まとめ

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2024年10月18日金曜日

影の地におけるトールキンの影響

影の地に登場する固有名詞のいくつかは、トールキンの人工言語で解読することが可能かもしれないという話


今回取り上げるのは「ベルラート」「ムーングラム」「エンシス」「エラク」「エニル・イリム」「ラウフ」「モースの廃墟」「アンテの廃墟」「ミアの指遺跡」「デオの指遺跡」「リアの指遺跡」「ラーナ」である



ベルラート(belurat)

ベルラートは英語版では Belurat と綴られる


このうち「Belu」は古エルフ語で「展開する」や「広がる」「拡げられた」という意味がある


次の「rat」には同じく古エルフ語で「そびえ立つ」という意味がある。このそびえ立つは英語では「tower up」と書かれ、の概念も含まれる


また派生語 Aratには「良い、優れた、高貴な」という意味もある


ベルラートの正式名は「塔の街、ベルラート」なので、解読した言葉と合わせると「そびえ立つ塔に広がる街」という意味になる


これらをふまえて「塔の街、ベルラート」を意訳すれば、


そびえ立つ高貴な塔の基底(基壇)に広がる街


になろうか


※「塔の麓(ふもと)」のほうが表現的に好きなのだが、塔の麓という言葉は誤用のような気がするので基底(基壇)とした。もっと相応しい言葉があるかもしれない



ムーングラム(Moonrithyll)

ダークソウル3には「イルシール(Irithyll)」という地名が登場する


この Irithyll という語は、シンダール語の「ir(時)」と「Ithil(月)」の合成語と考えられ、その意味は「月の時」になる


ithyllは「ithil」の語形変化として考える。


この ir ithil というフレーズは、シンダール語で書かれたトールキンの詩「ルーシエンの歌」の冒頭に登場する


ir ithil ammen eruchín

英訳:when the Moon, for us, the Children of God

邦訳:月が私たちにとって神の子供たちであるとき

邦訳(DeepL):月が神の子である私たちのために


さて、Ithyllithilの語形が変化したものと考えると、ムーングラムの英語名「Moonrithyll」は「Moonrithil」と綴りを変えることができる


※DS3とエルデンリングによって、ithilとithyllの語形変化が正しいことが裏づけられたのかもしれない


Moonrithilのうち「Moon」は言うまでもなく「」であろう。そして「rithil」はシンダール語で「指輪」という意味である


よってMoonrithil という言葉は「月の指輪」という意味になる


またRithilRithil-Anamoとして作中に登場し、その意味は「運命の指輪」である


「運命」「指輪」「月」とくると、ラニイベントをこなした者なら、その意味の重要性が理解できるかと思う


カーリア王家運命は星によって動くと言われ、また琥珀の星光はデミゴッドの運命であるとも言われる


貴公、よく聞いてください。カーリア王家の運命は、星によって動きます

カーリア王家正統の王女たるラニ様の、運命もまた同じはずです(イジー)


→「琥珀の星光を渡す

…君、ついに手に入れたのかね!

これが、夢にまで見た…

おお、おお、なんと蠱惑的な輝きだ…

デミゴッドの、運命であったものだ…

ああ、ああ…(魔術教授セルブス)


また指輪はカーリア王家において、王女が伴侶に贈る契りの指輪である


暗月の指輪

暗い満月を象った大粒の指輪

月の王女ラニが、その伴侶に贈るはずだった

冷たい契りの指輪


ラニが神人であれば、伴侶とは即ちである


そして「」はカーリア王家の王女が代々見出してきた魔術の根幹である


星見少女の伝承

星見の少女は、夜空を見上げ歩いた

ずっとずっと、星を追って旅をした

そして満月と出会い、女王となった


レナラの満月

女王レナラが、その幼き日に出会い

後に学院を魅了した、美しい月である


レラーナの双月

カーリアの王女たる者の象徴


幼き日、姉レナラと共に出会った

それは、寄り添うように重なり合っていた


ラニの暗月

カーリア女王の象徴となる魔術


母レナラに手を引かれ、幼いラニが出会った月

それは、冷たく暗い神秘の月であった


ムーングラムが「双月の介添人」であり、女性(タイプB)であるのは、彼女の名が「月の指輪」という意味だからだと思われる



エンシス(Ensis)

en-」にはクウェンヤ語で「もう一度」という意味がある。またクウェンヤ語で「sisin」には「焦げた」という意味がある


これらをまとめると「再び焦げた城砦」という意味になろうか


※動画の方で「ensis」を「艶のない」と訳したが、これは辞書を誤読した間違いである



エラク(Ellac)

クウェンヤ語やシンダール語で「ela」には、「見よ!」という意味がある


また「Lacho」には「炎(Flame)!」という意味がある


よってエラクには「炎を見よ!」という意味があると解読できる


ベルラートからエンシスの城砦への続く橋に「炎を見よ!」という名前を付けるのは、やや意味深である



エニル・イリム(Enir-Ilim)

en-」には初期クウェンヤ語で「呼ばれる」や「名前が付けられる」という意味がある。この「en-」の語形変化のひとつに「Enir」がある(ただし打ち消し線で消されているので誤りだったか)


次に「Ilim」であるが、初期クウェンヤ語で近い言葉を探すと「ilin」がある。ただし意味が「牛乳」や「油のような輝き」であり、いまいち当てはまらない


またシンダール語で「lim」には「」や「輝き」「透明」と言った意味もあるとされるが、これは誤りのようであり、正しくは「」や「迅速」と言った意味になる


古エルフ語には「lim」という言葉があり、「繋がる」や「結合」といった意味がある(転じて縛るという意味にもなる)


