当初はDLCについて書いていたのだが、どうしてもネガティブな論調になってしまうので断念した
ネガティブといってもミケラダーンが強すぎるとか理不尽だとかということではない
ボスとしてのミケラダーンはむしろ高評価である。しかしながらDLCのラスボスに据えるには、ボスとしての格が足りなかったのではないかという話である
参考までにYoutubeの動画に採用できなかった没動画である
岩石弾からの幻影攻撃をしてこなかったので没となった。見てもらえばわかるように筆者はボスとしてのミケラダーンを理不尽だとも強すぎるとも思っていない
さて本題にはいる
陰謀の夜
陰謀の夜に深く関与したと思われるキャラクターと役割と目的、そして結果を提示する。根拠については後で述べる
マリカ
- 役割:ラニが死のルーンを盗み出すのを黙認。あるいは共謀。
- 目的:神殺しのために運命の死を解放したかった
- 結果:長子ゴッドウィンの魂を殺される
ラニ
- 役割:死のルーンの強奪を主導。黒き刃に死のルーンの力を宿す
- 目的:神人たる自らの「肉体」を殺害。黄金律の支配から脱し夜の律を打ち立てようとした
- 結果:神人の肉体を棄て、人形の体に宿ることには成功
ミケラ
- 役割:黒き刃を魅了し、ゴッドウィンの「魂」を殺させた
- 目的:ラダーンが宿るための「王の依り代」が欲しかった
- 結果:ゴッドウィンの魂を殺害することには成功したものの、ゴッドウィンの肉体は不完全な死の状態に陥り、死王子となってしまう
黒き刃
- 役割:黒き刃をもって神を殺す(はずだった)
- 目的:同族であるマリカの密命「神殺し」を果たす(はずだった)
- 結果:ミケラに魅了されゴッドウィンの魂を暗殺するに至る
以上が「陰謀の夜」における主要なキャラクターである。続けて各キャラクターの深掘りをしていきたい
マリカの陰謀
- 役割:ラニが死のルーンを盗み出すのを黙認。あるいは共謀。
- 目的:神殺しのために運命の死を解放したかった
- 結果:長子ゴッドウィンの魂を殺される
マリカが陰謀の夜に関与したことは「黒き剣の追憶」に記されている
黒き剣の追憶
マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった
マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み
後にそれを裏切ったのだ
運命の死の封印を望み“後にそれを裏切った”とあることから、ラニによる運命の死の強奪に何らかの形で関わったという可能性が高い
単にラニの陰謀を黙認しただけ、とも考えられるし、あるいはもっと積極的に関与したことも考えられる
マリカが神を殺そうとしていたことを考えると、後者よりであると思われる
鍛冶師ヒューグ
…儂の武器で、神を殺してくれ
それが儂の、生きたすべて
そして、女王マリカとの誓約なのだ
エルデンリングでは半神であるデミゴッドと神とは明確に区別されている。倒した際に「GOD SLAIN」と表示されるのは、エルデの獣とミケラの王、ラダーンだけである
鍛冶師ヒューグ
デミゴッドたち、そして神に、挑み、殺す
あんたがそれを貫くのなら、儂はあんたの武器を打つ
打ちたいんだ。あんたが、神を殺すための武器を
そしてマリカが活動していた時代に神であったのはエルデの獣だけである。つまりマリカはエルデの獣を殺そうという意志を持っていた
またエルデンリングの幻視を宿したマリカも「神」と言われていることから、神殺しはマリカの肉体を含めたものであるとも考えられる
指読みエンヤ
女王マリカは、エルデンリングの宿主、その幻視を宿す者
すなわち神さね
そしてエルデンリングとはエルデの獣が変態したものである
エルデの流星
かつて、大いなる意志は
黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り
それが、エルデンリングになったという
よってマリカの陰謀において、そもそもエルデンリングは初めから破壊される計画だったと考えられるのである
陰謀の夜におけるマリカの陰謀とは、運命の死を宿した黒き刃をもって自らの肉体に宿るエルデの獣を殺害することだった
そのためには、エルデンリングを宿す幻視の器たる自らの肉体と、エルデの獣自身でもあるエルデンリングの破壊が必然的に伴う
