2023年2月14日火曜日

エルデンリング考察38 ゴッドフレイ王の長征

ゴッドフレイ王の長征とは、ゴッドフレイ王が褪せ人を率いて行なった征服戦争のことである


ゴッドフレイの王斧

エルデの王、ゴッドフレイの得物

褪せ人を率いた長征の戦いにより、半壊している


 

長征の時期

長征はゴッドフレイの瞳が色褪せた後に行なわれた


我が王よ、王の戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う

そして、その瞳が色褪せるとき、狭間の地を追放する

外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい(マリカの言霊)


それはゴッドフレイの好敵手がいなくなった後のことである


エルデ王の冠

最初のエルデの王、ゴッドフレイの王冠


巨人戦争、嵐の王との一騎打ち…

そして、好敵手がいなくなった時

王の瞳は色褪せたという


またそれはケイリッド侵攻後であると推定される


ゴッドフレイ王の戦、最後の地

黄金の軍勢は止まることなく勝ち続け

だが祝福は失われ、色褪せた(ケイリッドの剣の碑)


この時期の以前、将軍ラダーンはすでに生まれていた。長征以前のゴッドフレイの姿を目にしているからである


ラダーンの獅子鎧

黄金獅子は、最初の王ゴッドフレイ

その宰相の獣、セローシュに由来するという

幼き日、ラダーンは戦王に心奪われたのだ


※ゴッドフレイ追放後、逸話なり伝説を聞いて心奪われたという可能性も捨てきれないが



長征の手段

ゴッドフレイ王の軍勢が狭間を離れた方法については、わずかに錆び付いた錨が伝えている


錆び付いた錨

かつて褪せ人が、王と共に狭間を離れた時

一隻の船が、取り残されてしまったという


※錆び付いた猫と読み間違う


これによると、ゴッドフレイ王とその戦士たちは船に乗って狭間の地を後にしたと考えられる


狭間の地外の世界によって隔てられていることは、黄金樹の種子(贈り物)にもほのめかされている


黄金の種子

狭間から流れ着いた黄金の種子

それは聖杯を鍛えるという


ただし褪せ人たちが狭間に戻ってくる際にはを越えていかねばならない


霧の彼方に向かい、狭間の地に至り

エルデンリングに見えよ

そして、エルデの王となるがよい(オープニング)


ゴッドフレイの軍勢海上の霧を越えて外の世界に至ったのか、それとも海を渡るだけで外の世界に至ったのかは明らかでない



出発地点

出発地点の候補としてはゴッドフレイ王の戦、最後の地と呼ばれるケイリッドが第一に挙げられる


ゴッドフレイ王の戦、最後の地

黄金の軍勢は止まることなく勝ち続け

だが祝福は失われ、色褪せた(ケイリッドの剣の碑


慟哭砂丘からは座礁した大型船の姿が確認できる



第二候補としては啜り泣き半島が挙げられる。というのも、錆び付いた錨は啜り泣きの半島のモーン坑道にあったからである


錆び付いた錨

かつて褪せ人が、王と共に狭間を離れた時

一隻の船が、取り残されてしまったという


また啜り泣きの半島の浜辺からは座礁した何隻もの大型船が確認できる


雨なのでちょっと見えにくいが


ただし啜り泣きの半島については、ケイリッドから出港した後に難破して漂着したという可能性も考えられる


啜り泣きの半島の浜辺に群れをなす亡者たちは、取り残されたゴッドフレイの戦士たちのなれの果てなのかもしれない




長征先

次に侵略先となった狭間の外の地とはどのような世界なのかを考えてみたい


狭間の外への言及はきわめて乏しい。以下の五ヶ所がその主たるものである


1.稀人の地

2.葦の地

3.蛮地

4.褪せ人たちの故郷

5.その他


1.稀人の地

稀人の地マリカの槌稀人のルーン、そしてキャラメイク時の「稀人顔」に登場している


マリカの槌

狭間の外稀人の地で作られたという石鎚

女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし

ラダゴンが、それを修復しようとした得物


稀人のルーン

稀人は、かつて狭間の外からやってきた

女王マリカの同族であるという


稀人顔

異界の民の末裔とされる、稀人の外見

皆長命であるが、産まれる者はごく少ない


キャラメイク時に稀人顔を選べるということは、褪せ人のなかに稀人がいた、ということなのかもしれないし、あるいは人種ではなく外見なので、単に稀人に似ているだけかもしれない


