まとめ

まとめページ

2021年10月2日土曜日

Dark Souls シリーズ考察24 ファランの城塞

ファラン城塞の建つ土地はDS1の時代には黒い森の庭であり、さらに遡るとウーラシール王家の森庭であった


つまりファランの城塞を飲み込んだ腐った森とは、ウーラシールの森なのである


腐れ松脂

腐った森に飲まれたファランの城塞


ウーラシールが深淵に飲まれかけたことはDS1のDLCに詳しい


ウーラシールは今、古い人の化け物が生んだ深淵に飲まれようとしています(霊廟の守人エリザベス)


深淵はDS1の不死の英雄の活躍に留められたものの、その余波はウーラシールの地を徐々に変容させていったのであろう


つまるところ腐った森とは、深淵の影響を受けた森である


このように、ファランの地は黒い森の庭王家の森庭という、2つのエリアを継承した土地であり、それらの要素が複雑に絡み合ったエリアでもある



不死隊

不死隊の使命は深淵を監視し、その兆しがあれば、一国すら葬り去ることである


ファランの不死隊は、不死人の旅団

狼の血に誓い、深淵を監視し、その兆しがあれば一国ですら葬り去る(脱走者ホークウッド)


最初の深淵の監視者は、アルトリウスである


狼騎士の大剣

狼の騎士は、最初の深淵の監視者であり

その剣もまた闇の眷属に大きな威力を発揮する


ここでアルトリウス狼の騎士と言い換えられているが、「狼騎士の大剣」がDS1の「深淵の大剣」であることから、狼騎士=アルトリウスであることは明白である


全体的に深淵によって汚されていること、また柄の一部が折れていることが最大の特徴である


アルトリウスと関連づけられることは狼の指輪にもある


狼の指輪

グウィン王の四騎士に与えられた特別な指輪

狼の指輪は「深淵歩き」アルトリウスのもの


重要なのは、狼騎士の大剣が「アルトリウスの大剣」ではなく「深淵の大剣」であることである


というのも、DS1において「深淵の大剣」を作るのに必要なソウルは、「大狼シフのソウル」ではなく、「アルトリウスのソウル」だからである


※大狼シフから作られるのは「アルトリウスの大剣」(2種)である


よって狼騎士の大剣錬成することのできる「狼血のソウル」とは、すなわち「アルトリウスのソウル」のことである



狼血のソウル

狼血を分けた監視者たちのソウルは

また狼血の主のソウルでもある




狼血の主

ファランの老狼大狼シフの存在から、狼血とは彼ら狼の血であると思いがちである


しかし狼血とは正しくは、狼騎士の血のことである。これは狼騎士の大剣にもそう記されている



狼騎士の大剣

ファランの狼血の主

深淵の闇に汚れた騎士の大剣



改行によってやや不明瞭になっているが、深淵の闇に汚れた騎士こそが、ファランの狼血の持ち主であると読解することができる


これを「狼血の主人、深淵の闇に汚れた騎士」と読むこともできるかもしれない


つまり大狼シフ(狼血)の主人である騎士、と解釈することである


しかしこれは上述したように、狼血のソウルから「深淵の大剣」が錬成できることから否定される


もし仮に狼血大狼シフの血とするのであれば、そのソウルから錬成されるのは「アルトリウスの大剣」であるはずである


また老狼の血でないことは、老狼のソウルに宿ったのが老狼の曲剣であることからも明瞭である



老狼の曲剣

ファランの番人と共にある老狼

そのソウルの宿った曲剣



黒い森の庭王家の森庭という2つのエリア融合したために、関係性が複雑になっているが、不死隊は大狼シフではなく、アルトリウスの系統の末端に位置する者たちである




ファランの番人

深淵の監視者系統が確定したことで、ファランの番人系統も導き出される


不死隊がアルトリウスの系統であるというのならば、ファランの番人大狼シフ系統の末端に位置する者たちである


不死隊とファランの番人がまったく別の組織であることは、狼血の剣草にある



狼血の剣草

老狼戦士たち眠りを守る

ファランの番人たちが、その使命を果たした証

乾いた血の付いた剣草の葉



ファランの番人は戦士たちの眠りを守る者であり、ファランのに近付くものを狩るという使命がある


ファランの番人

番人は、戦士たちの眠り守る者であり

ファランの近づくものがあったとき

誓約霊としてそれを狩る使命がある



戦士たちとは、深淵の監視者たる不死隊のことである。そして戦士の眠りとは、戦士の死の比喩であり、眠りを守るとはすなわち戦士たちの墓を守ることに他ならない


これとまったく同じ使命を持っていたのが、DS1の誓約「森の狩猟者」である



あたしは黒い森のアルヴィナ

こので、墓を穢す侵入者を狩る、狩猟団の長だよ(白猫アルヴィナ)