このlimの語形が変化したものに、「limi」がある


この「limi」の文字を入れ替えると「Ilim」になる


まとめると、Enir-Ilim には「呼ばれて(名づけられて)繋がり、結合する(縛られる)」というような意味になる


意訳すると、エニル・イリムは「神が呼ばれて、巫子と結合する地」ということになろうか


しかしその結合縛られることでもある


…あの子にとって、神は牢獄

檻の中の神は、誰も救えない(聖女トリーナ)



ラウフ(Rauh)

クウェンヤ語で「rau」には「ライオン(獅子)」の意味がある


影の地のインプの頭部は「獅子」に似ている


インプの頭(獅子)

インプのゴーレムの頭部を

そのまま被ったもの


獅子に似たそれには、僅かな生命力が宿っている


狂戦士、赤熊の兜の面頬は、獅子の牙が象られている、「かつての赤獅子は、だからこそ野生の力に魅入られたのだろうか」と獅子と野生の繋がりが示唆されている


牙の兜

名を忘れた狂戦士、赤熊の兜

その面頬は、獅子の牙を象っている


かつての赤獅子は、だからこそ

野生の力に魅入られたのだろうか


神獣戦士獅子の毛皮をまとっている


神獣戦士の鎧

選ばれた角の戦士たる、神獣の戦士の胴鎧

獅子の毛皮を纏っている


彼らの中で、特に神降ろしに優れた者だけが

勇人として獅子舞の名誉を得たという


神が降りた勇人が舞うのが、獅子舞である


以上から、ラウフ(獅子)の古遺跡は、獅子を神とする文明が栄えていたものと考えられる



ミドラー(Midra)

トールキンの人工言語とは無関係だが、賢者ミドラー(Midra)の名はヘブライ語の「ミドラーシュ(Midrash)」が語源かもしれない


ミドラーシュとはヘブライ語で「探し求めるもの」の意味がある



モースの廃墟(moorth)

ノーム語で「morth」には「暗闇」という意味がある


割れ石のタリスマンを拾えるのがモースの廃墟である


割れ石のタリスマン

割れてしまった要石


それは地震を鎮めるとされる霊石であり

これが割れたとき、街も地も沈んだ

一説には、月が落ちてきたのだという


が無くなり暗くなったので暗闇の廃墟と名づけられたものか、もしくは月を崇めていた夜の街だったのかもしれない



アンテの廃墟(Unte)

クウェンヤ語で「Unta-」は「降りてくる」という意味である


また古エルフ語では「unta-」の派生語として「ndu」という語があり、この語の意味は「(太陽または月の)沈む、沈む」である


アンテの廃墟がある場所は、影の地でも沈んだ低い地にある


また「太陽」の概念も含意しているのだとしたら、アンテの廃墟は失われた「太陽の都」に繋がる遺跡かもしれない(太陽の都そのものは、もはやどこにも存在していない)


太陽の都の盾

太陽を戴く都が描かれた、栄誉の盾

だが、これはもうボロボロである


そして、太陽の都もまた

もはやどこにも、存在していない


アンテの廃墟には石鞘の剣の祭壇があり、失われた古い文明であることが示されている


石鞘の剣

ひび割れた石の鞘に収められた

決して抜くことのできない剣


失われた古い文明の遺産であり

光、あるいは闇の祭壇に捧げられたという


世界に光と闇を生みだすのは「太陽」である



指遺跡

ミア、デア、リアの各指遺跡については、まとめて記す


ミア(Miyr)はヌーメノール語(Adûnaic)で「幼児」という意味がある。ヌーメノール(Númenor)とはトールキンのファンタジー小説に登場する国の名前である(Wikipedia)


ちなみに「稀人」の英名は「Numen」である


デオ(Dheo)はローハン語(Rohirric)の男性の名前である(Déorの語形変化)


リア(Rhia)はシンダール語のRianの派生語で、女性の名前である


つまり指遺跡には、幼児、男性の名前、女性の名前が付けられていることになる


これを父と母と子(キリスト教における聖家族)と考えてもいいし、あるいはその指遺跡で死んだ指の名前と考えてもいいだろう


ああ、そうです

ここでは、足元に気を付けてください

どこかで、坊やが遊んでいるかもしれませんから(大司祭、ユミル)


…ああ、かわいそうに

うなされているのね、ユーリ

どうか、忘れてしまいなさい

あんな、醜く壊れたものなんて(大司祭、ユミル)


…ごめんね

しっかりと、産んであげられなくて

…まだ、母にはなれないけれど

それでも、私はずっと傍にいるわ

だから、今は安らかにお眠り…(大司祭、ユミル)



※余談だがメーテール(Metyr)はおそらく古いラテン語で「母」を意味すると思われる


指遺跡は死んだ指の墓所、あるいは生け贄の祭壇かもしれない。生け贄として捧げられると、その母を呼ぶ笛となる


褪せ人ミアの指遺跡に行けるのは、ユミルユーリの墓を参っているタイミングである


もしかするとユミルは指遺跡を作るために生け贄としてユーリを捧げたのかもしれない



ラーナ(Ranah)

南の無名霊廟にいる「ラーナの踊り子」の「ラーナ」の英名は「Dancer of Ranah」である


Ranaはトールキンの人工言語の多くの言語で「」を意味する


とくにノルドール語では「rhan」と綴られ、ranaとrhanを合成させた語が「Ranah」になると考えられる


またクウェンヤ語の「Rána」には、「気まぐれな、放浪者」といった意味があり、別の情報ではラーナは「守護者として月に住むと言われている精霊の名前」であるとも言われている


青海岸がおそらく「」と関連性があること(月の船?)、放浪者であることは不明な点の多いタニスのキャラクター理解に役立つかもしれない



8 件のコメント:

