ひとまずエンディングまで見たのでクリア後のレビューを書いてみた
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時間は非公表 |
クリア時間は28時間(うち夜光の騎士、フルゴールで10時間↑)
- 夜の獣、グラディウス:2戦目撃破
- 夜の爵、エデレ:初戦撃破
- 夜の識、グノスター:初戦撃破
- 深海の夜、マリス:2戦目撃破
- 夜の魔、リブラ:2戦目撃破
- 夜光の騎士、フルゴール:15戦くらい
- 夜の霧、カリゴ:初戦撃破
- 夜の王、ナメレス:初戦撃破
フルゴールに時間が掛かったのは鉄の目に固執しすぎたせい。最終的に雷武器(初期武器)と大盾を持った追跡者に変更した回でクリア
鉄の目はヘイトを稼ぎすぎてフルゴールの連続突進を受けやすく、一度ミスると連続被弾して死ぬことが多かった(マーキングの回復が追いつかず、大盾で防いでもめくられて追い詰められていく)
フルゴール戦の鉄の目は大盾を持って前衛と一緒に接近戦を挑んだ方が良かったかもしれない
フルゴールを倒した後のカリゴとナメレスはそれぞれ初戦撃破。どちらも上手い先導者についていっただけなので個人で何かしたという記憶はない(むしろ筆者はかなりお荷物だった)
ボスの弱点属性を意識し始めたのもフルゴールくらいからで、今にして思えばそれ以前は地雷だったように思う。まあ勝てたのでよしとしよう
ゲームプレイ
調子が悪い回でもレベル11か12までは到達していた。これはおそらくパーティのレベルが低すぎた場合、二日目の夜にボスが追加されるなどの帳尻合わせシステムがあるからだろう
なぜか普通のボスからレジェンド武器が出たりなど、帳尻合わせの補正力はかなり高いようだ
また初日に死にまくっても二日目で挽回しやすくなっており、どうプレイしてもそれなりの形になるように意識してデザインされているように思う
筆者の場合、三日目の夜の王に到達できなかったのは2回か3回ほどだった
逆に言えば意識して動かないと延々と80点のプレイを続けることになりかねず、そのラインだとボス戦は厳しかったりもする(ボスを倒せるか半々くらい)
結局のところ夜の王まではほぼ到達できるので、あとはボスをどうするかという話になるのだが、それも弱点属性の武器と大盾を持っていけば何とかなると思われる
ただしそれでもレベルやメンバー次第ではボス戦が厳しいので、一日目二日目の行動が重要になってくる
つまるところ、どうやっても80点を取れるテストで、いかにして90点や100点を取るかという加点方式的プレイが求められる
最も大きな加点対象はルート選択とボスの取捨選択であろう
ルートに関しては定石がすでに決まりつつあるようである。個人的には落下地点で雑魚敵を倒してレベル2まで上げてから近場の拠点を巡りつつ坑道もしくは教会を目指し、その後は砦でボス狩り、というスタイルが安定していたように思う
ボスの取捨選択に関しては、砦地下の鈴玉狩り、砦屋上のボス、死儀礼の鳥、樹霊、ガーゴイル、竜のツリーガードあたりはスルーしたい
逆に砦の坩堝、失地騎士、トロル(壺を投げられないルートで)あたりはルーンも美味しく敵も弱いので積極的に狩っていきたい
加点対象としてはこれだけだと思う。あとは強敵ボスをどれだけ倒せるかという話になってくるのだが、一日目でしっかり点数を稼いでおけば苦戦することもなく処理できることと思う
多分これで80点が90点くらいになるだろう
これを100点にしたい場合は地変に突入して荒稼ぎする必要があると思われる
とまあ偉そうに語っているが自分で試行錯誤したのではなく、優れた先導者についていった経験から大雑把に語っているだけである
レビュー
上述したようにナイトレインは「どうやっても80点取れるテストで90点や100点を目指すゲーム」である
減点方式ではないので多少失敗しても挽回できるようなシステムになっており、どうプレイしてもそれなりの形にはなる
意識して動けば加点対象となるので積極的な行動を取りやすいし、失敗しても80点を割ることがない。プレイヤーが萎えてゲームをやめてしまうことを可能な限り防ごういう配慮が感じられる作品である
最初は忙しくて面食らうかもしれないが、慣れてくると定石通りに動けばいいことが分かってくるので、それなりに楽にプレイできるようになる
※発売直後のPC版はジャンプで高いところに登りにくく非常にストレスが溜まった。パッチ後の軽快な動作には驚かされた
一方でこうした“配慮”がゲームプレイの幅を狭くしているようにも感じられる。一応80点を90点や100点にするという分かりやすい目的はあるのだが、それらも強固な定石から逃れられずやや窮屈な印象である
※フロムゲーは表層的には自由に遊べるように見えて、かなり根源的な部分でプレイヤーをコントロールしていることが多い印象
言うなればナイトレインは80点、90点、100点の三種類の遊び方しかないゲームである
