2022年1月27日木曜日

Dark Souls シリーズ考察38 人と人間性と深淵

白面の虫によれば、人と虫とは深淵に沸く火に望まれぬ者であり、同朋である。また説教者の白面のテキストによれば、人と虫同じものであり、白面を被るのなら姿まで同じになる


火に望まれぬ者がいる

君たちのこと、そして私たちのことだ


この街を見よ!我らは同朋、瞳を覗くように明らかに(白面の虫)


説教者の白面

深淵に湧き、火の時代に望まれぬ。虫も人同じ

ましてこれを被るなら、姿まで同じじゃあないか



つまりは、火に望まれぬ者、深淵に沸く者、虫と同朋なのである


という深淵から沸くことによって世界に現われたことになる


DS1DLCの深淵の穴には、「深淵沸き」という名の敵がいる




その姿は、巨大な人間性である。そして人間性とは人のみにあるとされる


人間性

この黒い精もまた人間性と呼ばれるが

詳しいことは分かっていない

ソウルが生命すべての源であるなら

人のみにある人間性とはなんなのか?


人間性深淵に沸き、そして人間性人のみにあるという。であるのならば、人と人間性もまた同じもの(同朋)である


では、人や虫や人間性が沸く深淵とは何か


深淵の主マヌスのソウルによれば、深淵は人間性の暴走によって発生するものである


深淵の主マヌスのソウル

それは尋常のソウルではなく

どろりとして生あたたかい優しい人間性の塊である


マヌスは、古くとも明らかに人であった

人間性を暴走させ、深淵の主となった後も

ずっと寄る辺、あの割れたペンダントを求めていた


人と人間性と深淵相関図が以下である

これから分かるのは、人と人間性と深淵根源的には同じものであるということである


同じもの違った現れ方をすることで、人や人間性、深淵に分かれるのである


これは、が「液体・気体・個体」のをもつことに近い


すなわち、一つの根源的な物質(現象)が相転移することで、人や人間性、深淵となるのである(人間性が人に相転移する条件については後述する)


その一つの根源的な物質(現象)とは何か


宮崎氏によれば、人間ダークソウルの欠片である(「ゲームの食卓」より)。人間の根源はダークソウルなのである


つまるところ、一つの根源的な物質(現象)とは「ダークソウル」のことである


ダークソウル相転移することで人や人間性、深淵となる。そしてこれらの総体を「」という


とは、ダークソウルを根源とした現象一般のことをいうのである


そして人と人間性、そして深淵とは根源的に同じものである故に、深淵の沼で「擬態」をすると「人間性」に変異することができるし、人間人間性を暴走させることで深淵を生み出すことができるのである


そして人間性を暴走させた深淵からは、ふたたび人間性が沸くのである



人と虫

人と虫との違いは何か


どちらも深淵に沸く、火に望まれぬ者である、という点は共通している。だが、(人間性)は虫と違って生あたたかいのである


深淵の主マヌスのソウル

それは尋常のソウルではなく

どろりとして生あたたかい、優しい人間性の塊である


この生あたたかさは、エストの語源が「Aestus」(ラテン語で「」)であるように、そしてエストにより生命力を回復することができるように、生命そのものの生あたたかさ、である