  1. 【ソールの冷たい太陽、色を失くした太陽 考察】
     名もなき永遠の都の建築様式はヘルフェンの尖塔(戦技は滅びの霊炎)を思わせる。霊炎を扱う死の鳥を模している霊廟騎士は永遠の都と同じ建築様式の歩く霊廟を守護しており、それぞれの建物には同じ丸い模様、暗月を思わせる意匠が見られる。霊廟騎士の蝕紋の大盾は、蝕まれ、色を失くした太陽だと説明されている。上記から死の鳥、歩く霊廟、霊炎、霊界、永遠の都の暗月、蝕まれ色を失くした太陽には関連性が見られる。
     狭間の地において、霊は永遠の存在と説明されており、肉体を持つ生命と霊体の生命が存在し得る地、生と死(霊)の狭間の地だと考えられる。祖霊の角の説明では、角の光は死から得た力、死から芽吹いた命とされ、影の地の角人は混じり角により霊性を高めるという。つまり死から得た力とは「死んだ者の霊魂から得た力」であり、またあるテキストの文脈おいては、死=霊魂となる。
     黄金樹前史、空に暗月を戴いた永遠の都の時代、ファルムアズラで確認される運命の死を含んだエルデンリングの律において、狭間の中心にはあらゆる死が集まり等しく霊炎に焼かれた。焼かれた肉体は消失し、霊魂はその後どうなるのか?古来死者(霊魂)は迷う者であり霊は永遠と説明されている。滅びの霊炎を戦技とするヘルフェンの尖塔によれば霊は霊界へ向かい、特に英霊は祝福に似た灯火の樹に導かれるという。運命の死が取り除かれた黄金律においては、死は霊炎に焼かれることなく、そのまま根に埋葬されるという還樹システムにより元の通りに再誕する(黄金律による不死性)。永遠の都の時代においては、死体は霊炎に焼かれ、その霊魂は暗月の霊界に向かいやがて新たな肉体に宿ることで再誕していた、と推測できる。これを以って永遠の都の人々は永遠性、不死性を謳歌していたのである(再誕の詳細は次回考察へ)
     暗月が無い黄金律の時代、陰謀の夜、運命の死により魂のみ殺されたデミゴッド達の霊魂はどこへ向かうのか?デミゴッドの霊魂は生と死(霊)の狭間の地を彷徨うことになったのである。最初の魂の死者ゴッドウィンが死王子となったのは、生と死(霊)の狭間の地に蔓延る霊魂、怨霊達が永遠性を有する黄金の肉体に縋り付いた結果である。そうして怨霊、死がゴッドウィンの肉体に集まり続け、死に生きる状態、死の穢れを招いた。還樹のために大樹根に埋葬されるも再誕できず、死の根として芽吹いてしまう。他のデミゴッド達の首が無い理由は、トレーラーのゴッドウィンのように瞳、頭部から死の穢れが始まったからであり、首を落とすしかなかったためだと思われる(霊魂が戻れば、もしくはその後還樹すれば首は元に戻るのかもしれない)。霊廟騎士は死の鳥由来の呪いにより、主に倣って自らの首を落すという形で殉死し霊として留まる。それは長き時、主の霊魂が肉体に戻るまで運命の死と怨霊から遺体を守護するためである。霊廟が鐘を鳴らし(鐘は永遠の都の建物にも見られる、鐘は霊喚びとして機能する)狭間の各地を歩くのは、狭間の地のどこかに彷徨うデミゴッドの霊魂を探すためであり、首無し騎士ルーテルは主の霊魂を呼び寄せることができ還樹を賜った成功例である。(首なしの黄金の肉体にも怨霊が集まり、歩く霊廟の足に纏わりついている。遺灰のルーテルが還樹されなかったのは、この時点で黄金律のエルデンリングはマリカに砕かれており還樹が機能していなかったからである)
     ソール城砦においてもミケラ配下黄金樹勢力の領主が魂無きデミゴッド達の再誕を祈っている。ソールの冷たい太陽と霊廟騎士の蝕紋の大盾の色を失った太陽は同じものであることから、歩く霊廟がデミゴッド達の霊魂を見つけることを祈っていると思われる。つまりソールの冷たい太陽=日蝕(月+太陽)=蝕まれ色を失った太陽=暗月は再誕の象徴である。蝕みのショーテルの戦技、死のフレアの「色を失くした太陽に死王子の炎が宿った状態」は、かつての暗月の霊界にゴッドウィンの霊魂が還り、やがて再誕することを象徴的に表しているものと思われる。
     しかしながら黄金樹前史、暗月と永遠の都は大いなる意思の怒りにより滅ぼされ、既に暗月再誕システムは無くなっている。よってソール城砦と霊廟騎士の暗月信仰は、あくまでも暗月再誕システムの「霊魂が肉体に宿り再誕する」という部分に着目し、再誕の象徴として信仰しているに過ぎない。ゴッドウィンの還樹失敗と、黄金律が砕かれたことにより、ミケラは黄金樹ではなく古き力、今は無き暗月に縋るよう信仰するしか為すすべなく、デミゴッド達の霊魂が戻ることを祈っていたのである(ソール城砦前にも歩く霊廟がいる)。蝕まれ色を失くした太陽=暗月の存在は黄金樹の立場から見れば、まさしく絶望的畏敬の対象であり、大いなる恐れだったと言えるだろう。(ミケラの目指した全てを抱く優しき理に、暗月も含まれており本当に暗月を復活させようとした可能性も考えられるかもしれない)

