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2018年7月17日火曜日

Death Stranding 考察7 時雨

時雨(ときう、タイムフォール)

前提(ソースありの設定)

 違う世界の雨であり、空中にあるときだけ触れたものの時間を進める(IGNインタビュー)
 一度別のものに触れるとただの水になる(IGNインタビュー)
 触れたものの時間を進める(T4)
 クリプトビオシスを食べると時雨に耐性がつく(T4)

クリプトビオシス(cryptobiosis、「隠された生命活動」の意)は、クマムシなどの動物が乾燥などの厳しい環境に対して、活動を停止する無代謝状態のこと。水分などが供給されると復活して活動を開始する。(Wikipedia クリプトビオシス)

観察から得られる推察

 時間が進むのは生物だけである(各種トレーラーより。車が錆びたり建物が急激に崩壊したりはしない) 

 植物では、萌芽→生長→枯死という一方通行の経緯をたどる(回帰的に復活するわけではない)
 T4においては植物が何度も復活再生しているようにも見えるが、あれは土中に埋蔵されている無数の種個別に芽吹き、生長し、枯死していっているのである(同じ個体が生と死を繰り返しているわけではない)

 T3において男が急激な老化現象を呈するが、その際の変化は少なく見積もっても10年単位である
 本当に時間が速まっているのであれば、その間の細胞の死と再生に必要なエネルギーをどこからか摂取しなければならない(車の下敷きになった男が、栄養を摂取できている様子はない)

 時雨に細胞の成長を異常に促進する効果があるとして、さらに未知のエネルギーが含まれているとして、それならばなぜ樹木が一本も生えていないのだろう(樹木は種類によっては数千年の寿命をもつものがある。時雨に降られたとしても、かなり耐性があるはずである)


DSにおける時間とは何か

これまで「触れると時間が進む液体」に対して物理学的な理屈をつけようとしてきたものの、わたし自身の力不足もあって断念することにした

 確かに、時間の流れが異なる事象は物理学的には可能である(Wikipedia 時間の遅れ)

 しかしながら、同じ場所にいて一方の時間だけが速く進むという現象、ならびにそれを引き起こす液体がどうしても物理学的に説明できなかったのである

 ただし、ひとつだけそれが可能な場所がある。
 コンピューター上に構築された仮想世界である
 
 仮想空間であれば現実の物理法則など無視しても問題はないし、局所的な時間変動を及ぼす液体をつくることも可能だろう(あるいはそれ自体がバグである可能性もある)。仮想空間内なのでプレーヤーが急激に老化してもエネルギー問題は発生しないし計算リソース節約するために、樹木は最初から生えていないのである

 サムが爆発に巻き込まれても「海」で復活するのは、死んだのが仮想空間内のアバターに過ぎず、現実のサムはアイソレーションタンク的海に生存しているからであり、「BT」は壊れかけた仮想空間内における狂ったプログラムであり、ボイド・アウトVOIDとはプログラミング言語において「何もない」ことを意味する関数であるがゆえに仮想空間内のVOIDを示し、物資とはバグを修復するワクチンであるかもしれず、銃に描かれたスライムのようなものは「プログラムのバグ」をあらわしているのかもしれない

 サムにつながるケーブルはそこが現実であることをあらわしており、そのケーブルは巨大な量子コンピュータの端末に接続されており、サムはケーブルを通じて仮想世界へ向かうのである
なぜかというと、つまるところ仮想空間内に重大なバグがあり(あるいは違う世界とつながってしまったか)、狂ったプログラム群、邪神群現実世界に侵食してきているからだろう。彼らは仮想空間を通じて現実世界に影響を及ぼすことができる。仮想空間内の物質(サムのアイテム)が「海」に出現するのは、彼らの爆発的な手技のなせる技である

 と、ありふれた仮想空間に逃げ込みたくなるほど「時間」というのはややこしくて厄介なものなのだ

 アウグスティヌスが言うように、『時間とは何か、そう尋ねられなければ、なんであるか分かっているのに、人から尋ねられたとたんに、分からなくなってしまう』ものなのである

 正直なところ「触れると時間が進む液体」は、そうったものがあるものとしてあまり深く考えない方がよいのかも知れない
 『ソラリスの陽のもとに』におけるF物質のようなものである(そういえばソラリスにも「海」が登場していた)

 とにかく「触れると時間が進む液体」というのがあり、それに触れた生物は異常成長→急激な老化→死という段階を経てしまうのだ


カイラル虹

以前の考察で「逆さ虹」について触れたことがあるが、わかりやすく図にしてみた。以前の考察では「対称性」という言葉を使ったがこれはCPT対称性が念頭にあったためであり、現在では「対掌性」(カイラル)の方がより適切であると思っている




世界構造

かなり妄想の混じった世界構造の図である

 胎盤や羊水という用語は役割を示すための便宜的なものであり、それが本物の子宮であるということではない


 生命の海から老廃物が排出され、それが世界に時雨として降り注ぐ
 この時雨の成分は生命の老廃物=死という不思議物質である
 カイラル物質であるために、光を対掌的に屈折させカイラル虹ができる

