宵眼の女王
概要は過去の考察で述べているので簡単にまとめるが、宵眼の女王はマリカと同世代に生きていた神人であると考えられる(過去の考察参考のこと)
しかし彼女はマリケスに敗れ、運命の死はマリケスの黒き剣に封じられることになる
神狩りの剣
かつて神肌の使徒たちを率い
マリケスに敗れた、宵眼の女王の聖剣
修正:いただいたコメントをもとに神狩りの剣について修正
さて、神人は指に選ばれることでその資格を得る
黒炎の儀式
使徒たちを率いた、宵眼の女王
彼女は、指に選ばれた神人であったという
このうちマリカは稀人のなかから神人として選ばれた者である
稀人とは、おそらく「名も無き永遠の都」に住んでいた者たちのことであろう
その直上に王都ローデイルが存在し、また稀人は永遠の都の末裔とも言われているからである
以前お話した、黒き刃の陰謀の夜
その実行犯は、永遠の都の末裔たる、暗殺者だと言われています
姿隠しの衣を纏い、銀の鎧に身を包んだ、女性ばかりの一団であったと(ロジェール)
黒き刃のフード
黒き刃の刺客たちのフード
陰謀の夜の実行犯たる刺客たちは
すべて女性であり、一説には
マリカに近しい稀人であったという
では宵眼の女王もまた稀人のなかから選ばれたのであろうか
宵眼の女王の出自は、彼女の振るった「神狩りの剣」の柄装飾から推測できる
参考として神肌の魔法紋章を右に載せた |
これはノクステラの黒い月である(神肌の紋章とはまったく似ていない)
ノクローン建築の彫刻 |
つまり宵眼の女王はノクスの民から選出された神人なのである。そしてノクスの民とは、キャラメイク時に選択できる「夜人」のことであろう
夜人顔
夜人と呼ばれる僅かな者たちの外見
かつて、その血は銀色であったという
追記:神肌の紋章とまったく似ていないとしたが、神狩りの聖印や神肌の使徒たちの胸にある黒い球体とはよく似ている
これはおそらく、黒き月→宵眼の女王→神狩りの剣→黒炎という流れがあるからなのかもしれない
指殺しの刃
指殺しの刃が秘匿されているのは永遠の都ノクローンの「夜の神域」である
指殺しの刃
永遠の都、ノクローンの秘宝
遺体から生まれたとされる刃
指殺しの刃は遺体から作られたとされるが、同じように遺体から作られた剣に神の遺剣がある
神の遺剣
永遠に死ぬことのないはずの
神の遺体から生まれる剣
神の遺剣をよく見ると、ジェスチャー「外なる律」の姿勢を取った人型をしているのがわかる(修正:スピネルさんのコメントを元に修正しました)
右腕や左腕の掌の向きなどから、剣身が足、柄が頸椎、柄頭が頭部に相当する |
外なる律は小黄金樹教会のマリカの言霊を聞いたときに取得できるが、その際の文言はラダゴンの思想を強く反映している思われるものである
黄金律の探究を、ここに宣言する
あるべき正しさを知ることが、我らの信仰を、祝福を強くする
幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる
同志よ、何の躊躇が必要だろうか!(小黄金樹教会)
神の遺剣全体は、人間の足から頭部にかけてを無理やり剣にしたような形状をしている
つまり神の遺剣のもとになった神の遺体とは、エルデの獣ではなくラダゴンの遺体ということになる(獣ではなく人)
神狩りの剣は黄金律が外なる律であることを知るラダゴンの遺体から生まれた剣であり、そのために外なる律のジェスチャーを模していると考えられる
指殺しの刃では剣身の絡んだ両足がより顕著である(あるいは柄が足、剣身が脊椎のようにも見える)
剣身は絡みあった足、剣先にかけて二重螺旋に分かれていく |
形状の類似性や効果の特殊性から、両者は似たような存在の遺体から作られたと考えられる
なぜ遺体から作られた武器がノクローンの秘宝とされ、神を殺す効果を持つに至ったのかというと、それがかつて神人であった夜人の遺体から作られた武器だからである
そしてその神人が運命の死を司っていたがために、その遺体から作られた武器は、神を殺す効果を有するに至ったのである
夜人
かつて夜人は銀色の血をもっていたという
夜人顔
夜人と呼ばれる僅かな者たちの外見
かつて、その血は銀色であったという
同じ銀色の血を持つ者たちに、しろがね人がいる
彼らの属性は、冷気と魔力である(魔力と冷気に耐性がある=同属性)
蒼銀の鎧
蒼銀で編まれた、鎖かたびらの鎧
狼の背に乗る、しろがねの射手たちの装備
蒼銀は、彼女たちと同じ母から生じた金属であり
魔力と冷気に対して耐性がある
夜人であった宵眼の女王もまた魔力と冷気の力を持っていたはずである。しかし彼女は神人になった後、神狩りの剣により神狩りの黒炎を得ている
神狩りの剣
かつて神肌の使徒たちを率い
マリケスに敗れた、宵眼の女王の聖剣
使徒たちの操る黒炎は
この剣によりもたらされた
黒炎は彼女自身からではなく、神狩りの剣からもたらされている。つまり彼女自身の能力ではなく後天的なものである(女王の黒炎含む)
そして宵眼の女王となった彼女はマリケスに敗れ、運命の死の力を奪われてしまう
だがその生死は不明である。神狩りの剣のテキストには「敗れた」とのみ記述され、死んだとは一言も書かれていないからである
