まとめ

まとめページ

2020年10月29日木曜日

SEKIRO 類稀な強者との再戦・連戦

戦うボスや取得したアイテムのデータなど

記憶の連戦・御子奪還

鬼刑部
まぼろしお蝶
心中の弦一郎

一戦ごとに鬼仏に座り直せば使用したアイテムは全快する
つまり毎回おはぎや細雪、お米を使い放題である

心中の弦一郎は弓からの放ち斬りや、桜舞いが強い
巴流弦一郎は二回ジャンプして雷を返せば良いだけ


記憶の連戦・修羅

柔剣 エマ
葦名一心
怨嗟の鬼
心中の義父

一心は試しに使った桜舞いが有効だった
怨嗟の鬼は心なしかHPが少ないような気がする
神ふぶきを使用して斬っていればすぐに終わる

心中の義父は大技に合わせて霧がらすが有効


記憶の連戦・不死断ち

獅子猿
大忍び 梟
宮の破戒僧
巴流 葦名弦一郎
心中の一心

一心以外はいつも通り戦えば余裕
一心の大技に対してはやはり霧がらすが有効

記憶の連戦・死闘踏破

全ボス 見返りはない
いちおう追記


アイテムデータ

戦いの記憶・心中の弦一郎

心中に息づく、類稀な強者との戦いの記憶

鬼仏に対座し、戦いの記憶と向き合うことで、
攻め力を成長できる

心中の弦一郎、
記憶の中でも、その執念は変わらぬ
葦名を生かすため、さらに強くあらねばならぬ


戦いの残滓・心中の弦一郎

心中に息づく、類稀な強者との戦いの記憶

今はその残滓のみが残り、
記憶は確かに狼の糧となった

幼き日、弦一郎は、城裏で巴の舞いを見た
それは舞いであり、巴流の秘伝でもあった
そして、追い求めても生涯届かぬ高みであった
だが、宿敵との死闘を重ねた弦一郎は、
記憶の中なれど、巴の高みについに至った