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  2. 【暗月の大いなる真実①】
     暗月とはどのような存在だったのか?魔女ラニは幼少の頃、雪魔女から神秘の月、暗月の恐れを学び、黄金ではない星と月、冷たい夜の律を目指した。それは星の世紀と言及される。永遠の都の末裔であるノクス民は永遠に待っているのも星の世紀である。タリスマンのノクステラの月は、かつて永遠の都の人々が失くした黒い月を模している。この黒い月(太陽と月の日蝕)とは、暗月のことであり、暗月は無数の星を従えていたのである。現在の狭間の地と影の地には永遠の都にも見られる模様を象った還魂碑が各地に建てられおり、そこでは霊灰の霊体(霊魂)を呼び出すことができる。このことから黄金樹前史、狭間の地では暗月と永遠の都が君臨していたことが読み取れ、作中でも暗月は黄金樹に匹敵する偉大なる存在だったことが示唆されている。
     ある時大いなる意思の怒りにより永遠の都は地下に落とされ、暗月は砕かれた。偉大なる星の星団の終焉(滅びの流星)とは無数の星を従えた暗月の滅びを指し、その時に星の琥珀が降り注ぎ、それが輝石の魔術のはじまりとなったという(創世雨)。またメモリストーンは黒い月=暗月の欠片である。暗月が滅ぼされた時期は、影の地の巫女壺を保管したベルラートの牢獄、そこに籠もった亜人のオンジが連なる星=暗月が従えた星の滅びを予見したあたりの時期となる。またモースの廃墟で手に入る割れ石のタリスマンによると月が落ちてきたと説明されている。原初の黄金樹前史あたりの時期に暗月は滅ぼされたのである。
     永遠の都の人々が崇めた暗月には黄金樹と同じように再誕システム(永遠性)があったと思われる。暗月と永遠の都の時代、あらゆる死は狭間の中心に集まり、冷たい霊炎に焼かれ鎮められた(本編では暗月は存在せず、泥濘は霊炎に焼かれなかったため、トリーナに泥濘の眠りを与えられ鎮められる)
    では暗月の霊界へ向かった霊魂はどうなるのか?この疑問の答えは以下となる。

    【暗月の大いなる真実②】
     暗月の霊界に導かれた霊魂は、星になる。
     魔術師セレン
    「我らの魔術は、輝石の内に力を見出し、それを振るう術だ では、その力とは何であるのか?…輝石とは、星の琥珀なのだ 金色の琥珀が、古い生命の残滓を、その力を宿しているように 輝石には、星の生命の残滓、その力が宿っているのだよ 覚えておくがいい 輝石の魔術とは、星と、その生命の探求なのだと 今や、それを忘れた魔術師もどきばかりだからな」
     輝石の魔術とは星とその内にある生命の探求である。そして輝石の魔術は、無数の星を従えた暗月が滅びた時に、星見達が狭間に降り注いだ星の琥珀=輝石に力(生命)を見出したことが、そのはじまりであった。
     星の琥珀に宿る生命とは、あらゆる死が狭間の地で霊炎に焼かれ、その霊魂が暗月の霊界に導かれ、星に宿ったものである。つまり星は生命(霊魂)を宿していたのである。そして暗月とは、無数の星、あらゆる生命=霊魂が宿る星を従えていた大いなる存在だったのである。ここで三本指の言葉を引用する。
    「…すべては、大きなひとつから、分かたれた 分かたれ、産まれ、心を持った けれどそれは、大いなる意志の過ちだった 苦痛、絶望、そして呪い。あらゆる罪と苦しみ それらはみな、過ちにより生じた だから、戻さなくてはならない 混沌の黄色い火で、何もかもを焼き溶かし
    すべてを、大きなひとつに…」
     三本指の言葉の大きなひとつとは暗月のことだったのである。あらゆる星の生命を従えた暗月は、大いなる意思の過ちにより破壊され、星の隕石として狭間の地上に降り注ぎ、その星の琥珀が様々な生命として分かたれ産まれた。そして暗月の滅びきっかけになり、三本指の狂い火のはじまったのである。(古い神とは、暗月、もしくは太陽に由来する存在であろう)
     三本指の言葉を踏まえると、黄金樹前史、暗月の時代においては、黄金含む坩堝の星の生命、ほぼ全ての生命は暗月から星の生命として産まれた存在だったと言える。なぜならば狭間の中心にはあらゆる生命の死が集まり霊炎に焼かれ、暗月の霊界に入り、星の生命として狭間に落ち、再誕するからである。元々狭間の地にいた土着の生命体だったとしても死ぬことで暗月から再誕し星の生命となる。たとえ暗月がなくなった後の時代においても暗月から再誕した者達の子孫は元を辿れば星の生命と言える。また大いなる意志が遣わした宇宙の上位存在的星の生命体、つまり暗月に匹敵する黄金の流星など、これらから産まれた者再誕した者についても全て星の生命と定義できる。大きな見方をすれば、狭間の地のほぼ全ての生命は、大いなる意志の子供(星の生命)だと言えるのである。
     上記が暗月に隠されていた大いなる真実であった。(この前提知識が無いと、テキストに無い部分を解明、考察するのは不可能に近いだろう)最後に、フロム制作側がヒントとして残したと思われるユミル卿の言葉を引用して結びとする。
     →輝石の魔術師とは
    「私も、輝石の魔術師です
     星と、その生命を探求しています
     貴方はご存じでしょうか
     人は皆、かつて彼方の爆発から生まれた、星屑なのです
     我々もまた、大いなる意志の、子供たちなのですよ
     なんと詩的なことでしょう。なんと素敵なことでしょう
     …けれど悲しいかな。誰も彼もが、それを理解しないのですよ」