とは人間性であり、また深淵でもある。火の時代の終わり生あたたかな深淵から熱が失われたことで、それは深みとなる


深みから沸くのが「湿り人」である。それは湿っている生あたたかくはないのである


湿った手鎌

深みから這い出る湿り人たちが

その手に持つ、柄の短い鎌


全体が黒く湿っており、闇の攻撃力を持つ


深みは源が深淵であるが故に「闇の攻撃力」を持つが、しかし熱は失われ、それは単に湿った液体になっている


かつてであった湿り人は、深み棲むうちに、その生あたたかさを失い、湿って湿り人」に変異するのである


そして深みには、もうひとつの生命が棲息している


蟲(虫)」である


蝕み

深みに潜む蟲たちは、小さな顎に牙を持ち

瞬く間に皮膚を裂き、肉に潜り込む

それは激しい出血を伴うという


白面の虫とは、人が人間性生あたたかさを失い蟲になっていく、その進化(退化)途上の生命体なのかもしれない



人間性から人への変異

人や人間性、深淵とはダークソウルのひとつの相である。このうち深淵人間性を暴走させると誕生する。では、人間性はどのような経緯を経てになるのか


結論から述べれば、人間性から人への変異には神々が関わっている


輪の騎士の鎧

古い人の防具は、深淵によって鍛えられ

僅かにだがを帯びる


そしてそれ故に、持ち主たちと同様

神々に火の封を施されたという


人間性とは黒い精であり、深淵から沸いた生命体の一種である。つまり深淵の生という意味で、古い人の武具と同じものである


古い人の武具が深淵の生を帯びたが故に、神々に火の封を施されたのと同じように、深淵から沸いた人間性は、それ故に神々に火の封を施されたのである


上述したが深淵から沸くのは「人間性」である。そして神々はこの人間性に火の封を施したのである


人間性との最も大きな相違とは何か


そもそも外見からして人と人間性とは大きく違う。だとしたら、その違い神々の火の封によってもたらされたものである


すなわち火の封とは、人間の肉体そのものである


火の属性をもつ肉体によって、闇の属性をもつ人間性を封じること。それが神々の火の封である


だが火が陰り火の封が弱まると内側に封じた人間性が漏れ出てきてしまう。それがダークリングである




ダークリングの炎の輪は、火の封が破れたことにより燃え上がって生じるものである。これは空に浮かぶ巨大なダークリングでも原理は同じである



火が陰ったことで、火の世界封じてきた増大し、世界そのものが破れ闇が漏れ出てきているのである


輪の騎士が深淵に浸された黒布を被るのは、おのれの肉体が発する火(光)を和らげることで、見えざるもの、すなわち闇の存在をかき消さぬためである


輪の騎士のフード

彼らは深淵に浸された黒布を被り

またその目を幾重にも覆う


火の封がすべての

見えざるものをかき消さぬよう

それは、神々への小さな抵抗である



2022年1月26日水曜日

Dark Souls シリーズ考察37 輪の都概要

輪の都概要


大王グウィンは、闇の魂を得た小人に、最果てに閉ざされた輪の都末娘を贈ったという


勅使の小環旗

古く大王グウィンの勅使が用いた小環旗


輪の岩壁を臨み掲げれば、運び手がやってくる


大王は、闇の魂を得た小人

最果てに閉ざされた輪の都

愛しい末娘贈ったという


いつか迎えをよこすと約して

2022年1月19日水曜日

考察総まとめ2 オドンに関する一つの結論

ブラッドボーンの考察は久しぶりだが、これは本作に対する興味が薄れていたわけではなく、エルデンリングやダークソウルの考察をしている間も残された諸問題について考え続けていた


特にオドンに関してはブラッドボーン最大の謎のひとつであり、解決への糸口さえ見つけられずにいた


しかし不思議なもので、ダークソウルやブラッドボーンは少し離れた場所から謎を俯瞰してみると、近視眼的な思い込みから逃れられ、これまで見えてこなかった、あまりにも当たり前の答えに気づくことがある


今回はオドンに関するそうした筆者なりの一つの結論である。あくまでも筆者なりの結論であり、これが正解であるとか、他の解釈許さないということではない

2022年1月14日金曜日

Dark Souls シリーズ考察36 ボス戦「教父アリアンデルと修道女フリーデ」

ボス戦「教父アリアンデルとフリーデ」

教父アリアンデルとフリーデ戦は3フェーズある


1フェーズ目:修道女フリーデ

2フェーズ目:教父アリアンデルとフリーデ

3フェーズ目:黒い炎のフリーデ

2022年1月13日木曜日

Dark Souls シリーズ考察35 アリアンデル絵画世界の考察1

焼尽派と腐れ派

アリアンデル絵画世界で起きているのは、今の世界を焼い次の世界を創造しようとする「焼尽派」と、今ある世界を存続させようとしているのが「腐れ派」の対立である


この二つの派は以下のようにグループ分けできる


焼尽派

画家

奴隷騎士ゲール

鴉村の忌み人

鴉村の言い伝えを信じている者たち


腐れ派

教父アリアンデル

修道女フリーデ

騎士ヴィルヘルム

鴉人の騎士たち


2022年1月12日水曜日

Dark Souls シリーズ考察34 アリアンデル絵画世界の概要

長くなったので「概要」と「考察」を分けた 


アリアンデル絵画世界の概要

絵画世界

アリアンデル絵画世界は教父アリアンデルによって修復された絵画世界である

彼は絵画世界血で描かれることを知っており、世界を守るために血を用いた


アリアンデルの薔薇
絵画の修復者たるアリアンデルは
それが血で描かれることを知っており
それを守るためにまた血を用いた