戦いの記憶・心中の義父

心中に息づく、類稀な強者との戦いの記憶

鬼仏に対座し、戦いの記憶と向き合うことで、
攻め力を成長できる

心中の義父、
記憶の中で相対したのは、
全盛をも越える義父であった


戦いの残滓・心中の義父

心中に息づく、類稀な強者との戦いの記憶

今はその残滓のみが残り、
記憶は確かに狼の糧となった

かつて梟は幼い狼を薄井の守に置き去りにした
まぼろしに敗れ戻れぬなら、それまでのこと
まぼろしに勝ったなら、まだ息子である

ただ、そうやって、親子を続けてきた


戦いの記憶・心中の一心

心中に息づく、類稀な強者との戦いの記憶

鬼仏に対座し、戦いの記憶と向き合うことで、
攻め力を成長できる

心中の一心、
記憶の中でも、その無心は変わらぬ
強気を追い求め、ただひたすらに斬るのみよ


戦いの残滓・心中の一心

心中に息づく、類稀な強者との戦いの記憶

今はその残滓のみが残り、
記憶は確かに狼の糧となった

一心は最期まで死闘を求めた
記憶の中だろうと、それが変わるものか

己を斬った者と戦うなど、まこと血がたぎる


姿変え

元の記憶・狼

狼自身の元の記憶

鬼仏で心中に宿せば、狼の姿が元に戻る
やはり、しっくりくるだろう


別の記憶・葦名の古忍び

別の誰かが残した記憶
心残り、あるいは執念と呼べるもの

鬼仏で心中に宿せば、狼の姿を変えられる
ただし、能力に影響することはない

これは、かつて葦名に仕えた、ある忍びの記憶
腕を斬っていただいた
隻猩の名をいただいた
その恩を、きっと返さねばならん




別の記憶・修羅

別の誰かが残した記憶
心残り、あるいは執念と呼べるもの

鬼仏で心中に宿せば、狼の姿を変えられる
ただし、能力に影響することはない

これは、葦名の民草が歌い継いだ修羅の記憶
 野にはむくろが、山となり
 竜泉川は、あけの川
 鬼はおおかみ、あけの神





別の記憶・天狗

別の誰かが残した記憶
心残り、あるいは執念と呼べるもの

鬼仏で心中に宿せば、狼の姿を変えられる
ただし、能力に影響することはない

これは葦名の天狗の記憶
鼠を目にしたら、どうにも斬らずにはおれぬ
そんな心地になる




流派技


秘伝・桜舞い

回転の勢いで舞う様に跳び、斬りつける流派技
形代を消費して使用する

流れるように放たれる連撃から
空中での攻防につなげることができる

これは巴流の秘伝の技であるが、
ときに巴は、己が主のため舞いとして捧げた
桜散る日は、もう近い
帰れぬならば、せめても舞いを

2020年10月28日水曜日

Bloodborne 考察まとめ7 上位者2 眷属の上位者

※心中お察し弦一郎まで時間がないのでやや下書き気味であるが公開する。追記・修正を加える予定である

眷属の上位者

  • 白痴の蜘蛛、ロマ
  • 星の娘、エーブリエタース
  • 星界からの使者(大)
  • アリアンナの赤子


眷属とは上位者に連なる人ならぬ者たちのことをいう


眷属の死血

上位者に連なる、人ならぬ眷属たちの死血


そしてこれらの眷属が連なるという上位者とは(現時点で判明しているものに限れば)、「輝ける星」である


トロフィー「イズの大聖杯」

輝ける星の眷属たちの故郷 その封印たる「イズの大聖杯」を手にした証


※聖杯ダンジョン「イズの碑」にロマ、エーブリエタース、星界からの使者が登場することから、この三者は同じ「輝ける星の眷属」であると考えられる


さて、眷属たちの故郷と言われているのは「イズ」である

聖歌隊によれば「イズの地は宇宙に触れている」という


イズの汎聖杯

「聖歌隊」によれば、イズの地は宇宙に触れている

故に上位者たちは、かつて超越的思索を得たのだと


その宇宙にある(いる)のが上位者「輝ける星」である


宇宙は空にある。聖歌隊」(工房の手記)


聖歌装束

見捨てられた上位者と共にを見上げ、星からの徴を探す

それこそが、超越的思索に至る道筋なのだ


では一体、輝ける星の眷属になるというのは何を意味するのか?


端的に言ってしまえば、眷属とは「輝ける星」の精霊に寄生された苗床のことである


「苗床」

この契約にある者は、仰ぐ輪の幹となり

「苗床」として内に精霊を住まわせる


上位者であれ人であれ、輝ける星の精霊に寄生された者は「眷属」と呼ばれるのである


つまり「眷属の上位者」とは眷属でもあり上位者でもあるが、眷属であること上位者であることは本質的には関係がないのである(苗床になれば虫とて眷属である)

※確かに眷属は上位者の精霊によって変異するものであるが、眷属になったからといってそれが上位者になる理由はならない


眷属は上位者に連なるが、といって眷属=上位者というわけではない


だからこそ上位者ではない眷属も存在するし、眷属ではない上位者も存在するのである



アリアンナの赤子

娼婦アリアンナオドンの赤子が「星の子ら」であることから、オドンが「輝ける星」なのではないか、という解釈もできるがこれは正確ではない

星の子ら

なぜならば、上述したように眷属であることと上位者であることは異なるレベル存在理由により判断されるのであって、眷属の上位者の赤子だからといって、父親である上位者が眷属であるとは言い切れないからである

※本編において、親子関係にある眷属は存在していない。眷属とは血によって受け継がれるものではなく、たんに精霊に寄生されたか否かによって決まるからである

忘れてならないのは、娼婦アリアンナ聖堂街の住人であることである

そしてまた彼女は血の嗜みの習慣のあったカインハーストの末裔でもある


さて、現代ヤーナムを特徴づけているのは、血の医療である


特殊な製法により調合された血による医療行為であり、現在その血の根源にいるのは大聖堂の最深部にいる「エーブリエタース」である(過去の聖血はメルゴーのもの)


つまり、現代ヤーナムには眷属の血が広まっているのである。とはいえ血の医療を受けた全員が苗床になるわけではない。精霊の祝福を望み、拝領を与えられなければ人は苗床になることはできないのである


聖血を得よ

祝福を望み、よく祈るのなら

拝領は与えられん(エミーリア説教)