ただし彼女の遺体から作られた指殺しの刃がノクローンに秘蔵されていることから、宵眼の女王は解放された可能性が高い
大いなる意志に反逆したノクローンにわざわざ宵眼の女王の遺体を送り届ける理由はマリカたちにはないからである
老いた雪魔女
かつて神人であった宵眼の女王は運命の死の力を封じられ、ただの夜人に戻った。その後、彼女がノクローンの秘宝となるまでの足跡は不明である
だが指殺しの刃の形状から、彼女がかなりの長生きをしたことがうかがえる
神の遺剣との最大の相違点は、剣身が湾曲していることである。上述したように神の遺剣と指殺しの刃は、人体を無理やり剣にしたような形状をしている
指殺しの刃でいえば、両足は柄となり背骨が剣身と見た場合、その剣身が湾曲している
つまりこの遺体は背骨が湾曲した遺体、すなわち年老いた遺体から作られたものなのである
宵眼の女王は老人になるほど生き延びて、ついに彼女の後継を見出した。そして後継に対し彼女にしか教えられないものを教えたのである
冷たい魔術と、暗い月への恐れである
氷結の武器
老いた雪魔女が用いたという魔術
老魔女は、幼少のラニに教えたという
冷たい魔術と、暗い月への恐れを
この説における暗い月とは、宵眼のことである
メリナの左眼とラニの暗月の色はよく似ている |
老いた雪魔女は、夜人として冷たい魔術を、そしてかつて宵眼の女王だった者として暗い月(宵眼)への恐れをラニに教えたのである
なぜならば宵眼は運命の死を象徴するものであり、それは神人であるラニにとって恐れなければならないものだったからである
ラニがなぜ夜の律を指向したのか、なぜノクローンに指殺しの刃があると知っていたのか、なぜ彼女は暗月を選んだのか、なぜ暗月を恐れなければならなかったのか
すべてはかつて神人でり、今は老いた雪魔女と呼ばれている宵眼の女王の教えだからである
※なぜラニが「運命ある者」だったのかについては次の考察で述べる
また老いた雪魔女は、ラニが魂を宿す人形のモデルになったとされる
雪魔女の尖り帽
それは、幼少のラニが森の奥で出会い
冷たい魔術を学んだ、老いた雪魔女の装束であり
彼女がその魂を宿す、人形のモデルになったという
その人形の左眼は宵眼に近い色をしている
星の世紀ENDのラニ。ストーリートレーラーの方が宵眼色に近い |
人形の眼が宵眼色であるのは、人形のモデルとなった雪魔女が宵眼を持っていたからと考えられる(ラニ自身も恐らく宵眼持ちである)
暗月
宵眼の女王は神人となった夜人であり、宵眼の女王として黒炎を操ったものの、それを封じられた後は冷たい魔術に回帰した
しかし彼女にはひとつだけ他の夜人とは異なっている部分があった
宵眼である。かつて神人であり運命の死という律を掲げるべき存在であった彼女は、運命の死を象徴する宵眼を持っていたのである
すなわち幼いラニが出会ったのは、暗月色の宵眼をもつ老いた雪魔女だったのである
ラニの暗月
母レナラに手を引かれ、幼いラニが出会った月
それは、冷たく暗い神秘の月であった
ただし幼いラニが出会ったのが宵眼を持つ老いた雪魔女だったとすると、レナラの出会った満月とは何者だったのか、という新たな疑問が生じてしまう
これについては単純にレナラの幼少期からラニの幼少期までの長い時間がその違いを生み出したのかもしれない
レナラの満月
女王レナラが、その幼き日に出会い
後に学院を魅了した、美しい月である
美しい満月と出会った少女が成長し、伴侶を迎えて子供を生み、その子供が物心つくまでの時間は、生物が老いるのに充分な時間であろう
レナラが出会ったのは若々しく美しい満月のように輝く宵眼であり、ラニが出会ったのは老いて輝きを失いつつあった宵眼だったのである
褪せ人のように、祝福を奪われた彼女の瞳からは徐々に光が失せていったのであろう
蛇足
過去の考察で冷たい魔術と宵眼の女王の黒炎がどうしても繋がらないと述べたことがある
しかし宵眼の女王の出自を夜人と仮定することでいくつかの問題が解決されることに考え至った
謎の多かった宵眼の女王と雪の魔女がきれいに繋がってとても面白い考察でした。
返信削除考察の本筋とはずれますが、神の遺剣の柄を足としているところが引っかかりました。
僕には剣身の初めが背骨、その先のねじれている部分が足であり、柄は頸椎のように見えます。
柄側が頭とすると、神の遺剣はジェスチャー「内なる律」ではなく「外なる律」になります。外なる律は小黄金樹教会で手に入りますが、ここにはラダゴンのものと思われる言霊が残っており、黄金律の聖印があることから、外なる律はラダゴンと関係があったのではないかと考えています。黄金律は外界からもたらされたエルデンリング(エルデの獣)に由来するため、ラダゴン(神の遺剣)は「外なる律」のポーズをとっているのだと考えています。
(「内なる律」は黄金律原理主義者であるDの弟から入手できますが、黄金律原理主義者たちはエルデンリングの正体を知らないため、黄金律を内なる律だと思っているのだと思います。)
ご指摘ありがとうございます
削除なるほど外の律と比較した場合の掌の向きなどから、頭を柄とするほうが適切ですね
外の律との関係性もスピネルさんの説の方が説得力があります
さっそく本分を修正したいと思います