そしてこの黒い森ボスは「大狼シフ」であり、彼女は亡きアルトリウスの墓を守っていた


大狼シフのソウル

「深淵歩き」の騎士アルトリウスに仕え

彼の墓を守ってきた灰色の大狼シフのソウル



深淵の監視者の墓守る狼の構図は、森の狩猟団として組織化され、その使命は後代になってファランの番人たちに受け継がれたのである


このように、ファランの番人は大狼シフの系統の末端に位置する者たちである



グルー

アルトリウスの系統が不死隊大狼シフの系統がファランの番人だとすると、ではグルーとは何なのか


まず、グルー侍祭の末裔であり、不死隊とは彼らの常備薬を作るような関係にあった


黒虫の丸薬

深淵の監視者たる不死隊の常備薬

侍祭の末裔たるグルーたちは

今もそれを作り続けているという


侍祭不死隊であるとは言い切れない。あくまでも不死隊の協力者であった可能性も否定できないからである


しかしながら、不死隊に近い者たちであることから、侍祭は黒い森の庭ではなく、王家の森庭に属する者であると考えられる


つまり系統から考えるのならば、グルー侍祭経由してウーラシールに連なる者たちである


ではグルーウーラシールどの要素受け継いでいるのだろうか


グルーの獣的な姿から、王家の森庭にいた園丁とは考えにくい


侍祭という聖職者的なネーミングから、霊廟の守人エリザベスならびにその末裔(キノコ人)という可能性はありそうである


エリザベスはDS2には聖女として伝わっている


ファランの城塞の毒沼には、古老のスクロールを抱えたキノコ人の死体があり、その近くには数匹のグルーがたむろっていることからも、グルーとキノコ人の強い関連性がうかがえる(単にグルーが狩っただけなのかもしれないが)


しかしキノコ人からグルーに変異するかというとやや疑問である


グルーにはこれといってキノコ要素は残っていないし、すぐ上でも書いたように、むしろグルーがキノコ人を狩っているようにも見えるからである


造形的にもっとも近似なのが、ウーラシール民である


ウーラシール民(魔術師):右手に拗くれた木の杖を持ち、頭部からは拗くれた角のようなものが無数に生えている

長老グルー。拗くれた木の杖をもち、頭部からは拗くれた角が生えている


長老グルー怨念的赤い魔術を撃ってくるが、これはダークソウル融合した奴隷騎士ゲールのそれと同色である


つまり長老グルーゲールと同じようにダークソウル、すなわち人間性(暴走した深淵)影響強く受けていると考えられる


長老グルーと同じように深淵の影響を受けて変異したのがウーラシール民である


肥大した頭部

深淵の主マヌスのに飲まれ

人間性を暴走させたウーラシール民の頭部


大きく肥大し、ギザギザとささくれており

その間に無数の赤い眼球状の瘤がある


表面は硬質だが、中は乾かぬ体液で湿り

正気であればこれをかぶろうとは思うまい


人間性を暴走させたウーラシール民の頭部には、無数の赤い眼球状の瘤があるとされる


同じようにグルーは瘤角を持っている


腐れ松脂

腐った森に飲まれたファランの城塞

そこに巣食う瘤角のグルーが作るという


以上の根拠からグルーウーラシール民の末裔であると考えられる(侍祭を経由した)



ウーラシールの宵闇

しかしながらウーラシールは亡国であり、その民は残らず変異しており、侍祭として深淵の監視者の協力者になるようには思えない


だが、DS1の時点でたった一人だけ正常なウーラシール民が生存していた


それがウーラシールの宵闇である


ファラン城塞に多くの痕跡を残すウーラシールの宵闇

宵闇はその販売アイテム装備からも分かるように、魔術職である。また深淵の主マヌスに囚われるほどに、闇や深淵と縁が深い


何より彼女は深淵から自分を救ったのはアルトリウスであると信じている


アルトリウスの意志を受け継ぐ「深淵の監視者」に協力するには充分な理由を持つキャラクターであろう


DS1以後、彼女がどのような人生を送ったのかは不明であるが、彼女は本作に数多くの痕跡を残している


幼い白枝

闇の少女がはじめて手にした魔術の杖

やがて苗木となり、三本の白い木になった

今もその幼い枝には、彼女の悪戯が宿るという


不死街深みの聖堂ファランの城塞に生える白い木を彼女の足跡と考えることができる


※イルシールのドーリスがいる場所にも幼い白枝が落ちているが、「三本」と記されていることから、上記の場所に限定した


ファランの城塞には宵闇の装束である「古めかしいシリーズ」の入った宝箱があることから、彼女はファランの城塞で最期を迎えたと考えられる(大蟹の近くには宵闇の頭冠も落ちている)