夜空の瞳

精霊に祝福された軟らかな瞳



さて、聖堂街の住人でありカインハーストの末裔である娼婦アリアンナが血の医療を受けたり血を嗜んでいたことは想像に難くない


また彼女は狩人に対して自らの血を飲めとさえいう。これは彼女が血の嗜みに対して、それが自然な行為であると認識していることを示している


そんな彼女が血を飲んでいないとは考えにくい。わざわざ彼女をカインハーストの末裔としたのも、その特殊な血と血の嗜みという設定が必要だったからである


要するに、娼婦アリアンナは「眷属の血」を摂取していたことで、眷属の精霊に感染していたのである(Bloodborne「血液感染」というタイトルにも合う)


精霊に感染することと「苗床」になることはではない


そしてそれは娼婦であるがゆえの業、すなわち彼女の妊娠していた胎児にも影響を与えたのである


アリアンナは赤い月の以前から妊娠していたのだ。その自覚があるからこそ、彼女は産まれた赤子を見て「ああ、私の赤ちゃん… 私の素敵な赤ちゃん…」(アリアンナ未使用セリフ)と呟くのである


妊娠の自覚がなかったのならば、突然産まれてきた赤子に対してこうは反応しない


そしてこれこそが、赤子が表示されないヨセフカとの差異の理由である。ヨセフカはもともと妊娠しておらず、赤い月の夜、直接的に姿なきオドンの赤子を妊娠したのである


ゆえにその赤子は表示されず(姿なき)、ただ3本目のへその緒をドロップするのである


ひるがえってアリアンナの場合、彼女の胎児は眷属の血によって汚染され、輝ける星の精霊に寄生されていたのである


いわば胎児の段階で「輝ける星の眷属」だったのである


そこに干渉したのがオドンである


オドン、すなわち神秘の上位者の影響を受けた胎児は「青ざめた血(瞳)」を得て、眷属の上位者として誕生したのである(アリアンナの血は、オドンは



ロマと星の娘、エーブリエタース

ロマ上位者であり眷属である

ロマはゴースあるいはゴスムによって「瞳」を授けられ上位者となったとされる


過去の考察でとは「青ざめた血」のことである、と述べたことがある

この青ざめた血としての瞳は、3本目のへその緒を3本使う、あるいは父と母から受け継がれるものである。ここで父は神秘の青を、母は血の赤を象徴する


上位者の死血は青ざめた血であり、「瞳」である


ロマは眷属であることから苗床化していたと考えられる。つまり輝ける星の精霊に寄生されていたわけだが、それはゴースから受け継いだものではない


というのも、ゴースの寄生虫苗床の精霊を刺激する存在であって、苗床の精霊そのものではないからである(苗床の精霊そのものであったのならば、自分たちで自分たちが興奮しどうにもならなくなる)


また、同じゴースから瞳を得て生まれてきたゴースの遺子は上位者ではあるが、眷属ではないゴースから受け継いだ精霊によりロマが眷属化していたのだとしたら、ゴースの遺子眷属のはずである


よって、ロマは輝ける星の精霊に寄生されて眷属になったものの、それは彼女が上位者になったこととは関係がない(ロマの誕生については後述する)


一方のエーブリエタース上位者であり眷属である

エーブリエタースは「星の娘」と呼ばれ、また見捨てられた上位者とも言われる


彼女がいるのは大聖堂の最深部にある嘆きの祭壇である

その祭壇にはロマに似た甲虫の殻(から)が祀られており、彼女は祭壇の前で甲虫に祈るようにひざまずいている


聖歌隊によれば、聖歌隊と彼女は共にを見上げ、からのを探しているという


聖歌装束

見捨てられた上位者と共にを見上げ、からのを探す

それこそが、超越的思索に至る道筋なのだ


なぜエーブリエタースが空を見上げているかというと、そこに彼女を見捨てた者がいる(いた)からである


ここで少し整理してみよう


  1. ロマはゴース(あるいはゴスム)からを授かって上位者になった
  2. ロマ眷属であり、輝ける星の精霊寄生されている
  3. 星の娘、エーブリエタース見捨てられた上位者と呼ばれる
  4. その星の娘がいるのは嘆きの祭壇である
  5. その嘆きの祭壇に祀られているのは、ロマによく似た甲虫型生物の殻である
  6. 聖歌隊とエーブリエタースは、を見上げ、からのを探すとされる
  7. 見捨てられたエーブリエタースは甲虫の前でひざまずいている