前者の場合、追放された褪せ人の中に稀人が混じっていたとも、長征先稀人の地があったとも考えられる


ただし稀人の地が「異界」と表現されていることから、長征先に稀人の地があった可能性は低いように思う


2.葦の地

葦の地への言及は比較的多く、和風武具の数々やユラ、エレオノーラ、シャブリリなどの装備品にも触れられている


葦の地の兜

鉄片を繋ぎ合わせ作られた兜

葦の地の戦士の装束


文化的な断絶が長く続いたその地では

悲惨な内戦が、ずっと続いているという

故に皆、血生臭い狂気を孕むのだと


葦の地の鎧

鉄片を繋ぎ合わせ作られた胴鎧

葦の地の戦士の装束


薄汚れた、枯れた植物の外套は

故郷ので編まれている

あるいは、偲ぶ思いも残っていようか


十文字薙刀

狭間の外葦の地独特の武器であり

斬撃を交えた槍術で知られる


脇差

刃文の浮かぶ、鍛えられた刃を持つ短剣

葦の地の侍たちの独特の得物

出血の状態異常効果がある


屍山血河

葦の地の大剣客、「翁」の得物

数え切れぬ人を斬った呪刀


エレオノーラの双薙刀

葦の地で鍛えられた双薙刀

純紫の血指、エレオノーラの得物


鉄の編み笠

シャブリリと名乗った男の鉄笠

葦の地の編み笠に似せて、作られたもの


葦の地顔

隔絶した異国、葦の民の外見

その地は、とても血生臭い


隔絶した異国とされる葦の地にゴッドフレイの軍勢が到達したかは分からない


稀人の中に葦の地顔の者がいることから、ゴッドフレイ王の長征先となった可能性もある


ただしゴッドフレイが蛮地で死んだ後に褪せ人の残党葦の地に向かったとも考えられる(その末裔が主人公として選択できる素性)



3.蛮地

蛮地ホーラ・ルー(ゴッドフレイ)に関連する土地である


勇者の肉塊

蛮地では最高のご馳走とされ

特に勇者だけに振舞われる


グレートアクス

鉄塊のように巨大な斧

大斧は、蛮地の王の得物として知られる


勇者の頭環

蛮地にて勇者にのみ許される頭環

多くの敵を屠った証


そして勇者は、余分なものは纏わない

彼らの王、ホーラ・ルーのように


勇者

戦斧を振るう屈強な勇者

蛮地の王の末裔とされる


狭間の外にある褪せ人の最大のコミュニティは蛮地のそれであろう


素性で「勇者」を選んだ者は、蛮地の王の末裔となる



4.褪せ人たちの故郷

この他に、オープニングにおいて褪せ人たち祝福を受けた場所なども狭間の外であると考えられる


ギデオンの棺を覗き込んでいる種族は狭間の地の亜人のようにも見えるが、特徴的なクチバシのようなものがあることから、異人種であると思われる




フィアの故郷については彼女自身が少し語っている


故郷では、私は死衾の乙女と呼ばれていました

数多英雄の温もり、生きる力をこの身に宿した後

貴い方の遺体と同衾し、再びの偉大な生を与える

私は、そのための存在だったのです

…けれど私は、貴い方が再びの生を得る前に

祝福により目覚め…、故郷を追われました(フィア)





金仮面

金仮面卿毒をあおったのも狭間の外であると思われる。そこで彼は大学者であり、やがて来たる祝福の導きを正確に予見したという


私は、円卓を離れることに決めました

金仮面卿と呼ばれる大学者様を探し、教えを乞うつもりです(聖職者コリン)