DS1で主人公がマヌスを倒し深淵を押しとどめた後、彼女はウーラシールを再興しようとし、各地をさすらい、そして最期は後にファランの城塞の建てられる場所で死んだのである



私はウーラシールの宵闇

貴方とは違う時代、とても古い時代の人間なのです

…ここに長く留まることはできません

(ウーラシールの宵闇)


それでは、私は、私の時代私の国に帰ります

(ウーラシールの宵闇)



侍祭

宵闇がどのようにして子孫を作ったのかは分からない(なあに魔術でなんとかなる)


だが王家の姫君として子孫をなすことは責務であろう。彼女の硬い性格からして、王家の義務を軽視するとは思えない


そのようにして誕生したのが、宵闇の血を引く侍祭たちである(宵闇の他にウーラシール民は残っていない。であるのならば、その祖になれるのは宵闇しかいない)


侍祭たちは教祖宵闇救世主たる深淵の監視者、その系統にある不死隊の協力者となったのである


さて、侍祭とは、司祭に仕える奉仕者のことをいう


侍祭という名をつけるということは、司祭的な存在が前提されていることになるが、司祭という名は作中のテキストには一切登場しない


唯一、それにあたるのが「侍祭の長」という奇妙な位階である


上述したように、侍祭は直接的に司祭に仕える奉仕者であり、組織でもないし、そのがいることもない(各種事典を確認した限りそのような職はないようである。調査不足である可能性もある)


あえて侍祭の長にあてはまる位階を挙げるとしたら「司祭」である


ファランの侍祭組織は、ひとりの司祭に多数の侍祭仕える構造だったと考えられる


そして侍祭たちは宵闇の血を引く者たちなのだから、そのは最も強く宵闇の血を受け継ぐ者でなくてはならない


すなわち宵闇の直系侍祭の長になり、傍系侍祭となったのである


さて、侍祭は別名「祭壇奉仕者」ともいう。ファランの城塞の祭壇を建造し、維持してきたのも彼らであろう


彼らの使命は祭壇を維持すること、そしてウーラシールで神聖な生物とされたキノコ人保護することであった



黄衣の頭冠

古い黄金の魔術の国、ウーラシール

その神聖な生物を模したという頭冠



最近までキノコ人が生きていたのは、彼ら侍祭たちの保護のおかげであろう


侍祭ウーラシールの末裔であり、キノコ人神聖な生物として崇めたのである


だが、侍祭たちは次第に深淵に影響されてゆき、やがてかつてのウーラシール民のように変異してグルーになってしまった


理性を失った彼らは、神聖な生物を逆に狩りはじめたのである


そしてキノコ人は絶滅し、その遺体はかつて同じように祀られていた聖典(古老のスクロール)と共に打ち捨てられたのである



黄色指のヘイゼル

ヘイゼルは侍祭の長の娘であるである


ファランの矢雨

それは結晶の古老が直々に鍛え

侍祭の長に託したものであるという

その娘ヘイゼルの魔術として


侍祭=宵闇の末裔説で解釈するのならば、ヘイゼルは宵闇の直系ということになる


ほぼすべての侍祭グルーになった現在において、ヘイゼルは宵闇の意志を継ぐ唯一の侍祭であった


ヘイゼルはまた黄衣の探究者、すなわち失われたウーラシール魔術の探究者である


ヘイゼルのつるはし

ロザリアの指にして黄衣の探究者

黄色指のヘイゼルの得物


それは武器であると共に魔術の杖であり

こびり付いた金粉は失われた魔術の残滓である


黄衣の頭冠

古い黄金の魔術の国、ウーラシール

その神聖な生物を模したという頭冠


頭冠は、失われた魔術の探究者の装束であり

大きすぎる頭冠はその象徴である

奇態が導きたるなら、なにを恥じることがあろうか


黄金のスクロールの落ちている洞窟宝箱には「古めかしいシリーズ」が入っており、プレイヤーがその付近に到達するとヘイゼルが闇霊として侵入してくる


彼女はロザリアの指でありファランの番人ではない。よって、墓を守るために侵入してきているのではない


彼女が侵入してくるのは、自分の隠れ処を守るためであり、そこに隠された秘密を他者から隠しとおすためである


また彼女が黄衣の探究者となったのは、祖先であるウーラシール民キノコ人神聖な生き物として崇め、またその祖エリザベスウーラシール魔術と共にあると言われる存在だからである


