたらと大規模な漁師館のようになってしまった拠点である


中庭に面した屋根付きのポータルエリアが便利

ということで鉱石を積載して出発


海の表現がとても秀逸である



星空とユグドラシルの枝


上陸地点からはカートで進む


荷物の重さがそれほどでもなかったので登れた

本拠地が見えたときにはある種の感動さえ覚えた




運搬したを何に使ったかというと、屋内の改装である


床下収納にした大型チェストがお気に入りである(歩行の邪魔にならない)


最初に作ったこの屋敷だが、今となっては手狭なのと海が遠いことから、近々船着き場に本拠地を移転する予定である


銀の精製が済み次第、また船で輸送を行なう予定である


風向き次第で南側の進路を取る可能性も


難易度について

前回、マルチ前提の難易度と書いてしまったが、事前の準備をきちんと行なえばソロでも大骨は倒せる


  1. 毒耐性を上げる蜂蜜酒を造る
  2. 鉄装備一式を揃える(無強化でも可)
  3. 可能であれば、鉄メイス(大骨に特攻)と小型楯を用意(スキルは上げたようがいいかもしれない)
  4. 大骨と戦う場所の近くにポータルを設置
  5. 毒耐性蜂蜜酒を飲んで戦闘開始
  6. 毒液無視。大骨の攻撃をパリィして反撃一撃離脱でも可
  7. 危なくなったらポータルを使って逃げ、拠点で回復しつつ戦う
  8. 大骨のHPは回復しないので時間をかければいつか倒せるはず
  9. ログアウトして別ワールドに逃げるのもよい


雪山

沼の次は雪山なのだが、正直沼の方がきつかった


雪山も凍結防止の蜂蜜酒を造る必要はあるが、銀は数が掘りやすく銀装備一式がすぐに揃う(マントと胴に耐寒性能upがついてる)