糞喰いが生きていたのは、ゴシックの大聖堂が建つような都市である


糞喰いの背後にある建物が大聖堂


周辺の家並みは聖堂よりもやや新しい建築スタイルのように見える。現実世界の時代に当てはめるのなら、中世あたりだろう


絞首台の脇にいる人物の尖りフード異端審問官、もしくは修道士風である


名も無き褪せ人たち遺体が収容されていたのがマリカ像の立つ霊廟であろう




5.その他

その他に、どこと特定できるわけではないが、二本指の教えを伝える教会の建つ土地がある


密使のフード

狭間の外二本指の教えを伝える教会

密使たちを祝福の導きに送り出す


また、狭間の地を探し海原を彷徨ったという船乗りたちの土地があることも推定される


船乗り顔

故郷たる狭間の地を探し

海原を彷徨った船乗りたちの外見


狭間の外に含めて良いか分からないが、狭間の地とは異なる世界の一つに「霊界」がある


ヘルフェンの尖塔

霊界において死者の道標となる灯火の樹

ヘルフェンの黒い尖塔を模した大剣



霧と海

さて、これら狭間の外狭間の地を隔てるのは「」である


霧の彼方に向かい、狭間の地に至り

エルデンリングに見えよ

そして、エルデの王となるがよい(オープニング)


また船乗りたちは、狭間の地外の世界のあいだには大海原があると信じていたようである


この点については贈り物の「黄金の種子」が外の世界に流れ着いていることから一定の真実は含まれているようである


黄金の種子

狭間から流れ着いた黄金の種子

それは聖杯を鍛えるという


また上述したように、かつて褪せ人が王と共に狭間を離れた際には船を利用したことが錆び付いた錨のテキストにある


錆び付いた錨

かつて褪せ人が、王と共に狭間を離れた時

一隻の船が、取り残されてしまったという


これを読む限り、狭間の地から外の世界へ出るには海を渡る必要があったと考えられる


そのに外の世界と狭間とを隔てるがあったのかは分からない



長征の始まり

以上のことから、ゴッドフレイ王とその戦士たちは、ケイリッド(もしくは啜り泣きの半島)から船に乗って出陣したと考えられる


錆び付いた錨

かつて褪せ人が、王と共に狭間を離れた時

一隻の船が、取り残されてしまったという


ホーラ・ルーの追憶

最初のエルデの王、ゴッドフレイは

ある時祝福を奪われ、褪せ人となり

同じ者たちを連れ、狭間の地を離れた


ゴッドフレイの王斧

エルデの王、ゴッドフレイの得物

褪せ人を率いた長征の戦いにより、半壊している


その後ゴッドフレイ王の軍勢を渡って外の世界接触を果たす


その接触は友好的なものではなく「長征」の名にふさわしい征服戦争であった


これを外の世界から見ると、あるとき突然に船に乗った軍勢がやって来て略奪を始めた、ということになる


このイメージはヴァイキングのそれと重なるものである


ゴッドフレイが斧を得物としていたことも、ヴァイキング的な特徴とみることもできる


※正しくはヴァイキングというよりもノルマン人と呼んだ方が良いかもしれない。より分かりやすくいうと『ヴィンランド・サガ』(マンガ)


ただし狭間の地沖合に見られる座礁船はノルマン人の使うロングシップではなく、より時代の進んだガレオン船(16世紀頃?)のように見える


地図に描かれている大型の帆船(ガレオン船)

ホーラ・ルー

さて、この長征により新たな領地を得たゴッドフレイは蛮地の王ホーラ・ルーと呼ばれるようになった


ホーラ・ルー大斧を振るい、そして余分なものを何も纏わなかった


グレートアクス

鉄塊のように巨大な斧

大斧は、蛮地の王の得物として知られる


勇者の頭環

蛮地にて勇者にのみ許される頭環

多くの敵を屠った証


そして勇者は、余分なものは纏わない

彼らの王、ホーラ・ルーのように


こうした習俗を糞喰いを吊るしていたような都市から評するのなら、「野蛮」のひと言になろう


つまるところ野蛮人の土地ゆえに「蛮地」と呼ばれるのである


だが、ゴッドフレイ常軌を逸したようにみえる行動の裏には、マリカから命じられた使命があった。それは外に戦いを求め、生き、そして死ぬことである


我が王よ、王の戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う

そして、その瞳が色褪せるとき、狭間の地を追放する

外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい(マリカの言霊)