ウーラシールの魔術は、私と共にありますから(霊廟の守人エリザベス)


宵闇エリザベスの系統は、ヘイゼルに至って合流したのである


メタ的にいえば、ヘイゼルはウーラシール要素を元に生み出されたキャラクターである



祭壇のレリーフ

ファランの城塞の火の祭壇。そのレリーフにはDS1の王たちが刻まれている


未使用のレリーフテクスチャには「白竜シース」が描かれているという

不死隊の試練とは言うなれば、DS1不死の英雄冒険を辿りなおす儀礼である


ファランの不死隊には、独特の入隊の試練があってな

城塞の内、3つの祭壇の火を消すことで、狼の血への扉が開く(脱走者ホークウッド)


DS1の不死の英雄が王たちを殺し王のソウルを集めることで最初の火の炉への扉が開いたように、ファラン城塞では王たちに見立てられた祭壇の火を消すことで、扉が開くのである


また不死の英雄王のソウルを集めたことで火継ぎの資格を得たように、王に見立てた火を消すことで火継ぎの資格を得る、すなわち薪の王たる不死隊への入隊を許可されるのである


※シースのレリーフが未使用な点についてのメタ的な理由としては、四回も火を消すとなると繰り返し感が強くなると考えたのかもしれない


つまるところ不死隊の試練は、DS1の不死の巡礼を追体験するような儀式である




女神ベルカ

この儀式を創造したのは何者であろうか


一つには「古今あらゆる秘儀」に通じているとされる罪の女神ベルカの関与が疑われる


沈黙の禁則

罪の女神ベルカは異端であるが

古今あらゆる秘儀に通じており

神々の中でも強い影響力を持つと言われる


ファラン城塞の扉が開いた先最初のエリアにいるのは、「鴉人」である。この鴉人はDS1では「ベルカの鴉人」という名であり、ベルカの信徒であった


またベルカはと関連づけられるが、不死院からロードランへ不死を運ぶのは「大鴉」であり、不死院の試練自体にもベルカの関与が強く疑われるものである


またかつて筆者はベルカとシースの隠れた共闘(共存)関係について考察したことがある。その正否はともかく、シースの祭壇がないのはベルカの意向とも考えられる


そのシースクリスタルゴーレムを介して宵闇と繋がっている


クリスタルゴーレムはシースの魔法生物の一種と考えられる。そのクリスタルゴーレムが宵闇を内部に封じていたことから、ウーラシールにもシースの影響が及んでいたことがうかがえる


またシースは魔術の祖とされるが、であるのならばウーラシールの魔術の祖でもあり、すなわち霊廟の守人エリザベスもまたシースの魔法生物の一種であるとも考えられる(キノコ人を改良)


月光の大剣

魔術の祖たるシースの魔力の結晶であり

その力は月光の波として解放される


つまりファランの城塞基底となったウーラシールには、深淵アルトリウス大狼シフウーラシール民宵闇等々に加えて、シースの要素も含まれているのである


であるのならば、シースのレリーフない(設定的な)理由も明瞭となる


ファランの城塞はある意味でシースの領域でもあり、それゆえに領主であるシース火を消すことが憚られたのである


※ちなみにウーラシールを謀ったという出っ歯の大蛇カアスであるが、カアス要素ダークレイスとして登場している


以上のようにファランの城塞は、ウーラシールに関わるすべての要素を用いて再構築されたエリアである



4 件のコメント:

  1. 初めまして、嗣子と申します。
    動画や考察記事の方、楽しませて頂いております。

    今回のこの記事もとても面白くて、なるほどなあと腑に落ちたのですが、一件気になることがあります。
    今回、狼血の主がアルトリウスということで、それは錬成できるものからも納得できるのですが、
    王のソウルでもないアルトリウスのソウルが、狼血として不死”隊”それぞれに分割され、また一つに纏まるという現象が気になりました。
    また、アルトリウスのソウルが狼血、として血によるものになったことも気になります。
    (DS1DLCで、キアランに森へ葬られる際の儀式としてそうなったのだろうか?)