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  3. 【稀人 考察】
     稀人とはどのような存在だったのか。マリカは稀人だとされ、狭間の地の外からやってきたという。本編やDLCで分かる通り、巫女マリカ達は身体に植物性を有する。これはマリカの子ミケラなどにも見られる特性。
     地下の古い王朝や永遠の都等の体の大きな老人の像。この像には植物の根が見られ、足元の石板はどうやら現実世界の旧文明と同じデザインであり、それは世界地図を表しているらしい。またこの像は四鐘楼や影の地の鐘楼にある通り、黄金樹前史の文化に関係があるようである。この状況から仮定できること、稀人とは大きな樹木の老人の一族を指し、狭間の地にやってきて世界を作った始まりの存在だったのではないか?ということである。この仮定を念頭に地下にあるレリーフを読み解くと、①船に乗った稀人が狭間の地にやってくる②樹木を育てる③子供が生まれ一族が繁栄する④王朝を開く。このことから狭間の地の地下の大樹根は稀人が育てた樹木(世界樹)の根だったと思われる。
     指の母メーテール、エルデの流星などには菌類としての特徴が確認できる。つまり大いなる意志が送り出す星の隕石には宇宙に存在する菌類の特性が含まれている。前回暗月考察のとおり、菌類を保有する星に霊魂が宿り、狭間の地で生まれ、再誕する。これは大いなる意志が、狭間の地に繁栄した稀人である樹木の文明に菌を宿した星隕石を使って寄生したという構図(暗月や黄金の流星)。稀人は「菌類を瞳に宿す=幻視が可能な存在」であり、後に火の巨人(恐らく稀人は元々大きい身体の巨人)、永遠の都の人々、黄金樹の一族、カーリアの末裔など様々な勢力に分派していくのである。永遠の都など、あらゆる勢力に植物の紋様が見られるのはそのためであり、一例として樹木とは関係ないはずの暗月の霊界において灯火の樹が見られ、カーリアや学院にも植物の文様が確認されるのである。また外なる神の力、特別な力は宇宙の星の隕石に含まれる菌類に由来するものとなる。
     つまり稀人は始まりの一族であり創造主的なポジションだったと言える。その末裔の一つが植物性を持つ巫女マリカ達となる。暗月前史において身体の大きな稀人=巨人=種の保管庫の巨人は星の古隕石を加工し、武器とし、またエルデンリングを作る神事を行い力を得ていた。(本考察では暗月の時代の死のルーンを含むエルデンリングはエルデの獣とは別系統で作られたエルデンリングだったと考える。なぜならラニの律は黄金の律ではないと説明されており、ラニエンディングの時その黄金のエルデンリングは消えていくからである)各地にある古遺跡文明は身体の大きな巨人稀人の一族の文明の名残だと思われる。(現実の物語にある巨人が世界を作る神話をモチーフとしたと思われる。巨人には大小あり。稀人マリカの血を持つラダーンの身体が大きいのも巨人の名残と言える。稀人の末裔永遠の都の椅子廟の巨人は中でも力を持つ存在だったと思われる。巨人の末裔のトロルには石と根の特徴が確認できることからも、巨人=稀人だったと考えることはできる)
    まとめると稀人ははじまりの巨人種族であり、星の菌由来の特別な力を宿せる存在だった。(狭間の地の特別な力は全て星由来)大いなる意思は稀人を利用し律の世界を作らせた。やがて巨人である稀人は黄金樹、永遠の都、火の巨人、古竜と分派していった。