つまりマリカの陰謀とは、神(エルデの獣)を殺すための神(マリカ)の自殺である
※ゴッドウィンのようにエルデの獣の魂のみを殺害しようとした、という仮説も立てられるが、本論ではよりシンプルな説を選択した
陰謀の夜の後
その後の計画についてはマリカの言霊に詳しい
第三マリカ教会
我が王よ、王の戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う
そして、その瞳が色褪せるとき、狭間の地を追放する
外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい
巡礼教会
そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう
狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい
死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ
外廓の戦場跡
デミゴッド、我が愛し子たちよ
お前たちはもう、何者にもなれる。王であれ、神であれ
そして、何者にもなれぬ時、お前たちは見棄てられる
…そして贄となるのだ
マリカは褪せ人を一度は追放するが、しかし狭間の地に帰還した後にエルデンリングを掲げよと命じている
またデミゴッドたちには、「何者にもなれる。王であれ、神であれ」と言い渡し、何者にもなれぬ時は、お前たちは見棄てられ、贄となる、と通告している
つまりマリカは陰謀の夜以前の時点で次代の神を争う破砕戦争と、褪せ人の帰還を予測しているのである
ここで重要になるのがマリカの言霊(外廓の戦場跡)がどのタイミングで発せられたかについてであろう
エルデンリングを砕いた後にマリカは黄金樹内部に囚われていること、またエルデンリングを砕いた後の崩れかけたマリカの姿を誰も見ていないことからも、砕く前であったと推定できる
指読みエンヤ
けれど彼女は、エルデンリングが砕けた後、黄金樹に囚われておる
神として、律の砕け、その大過の罰としてね
オープニング
偉大なるエルデンリングは砕けた
霧の彼方、我らの故郷、狭間の地で
永遠の女王マリカは隠れ
黒き刃の陰謀の夜、黄金のゴッドウィンが最初に死んだ
しかしマリカの陰謀はラニとミケラによって大きく歪められることとなる
当初の予定では、運命の死を宿した黒き刃によって幻視の器たるマリカ自身とその内に宿るエルデの獣を殺す予定であった(必然的にエルデンリングの破壊を伴う)
その後、破壊されたエルデンリングを修復し、王あるいは神となったデミゴッドもしくは褪せ人が次の時代を創ることになる(はずだった)
ところが“ラニとミケラの陰謀”が干渉したことで、暗殺のターゲットがラニの肉体とゴッドウィンの魂に変更され、マリカの陰謀はその最大の目的を果たせぬまま潰えることとなる
マリカの陰謀のポイントは3つあった
- 運命の死を解放し、それを黒き刃に宿すこと
- 黒き刃で神(エルデの獣)を殺すこと
- その際エルデンリングとマリカの肉体は破壊されること
このうち、1は実現できたもののラニとミケラの陰謀のために暗殺対象が変更されてしまった。それに伴って2は実行不可能となった
この時点でマリカに可能だったのは3だけである。だがこの展開さえもマリカは予想していたように思う
上述したように、マリカはエルデンリングを砕いた後の世界について言及しているからである
マリカはエルデンリングが砕かれた後、デミゴッドが王や神になる可能性があることや、褪せ人が帰還してエルデンリングを修復して掲げることも視野に入れていた
また鍛冶師ヒューグとの神殺しの武器を作る誓約も結んだままである
よってマリカは狂ったのでも絶望したのでもなく、神殺しに失敗した際の最終手段、フェイルセーフとしてエルデンリングを砕いたのであろう
自らの肉体とエルデンリングを砕いたとしても神を殺すことはできない。だがエルデの獣ならびにラダゴンの活動を停滞させることはできるからである
結果としてデミゴッドたちは破砕戦争を引き起こし、膠着状態に陥ったものの、やがて褪せ人が帰還して運命の死を解放、エルデの獣を殺し、エルデンリングを修復して新たな時代を開くことになる(エンディングにもよるが)