空を見上げ、と言われているが、実際にエーブリエタースが見上げているのは嘆きの祭壇の甲虫である。であるのならば、それが聖歌隊のいう「」ということになる


その空は宇宙のある空であり、その宇宙には「星」がある

星、つまり輝ける星である


これらを総合すると、「輝ける星」とは嘆きの祭壇に祀られている「ロマに似た甲虫」、あるいはその内部にいるであろう何らかの精神体である


つまるところ嘆きの祭壇甲虫上位者「輝ける星」である。上位者であるがゆえに抜け殻になってなお「時間を操る」能力すら有しているのである


生きているヒモ

しかし、それはやはり上位者であり、遺物を残す


※クトゥルフ神話におけるイスの偉大な種族との関わりは過去の考察参照のこと。イスの偉大な種族は時間の秘密を解き明かした唯一の種族と言われる精神生命体であり、甲虫に宿ることもある


ロマの姿父親の姿継承したものである。なぜならばロマこそ、ビルゲンワースによって奪われた、輝ける星とゴースの赤子だからである


ミコラーシュはゴースあるいはゴスムがロマに瞳を与えて上位者にした主旨の言葉を述べている。しかしこれは、人が瞳を与えられて上位者になったことを意味するのではない


上位者であるからには「瞳」を授けられたに違いない、というミコラーシュの固定観念から出た言葉である


つまり、ゴースから誕生したロマは上位者であった。ゆえにゴースあるいはゴスム(コスモス、宇宙、輝ける星)から「瞳」を授けられたに違いない、という仮定をもとに発せられたセリフなのである


ビルゲンワースの関係者にロマという人物は存在しない。一方でゴースの赤子の行方は「奪われた」と言われる以外に一切触れられない


※加えて赤子が奪われたことを嘆く漁村民が呪っているのはビルゲンワースである


※また狩人の悪夢や漁村は「秘密」と表現される。一方でウィレームは晩年に「秘密」を湖に隠したというが、これはロマのことである


…なあ、あんた、時計塔のマリアを殺したまえ

その先にこそ、秘密が隠されている…(やつしシモン)


月見台の鍵

晩年、学長ウィレームはこの場所を愛し、安楽椅子に揺れた

そして彼は、湖に秘密を隠したという


一方の星の娘は、輝ける星とイズ人とのあいだに産まれた娘であり、その誕生過程は娼婦アリアンナと類似したものであろう


すなわち、海水を媒介輝ける星の精霊に感染したイズ人がいて、彼女自身もしくは彼女が妊娠していた胎児がその影響を受けて「苗床化」したのである


そしてその苗床の胎児オドンなり「輝ける星」なりが干渉して生まれたのがエーブリエタースである。ゆえに彼女は苗床の性質である軟体生物的形状をしているのである


まとめると、ロマ純粋な上位者であるゴースと輝ける星とのあいだにできた上位者の赤子である(それは出産前にビルゲンワースに奪われた


ゴース元人間ではない。なぜならばゴースの寄生虫人に宿るものではない、とされるからである。それが宿ったことで人ならぬ者に変異したという仮説は論理的に矛盾する


またエーブリエタースは苗床の胎児にオドン(あるいは「輝ける星」自身)が働きかけて上位者となったものである


ロマとエーブリエタースは姉妹であるが、生まれ方が異なるのである


※星の娘を、輝ける星の子を産む巫女(娘)と解釈することも考えたのだが、星の娘の英名は「Daughter of the Cosmos」である。これが「Maiden of the Cosmos」ならば血の聖女とも関連付けられたのだが…


ゴースの寄生虫苗床の精霊(輝ける星の精霊)を刺激するのは、上位存在であるゴース輝ける星の性的興奮を反映してのことである。簡単にいうと繁殖相手を見つけた興奮が先触れの次元でも発露しているのである