    【坩堝、雫の幼生、ラティナ、セレン、レナラの再誕 考察】
     大いなる意志が指の母メーテールを使い狭間の地に干渉し、繁栄した巨人稀人達に古隕石、星の菌類の力を与える。菌によりやがて暗月を幻視できる稀人を生み出し、暗月の時代が始まる。暗月システムでは星の生命(霊魂)が狭間の地に落ち新たな存在として生まれる。その生命の身体には様々な星の隕石が保有する菌が宿っており、時には様々な隕石が混ざった坩堝の生命として生まれる。坩堝の諸相が強いほど星の力(菌類)を得た生命体ということになる。(また身体が大きいということはそれだけ多くの隕石、生命を宿す蓋然性が高くなるのであり、強い力を持つ存在である)
     角人達は霊魂を集める混じり角(坩堝)を力の象徴として神聖視し、自分たちの手で壺巫女、霊格が高い強い力を持つ坩堝の生命つくるのである。暗月システムにおいて強力に生まれる者、祝福される者は限られているので、角人は暗月に頼らず自分たちの手で坩堝の混じりを目指した。暗月システムでは霊格、霊性が高いほど、様々な菌を持つ星に宿ることになり、強い力の存在として生まれる。暗月に祝福されたものや霊格が高い者は、永遠の都の人々、火の巨人、古竜だったと思われる。(フローサクスは褪せ人に古竜になることを望む。人は古竜になれる可能性。そしてファルムアズラの樹木には石が含まれていることから、稀人が坩堝を宿し古竜になったとも考えられはする)
     銀の雫=写し身の雫が作られた理由は、永遠の都の末裔達が、かつての永遠の都の夜の王を模倣して生み出すためである。モブ敵銀の雫は黒い月=暗月を模したと思われる黒い球体から滴っており、雫の幼生を核とする。
     これらの示唆から仮定できるのは、かつての永遠の都の人々の身体の核は雫の幼生であったこと、雫の幼生は暗月の従えた星ではなく暗月本体の隕石に由来すること、となる。つまり暗月の従えた星から産まれた生命でなく、永遠の都の人種は暗月、月本体から産まれた生命だったのである。(暗月の雫から産まれた存在)そして、永遠の都の人々が霊炎に焼かれた時、英霊にのみ見える灯火の樹に導かれ、星ではなく暗月本体に霊魂が宿る。隕石として狭間の地に落ちたあと、雫の幼生の力により死ぬ前と同じ身体を取り戻す。こうして永遠の都の種族については永遠性を得ていたのである。(黄金樹の還樹と同じように、永遠の都の一族に限り、死んだ時と同じ姿で復活できるということ。暗月の律においては通常霊炎に焼かれて霊魂のみになり星に宿ることで別の肉体として再誕、運命の死を含む暗月の律においては、運命の死の力を含む霊炎に焼かれ、坩堝の身体はリセットされると思われる)
     しかし永遠の都の末裔は銀色の雫の幼生から、かつての夜の王を作ろうと試みてはいるが達成されていない。理由は本編の銀色の雫の幼生から作られる写し身はあくまでも模倣、偽物だからである。つまり銀色の雫の幼生はかつての本物の雫の幼生を真似て人工的に作られた偽物でありるため、王の作成に失敗してしまうのである。その産物が銀の血を持つしろがね人、各地の化けるモブ、写し身である。本物の雫の幼生とはDLCの半霊化した雫の幼生であると思われる。DLCの雫の幼生は夜にのみ青白い墓石ともに現れる。この青い墓石は暗月の隕石(永遠の都の人の霊魂宿る)から作られた石であり、月の光を浴びた時に出現する。
     しろがね人ラティナは身体の大きな妹フィリアに、最初の雫=暗月の雫(本物の雫の幼生)を授け、かつての永遠の都の力を持つ人々と同じように、そして次世代のしろがね人が瑕疵のない生命として生まれるように願ったのである。
     セレンの身体の核である原輝石は、純度が高い輝石、つまり暗月本体の隕石の欠片である。原輝石を他者の肉体に移して不死を得ていた。褪せ人はセレンの腹の中から原輝石を取り出すことから、原輝石は心臓だと思われる。原輝石には雫の幼生らしきものが見えることから、雫の幼生(暗月の雫)は心臓に宿る。となると狭間の地で生まれた生命は心臓が核であり星の雫(菌類)が宿り、生命の本質を決めているのである(竜贄は心臓を喰らうことで力を得ている)セレンを含め源流を目指した魔術師達の成れの果て、魔術師球は原輝石を持つ者を集めて、レナラの再誕の秘術により暗月=源流になろうとしたと思われる。(セレンは暗月の欠片である原輝石を拾ったか、原輝石から産まれたと思われる)
    レナラの再誕システム
    レナラの部屋の床の模様は、部屋手前のエレベーターの床とほぼ同じ。エレベーターの床の絵には太陽の模様が追加されている。(月+太陽=日蝕、つまり暗月)この床の絵はファルムアズラの死のルーン含むエルデンリングの部屋の床と同じ。死のルーンを含む律=暗月の律(暗月の神と王プラキドサクスの時代)
    再誕に使われるのは暗月由来の琥珀ではなく、黄金樹由来の琥珀(デミゴッドの生まれ損ない)と、雫の幼生(偽物)。つまりレナラの再誕はかつての永遠の都の一族の再誕を真似ている。褪せ人はそれにより生まれ直し、再誕ができる。しかし黄金樹に祝福されない穢れ者ボックは不完全に生まれてしまうと思われる。