もちろんそれぞれに楽しさはあるし、マルチプレイなだけあって必ずしも狙った点数を取れるわけではないので、高得点を取れた場合の達成感は過去作に劣らずに大きい
40分(夜の王を除く)をあっという間に感じさせるゲームであり、40分の中にプレイヤーだけのオリジナルのドラマが展開されるゲームでもある
これらプレイのオリジナリティは主にマルチプレイであることがもたらすものであり、ゲーム自体はそれを可能にするための土台として割り切った作りになっているのかもしれない
※まるで短時間でプレイ可能なTRPGのようでもある。プレイヤーはゲームマスターの意図からは逃れられない
一つのマップを定石通りに周回し続けることから飽きやすい印象を受けるが、マルチプレイによって偶発性が担保されていることから、実はそれほど飽きないのではないかとも思う
どのようにプレイしても完全に破綻するほど大きな失敗もないことから、だらだらと続けられるスルメのようなゲームなのかもしれない
手放しで褒めたいのは音楽である。エルデンリングのDLCもそうだったが、音楽が非常に良い
筆者はSteamでノーマル版を購入したのだが、サウンドトラックのついたデラックス版を購入すべきだったと少しだけ後悔している
またオンラインマルチプレイであるにも関わらず、他プレイヤーが瞬間移動したり大きく位置ズレして見えたりなどがないのは驚きである
マッチングも“追憶”が絡まない限りは現時点でほぼ待ち時間無しにマッチングされる。発売直後からオンライン周りがこれほど快適なゲームもそうはない
※Duskbloodsに向けてネットコードを改良したのだろうか
総評
ナイトレインはシングルRPGとマルチプレイゲームを洗練された方法で融合させた高水準の作品である
フロムソフトウェアのお家芸である「用意された素材で新しいものを創造する」が存分に発揮された作品であり、その器用仕事的な手法や思想が受け継がれていることを証明する作品でもある
すでに定石が出来上がりつつあるようにゲーム自体は至極シンプルである。その素っ気なさすら感じさせるシンプルさは狙って生みだされたものであろう
千変万化する複雑なマルチプレイゲームを作るにはリソースが足りない。だったらゲームそのものは限りなくシンプルにし、偶発性はマルチプレイのプレイヤーに一任してしまえ
その割り切りがナイトレインの奇妙な中毒性を生みだしているように思う
ただし筆者にはトロコンを目指したり遺物掘りをするモチベーションはない。8体のボスを倒すのは楽しかったが、実のところキャラクターやストーリーには惹かれるものがなかった
これはキャラクターやストーリーが悪かったというのではなく、やはりソウルシリーズやエルデンリングにあったような“大きな謎”がなかったのが筆者の興味に合わなかったようである
なお追憶を進めるためソロで何度かプレイしてみたが、筆者的にはソロはちょっと遠慮したいレベルで辛い。難易度的なものもあるが内容的にも飽きる
追憶をこなしていけばキャラクターに愛着が湧くのかなとも思うが、マルチプレイゲームとして一番おいしいところだけ味わって終わるのが良さそうである
あえて点数を付けるのなら「86点」である
こんにちは
返信削除いつもブログを楽しく見ています
今回の記事も、僕が感じていた窮屈さみたいなものがうまく言葉になっていて勝手に納得しました
ナイトレイン、自分はラスボスを残しているのですが、そこで各キャラのストーリーにはまってしまいました。なんというか、何もない時にその空白を埋めるにはいいゲームだなと個人的には思います
話は変わりますが、今回コメントさせて頂いたのは、「Clair Obscur: Expedition 33」というゲームの考察をやっていただけないかと思ったからです。
個人的には、あのゲームの物語構造はフロム作品に、特にブラッドボーンに似ているところがあると思っています。
ブラボに関して言えば、「楽しい戦闘システムにハマったプレイヤー(血に酔った狩人)には、相応しい結末がある」ように、メタ的な構造がうまくゲームに落とし込まれているのが似ていると感じます。
すべてを把握した後に、ふと現実さえもこのゲームのエンタメの装置に過ぎないと気づくのです。ペルソナ5あたりにも同じことが言えるかもしれません。
私は、「Clair Obscur: Expedition 33」のストーリーに違和感があり、自分なりの正解を導き出しましたが、なかなか自信が持てません。
もし、あなたがこのコメントを読んでかつこのゲームに興味が湧き、そしてあなたの好奇心に叶うようだったなら考察をお願いしたいです。
すいません、稚拙な文章で。当然ですが、1コメントの言っていることなので、スルーしてくださって大丈夫です。
最後に
あなたの考察を読んだ後だと、他の考察に面白みを感じられなくなってしまうくらい、あなたの記事には惹かれます。
これからも陰ながら応援しています。