ラダーンの痩せ馬とは星砕きの追憶に登場する痩せ馬のことである
星砕きの追憶
赤獅子の将軍は、重力の使い手でもあった
若き日、ラダーンはそれをサリアで修めた
みすぼらしい痩せ馬と、ずっと共にあるために
若き日のラダーンが重力の技を修行したのは、この痩せ馬とずっと共にありたいから、とある
さて、ラダーンの若い頃とは具体的にどのぐらい以前のことなのだろうか
この点についてはエルデンリングの神話を書いたジョージ・R・R・マーティンが発売後のインタビューで「エルデンリングが砕かれてから五千年経った」みたいなことを述べている
この発言にどの程度の信憑性があるのか不明だが、原作者であるからには一定の事実が含まれていると思われる
つまりラダーンの若き頃とは最大に見積もって五千年以上前のことになる
逆に最小に見積もった場合、現時点の前には最初の褪せ人の世代があり、その前には破砕戦争の最後の戦いである「エオニアの戦い」が起きている
戦鬼の鎧
円卓を訪れた、最初の褪せ人たちの一人
狼の戦鬼バルグラムの兜
マリカの子たるデミゴッドたちは、エルデンリングの破片を得
その力に歪み、狂い、破砕戦争を起こし…
王なき戦いの末に
大いなる意志に、見放された
※デミゴッドが大いなる意志に見放された後に、褪せ人に祝福がもたらされた
破砕戦争の期間については不明であるが、不死(あるいは不死に近い)のデミゴッドたちの戦争であるから、神話的ともいえるような長期間であったと思われる
この間に第一次ローデイル防衛戦、第二次ローデイル防衛戦が勃発し、またゲルミアでは破砕戦争で最も凄惨な戦いが起きている
ゲルミア火山は、黄金樹の大地、アルター高原の西にある
破砕戦争で最も凄惨な戦いの舞台となった場所だ(ギデオン)
破砕戦争の直前にはエルデンリングの破砕という決定的な出来事があり、またその前には陰謀の夜が起きている
陰謀の夜の主犯はラニであり、その遺体から判断するに彼女はすでに成人していたと思われる
ラダーンと同じく赤髪、そして足首から先がない |
陰謀の夜から歴史をさらに遡ると、ラダゴンが女王マリカの王配となったという出来事に行き着く
そしてそれ以前の出来事としてようやく、ようやくレナラとラダゴンの子らの誕生というラダーンに関連する歴史が現れる
またラダーンが幼き日にゴッドフレイの姿を眼にしていることから、ゴッドフレイの追放はラダーン誕生後の出来事と推定することができる
ラダーンの獅子鎧
黄金獅子は、最初の王ゴッドフレイと
その宰相の獣、セローシュに由来するという
幼き日、ラダーンは戦王に心奪われたのだ
ゴッドフレイの長征はラダーンの幼き日以後を始まりとし、現在まで続いていたということになる
このように現時点からラダーンの若い頃までには数多の出来事があり、その年数を最小に見積もったとしても、百年単位の過去であると考えるのが妥当であると思う
痩せ馬
要するにラダーンがずっと共にありたかった痩せ馬は百年~五千年を生きているということになる
またムービーの描写を見る限り、痩せ馬は痩せ細ってはいるものの朱い腐敗に侵されていない
つまり痩せ馬はデミゴッドであるラダーンと同じく不死に近いような寿命をもち、またラダーンのように朱い腐敗に侵されることがない存在である
痩せ馬の特徴
・不死(あるいはそれに近いような長寿命)
・朱い腐敗に侵されない
これに近い特徴をもつのが、褪せ人が操る霊馬トレントである
トレントは例え敵の攻撃を受けて倒されても、緋雫の聖杯瓶を使用することで復活することができる(死亡はしている)
またトレントは朱い腐敗に侵されることなくエオニアの沼を駆けていける
ではラダーンの痩せ馬も霊馬なのだろうか
ラダーン戦において痩せ馬はラダーンの攻撃に合わせて消えることがある
このとき痩せ馬は白い粒子のようなエフェクトを出現させて消失する
ラダーンの一連の攻撃が終わると、今度は痩せ馬は地面の下から突然出現する。このときにはトレントと異なり粒子は現れない
トレントとの違いは出現時に白い粒子が出現するか否かである(トレントはやや青白い粒子)
この相違を決定的なものとみるか、あるいはゲームのグラフィック的な制約とみるか、については判断のわかれるところかもしれない
個人的には、痩せ馬は通常の馬ではないが、といってトレントと同じ霊馬でもない、という考えである
セローシュ
では、不死に近く朱い腐敗にも侵されることのない痩せ馬の正体とは何なのであろうか