陰謀の夜におけるマリカの陰謀はその重要な部分はほとんどが失敗に終わったが、最終的に彼女の目的は果たされたのである
ラニの陰謀
- 役割:死のルーンの強奪を主導。黒き刃に死のルーンの力を宿す
- 目的:神人たる自らの「肉体」を殺害。黄金律の支配から脱し夜の律を打ち立てようとした
- 結果:神人の肉体を棄て、人形の体に宿ることには成功したものの、夜の律を確立するには不十分だった
陰謀の夜において最大の利益を享受したのがラニであろう。彼女「神人の肉体を棄てる」という陰謀の夜における主な目的を達成している
しかしそれはラニの夜の律計画において成就半ばといったところでしかない
というのもマヌス・セリスの大教会にいる二本指を殺さぬ限り、その支配から完全に脱したとは言えないからである
そのためには指殺しの刃が必要となるが、星を打ち砕いたラダーンが生き続ける限りラニの運命は動かず、ノクローンの秘宝を手にすることができない
指殺しの刃
永遠の都、ノクローンの秘宝
遺体から生まれたとされる刃
永遠の都の大逆の証であり
その滅びを象徴する、血濡れた呪物
運命なき者には振るうことはできず
大いなる意志と、その使いたちを
傷つけることできるという
軍師イジー
貴公、よく聞いてください。カーリア王家の運命は、星によって動きます
カーリア王家正統の王女たるラニ様の、運命もまた同じはずです
そして、将軍ラダーンは星砕きの英雄
かつて流れる星に立ち向かい、打ち砕いたとき、星の動きは封じられた…
であれば、将軍ラダーンが死するとき、星はまた動き出します
ラダーンが腐敗に侵されたまま砂浜を放浪し続ける限り、ラニは指殺しの刃を手に入れられず、結果的に夜の律を確立することができない
褪せ人というイレギュラーな存在が登場しなければ、結局はラニの陰謀も失敗に終わったことになる
さて、ラニの最終的な目標が夜の律を確立することであるとしたら、ラニはマリカの陰謀を妨害しなければならない
なぜならばマリカの目的が完全に成就してしまうと、確固とした黄金律が完成してしまうからである
夜の律を目的とするラニとしては、マリカの陰謀は絶対に阻止しなければならない
つまりラニはマリカの陰謀に沿うように行動しているように見えて、その実は裏切っていたことになるのであり、またマリカの側もエルデンリングを砕くという意表を突く行動によりラニの運命を拘束せしめることとなった
発売前のストーリートレーラーで「女王マリカは、狂ったのだろう」とラニが語っているが、ここには苦し紛れのマリカの逆襲にしてやられたことの自嘲も含まれていたのかもしれない
ストーリートレーラー
死のルーンが盗まれ
黄金のゴッドウィンが
デミゴッド最初の死者となったとき
…女王マリカは、狂ったのだろう
反対にミケラとは一定の協力関係があったと考えられる。というのもトレントの古い主であるミケラから霊喚びの鈴を託されているからである
霊馬の指笛
柔らかな金の指輪。指笛として使用する
魔女ラニ
…ああ、よい答えだ
お前に、預かりものがあってな
トレントの古い主が、私に託したものだ
またラニとミケラは利害も一致している。ラニは自らの肉体を殺したいと望み、ミケラはゴッドウィンの魂を殺したいと望んでいるからである
ラニが黒き刃(武器)に運命の死を宿し、ミケラが黒き刃(暗殺者)を魅了して、それぞれの望みを叶える、というのがラニとミケラの陰謀だった
結果的にラニは目的を達成したものの、最終目的の成就には褪せ人の登場を待たねばならなくなった(ラニエンディング)
ミケラの陰謀
無数の陰謀が複雑に絡みあい、心理戦の果てに世界を膠着状態に陥らせた陰謀の夜。ただでさえややこしい話に作中で最もややこしいミケラが関わってくる
ミケラ
- 役割:黒き刃を魅了し、ゴッドウィンの魂を殺させた
- 目的:ラダーンの魂が宿る「王の依り代」が欲しかった
- 結果:ゴッドウィンの魂を殺害することには成功したものの、ゴッドウィンの肉体は不完全な死の状態に陥り、死王子となってしまう
ミケラの本質は北欧神話に登場するロキのようなトリックスターである。彼は物事を複雑化し、争いの種となり、最後は世界を崩壊させる切っ掛けとなってしまう