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  4. 【神の門のマリカ、影樹の誕生、ミケラの優しき理】
     祈祷エルデの流星は黄金樹最古の祈祷、使用時の文様は古い黄金樹の文様であり、少し赤みを帯びていることから原初の黄金樹の名残を残している。大いなる意志がエルデの獣を狭間の地に落としたタイミングは、暗月が滅ぼされた後と考えるのが自然であろう。暗月の滅びと黄金の流星はどちらも大いなる意志の意向により律の変わり目として起きた事だと考えられるからである。(ベルラート牢獄でオンジが暗月の滅び見た時期、壺巫女が作られていた時期)
     エルデの流星は大樹根(暗月の時代にもあった坩堝の生命を宿す世界樹、現在の影樹)に寄生した。これが原初の黄金樹であり、生命の坩堝と赤みを帯びているのが特徴であである。角人は稀人の末裔、巫女マリカ達を使って新たな時代の神にしようとする(神人になれるのは、星の菌を瞳に宿せる、幻視を宿せる稀人の一族)壺巫女の神事により黄金含む坩堝から生まれたマリカは強い力を持つ存在、神人となる。(ニ本指と大いなる意志がマリカを後押しする)そして神人マリカは暗月の時代の勢力である火の巨人、宵目の女王、古竜達を退ける。(恐らく宵目の女王は暗月時代の古い神の指であった三本指に導かれ、神人マリカに対抗しようしたが敗れた)
     トレーラーの神の門でマリカが神となるシーンと言及されている。指読みの老婆の言葉「女王マリカはエルデンリングの宿主、その幻視を宿すもの、すなわち神さね」。つまりこのシーンは幻視の器である神人のマリカが原初の黄金樹に寄生しているエルデの獣(エルデンリング)を身体に宿そうとするシーンであり、混じり角の角人の死体で神の門を作り、エルデの獣(星の生命の霊魂)を神降ろしているのである。マリカが坩堝の死体から金の糸(黄金の菌)を取り出し掲げているのは、坩堝の要素を除いた黄金のみのエルデの獣を降ろしていることを表している。その後マリカは神になり、大母に三つ編みが捧げれ、影の地が隠され、メスメルの粛清が起き、王都ローデイルにある根を元にエルデの獣が寄生し黄金樹(坩堝の赤みがない)が立つ、という流れになる。エルデの獣が影の地の樹木に寄生し原初の黄金樹となり、マリカがエルデの獣を吸収したことにより、原初の黄金樹は影樹になってしまったのである。(マリカの暗い気持ちから影樹が生まれた)そうして角人は裏切られ、坩堝が忌避される時代、黄金律がはじまったのである。(暗月時代の律に見られた運命の死のルーンを除外したのは還樹システムによる永遠性を得るため)
     マリカの身体は元々壺巫女から作られ坩堝を宿している。マリカの子ミケラとマレニアは身体に坩堝を宿すが、現黄金樹が原初の黄金樹のような豊穣な恵みを持たないため、脆弱な生のデミゴッドとして産まれる。
     黄金律の成り立ちを知ったミケラは、黄金律に否定された者たちに聖樹を約束し、全てを抱く優しい理の神を目指すのである。それは無垢金の律(無垢金は菌を殺す特性)であると思われる。外なる神、大いなる意志、指、つまり宇宙の菌の干渉を退ける独自の律である。しかし優しき理とは具体的にどのような律のあり方なのかはイマイチよくわからず、説明もされていない。なぜ?
     その前に気になるのがミケラの神に至る方法である。マリカは幻視の器、神人であり、自分の肉体にエルデの獣を降ろした(神降ろし)。一方ミケラは黄金の肉体全てを棄てて霊体となり、坩堝の混じり角を宿すラダーンを依り代に自らの霊魂を降ろしている(ミケラの霊魂はラダーンの身体に宿っている)。しかしよく考えてみれば、そもそもミケラは神人たる幻視を宿す瞳を棄てていたのであり、かつてのマリカのようにエルデンリングを身体に宿す器にはなれないはず。これはどういうことなのか。これはミケラがエルデの獣と同じ存在、つまりエルデンリングそのものになろうとしたという事である。思えば金仮面卿は黄金律について「人のごとき心持つ神(マリカ)など不要、黄金律の瑕疵」と痛烈に批判していたのだった。これは言い換えれば、神=律=エルデンリングがあれば良いという意味である。ミケラの目指す神とはエルデンリング、律そのものになることを指していたのである。それは律の瑕疵が生まれない、人のごとき心を持たない神であり、トリーナの言う通り「ミケラにとって牢獄」と言えるのである。アンスバッハの「神ではなく、人々のための王になれ」という言葉は「ミケラのような神、律ではなく、人の心を持つ者として人々を導け」という意味である。(上記からエルデンリングは黄金流星エルデの獣以外にも存在することが分かる)
    ミケラは黄金律の成り立ちと罪を知り、心を持たない律そのものという神になることを決心し、全ての生命を抱く優しき理を目指した。だからこそ強さと優しさを兼ね備えたラダーンに王を見出したのである。そしてその目的のためには手段を選ばないのである。(ミケラの本質は言及されている通り純粋すぎる愛や優しさであり、世界の成り立ちを憂慮し、弱気ものの味方となり、優しい世界を第一の目的とする。逆に言うと純粋にその目的しか考えないために、モーグを傀儡にしたり褪せ人を利用したりと、まるで人ではないような一種の異常性、恐ろしさを見せるのである)イマイチよく分からなかった優しき理の律の具体的なあり方については、全てを抱く優しき理の世界とは、旧律を反面教師とした争い憎しみ差別が生まれない世界であるのは明白である。それを満たす条件とはなにか?ミケラの本質は「純粋で、輝きに満ち、ただ愛によって人の心を漂白する…私はあれが、心底から恐ろしい」。
    ミケラ自体がエルデンリング、律となる優しき世界とはミケラの輝く光に抱かれる世界であり、どのような出自の生命も心が漂白され争いを生まない。ただしミケラの律にも矛盾があることがNPCから示唆されている
    世界の成り立ちに疑問を持ったミケラはラニと同じように自らが律そのものになり、大いなる意思の干渉を退けた世界を作ろうとした。

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  5. 【黄金の光の考察】
    宮崎インタビューより、狭間の地の人々は黄金樹に祝福され瞳には黄金の光を宿し、その中には光を失う人々褪せ人がでてくるとのこと。元々黄金樹一族とにて、黄金を身体に宿した種族(デミゴッドと王都の民、貴人)は光を失うことがないと思われる。ゲーム冒頭キャラクリの外見には「貴人顔」がある。狭間の地の貴族とはローデイルにいる黄金樹の一族、貴族。(メスメル部下も貴族、貴人シリーズ装備は金の装飾であり、貴人は黄金樹の一族だからこそ寿命が長く黄金律が壊れた後も亡者の様な姿で彷徨っている)しかし褪せ人は黄金樹の貴族でない。ゴットフレイとその戦士であった褪せ人は祝福を与えらたに過ぎず、マリカの血を引く黄金樹の一族ではない。だからこそ瞳は褪せてしまう。貴人顔の説明
    「狭間の貴族の血を引いている そう自称する者たちの外見」自称=嘘。

    黄金の一族の始祖ゴットフレイは厳密には原初の黄金樹の恵みを受領しただけであり、生来黄金の身体を持っているわけではない。黄金の身体を持たない光無き者です。だからこそゴットフレイは褪せ人に対して「力こそ王ゆえ(黄金は関係ない)」と言葉を残すのです。

