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2021年8月27日金曜日

Bloodborne 考察まとめ12 獣化

獣化

人が獣になる現象、獣化には2種類ある


血に依る獣化と、血に依らない獣化である


獣血により獣の病を発症するのが血に依る獣化である。代表例としては獣血の主罹患者の獣などが挙げられる


これらは血を媒介にした寄生虫に感染することで発症し、やがてとなる


一方、血に依らない獣化も存在する


例えば獣憑きがそうである


特異なことに獣憑きは獣の弱点であるはずの炎を操る。そして捨てられた古工房の下層にいる獣憑きは、「獣」カレル文字をドロップする


また獣憑きの名は獣の病に罹患したものではなく、獣が憑いたことにより獣化したことを示している


獣憑きとはすなわち霊的な獣人に憑依したことで、人が獣化した個体を指す


つまるところ、神秘による獣霊の憑依である


これを成すのが、カレル文字である


秘文字の工房道具

この工房道具を取り戻した狩人は

カレル文字を脳裏に焼き、その神秘の力を得ることができる

血に依らぬそれは、学長ウィレームの理想に近いものだ


脳裏に「獣」を焼き付けることで、その神秘の力を得る


すなわち獣を憑依させることで獣の力を得て獣化する、それが獣憑きである


さて、獣憑きと同じように身を窶した男もカレル文字「獣」をドロップする


また彼はやつしの頭巾異常者の脚帯を装備している


やつしの頭巾

医療教会の狩人には、身をやつし、市井に潜む者がいる


やつしもまた予防の狩人であり、獣の兆候を見逃さない

あるいは、彼らがそう信じるものを、必ず見出す

人は皆、なんらか秘密を持つものだ


つまり彼は医療教会の狩人であり、それ故にカレル文字の力を利用して恐ろしい獣に変身する神秘の力を得たのである


彼は確かに人喰いである。だが彼が獣に変身するのは獣血が原因なのではなく、カレル文字による変異である


しかし「獣」禁字であるが故に、彼は医療教会からは追放され身を窶して人を喰らっていたのである


恐らく彼自身がカレル文字の力に影響され、人の身でありながら人を喰らう獣に近い存在となったのであろう



血に依る変異

血に依る変異は人を獣化させると共に、もう一つの変異も引き起こす


苗床化である


こちらは血に含まれる精霊の卵により、人が眷属になる現象を指す


医療教会の血の医療に使われる血には、人を獣化させる寄生虫と共に、苗床化させる精霊の卵も含まれているのである


このことを示すのがエミーリアの説教である


聖血を得よ


祝福を望み、よく祈るのなら

拝領は与えられん、拝領は与えられん


密かなる聖血が、血の渇きだけが我らを満たし

また我らを鎮める


聖血を得よ


だが、人々は注意せよ

君たちは弱く、また幼い


冒涜の獣は蜜を囁き

深みから誘うだろう


だから…人々は注意せよ

君たちは弱く、また幼い


恐れをなくせば、誰ひとり君を嘆くことはない



聖血は祝福を望むものに拝領を与える。そして祝福とは精霊に寄生されることを意味する


夜空の瞳

精霊に祝福された軟らかな

 

眼球に軟体生物が寄生している様子が分かる


そして精霊に寄生されることは、人を苗床に導く


「苗床」

この契約にある者は、空仰ぐ星輪の幹となり

「苗床」として内に精霊を住まわせる

精霊は導き、更なる発見をもたらすだろう


人に祝福を与える聖血には精霊の卵が含まれている。と、同時にエミーリアの説教にあるように、冒涜の獣が蜜を囁くこともある


冒涜の獣に深みから誘われた者は、苗床ではなく獣となるのである


このように聖血2種類の変異を人に起こす


獣化と苗床化である



青ざめた血

なぜ聖血獣化と苗床化という正反対の現象を引き起こすかというと、2つの現象を引き起こすものが含まれているからである


獣血と神秘である


青ざめた血とは、赤い血青い神秘が統合することで誕生する上位者の赤子の血だからである


同時に寄生虫と精霊が統合された3本目のへそ緒の血でもある


狩人が狩りを全うするために必要なのは3本の3本目のへそ緒である


青ざめた血を求めよ、狩りを全うするために」というメモは、3本目のへそ緒という青ざめた血を得ることで、狩りを全うする、すなわち青ざめた血という別名をもつ月の魔物を狩ることが出来る、ということを指している