星の娘、エーブリエタース

ロマや輝ける星との関係は既述したので、ここでは補足的な考察を述べる


イズの地は宇宙に触れているという


イズの汎聖杯

「聖歌隊」によれば、イズの地は宇宙に触れている

故に上位者たちは、かつて超越的思索を得たのだと


ここで言われる宇宙とは「輝ける星」のいる領域のことである


また、イズ聖杯やエーブリエタースの造形を鑑みるとイズの地は「海」と関係の深い土地である。加えて海のゴース輝ける星とのあいだに上位者の赤子が生まれていることから、海と宇宙に棲む上位者は生物学的な近縁性がある


※ここでも母なる海と父なる天という神話的な象徴が使われている


イズは海辺もしくは海中にあり、輝ける星の精霊は海水(血と成分が似ている)を通じてイズ人に感染していったのである


精霊に寄生された生物は苗床となる

精霊の主が輝ける星であるのならば、その苗床は眷属となる


イズの時代、エーブリエタースは娼婦アリアンナの赤子と同じような過程をたどって誕生したと考えられる


すなわち、海水の影響で胎児が苗床化し、その胎児がオドン(あるいは「輝ける星」)の干渉により上位者化したのである


イズの時代にはまだ「輝ける星」は嘆きの祭壇に見られる甲虫の内に宿っていた

しかしいつの頃か、輝ける星は眷属たちを見捨てて空の彼方へと去ってしまったようである


残されたのはかつて「輝ける星」が宿っていた甲虫の殻のみである


見捨てられた上位者は空(から)となった殻(から)を見上げ、そこに父の徴が現われるのを嘆きながら待ち続けているのである


宇宙は空(から=殻)にある


※クトゥルフ神話におけるイスの偉大な種族は時間の秘密を解き明かした唯一の種族とされる。ゆえに女王の肉片の時間を巻き戻すことができたのかもしれない


※「宇宙は空にある」の英文は The sky and the cosmos are one.(空と宇宙は一体) であり、「空=殻」と解釈可能なのは日本語版のみである。物語の解釈に日本語版を参考にするという流れは reddit にも存在するが、それをとするのかとするのかは、解釈者次第である




星界からの使者(大)

空の彼方に去って行ったのが輝ける星ならば、空の彼方にある星界からやって来たのが星界からの使者(小大)である(宇宙は空にある)


上述したように「」とは「空(から)となった輝ける星の殻(から)」である

星界からの使者は眷属であり、輝ける星の精霊に寄生された苗床である


その輝ける星の精霊がどこから来たかというと、「輝ける星の抜け殻」の内部からである


上位者である輝ける星は去ったが、その殻の内部にはいまだ先触れが残っていたのである

これは真珠ナメクジがエーブリエタースの痕跡として残されるのと同じ現象である


真珠ナメクジ

地下遺跡の各所に巣食う、奇妙な小生物たち

特にナメクジは、見捨てられた上位者の痕跡である


空となった殻から発見された精霊により眷属に変異したために、その苗床は「星界からの使者」と呼ばれるのである(宇宙、つまり星界は空(殻)にある


エーブリエタースと共に空を見上げる(つまり嘆きの祭壇の空の殻を見上げる)聖歌隊にとって、輝ける星の抜け殻から採取される精霊は星の徴であり、超越的思索への道である


偽ヨセフカはこの精霊を用いてNPCの何人かを星界からの使者に変異させたのである


この精霊とは具体的には「彼方への呼びかけ」であろう。彼方への呼びかけはハダカカメガイの一種クリオネに酷似しており、クリオネとは言うまでもなく海の生物であるが、「彼方への呼びかけ」は同時に星の小爆発を伴うともされる


つまり、海と星界の双方の性質をもつのである。これは宇宙の上位者でありながら、海水を媒介に苗床を増殖させる輝ける星と共通する性質である


※この精霊が「輝ける星の精霊」そのものなのか、または宇宙に関連する他の精霊なのかは不明である


かつて医療教会が、彼方への呼びかけを媒介に高次元暗黒に接触し、遙か彼方の星界への交信を試みたのも、「彼方への呼びかけ」が星界にいる上位者の先触れであるからである


次に星界からの使者(大)が上位者化した原因であるが、これもやはりアリアンナの赤子と同じ経緯により誕生したものと考えられる


すなわち、妊娠中の胎児が輝ける星の精霊により寄生され苗床となった後に、オドンの影響により上位者化したのである


星界からの使者(大)の例では、母親は血の聖女である。血の聖女の血オドンの神秘とが混ざり合い、それは「青ざめた血」を構成したのである。眷属となっていた胎児は両親の血と神秘とを受け継いだことで上位者となったのである