黒き刃がミケラの配下にあることは、典礼街の封印を黒き刃が守っていたことから推察することができる
典礼街の封印にはミケラの紋章が浮き出ている。つまりミケラの聖樹への道はミケラの意志により閉ざされており、その封印を守っているのが黒き刃たちである
要するに黒き刃はミケラの意を受けて典礼街を侵略者から守っていたのである
陰謀の夜において、ミケラは魅了した黒き刃を差し向けてゴッドウィンの魂を殺させた
ラダーンの魂が宿るための王の依り代を手に入れるためである
秘儀の巻物
神の帰還は王により導かれ
王の魂には、依り代が求められる
ラダーンがそのままでミケラの帰還を導く王となれないのは、秘儀の巻物に「王の魂が依り代に入ることが神の帰還の条件」と記されているからとも、ラダーンの肉体がそのままでは神を降ろす依り代に適さず、他の“健全な肉体”を欲していたからとも考えられる
後者においてはラダーンしろがね人説が前提となるが、詳細は長くなるので省略する
基本的に神の依り代(神の帰還を導く)となれるのは坩堝を宿した肉体である
坩堝薄羽のタリスマン
角人たちは、坩堝を神聖視する
その洗練された進化の先に
彼らの角、混じり角があるのだから
神獣の兜
神獣の面を象った、混じり角の兜
選ばれた角の戦士たる、神獣の戦士の装備
それを被る者に神を降ろす
角の戦士の遺灰
塔の守護者たる重装の戦士の霊体
神降ろしにより、人ならぬ膂力を得
大曲剣を振るい、それに角を降ろす
塔では、戦士も、その武器も、依り代なのだ
つまり生来のラダーンの肉体がしろがね人であるために神を降ろす依り代となれず、坩堝を宿すゴッドウィンの肉体が必要だったのであろう
ゴッドウィンの肉体が坩堝を宿していることは、死王子となった彼の遺体が様々な生命の混合体、つまり混種のようになっていることからも明らかであろう
![]() |
死王子の下半身は魚となっている |
いずれにせよ、ミケラにはラダーンの魂を宿す王の依り代が必要だった。その条件に適うのがゴッドウィンだったのであろう
黒き刃を魅了し、ゴッドウィンの魂を殺めることに成功したものの、しかしその肉体は不完全な死を内包し、死に生きる者の王子、死王子となってしまう
死竜の追憶
黄金のゴッドウィンが死王子となった後
古竜は、その友の内で死と戦い続けた
その戦いに勝利はなく、ただ蝕みだけがあった
指読みの老婆
…ゴッドウィン様
黄金の貴公子が、死に生きるなどと
そんな、醜いことがあるでしょうか
黄金の墓標のテキストには、ミケラの静かな祈りが記されている
黄金の墓標
デミゴッド最初の死者たる
黄金のゴッドウィンを弔う墓標剣
少年の静かな祈りが込められている
兄様、兄様、正しく死んで下さいな
ミケラはただ純粋にゴッドウィンの正しい死を祈っている。なぜならば正しく死んでくれない限り、その肉体を王の依り代として使えないからである
ここには幼く純粋であるが故に、他者の誇りや尊厳を理解できないというミケラの本質的な性格が示されている
老兵ハンスバッハ
モーグ様を利用し、影の地に至るだけでは飽き足らず
その遺体すら、王の依り代にしようなどと
魂など必要なく、ただ、空っぽの肉体だけを求めるなどと
…ああ、けれど
ミケラ様はきっと、それが辱めであるとは、想像もされないでしょう
黒き刃の陰謀
- 役割:黒き刃をもって神を殺す(はずだった)
- 目的:同族であるマリカの密命「神殺し」を果たす(はずだった)
- 結果:ミケラに魅了されゴッドウィンの魂を暗殺するに至る
黒き刃がマリカの同族であり、マリカに近しい稀人であったことはテキストに記されている
稀人のルーン
稀人は、かつて狭間の外からやってきた
女王マリカの同族であるという
黒き刃のフード
陰謀の夜の実行犯たる刺客たちは
すべて女性であり、一説には
マリカに近しい稀人であったという
計画ではラニの儀式によって黒き刃に運命の死を宿した後、それをマリカに届けるか、あるいはマリカごとエルデの獣を暗殺する予定であった
だがラニとミケラの陰謀により、計画は大きく狂ってしまう
ミケラに魅了された黒き刃はゴッドウィンの魂を殺してしまい、その実行犯たちは王都を脱する際に厳しい追撃を受ける
黒き刃、ティシー
陰謀の夜、黒き刃に死のルーンを宿し
黄金のゴッドウィンを殺した暗殺者の一人
ティシーは、黒き刃の長アレクトーの娘であり