少し話が変わるが将軍ラダーンの胴鎧に象られているのは「黄金獅子」である
それは幼き日にラダーンが心を奪われたゴッドフレイとその宰相の獣セローシュに由来するという
ラダーンの獅子鎧
黄金獅子は、最初の王ゴッドフレイと
その宰相の獣、セローシュに由来するという
幼き日、ラダーンは戦王に心奪われたのだ
セローシュとは猛き戦士であったゴッドフレイが、王となるを誓ったときに戦意を抑えるために背負った獣である
ゴッドフレイの肖像
ゴッドフレイは、猛き戦士であった
けれど、王となるを誓ったとき
沸々と滾り続ける戦意を抑えるため
宰相の獣、セローシュを背負ったのだ
このセローシュはゴッドフレイ王の長征にも同行し、蛮地で王が死んだ際にも傍らに寄り添っている
ゴッドフレイの腹部には大剣が突き刺さっており、その胸の前に祝福の導きの光が見えていることから、王は死んでいると思われる
ゴッドフレイが狭間の地に戻るのは、死んだ後のこととされているからである
そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう
狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい
死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ(マリカの言霊)
宰相の獣
宰相の獣とは、王となるを誓う者に取り憑き、その精神にある余計な感情を抑制し、対象をより王に相応しい、言い換えれば制御しやすい存在にする洗脳装置のことである
ゴッドフレイの肖像
ゴッドフレイは、猛き戦士であった
けれど、王となるを誓ったとき
沸々と滾り続ける戦意を抑えるため
宰相の獣、セローシュを背負ったのだ
この装置は恐らく黄金律勢力(二本指、ラダゴン)から直接的に送り込まれてきたものである(影従の獣と同じく)
宰相の獣が機能するためには条件がある。王となるを誓った者に憑依することである(背負われたり乗られたり)
これにより宰相の獣は王の精神のうちにある王に相応しくない感情を抑制し、王を万民を統治するに有益な統治機構にすることが可能となる
簡単にいえば王に取り憑いて、都合の良いように操っているのである。誰にとって都合が良いかと言えば、黄金律勢力(二本指やラダゴン)である
王による安定した統治は、黄金律勢力の最も求めるところである。つまり黄金律勢力は王を制御したいという強力な動機をもっているのである
ゴッドフレイの体力を半分ほど削るとムービーが挿入される。その映像のなかでセローシュは実体化して、褪せ人に歩み寄ろうとする。そのセローシュを殺害することでゴッドフレイは猛き戦士に戻る
この時セローシュが褪せ人に歩み寄ろうとしたのは、褪せ人を殺そうとしたのではない
褪せ人に取り憑くことで褪せ人の戦意を抑制しゴッドフレイに殺させるか、あるいは褪せ人がゴッドフレイを殺した場合には、次の都合の良い王に仕立て上げようとしたのである
だが、それはゴッドフレイにより妨害された
ゴッドフレイが自らに取り憑いたセローシュを排除するタイミングは、セローシュが憑依を解除したこの時しかなかったからである
宰相の獣を背負っているかぎり沸々と滾り続ける戦意は抑制されているはずである。よって宰相の獣を殺害するという発想すら出てこない
だがセローシュが憑依を解除した瞬間に、ゴッドフレイは滾る戦意を抑えきれなくなったのである
痩せ馬
かなり話がそれたが、ゴッドフレイにおけるセローシュこそラダーンにおける痩せ馬である
痩せ馬のたてがみは赤い。それはラダーンと同じ赤髪である。これはラダーンに憑依したことで痩せ馬が影響を受けたのと思われる
というのも、黄金獅子と呼ばれたセローシュは、蛮地においてはゴッドフレイ(ホーラ・ルー)と同じ白髪になっているからである
※憑依対象の影響を受けるのかもしれない
またゴッドフレイがセローシュを背負うことで王に相応しい人格を得たように、ラダーンは痩せ馬と共にあるため重力の力を修め、それはサリアを救うに至った
しかしながら、星砕きという功績はこの英雄譚の一側面を示しているにすぎない
ラダーンの星砕きはサリアを救うだけではなく、星を封印し、同時にラニの運命をも封じてしまっているからである
貴公、よく聞いてください。カーリア王家の運命は、星によって動きます