    【ラダゴンとレナラについての考察】
    メスメルは光無き者が王になることを認めていない。つまり黄金樹から生まれ、生来黄金の身体を宿した者こそが王になるべきという考え方である。
    ミリエルは一介の英雄に過ぎなかったラダゴンがマリカの王になったことに疑問を抱いている。ラダゴンとはマリカであり黄金の身体を持つが、世間的には生来黄金の身体を持たない光無き一介の英雄として認識されていたのである。
    リエーニエ戦役において月と黄金樹の力は互しており、膠着していた。
    その時にラダゴンはレナラと恋に落ち、黄金と月、勝者なしの和睦という結果になった。(黄金樹の征服とはならなかった)
    ラダゴンとレナラの間にラダーン、ライカード、ラニが生まれることになる。この時点でこの3人はデミゴッドとして扱われていなかった。
    しかしある時レナラはラダゴン=マリカの正体に気づき、3人の子どもたちが黄金樹の一族、跡継ぎとして生まれた存在だと分かってしまう。月の運命は黄金樹に縛られることになったのである。対等な和睦と思っていたものは黄金樹の勝利のための策略だったのであり、月の王家の運命は黄金樹に縛られ、事実上月の王家敗北となったのである。この経緯からレナラが廃人のようになり、生まれ直しに耽ることなるのである。

    マリカが奸婦と呼ばれる所以について
    上記ラダゴンとレナラの考察と同様の戦略で、マリカは強敵勢力と和睦を誓いその長を手玉に取って交わり、敵の跡継ぎを黄金樹の一族にして運命を縛り覇権を取ってきたと考えられる。

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  6. 【陰謀の夜についての考察】
     陰謀の夜の流れ①ラニがマリケスから死のルーンを盗み出す。②ラニが儀式により神を殺す黒き刃を作る。③その黒き刃を用いてマリカに近しい稀人、黒き刃の刺客たちがゴッドウィンとデミゴッドの殺害を実行する④ラニが儀式で黒き刃に施した刻印には魂を殺す力のみ宿っていたため、デミゴッド達は魂のみ死を迎え、死に生きる者たちが生まれる。ラニは自らの肉体のみを殺し魂を雪魔女の人形に移して月の王女から魔女ラニとなる。
     マリカはマリケスを裏切った、黒き刃の刺客達はマリカに近しい者であったと説明されており、①②③はマリカとラニが協力し実行したと考えられる。影従マリケスに逆らえないマリカはラニに死のルーンを盗ませたのである。
    ただし④に関してはマリカの想定外であり、マリカがエルデンリングを砕くきっかけになったと思われる。
     なぜマリカはデミゴッドを殺そうとするのか?マリカの目的は現黄金律体制を止め、新たな律の時代の始めることである。マリケスから運命の死のルーンを盗んだこと、円卓のヒューグにデミゴッドと神を殺す武器の作成を命じていること、運命の死と火の幻視を宿すメリナに褪せ人を導かせていること、言霊からその意図が読み取れる。現黄金律においては黄金樹の恵みが弱まり、生が脆弱なミケラとマレニアが生まれたこと等が理由となるのだろう。マリカはラニと協力しデミゴット達に運命の死を与え、マリカの血、黄金の身体を棄て復活させることで、黄金律に縛られない新たな律掲げることを望んだのである。(後のミケラ、ラニ、ライカードも同様であり、律から脱するためマリカの血を受けた身体を捨てている)
     ラニの目的は何だったのか?ラニはラダゴン=マリカの子供であり、マリカの血(黄金)を持つデミゴッドである。幼い頃から影従ブライブが付きニ本指に神人候補とされていた(黄金律下の神人候補である。またラダゴンはラダーンの星砕きによりラニの星の運命を止めている)しかしラニは秘密の師、老いた雪魔女から暗い月の恐れを学び、黄金ではない星と月、冷たい夜の律を目指すようになる。黄金律から外れるためには黄金の身体を棄てる必要があった。
     このようにマリカとラニは反黄金律という点で共通していた。しかしデミゴットの殺害は大罪であり、通常ならば相談を持ちかける事すら難しいはずである。また①②③はお互いの意志の把握、利害の一致、信用がないと協力できない事である。ラニとマリカの両者はどのような経緯で繋がったのか?陰謀の夜のきっかけは何だったのか?
     陰謀の夜のきっかけは月の王女ラニの結婚話である。
    暗月の指輪 
    暗い満月を象った大粒の指輪
    月の王女ラニが、その伴侶に贈るはずだった 
    冷たい契りの指輪 ラニが神人であれば、
    伴侶は即ち王である そして指輪には忠告が刻まれている 何者も、これを持ち出すことなかれ 
    夜の彼方、その孤独は、私だけのものでよい
     月の王女ラニは二本指に見出され、女王マリカを継ぐ、次代の神の候補であった。そして指輪を文字通り解釈すると月の王女の伴侶は決まっていたのである。誰だったのか?それは現(死)王子、黄金の貴公子こと、黄金のゴッドウィンである。エルデの王ラダゴンは月の王女ラニと黄金樹の王子ゴッドウィンを結婚させ、次代の神と王に立て黄金律体制を盤石にしようとした。当然ラニは神として黄金律に縛られ、マリカの目的も遠のくことになる。しかしラニがニ本指とラダゴンの意向を拒否することは不可能である。途方に暮れ嘆くラニ、それを見ていたマリカは彼女の耳元で囁くのである。死のルーンを盗みデミゴッド達を殺す計画である。こうして両者は繋がり計画が実行された。ラニはマリカをすらも欺き④の事態を招く。
    王子ゴッドウィンは魂の最初の死者、王女ラニは肉体の最初の死者となり、死王子と魔女ラニが生まれた。大罪を犯したラニはニ本指と反目する。目論見が外れたマリカはエルデンリング、律を破壊し、デミゴットと褪せ人に新たな律を掲げることを託す。
    冷たい陰謀の夜、それは魔女ラニの孤独で暗い路のはじまりの夜だったのである。伴侶に贈るはずだった指輪には彼女の意思が刻まれることになる。

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  7. ムーンリデルとムーングラムが混ざってるような気がします。何か意図があった場合はすいません。

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  8. ミア(Miyr)とユミル(Ymir)はアナグラムの関係ですが、その意味するところは不明です

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