教室棟
前方の湖と後方の湿地帯に囲まれた「島」がビルゲンワースである(語源編参照)
このビルゲンワースにはかつて学び舎があったことが知られている
講義室の鍵
教室棟、講義室の扉の鍵
いまや悪夢に漂う二階建の教室棟は、かつてビルゲンワースが
史学と考古学の学び舎だった頃のものである
あるいは今でも学徒たちは、講義室で師を待つのかもしれない
「ヴィクトリア&アルバート博物館でのBloodborne展」(Bloodborne Wiki)に展示された資料の中に、かつてあった学び舎の場所を指し示すものがある
※Bloodborne Wikiより転載 Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License |
地図の左上にあるのがビルゲンワース本館と教室棟である
現在、教室棟のあった場所には湖面しか見えない
上記マップによれば、かつてこの先に教室棟があった |
眠り
教室棟は現在、悪夢に漂っているとされる。その悪夢とは大量の水が守っているという「眠り」に他ならない
大量の水は、眠りを守る断絶であり、故に神秘の前触れである
求める者よ、その先を目指したまえ(カレル文字「湖」)
まず眠りとは上位者の眠りのことである
トゥメル=イルの大聖杯
トゥメル=イルとは、トゥメル人の王ないし王都を意味する
それは、上位者の眠りを祀るトゥメル文明の末裔たちが
せめて彼らの王を戴こうとした証しであろう
骨炭の仮面
上位者たちの眠りを守る番人たちは
その姿と魂に業火に焼かれ、灰として永き生を得たという
上位者の眠りは祀られたり守られたりする対象なのである
彼らが上位者の眠りを守護するのは、祀り人たちにとって眠りによって生み出される「悪夢」が重要だからである
悪夢と現実世界の混淆した領域においてのみ、人と上位者との間に赤子が生まれるからである
赤い月が近付くとき、人の境は曖昧となり
偉大なる上位者が現われる。そして我ら赤子を抱かん(ビルゲンワースのメモ)
婚姻の指輪
古い上位者の時代、婚姻は血の誓約であり
特別な赤子を抱く者たちにのみ許されていた
エーブリエタースや星界からの使者(大)のように、現実世界に住んでいると思われる上位者は存在する
だが、人と上位者との赤子、すなわち上位者の赤子が生まれるのは、悪夢(赤い月もそのひとつ)が現実世界と混ざり合った領域でのみである
そのためトゥメル人たちは「上位者の眠り」を祀っていたのである。上位者の眠りから漏れ出る悪夢の兆候(神の徴)を見逃すことなく、上位者の赤子を抱くためである
このような事情を含んで「眠り」と表現されているが、端的にいうのならば「眠り」とは「悪夢」の換喩的表現である
つまり、大量の水の下には「悪夢の世界」があるのである
教室棟が現在、悪夢にあるのだとしたら教室棟は水の下に突き抜けた、すなわち、湖に沈んだのである
悪夢の教室棟
その教室から繋がっているのは辺境とメンシスの悪夢である
教室棟の1階からは辺境に転移することができ、2階からはメンシスの悪夢に転移することができる
その際の描写から空間的には繋がっていないことが分かる
空間的につながっているのではなく、ワープする |
ただし教室棟の1階と2階の上下関係は、辺境とメンシスの悪夢の上下関係と等しい
辺境からはメンシスの悪夢は遙か頭上にみえる |
ところが現世実界とのつながりにおいては、教室棟の空間的な上下は保持されないのである
教室棟1階へは聖堂街の古聖堂から転移し、教室棟2階へは再誕者撃破後の再誕教会(再誕広場の奥の教会)から転移することができる(便宜的に再誕教会と呼ぶ)を
非常にややこしいのだが、この際の教室棟の上下と現実の上下は逆転している
地理的に高所にある古聖堂から転移するのは教室棟の1階である。ひるがえって2階に転移するのは古聖堂より遙か下方にある再誕教会からである
まとめると、教室棟の上下関係は悪夢世界においてのみ正しく機能しているが、それは現実世界においては「上下が保持されず逆転」しているのである
かつて悪夢の世界は「逆さまの世界である」と考察したことがある
悪夢の世界はねじれて現実とは逆さまなのである。よって、現実世界の高所から教室棟に入ると1階にたどり着き、現実世界の低所から教室棟に入ると2階にたどり着くのである
三角形が屋根である(便宜的なもの) |
教室棟が逆さまになったのは悪夢に飲み込まれた瞬間からである。それはすなわち大量の水に沈んでゆき、逆さまにねじれながら、ついに向こう側の世界に到達したときである
※わかりやすくするために簡略化した図(重要なものがいろいろと抜けている)
悪夢の教室棟は現実世界から見ると1階が上であり、2階が下である。しかし悪夢の世界においては、構造通りに1階が下であり、2階が上である
現実世界にも湖面に富士山が逆さに映り込む「逆さ富士」という現象が存在するが、本作における現実と悪夢の関係性も似たようなものである
悪夢と混淆した現実世界は「逆さま」になるのである。かつて赤い月の夜を迎えた旧市街には逆さ吊りの生け贄が多く見られる
これは逆さまである悪夢を正面から捉えようとした努力の痕跡、あるいは逆さまの世界(悪夢)を召喚しようとした生け贄の儀式の犠牲者である
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