聖体とは上位者の赤子であり、拝領とは赤子の血を飲むことである


そして血の医療に使われる輸血液には聖体の血か、あるいは成分的に似たものが混ぜられている


故に血の医療を受けた者は、獣化するかあるいは狩人になるのである


とは寄生虫によって人が獣化したものであり、狩人とは人が神秘の力を得て、獣を狩る者となったものだからである


どちらの要素が発現するかは血の医療を受けてみないことには分からないのである



「変態」

獣と神秘の対立構造をカレル文字として表わしたのが「右回りの変態」と「左回りの変態」である


右回りの変態」は寄生虫による獣化を表わし、「左回りの変態」は精霊による苗床化を表わすのである


ここで血に依る変異カレル文字による変異が混同されているように思われるかもしれないが、実のところこの2種類の変異同じコインの裏表である


そのどちらもが源流を辿ると上位者に行きつくからである


同じ上位者の声はカレル文字となり、血は聖血となったのである。どちらも同じ上位者であるが故に、それが人に引き起こす変異は同一なのである


ただし、変異は同一であっても、血に依るか依らないかにより根本的な違いが現れる


血に依る獣化は人を物質的(肉体的)なレベルから変異させるのに対し、カレル文字によるそれは、いうなれば「憑依」に近い変異を起こす


獣憑きが本来は弱点であるはずの炎を操るのも、恐ろしい獣が獣化してなお人語を喋ることができたのも、カレル文字による憑依だからである


カレル文字による変異は、上位者の力のみを利用することができるのである


ウィレームが理想としたのは、人として上位者に伍することである


3本目のへその緒(偽ヨセフカ)

かつて学長ウィレームは「思考の瞳」のため、これを求めた

脳の内に瞳を抱き、偉大なる上位者の思考を得るために

あるいは、人として上位者に伍するために


その理想に近いものがカレル文字である


秘文字の工房道具

この工房道具を取り戻した狩人は

カレル文字を脳裏に焼き、その神秘の力を得ることができる

血に依らぬそれは、学長ウィレームの理想に近いものだ


人としての意志を手放す獣化ではなく、あくまでも人として上位者に伍するために変異すること、それがカレル文字による変異である



恐ろしい獣

身を窶した男はカレル文字「」をドロップする。その身を窶した男が変異するのが「恐ろしい獣」である


恐ろしい獣は青い雷光を纏う獣である


なぜ青い雷光を纏うかというと、それが「獣」によって変異したものだからである


「獣」

ビルゲンワースの学徒、筆記者カレルの残した秘文字の1つ

それは遺跡の獣、その唸り声の表音であり

「獣」の意味が与えられ、一時的獣化の効果を高める


ここで言及される遺跡の獣とは、ローラン遺跡に潜む不死の黒獣のことであろう


獣の咆哮

忌まわしい不死の黒獣、その力をごく一時的に借りる触媒であり

圧を持った獣の咆哮により、周囲のものを弾き飛ばす


この不死の黒獣、実は未知の上位者である。というのもカレル文字は上位者の声の表音であるが、作中に登場する黒獣はどれも上位者ではないからである


しかしそれは黒獣であり、やはり青い雷光を纏う


不死の黒獣の声の表音により獣化した「恐ろしい獣」もまた青い雷光を纏う


またカレル文字により人として上位者の力を得た彼は、意識を手放すことなく人語を喋ることができるのである


血とカレル文字

以上のように、血に依る変異は人の肉体や精神そのものを獣化あるいは苗床化させるものである


一方でカレル文字に依る変異人として上位者の力を得ることが可能である


ウィレームは「瞳」により、人として苗床化したのであり、身を窶した男は「獣」により、人として恐ろしい獣に変異したのである


しかし血もカレル文字も源流は上位者である


同じ上位者から発した血とカレル文字であれば、その発現の仕方は異なれど、同じように変異するのである


この2種類の変異の判別法としては、倒した時にカレル文字を落とすか否か、あるいは獣と炎といった、本来は対立する属性が同居していることが挙げられる


これをよく表わすのが、初代教区長ローレンスである


彼は獣でありながら炎を纏い、そしてカレル文字「獣の抱擁」をドロップする



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