一方、上でも書いたが星界からの使者(小)はたんに星界の精霊に寄生されただけの「苗床」である



蛇足

「Fate/stay night」15周年記念サイトに宮崎英高氏がメッセージを寄せているが、「fate」の原作者の奈須きのこ氏は『空の境界』という小説を書いている

これは『そらの境界』ではなく『からの境界』と読む

2020年10月27日火曜日

Bloodborne 考察まとめ6 上位者1 神秘と獣の上位者

一連の長い考察(予定)のイントロダクションのようなもの

当初の予定では上位者一つの記事にまとめるつもりだったのが、思ったよりも長くなりそうなので分割することにした


神秘と獣の上位者

上位者たちのなかでも神秘と獣の上位者は特別である。対極的なこの二者の接触によりヤーナムに上位者が誕生するからである

1.神秘の上位者

[オドン(姿なき上位者)

神秘は「宇宙」「海」「死と闇」など複数の概念を含んだ複合概念である。類似概念にソウルシリーズの「混沌」や「深海」が挙げられ、その根源にはおそらく共通して「深淵」がある

2.獣の上位者

[Great One Beast(上位者の獣)]

神秘の上位者に敵対する獣の上位者
業火により封印されているが世界に呪い(虫)を送り込む

神秘は青獣は赤の色で現わされ、この両者が交わることで「上位者の赤子」は誕生する

いうなれば神秘は父性であり、獣は母性である

父と母の交わりにより「赤子」は産まれるのである

女王ヤーナム、娼婦アリアンナは獣の上位者の穢れた血をもっていたために、上位者の赤子を産むことができたのである

逆に言えば神秘と獣の上位者の結合以外に上位者の赤子が生まれる方法はない

すべての上位者が赤子を失ったのは、獣の上位者が封印されてしまったからである。しかし人間のうちにわずかにその血を受け継ぐ者たちがおり、特殊な状況(赤い月)においてのみ、上位者は彼女たちを妊娠させることができるのである


その他の上位者

※この項に関しては、上位者の考察が進行する過程で変更が加えられる可能性が大きい

結論から述べれば、現在のヤーナムに見られるその他の上位者は「青ざめた血」を持つ者たちのことである

といって、すべてが同じような方法同じような青ざめた血を持つに至ったわけではない。青ざめた血に到達する道はいくつもあり、また到達点も微妙に異なっている。しかしながら、それらは、大きなくくりで「青ざめた血」を持つ者たちなのである

このうち、上位者の赤子は「青ざめた血」を持って産まれた者たちである
また上位者を代理母とし再誕することにより上位者に至った者もいる(ゴースの遺子)

これら青ざめた血を持つ上位者をカテゴライズすると以下のようになる
このカテゴライズも後で変更になる可能性大

A.眷属の上位者

[アリアンナの赤子、白痴の蜘蛛ロマ、星の娘、エーブリエタース、星界からの使者(大)]

B.再誕の上位者

[ゴースの遺子]

C.海の上位者

[ゴース]

D.人造の上位者

[メンシスの脳みそ]

E.上位者の落とし子

[アメンドーズ]

F.上位者の赤子

[狩人、メルゴー、月の魔物、アリアンナの赤子、ヨセフカの赤子]

G.死と闇の上位者

[メルゴーの乳母]

H.輝ける星の上位者

[輝ける星]


カテゴライズといいながらあまりまとめきれていない。この原因は「神秘」が多様な概念を含む複合概念だからである(本作に得体の知れない深みを与えている理由でもある)