ストーンゴーレムもツルハシで攻撃することを知っていれば大して強くない


沼を越えたご褒美という感じのエリアなのだろうか。成長を実感させてくれるような難易度バランスは素晴らしい


蛇足

前回のレビューにおいて、鉱石ワープと難易度への言及が的外れだったので、その訂正も含めて記事にしたものである

ストーリー的にもシステム的にも、ボスを倒すことが目的のひとつであるが、このゲームの面白さは寄り道にあると思われる

あまり急いてボスを倒し尽くすと、逆に飽きが早いのかも知れない


2021年2月16日火曜日

Valheim ヴァルヘイム レビュー

 ヴァルヘイムとは一言でいうと、北欧神話を舞台にしたサバイバルクラフトゲーである


※詳細はSteam参照のこと


※現在のところアーリーアクセス(EA)、つまり開発途上のゲームであり、遊べるのは実装された範囲までである


レビュー

まずグラフィックの質が高い。ここでいうとはフォトリアル至上主義とは無縁のグラフィックの美術的センスのことである


筆者にはフォトリアルなグラフィックは必ずしもゲームの質に貢献しないという持論がある


まるで現実のような精緻なグラフィックをゲーム上に構築したとしても、ゲームとしての土台が傾いていれば、名作にはなりえないのである


その点ヴァルヘイムのゲーム容量は1GB程度であり、世間一般で言うところと高グラフィックはとうてい望めない


しかしながら、ゲームをプレイしているうえで世界に没入できているという感覚は、フォトリアルを追求したゲームよりヴァルヘイムのほうがはるかに大きい


風が明示的に表現されている


低ポリゴンを最新エフェクトにより美麗に魅せるという手法は、あえて類似ゲームを挙げるとすれば、ゼルダの伝説Botwに近いだろうか


正直なところ、BOTWの独特な“味”を表現できるのは日本のメーカーだけだと思っていたが、良い意味で裏切られた思いである


世界の諸物は単なるとして置かれているのではなく、プレイヤーに関連する「出来事」として提示され、そうした出来事の総体が世界を創り出しているのである


ヴァルヘイムはNPCはほとんど登場せず(商人とカラス、トール、森の謎人ぐらいか)、草原に廃屋が点在するような空疎にさえ思える世界である


だが、そこで筆者が感じたのは世界そのものから立ち上る濃密な存在感である


大地はクワにより掘り起こされ、木々はオノによって切り倒され、鉱物はツルハシによって砕かれる


吹き抜けるカゼは眼に映り、アメは体を濡らし、シカの鳴き声がこだまする


世界に自分ひとりだけのような寂寥感と、かつて人がいた気配だけが漂う廃屋


世界の美しさと汚らわしさ、自然の恩恵と過酷さ、わずかに示されるストーリーが、世界そのものへの興味を引き立てていく


奇をてらわず、あからさま過ぎず、それでいて人間の五感をひかえめに刺激するような表現が、プレイヤーを世界の深いところまで没入させるのである


正直なところ、Elden Ringに密かに期待していた要素が少なからず実現されていて驚いている



世界

北欧神話には本来は9個の世界しか存在しない。本作の10個目の世界ヴェルヘイムはつまりオリジナル設定ということになる

※あるいは、ヴァルハラ(戦死者の館)とヘイム(国)を合わせて、戦死者の国という意味なのかもしれない


※空を見上げると巨大なユグドラシルの枝が見える。このダイナミックな表現法はゼノシリーズを彷彿とさせる

あるいはラグナロク後に神々が再会を果たす場所「イザヴェル(輝く野)」のイメージも含まれているのかもしれない


ラグナロク後には海中から緑の美しい大地が浮かび上がるとされるが、本作の海に浮かぶ無数の島々のビジュアルイメージと合致するからである


※世界はランダム生成されるので多少の相違はあるかもしれないが、配信など見ても多くの島に分かれているようである


とはいえまだオーディンは生きているようなのでラグナロク後ではない。あくまでモチーフはモチーフである


ヴァルヘイムは名前やストーリーから推測するにヴァルキュリア(戦乙女)とヘイム(古ノルド語で「国」の意)の合成語のようである


戦で命を絶たれた戦士Valkyriesにより、あなたの魂は10個目の北欧の世界「Valheim」へ運ばれた。混沌とした生き物と古代の神々に囲まれたあなたは、オーディンの古代の宿敵を倒し、「Valheim」に秩序をもたらす任務を負う。(Steamのストアページ「このゲームについて」)


ただし「戦で命を絶たれた戦士Valkyries」とあるように、ヴァルキュリアの設定そのものも変更されているのかもしれない(翻訳の問題も?)



難易度

ソロだと難易度がかなり高い草原→黒い森→沼→雪山→平地という攻略順なのだが、サクサク進めるのは「」までであろう(ボスは強い)


※ソロでも5番目のボスまで倒せるようである


沼で「」を入手することで石材建築まで可能になるのでその先は無理に進まなくてもいいかな、というのが個人的な感想である


というか鉄の必要量が尋常でないので進めない…



建築

攻略拠点ともなり、休息もできる家を建築するのがこのゲームの定石である


休息することでスタミナ回復速度上昇のバフが付与される。基本的にはこのバフが付与された状態で探索することになる


休息するためには焚火と寝床が必要であるが、が降ると焚火は消えてしまうし、といって家の中に焚火を置くと煙が充満して死んでしまう


そのあたりをクリアする効率的な家として下の2つをよく使う


3x3の小さな小屋である


5chのValheimスレで見かけて参考にした家


あくまでも一時的な攻略拠点である


また家には快適度がある。快適度は鹿皮などを敷くと上がり、快適度1につきバフ時間が1分延びる


本拠地はやや大きめの屋敷を作り、チェストを並べておくと戦利品の整理がしやすい


短い丸太を使って横ではなく縦に並べる方法もある



食事

食事を摂ることで最大HPとスタミナが増える

このゲームはレベルというものがなく、HPとスタミナ食事の質により確保される


食事を何も取らなければゲーム終盤でもHPは25程度である


草原などに生えているベリーやキノコや、生肉を焼いて食べることで60~80程度まで上昇する。HP100程度あれば黒い森のボスの攻撃も耐えられるはずである


廃屋などにある「蜂の巣」は弓で撃つことで破壊でき、女王蜂を入手することができる


女王蜂と木材で養蜂箱を作ることができ、定期的にはちみつを入手することができるようになる。そのまま食べてもいいし、中盤以降は醸造酒を作るために必要になる



戦闘

棍棒系の武器とを持てば大体の敵は倒せる


棍棒系は黒い森のスケルトンなどに特攻があり、また沼のボスにもよく効く。


トロールは弓を引き撃ちすることでノーダメージで倒せる(盾が強くなればパリィ)


連続攻撃するとすぐにスタミナが枯渇してしまうが、パリィを混ぜていくことで素早くMOBを倒せ、またスタミナも維持しやすい




総評

開発途中であるが雑な部分はほとんどない。ゲームのレベルデザインからUI成長曲線等、とても丁寧に作られていることがわかる


聞くところによると開発者は5名とのことである


小規模であることが奏功したのか、意味のないシステムをゴテゴテと飾り付けることはせず、シンプルにバランスと面白さを追求していったようであり、そこには引き算の美学のようなものすら感じられる


そうして要素を削っていったことで濃密な世界が誕生するというのも面白い


おそらく主導している人物のビジョンが明確なのであろう。感覚ではなく論理を重視する人物(簡単にいうと「面白いゲームを狙って作れる人」)であり、その点からいえば開発が迷走する心配はなさそうである


基本的にマルチ前提の難易度なので、ソロでかつ腕に自信がなければ沼の攻略に手を付けるまでを目安にプレイするといいかもしれない。その後は難易度が上昇し、多大な労力を要求される(鉄集めとか)


鉱物を所持してワープすることができないため、カーゴや船で運搬するか、あるいはワールド間運搬という裏技的な技で運ぶしかないのがやや不満である


アップデートで遊びやすくなったら進めるということも検討しつつ、建築しながらのんびり過ごすのも良いかもしれない


あくまでも開発中ということを頭に留めおいて、途中まで遊んでみるつもりならば、2000円という低価格ということもあり、オススメである