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2019年4月18日木曜日

Sekiro 考察19 白木の翁

仙郷
 隻狼が桜竜ステージに到着したときに「仙郷か…」と言っているので仙郷と源の宮とは厳密には区別されると思われる

白木の翁の特徴として
仙郷に登場する
木と人の融合したような姿をしている
黒と白がいる
・竜に罹っている
翁たちとの戦いを経て桜竜が顕現する


仙郷に到着した直後の桜竜は、枯れかけた姿をしている


それが翁との戦いを経て咲き誇る桜の神的な姿になるのである

この白黒の翁たちとの戦いにどういう意味があるのだろうか

というのは、かつてDethStrandingの考察でも触れた記憶があるが、一種の神である。能楽においては「式三番(wikipedia)などで「天下泰平・国土安穏・五穀豊穣を祝祷」する翁として登場するが、その正体は老いた神である

ではとは一体いかなる神であるのか

金春禅竹による『明宿集』では、翁は宿神と同定され、住吉明神、諏訪の神、塩釜の神、走湯山の神、筑波山の神であるとされる

この宿神とは、元来はシャグジ、シュグジなどと称された小祠の神の名(コトバンク)であり、柳田國男は『石神問答』において、境界に祀られる石神であるといっている

このシャグジに敬意を表わす『御』の字を付けると、ミシャグジとなる。このミシャグジ(Wikipedia)は、正体の分かっていない神とされ、縄文時代から祀られているとか、芸能の徒の隠された神であるとか、境界を司るであるとか言われているが、金春禅竹に宿神と同定された「諏訪の神」でもある

この諏訪の神であるミシャグジとは、元来は石や樹木を依り代とする神である

つまり翁=宿神=ミシャグジとなり、とは樹木に依り憑く樹木神であることがわかる

白木の樹木的な姿をしているのは、能の「翁」をモチーフとしたからであろう

※これほど迂遠な説明をせずとも、『高砂』に登場する翁は「松の精」である
※『猩々』や『巴』、『鍾馗』など能のモチーフもちらほら見える、のかなぁ?

ちなみにミシャグジ神は後に蛇神(白蛇)ともされ、その神徳は「百日咳治癒」である


さて、翁の登場する「式三番」のうち、二番目に登場する白色尉(はくしきじょう)をつけて舞い、三番目に登場する三番叟黒式尉(こくしきじょう)をつけることになっている(式三番(翁) |能・狂言事典 - ジャパンナレッジ

この三番叟の舞いをもって舞い納めとし、めでたく「天下泰平・国土安穏・五穀豊穣」が成り、桜竜の生命力が復活するのである


つまるところ仙郷ステージにおける白木の翁たちとの戦闘は、戦いというよりも「舞い」なのである。その目的は、枯れ衰えた桜竜に活力を与えることで復活させることである

黒面の翁たちが頭を下げているのも、舞いが終わったことを神に伝えているのである

舞いは、桜竜とのコミュニケーション手段であった可能性がある
 竜の舞い面
  源の宮で、淤加美の女武者は、
  竜がために舞いを捧げた
  すると不思議と力がみなぎったという

ちなみにサクラという文字は、「稲(サ)」+「神の憑依する座(クラ)」が語源とされることもあり、「お米は大事」なのである(Wikipedia)


1 件のコメント:

  1. なるほど式三番ですか。こっちの見方も面白いですね。
    自分は千手観音の信仰の「枯れ木に花を」を単純に思い浮かびました。
    花咲か爺の元ネタの考え方で、花咲か爺は川から流れてきた根から生まれた犬のシロから様々な幸を貰うのと色々重なります。生まれたのは竜ですがw
    ゲームでは白は神性の色ですし、十一面観音はゲームでは重要なポジションにあったので。
     桜竜を千手観音としてみると翁達が最後に崇めるのも十一面千手観音が観音の王だから、翁達の死骸の灰からの復活もゲームテーマに沿っていますしね。千手千眼を無数の枝と花で表現してるのかなぁっと思いもしました。
     千手観音は十一面観音と分けられてもいますが、合一としたほうが竜と蟲からなる「源の水」のようで面白いですしね。
    ただ千手観音は桜竜が持っている七支刀は持ってないから飛躍解釈なのかもしれません。そもそもなんで七支刀を持ってるのかも豊穣の神だからなのか位しかわかりませんでしたけど。
     色々な見方が出来て面白いですね。

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