最初に述べたがあまりにも長くなりそうなので、適当な位置で分割する
次回は「A.眷属の上位者」の予定である

2020年10月10日土曜日

Bloodborne 考察まとめ5 世界構造 追記:ロマ

世界構造

ブラッドボーンの世界には対立する2つの大きな領域がある

神秘の領域と獣性(血)の領域である


このうちヤーナムが存在するのは獣性(血)の領域である


また、この2つの中間領域として「青ざめた月」と呼ばれる領域が存在する

神秘と獣性という2つの領域に属する「青ざめた月」は両者を媒介する力を持ち、この月の接近により2つの領域は「重なり合う


※現時点においては神秘が優勢であり、その重合は神秘による獣性への侵食という形をとる


地上から見上げると青ざめた月の下部が見え、「赤い月」として認識される


3本目のへその緒(捨てられた古工房)
すべての上位者は赤子を失い、そして求めている
故にこれは青ざめた月との邂逅をもたらし
それが狩人と、狩人の夢のはじまりとなったのだ


この構造は宮崎氏がインタビューで述べていた、ゴシックホラーをクトゥルフホラーが侵食していくイメージ、という設定を踏まえたものである


Bloodborneにはゴシックとクトゥルフスタイルの両方のホラーの側面があると思いますが、最初から描かれているのは前者であり、ゲームの視覚的な感触のガイドを提供します。それは、ゴシックホラーがより現実の世界に基づいているからです。もちろん、それはそれが本物であるという意味ではありません–それはグロテスクな恐ろしい恐怖の世界です。そしてここ、あなたはクトゥルフスタイルの恐怖によって徐々に侵食されているような世界を持っています。そういうイメージ。(インタビューより


本作の悲劇ならびに惨劇のすべては、これら神秘と獣性の領域が衝突することによって発生している。そしてそれは世界レベルでの現象であると同時に、人間レベルの現象でもある


赤い月が近付くとき、人の境は曖昧となり
偉大なる上位者が現れる。そして我ら赤子を抱かん
(ビルゲンワースのメモ)


また、前回の3本目のへその緒の考察でも述べたように、2つの領域の混交は「精霊・虫」のレベルでも起きている


上位者の神秘トゥメル人の血の混交によって生まれるのが上位者の赤子であるのならば、「精霊・虫」の混交によって生まれるのが「3本目のへその緒」である


このように、世界・人・精霊(虫)という3つのレベルにおいて、獣性領域に対する神秘領域の侵食が行なわれ、それぞれ青ざめた血の空(世界)・上位者の赤子(人)・3本目のへその緒(精霊・虫)として結実するのである



青ざめた月

そして統合を果たした三者(世界・人・虫)は神秘と獣性との統合、すなわち青と赤の統合によって生み出される「青ざめた血」によって示唆もしくは直接的に表現される


世界レベルで神秘と獣性の統合が進むと、そこには「青ざめた血の空」が現れる(ヤハグルのように)

二つの世界の統合過程と「青ざめた血の空」の表出を図にしたものが以下である

※「青ざめた月」とは3本目のへその緒のテキストに登場する語句

青ざめた月と神秘領域の重なる結節点から「青い神秘」が流出し、それは獣性の赤と混じって「青ざめた血の空」を展開する


この図の概念を単純化し、視覚記号化したものが以下である



そしてこれにカレル文字「月」を重ね合わせたのが以下である




「瞳」が現れ、そしてそれはカレル文字「月」と一致するのである



※瞳の出現は2つの領域を球あるいは円(楕円)として表現した場合に限られるが、上位者の死血では神秘と獣性は円形や球形として描かれている




※このあたりの図形遊びはおまけのようなものである

ロマ

さて、上述したような世界構造にロマを含めると、以下のような図になる



ロマは赤い月の降下を防ぐ神秘の障壁を張っているのである


ゴースによって上位者となったロマは、同時に輝ける星の眷属であり、その本性は限りなく「神秘」に近い


ロマは神秘という“不可知の雲”によって赤い月を覆い隠し、赤い月が接近するのを防ぐ障壁となっているのである


やや話が逸れるが、墜ちてくる災厄を防ぐために障壁を張る少女(ロマは女性である)という役割は、FF7におけるエアリスと同じである


すなわち白痴の蜘蛛ロマとは、かの世界的RPGのヒロインに匹敵するような自己犠牲と友愛のキャラクターである


これによって私はこう主張したい。人間であったときのロマは美少女であったと。なぜならば、そちらの方がより悲劇性が高まるからである