    勿論、物語上そこは重要でないため十分な情報がないかもしれませんが……シードさんとしてはこちらどのようにお考えかお伺いしてみたいなあと思い、不躾ですが書かせて頂きました。

    今後の動画や記事、大変楽しみにさせて頂いております。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます

      まずソウルの分割についてはグウィンがソウルを一族に分け与えていることから、
      ソウルの分割は可能であると思われます


      大王の王冠
      最も強いソウルの王グウィンは
      火継ぎを前にその力を一族に分け与えた
      一族は数多く、それでも残されたこの王冠は
      何の力も帯びぬ、ただグウィンの象徴であった


      また英語版のオーンスタインのソウルには

      「Special beings have special souls. Lord Gwyn granted this soul to his four most trusted knights.」
      「特別な存在には特別な魂がある。グウィン卿が、最も信頼する4人の騎士に与えた魂です。」

      とあることから、四騎士はすべてグウィンのソウルを分け与えられていた可能性があります

      グウィンのソウルは王のソウルであり、王のソウルが分割できることから
      今回のような狼血のソウルを分け合う不死隊のような存在が生まれたのではないかと考えられます

      統合については、DS1のオンスモがそれぞれ倒れた相方のソウルを吸収することから
      これもソウルの性質の一つだと考えられます

      DS3でも無名の王が嵐の竜のソウルを吸収し、統合しています


      嵐の曲剣
      古竜の同盟者たる無名の王は
      生涯、嵐の竜を戦場の友とし
      竜が倒れたとき、そのソウルを己のものとした

      神代では、それは戦友の習わしであったのだ


      次に狼血のソウルが血に宿った点についてですが、
      本作には血とソウルの深い関係を示す例が2つあります

      1.ロスリックの血の営み
      2.暗い魂の血

      共通するのは、血にソウルを宿すのは小人とその末裔であることです
      人間がソウルを得るには、その血に宿さなくてはならない、という観念を見出すことができます
      (あるいは、ソウルは何らかの形で血に宿り、後代に伝わっていく)

      アルトリウスのソウル自体は森に葬られたか、あるいはキアランに吸収されたと思われます

      前者であれば、ある時偶然にアルトリウスのソウルを発見した人間がそのソウルを血に宿し、
      それ以降は血によって受け継がれるようになったと考えられます

      その最初の一人が薪の王たる深淵の監視者であり、彼が玉座を捨て、狼血を分有する不死隊を結成したことで
      狼血はどんどん薄まっていったというふうにも考えられます

      後者のキアラン吸収説では、キアランとアルトリウスの血を引く者が薪の王となり
      やがて玉座を捨てて不死隊を結成したというプロットも浮かびますが、キアランが子孫を残せたのかは不明です

      削除
    2. お早いご返信ありがとうございます。

      オンスモに無名の王!そうでした。すみません、度忘れしていたようで…!
      そして分割も、王のソウルを分け与えられた一族の内に四騎士たちが入っていてもおかしくない。簡単な見落としをして申し訳ありません。

      妄想ですが、ソウルの結合が神族の戦友同士の風習として広まっていて、グウィンがその風習の一環としてソウルを分け与えたのがあるとすれば、神族においてはソウルの分割と結合は技術として普及していたかもしれませんし、もし普及していなくとも四騎士というグウィンに非常に近しい彼らなら分割は見聞き、習得していてもおかしくないですね…。

      血の方も、確かにロスリック王家にゲールのそれがありました。
      死亡時のソウルも血痕に留まっていますし、血によるソウルの媒介は多数ありますね…!

      不死隊結成に至る経緯も非常に面白いです。深淵が再度顕れ、それを留める為にアルトリウスの墓を訪れた誰かが得たのかな、と思ったりもします。(再話、そして次の深淵の監視者が誕生していくという観点からも)
      結晶の古老との約束も、結晶=シースとの関係、と思うとシースのレリーフが無かったことにもつながってきそうです。

      後お答え頂いたものとは関係なくなってしまうのですが、ヘイゼルがなぜロザリアの指となっているかを考えると、深淵により変異した彼らを戻すためか、それとも自分が変異から戻してもらったのかともふと思いました。

      丁寧にお答えいただき誠にありがとうございます。非常に詳しく、分かりやすく例を提示していただけてすっと納得がいきました。
      今後の記事や動画も楽しみにお待ちしております!

      削除
    3. 自分もキアランの関連については盲点だったので
      新鮮な視点からの指摘をいただいて嬉しかったです

      キアランやヘイゼルの行動原理を含めて加筆する予定です
      ありがとうございました

      削除