王都からの逃亡時、母を守り命を落としている
アレクトーはラニの元へ落ち延びるも封牢に封じられ、その裏切りを知る
ラニイベントが終わった際にイジーやブライヴが黒き刃に襲われているのも、陰謀の夜の裏切りが原因であろう
陰謀の勝利者
以上のように陰謀の夜はマリカ、ラニ、ミケラの陰謀が交錯し、彼女たちが予測すらしていなかった事態を引き起こすことになった
だが結果としてその出来事は褪せ人の帰還をもたらし、運命の死を解放し、エルデの獣を殺し、エルデンリングを修復、新たな律を打ち立てるに至る(壊れかけているが)
この点で明確に勝利したのは、マリカとラニであろう。エンディングにもよるが、修復エンドにおいてはマリカの目的であった神殺しと新たな黄金律の成立は概ね果たされたと言ってよい
またラニはほぼなにも失わず、夜の律を打ち立てることに成功している
一方ミケラは、その陰謀が純粋な想いから実行されたことは確かであるが、彼の望みはDLCにおいて褪せ人に砕かれてしまう
一応、神として帰還したことはしたので、半分ぐらいは勝利したといえなくもないが
その他
本考察ではラダゴンや殺されたゴッドウィン、一定の役割を果たしたライカードについては触れなかった
冒涜の爪
陰謀の夜、法務官ライカードは
ラニから謝礼として片鱗を貰い受けた
いつか来る冒涜の時、黒き剣のマリケスに
運命の死たる黒獣に挑む切り札として
できるかぎり単純化した説にしたつもりだが、さらに削ろうと思えばミケラとマリカの陰謀を削ることも可能であるかもしれない(つまりラニの単独犯)
しかしながら、マリカに関しては黒き剣の追憶の一文が腑に落ちないものとなる
黒き剣の追憶
マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった
マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み
後にそれを裏切ったのだ
ミケラに関してはDLC後ということもあり可能性として説に取り入れてみたが、兄の正しい死を願い、王の依り代を欲していた、という状況証拠のみがその根拠である
よって陰謀の夜を最大限に単純化するのであれば、ラニの単独犯という可能性すらあると思っている
またより“陰謀の夜”を劇的にするのであれば、ラダゴンやゴッドウィンの思惑を絡めることも可能かもしれない
ともあれ本考察では筆者が現時点で考える、概ね妥当と思われる考察を述べたつもりである
ミケラは陰謀の夜には関わってはいないですね。
返信削除幻影「正しい死とは黄金樹に還ことなり」
ミケラ「兄様正しく死んでくださいな」
黄金樹の一族の永遠性は還樹によるものです。
ミケラは死んだゴッドウィンを還樹させて生き返らそうとしましたが叶いませんでした。
だから黄金律ではなく冷たい太陽である暗月律を信仰しデミゴッドの復活を目指したのです。
陰謀の夜のきっかけと目的を考察するには、それまでの背景を理解する必要があります。ラダゴンの目的、月の王家の敗北、黄金律原理主義です。
返信削除ラダゴン周りをまとめると
黄金律成立前のリエーニエ戦役、黄金樹の王家VS月の王家(カーリアは暗月勢力)黄金樹一介の英雄にすぎないラダゴンが月の王家を侵攻、互角。レナラと出会い侵略を悔い結ばれ両王家の和睦。後にレナラのこどもたちが生まれる。幼少ラニは黄金樹の二本指に見出された神人候補となり影従が与えられる。しかし秘密の師雪魔女からは黄金ではない星と月の暗月の律を学んでいる。
黄金律成立。メスメルとレラーナが影の地侵攻。黄金律の最初のエルデの王ゴットフレイが褪せ人になり追放(黄金樹の恵みが弱まりこの時点でマリカは手を打っている)ラダゴンが月の王家のレナラを捨てて黄金律の2番目のエルデの王へ。捨てられたレナラは壊れ、子どもたちはマリカの外戚となりデミゴッドとして認識されるようになる。
ラダゴンの意図をまとめると
魔術と祈祷を修め完全たるを目指した。黄金律が月の王家の星の運命も律するのが黄金律原理主義。(デビュートレーラー 流れる星をすら律し命の灯を高らかに輝かす エルデンリング)
ラダゴンと月の王家時系列