 時雨は純粋な死そのものであるがゆえに、生物に触れると生物の「生命時間」を奪ってしまう。生命時間とは、生物が生命を保っていられる時間のことであり、これが急速に進むことで、生物は急激に老化して生命を保てなくなる(植物の種子であれば、急激に成長して枯死する)

 クリプトビオシスはその性質的に「生と死の曖昧な仮死状態」を意味する
 よって、それを摂取した者も「生と死の境界が薄れ」時雨の作用が弱まる

 BRIDGESとしてのサムは臍帯を「空」につなげることで生命の海へエネルギーを送り込む役目がある。そのために物資を所定の位置に運ばなければならない(伝説の運び屋としてのサムは、人に必要な物資を運んでいた)

 同じ物資の運搬でもその目的が異なるのである

 生命の海からは常に老廃物が排出されているため、エネルギーを送り続けなければ、その維持ができないのだ。あるいは巨大な人工子宮とも呼べる海で、何かしらの大事なもの育まれているのかもしれない

 また掃除屋は生育に失敗した生命が下の世界へ落ちるのを防いでいる
 おそらく諦めたプレーヤーやボイド・アウトに巻き込まれた人間が空へと落ちてゆき、掃除屋に食べられる

 エネルギーの供給が滞り続けるとやがて生命の海は死の海へと変貌する
 育まれていた生命群は陸に座礁し、死に絶えてしまう

 BT「死」が擬人化されたものであり、「死」であるがゆえに生命を渇望する。生命を取り戻し「海」に還ろうとしている
 BTに取り込まれた生命は死と対称的な存在であるために、対消滅を引き起こす。そうして発生したワームホールが海へと瞬間的に繋がり、爆発に巻き込まれた物質などをに撒き散らす



カイラルアレルギー

カイラルに対するアレルギー症状を示すということは、体内にカイラルに対する抗体ができているということである
 しかしながら地球の生物はカイラル物質に対しては、本来は何の反応も示さないはずである。物質としての型が違うからである(地球の生物が「右型」のアミノ酸をエネルギーとして使えないように)

 つまり、カイラルアレルギーをもっているということは、その身体の中にカイラルな器官、あるいは細胞を保有しているはずである
 おそらくそれが「絶滅因子」なのではないだろうか

 この体内に存在するカイラルの量により「レベル」が決まり、より多くカイラル器官をもつ人間は、カイラルなものが「見えたり」「触れたり」することができるのかもしれない

 なぜ「絶滅因子」と呼ばれているかというと、カイラル因子を保有する人間は、普通の人間と子を成せないからではないだろうか。人類とカイラル因子をもつ人間とは、対掌性があり双方は握手(繁殖)することができない

 おそらく人類の中にカイラル因子をもつ者が現れ、その数が増えていっているのではないか。カイラル因子により、人類は子孫を作れなくなったのかもしれない。それが未来が座礁したということであり、やがて人類は絶滅してしまうのかもしれない

 ドゥーム(ドゥームでないのは何か意味が?)とは破滅や死を意味し、またDoomsdayとは最後の審判を意味する
 ドゥームスとはカイラル因子を保有することでカイラル世界へ行ける資格を持った人間なのではなかろうか


帰還者

サムは「帰還者なので戻ってこれる」
 これを翻訳すると「サムはドゥームスなので、カイラル世界へ行き、また戻ってこられる」ということだろう

 カイラル因子をもつ者は、カイラル世界に帰属する。そしてカイラル世界には生命の海がある。純粋な生命エネルギーに満ちた海だ。カイラル因子をもつがゆえに、サムはその恩恵を受けることができる

 たとえ死んでも、爆発で身体がバラバラになろうと、カイラル因子海に戻ることさえできれば、完全に再生するのである(T3の爆発では気を失った程度だろう)

 そして蘇生したサムは再び臍帯を通って地球へと帰還する
 
 

パタパタ

 生命の海由来の特殊な光によって、BTたちの注意をそらす(生命を渇望するBTたちにとってその光は抗いがたいほどに魅力的)
 赤ちゃんが浸かっているのは、生命の海で満たしたポットである


終わりに

これ以上外れ考察を増やしてもなぁとも思ったのだが、暇なときに考えていたことをまとめてみた

時雨に関しては観念的な説明になってしまったが、これが自分なりの限界である
生命の動的平衡説と絡めようともしてみたが、どうしてもエネルギー問題が解決できず、また細胞成長の異常促進を「時間が進む」と表現してよいものかという懸念もあり、断念することにした

ゲームの目的としては、各プレーヤーが緩い連帯のもとに生命の海の維持すること、あるいは「黄金の胎児」(Wikipedia インド神話)でも生育する…ということになるんですかね?

一切のこだわりを捨てて本音を言えば、仮想空間説が最もシンプルで妥当だと思われる
現実と絡んだ仮想空間の物語であり、おそらくループもの

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