オープニングにおいて、ゴッドフレイほどの戦士殺されていることに、やや違和感を覚えた人もいるだろう


しかしゴッドフレイはそもそも勝って生き残ろうとは考えていなかったのである。彼が求めたのは戦いに生き、そして死ぬことである


ゆえに彼は戦士としての体裁すら保とうとせず、鎧を脱ぎ捨て半裸となり、自らを死地に追い込んでいったのである


その結果としてオープニングに描かれているように、ゴッドフレイは死ぬことができたのである


彼がそうまでして戦い、生き、死のうとしてのは、再び狭間の地に戻りエルデンリングを掲げるためである


そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう

狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい

死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ(マリカの言霊)


ゴッドフレイは決して野蛮だったわけでも狂ったわけでもない。それは蛮地の王である彼に宰相の獣が寄り添っていることからもうかがえる


ゴッドフレイの肖像

ゴッドフレイは、猛き戦士であった

けれど、王となるを誓ったとき

沸々と滾り続ける戦意を抑えるため

宰相の獣、セローシュを背負ったのだ


ゴッドフレイは蛮地の王であった時も戦意を抑え、栄光あるエルデの王であろうとしていたのである


戦い、生き、死と共に強くなり、狭間に帰還し、エルデンリングを掲げること。それが狭間を追放される前からのゴッドフレイの使命であり、長征の目的であった


彼は徹頭徹尾どのような状況であっても理性的であり、目的を達成する最短かつ苛烈なルートを選択していったのである



猛き戦士ゴッドフレイ

いわばマリカとの共犯関係にあったゴッドフレイが、初めて理性ではなく感情で動いたのが、廃都ローデイルにおける褪せ人との戦いである


ゴッドフレイは褪せ人の持つ大ルーンを求め、として戦いを挑む。大ルーンを奪うことでしかエルデンリングは修復できないからである


それは再び王たらんとするゴッドフレイと神であるマリカ宿願であり、また大いなる意志求めるところでもあった


これはムービー中モーゴッドの遺体から出現した祝福の導き褪せ人に向かうことで表わされている




だが、褪せ人強さに炙られたゴッドフレイは、ついに王たることを捨て只の戦士に戻る(その直前にモーゴッドの死を看取ったことも影響していたかもしれない)


ホーラ・ルーの追憶

最初のエルデの王、ゴッドフレイは

ある時祝福を奪われ、褪せ人となり

同じ者たちを連れ、狭間の地を離れた


褪せ人の長征。そのに彼は

王たるを捨て、只の戦士に戻ったのだ


ゴッドフレイはであることよりも戦士であること選んだのである。それはエルデの王となるという誓いを破ることであった


ゴッドフレイの肖像

ゴッドフレイは、猛き戦士であった

けれど、王となるを誓ったとき

沸々と滾り続ける戦意を抑えるため

宰相の獣、セローシュを背負ったのだ


もし仮にゴッドフレイが褪せ人に勝利し大ルーンを手にしたとしても、彼が再び王座についたかは疑問である


なぜならば、王となるを誓った際に背負ったセローシュを殺したということは、王となる誓いそのものを破ったに等しいからである


おそらく戦意を抑えきれないゴッドフレイは、エルデの王ではなく猛き戦士として生きる道を選んだのではなかろうか


セローシュを捨てたゴッドフレイはもはやエルデの王には戻れないのである


ゴッドフレイ王の長征はその計画当初から外の世界で死に狭間の地に戻ってくるところまでを想定されていた


その長征の終わりは外の世界の蛮地ではなく、狭間の地黄金樹の麓王都ローデイル玉座なのである


ホーラ・ルーの追憶

褪せ人の長征その末に彼は

王たるを捨て、只の戦士に戻ったのだ



0 件のコメント:

コメントを投稿