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2019年5月8日水曜日

Sekiro 考察29 かつての竜咳

竜咳が広まったのは、仏師とエマ葦名に厄介になる以前のことである。というのも、

「かつて、葦名に… 竜咳が広まったことがあったといいます そのときは、治すことが叶わず… 助かる者は、無かったそうです」(エマ)

エマのこの証言は伝聞であり、当事者の言い方ではない

「我が師、道玄の悔い わずかでも、晴らせたのならば、良いのですが」(エマ)

この、道玄の悔い、という言葉からは、道玄が竜咳の治療に関わったものの治療に失敗したこともうかがえる

これらのことから、竜咳が広まったのは道玄が生きていた時期のことであり、エマがまだ道玄の養女になる前のことであることがわかる

ではそもそも竜咳とはなにか
竜咳とはエマによれば(これも伝聞である)

「はい。我が師、道玄より聞いたことがあります 竜胤は、回生の力を授けることができる しかし、それは常ならぬ力 繰り返せば、やがて淀みが溢れ 関わった者に、病として降りかかる その病を、竜咳と呼ぶ…と

回生を繰り返すことで淀みが溢れ、関わった者に病として降りかかる病のことであり、その原因は、

「竜咳の源… それは、血の淀みです」(エマ)

なぜ血が淀むかというと

「貴方は、たとえ回生の力が尽きていたとしても… いずれ、蘇っています 代わりの力を… どこかから、奪っているのでしょう」

「おそらくは 竜咳になった者は… 人が、人として、生きるための 当たり前の力を、奪われています ゆえに、血が淀むのでしょう」

これらの証言から、丈の咳竜咳ではないという結論も得られる

丈の咳が竜咳であるのなら、エマはそれに接した経験があるはずで、そうだとするのなら、道玄からの伝聞や推測ではなく自分の経験として語るはずである

常桜の下で丈が笛を吹き巴が舞う光景をエマが目にしているところから、丈が咳に苦しみだしたのは、それ以後であることがわかる(この時は健康だった)

それが竜咳ならばエマは竜咳の発生に立ち会っているはずで、竜咳を治療しようとしたはずだからである。その場合、伝聞ではなく自分の失敗談として隻狼に伝えるであろう

※常桜の光景は咳が治ったあとの出来事という事も考えられるが、治ったという情報がないことから可能性は低いと思われる


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では、かつての竜咳とは何だったのか

かつての竜咳に直接的に関与するのは、次の二人と考えられる
三組目の竜胤と竜胤の従者を指し示すような情報は現在のところ存在しない

:九郎と隻狼の関係を当てはめるのならば、かつての竜咳は巴が広めた可能性が高い

竜胤の御子として関わった可能性が高い

さて、竜咳が発生するためには巴の死が必要であるが、「あれほどの遣い手は、そうはおらぬ」と一心に評される巴に危害を加えられる存在とは何か

まず思いつくのは一心その人である

「見惚れて、斬られそうになるなど…」、という一心だが、斬られたわけではない。斬られていない以上、何よりも戦いを求めた一心が巴との戦いを中断するとも思えない。その戦いは行き着くところまで行ったのである。つまり互いの生死を懸けた死闘である

死闘が行われた時期は、提示されている出来事の中に探すとすれば、一心の国盗りの最中である

※国盗り戦とは全く無関係の突発的な出来事と考えると、巴の側に戦う理由がない。ただでさえ丈を護衛しなければならないのに、無駄な戦いを挑むとは思えない。また一心がそうした相手(女子供)を相手に理由もなく戦いを仕掛けるとも思えない

※また葦名に人ならぬ一族が攻め寄せた戦い、とも考えたが、戦いがあったのは「いにしえの昔」であり時期が合わない

以上のことから、国盗りの最中に理由があって一心は巴と敵対した、とするのが妥当かと思われる

とすると、巴は一心の敵、つまり「敵将、田村」側の武将として一心と戦ったのであろうか。それは考えにくい。「源の水を、祀ることすら許さ」なかった支配者側が、その信仰の源ともいえる巴と丈を味方にすることは思えないからだ

よって、は一心でも田村でもない第三の陣営に参加していたと推測される

それが落ち谷衆である

巴は丈を伴って、落ち谷衆陣営に身を寄せていたと思われる。巴は淤加美一族であり、その末裔である蛇の目率いる落ち谷衆からしてみれば、始祖のような立場である。葦名に降りてきた巴がまず安全な場所を求めるとすれば、まず落ち谷であろう

※竜胤の雫が落ちている場所、例えば谷落ちの洞窟の先は落ち谷の領域であり、また落ち谷の供養衆は雫を2個売っている。これら竜胤の雫が売られたり落ちている場所は、丈か九郎が足を運んだ場所だと考えられる(仙峯寺には不死斬りを取りにいったのであろう)

その落ち谷衆を支配下に置いて鉄とその火力を奪おうとしたのは、まず田村陣営、次に一心であろう(このあたりは「もののけ姫」と似ている。巴はエボシポジ)。両者との戦いで巴は何度か死に、そのたびに回生したのである。結果、葦名に竜咳が広まったのである(いくら巴が強くとも戦闘集団を相手にしては分が悪い)

最終的に巴は一心に敗れ落ち谷衆は一心に協力することとなったのである

葦名城城下に落ち谷衆が敵として登場することや、鉄砲砦の鍵が葦名城にあるのも、この時の由縁である

剣聖一心が使う連発銃は、落ち谷衆の技術により実現されたものであろう。おそらく落ち谷衆は最終的に一心に協力することとなり、その銃の技術を一心が取り入れたのであろう
 戦いの残滓・剣聖葦名一心
  即ち、死闘を重ね、貪欲に強さを求め、
  あらゆる技を飲みこもうとした一心

巴と戦ったことで一心は竜胤と回生の力を知り、その負の面である竜咳を広めないために、国盗り後も彼ら(巴と丈)を庇護したのである(すでに自分も関わってしまっているということもあったか)

2 件のコメント:

  1. 丈の竜咳、自分はもっと単純に「老い」だったんじゃないかと思っています。
    あるいは以前の記事で仰ったように竜胤から桜竜へ生命力を吸うシステムがあって、SEKIRO世界においてはそれこそが「老い」の原因だったとか。

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    1. 弦一郎のイメージから変若水や澱は体を頑丈にさせるような水という印象がありますが、変若水とあるように本来は「若さ」や「老い」に関係する水ですからね

      その源にある桜竜や竜胤も、不死や常しえというより「老若」が基礎にあるのではないかと最近は思います

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