黄金樹の一介の英雄ラダゴンがリエーニエ戦役で月の王家を侵略、互角。レナラと結ばれ黄金樹の王家と月の王家が和睦、勝者も侵略も無し。黄金の縫い針はラダゴンの婿入り道具。婿入りは男が女方の姓を名乗り家に入ること。つまり黄金樹側の一介の英雄が月の王家の一員になることで和睦し、両王家は対等な関係になった。当然レナラとラダゴンの子ども達はあくまでも「月の王家の後継者」ということになる。
黄金律成立ゴットフレイが最初のエルデの王へ。しかし黄金樹の恵みが弱まりマリカが褪せ人とゴットフレイを追放。ラダゴンが2番目の夫エルデの王になり黄金律原理主義を掲げる。(この時点でマリカは黄金律の限界を感じている一でラダゴンは原理主義思想を掲げている。律に対する考えが異なっている)
ラダゴンは月の王家とレナラを捨てて、黄金樹の王家マリカの夫になる。子ども達は「外戚」としてデミゴッドに。つまり黄金樹と対等な関係にあった月の王家、その後継者達が黄金樹の後継者になったということ(黄金樹の実質的な勝利)外戚のデミゴッド扱いだが実際はマリカ(=ラダゴン)の血を直接受け継ぐ正統なデミゴッド。
ここまで黄金樹の英雄ラダゴンの行動をまとめると、宿敵月の王家に取り入り魔術を修め、月の王家の後継者とその運命を黄金律に縛りつけ、マリカの夫エルデの王となり祈祷を修め、黄金律原理主義を掲げた。
黄金律原理主義
原理主義は黄金律を2つの力で説明する。回帰と因果。どんな律であろうが黄金律の連関に中に存在しているのであり全ては黄金律に収斂される。言い換えれば黄金律がその他全ての律の根源であり黄金律が全てを律するという原理主義的な思想。黄金律の大剣は「原理主義の象徴」とされ、月の王家レナラの大剣の面影がある。これは黄金律原理主義に基づいて黄金律が月の王家の星の運命すらも律している様を表している(流れる星をすら律し 命の灯を高らかに輝かす エルデンリング)
黄金律原理主義を掲げたラダゴンの意図を端的に言うと「星と月の律すらも黄金律は取り込むべき。そしてどんな律を取り込もうが黄金律が中心」
上記ラダゴンを踏まえて陰謀の夜
黄金律に縛られその後継者となった月の王女ラニは黄金樹の二本指に見出された神人候補。暗月の指輪は神人ラニの伴侶に贈られるはずだったと説明がある。つまり神人ラニの伴侶は決まっており黄金律の神になる予定だったということ。父ラダゴンの黄金律原理主義を前提にすれば月の王女神人ラニの伴侶は黄金樹の王子と呼ばれたゴッドウィンがまず候補に上がる。(「王子」とは王の子でまだ王に即位していない男子の意)ただラニが秘密の師から学んだのは「黄金ではない星と月冷たい夜の律」それゆえ「・・・そして私は、二本指を拒んだ 死のルーンを盗み、神人たる自らの体を殺し、棄ててでも私は、あんなものに操られたくなかったのだ・・・それ以来、私と二本指は、お互いを呪っている」
月の王女ラニは新たな時代の黄金律の神になることを拒み自らの黄金の肉体を捨て暗月律を目指そうとした。そのために陰謀の夜が画策された。
陰謀の夜は暗月律を目指すラニと反黄金律原理主義のマリカが協力しデミゴッドに運命の死を与えて後継者を無くし現黄金律を終わらせることが目的。マリカはマリケスを欺きラニに運命の死の一部を盗ませ黒き刃達を使ってデミゴッドに運命の死を与えようとした。ただしラニの陰謀によって黒き刃には魂と肉体を分けた運命の死の力かま刻印される。月の王女ラニは肉体だけの最初の死者となり黄金の運命を捨てて魔女ラニへ。王子ゴッドウィンは肉体だけの最初の死者となり死王子に。根に埋められた死王子からは死に生きる者が生まれ生命が壊れてしまう。ラニの陰謀を予想していなかったマリカはエルデンリングを砕き一度リセットしてデミゴッドと褪せ人に新たな律を掲げさせようとする。ラニと黒き刃が対立していたのはラニの裏切りがあったから。(海外公式テキストではマリカは陰謀の夜に加担していないような書き方がされているが、本編テキストではマリカが関与が示唆されているテキストやグラングのセリフがある。マリカの動機とも矛盾しないため採用し上記とする)
DLCラスボスの格が低いというのは同感です。神になったとはいえ、所詮は1デミゴッドですからね。
返信削除本編のラスボスがエルデンリングそのものなので、同格か少し下くらいの存在となると、やっぱり宵眼の女王でしょうか。メリナであれだけ宵眼を印象付けさせておいて、実際の描写が何もないというのに違和感を覚えます。