カーリア王家正統の王女たるラニ様の、運命もまた同じはずです
そして、将軍ラダーンは星砕きの英雄
かつて流れる星に立ち向かい、打ち砕いたとき、星の動きは封じられた…
であれば、将軍ラダーンが死するとき、星はまた動き出します
きっとラニ様の運命も(イジー)
ラニの運命を封じることで最も得するものといえば、黄金樹による統治を完全なものとしたい黄金律勢力であろう(マリカについてはまた別の思惑があると思われる)
つまりラダーンの「痩せ馬と共にありたい」という美談の裏には、黄金律勢力による巧みな洗脳工作があったのである
痩せ馬は不死もしくは不死に近い寿命をもち、朱い腐敗にすら侵されることがない。これは生命体としてはラダーンよりも格上である
にもかかわらず、ラダーンはその痩せ馬の外見に惑わされて、痩せ馬のために重力を修めるに至ったのである
ラダーンは知らず知らずのうちに痩せ馬に操られ、ついに妹の運命を封じることになり、世界は黄金律勢力の求める方向に動くしかなくなったのである
それはつまり、大ルーンを使いエルデンリングを修復し、黄金の律を復活させることである
※サリアに星が落とされたのも、サリアを滅ぼすことが目的なのではなく、ラダーンに星を封じさせ、ラニの運命を封じることが目的であったと考えられる
狼と宰相の獣
宰相の獣とは、王候補に憑依し、より王に相応しい存在とする洗脳装置であると上記で述べた
現存するデミゴッドのうち、ラニ、マレニア、ミケラ(可能性として)は神人であり、その行く末は神となることである
では神とならないデミゴッドは何になるのかというと、「王」になるのである
デミゴッド、我が愛し子たちよ
お前たちはもう、何者にもなれる。王であれ、神であれ
そして、何者にもなれぬ時、お前たちは見棄てられる
…そして贄となるのだ(マリカの言霊)
その意味でデミゴッド最大の英雄であるラダーンは最も王に近い存在であった。そのラダーンに対して差し向けられたのが痩せ馬である
星からサリアを救ったことからもわかるように、ラダーンは善王たる資質をもつ英雄である
弱者を救い、民のために自らの生命を賭すこともいとわない、善王である
そんな希代の英雄に最も効果的な「宰相の獣」は何かと考えたのならば、みすぼらしく哀れで、今にも力尽きそうな獣、すなわち「痩せ馬」になるのかもしれない(助けずにはいられない)
神(神人)には影として狼を遣わし、王(王候補)には宰相の獣を遣わして、黄金律の都合の良いように操る。それが黄金律に連なる者たち(二本指やラダゴン)のやり口なのである
ラニ
このことに気付いていたのがラニである(恐らくマリカも)
彼女は黄金律勢力による洗脳と操作から脱するために肉体のみを殺し、元凶である二本指を殺すために指殺しの刃を求めたのである(神人の場合、直接の元凶は二本指)
だから、私はブライヴを授かった。神人の特別な従者としてな
…そして私は、二本指を拒んだ
死のルーンを盗み、神人たる自らの身体を殺し、棄ててでも
私は、あんなものに操られたくはなかったのだ
…それ以来、私と二本指は、お互いを呪っている
災いの影とは、あやつの刺客なのだよ(魔女ラニ)
指殺しの刃
運命なき者には振るうことはできず
大いなる意志と、その使いたちを
傷つけることできるという
運命は黄金律によって縛り付けられている
それはすなわちデミゴッドや狭間の生命は例外なく、黄金律によって操られていることを示唆しているのかもしれない
琥珀の星光
星光が運命を司るとすれば
琥珀色のそれは、神々の運命であるとされ
特別な精薬の材料となる
遠眼鏡
黄金樹の時代、カーリアの星見は廃れていった
夜空にあった運命は、黄金の律に縛られたのだ
恐らくマリカもこのこと(生命の傀儡化)に気付いていた
それ故に彼女は自分の王であるゴッドフレイを追放という名目のもと、狭間の地から脱出させたのである
死することで黄金律の支配から脱し、帰還した後にエルデンリングによって新たな律を掲げること。それがマリカの深謀だったのかもしれない
※大いなる意志はマリカと黄金律との対立に関しては中立だったと思われる。マリカが真に対立していたのは、二本指やラダゴン、エルデの獣を中心とする黄金樹の律であり、より限定すればラダゴンの黄金律原理主義だったのかもしれない
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