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2019年4月11日木曜日

Sekiro 考察11 水生村(クトゥルフ篇)

「化做蛞蝓得自由(ナメクジになり自由を得た)」(内藤丈草) 

Sekiro世界における水生村の考察はまだまとまっていないので、ひとまずクトゥルフ方面から読み解いてみたいと思う

なぜクトゥルフかというと、Sekiroの解析によって「京の水」の元の名前が「インスマウスの生き肝」であることが判明しているからだ

京の水とは都に渡った人間が飲むことになっており、実際に飲んだ神主が軟体生物化したアイテムである

インスマウスとはラヴクラフトの『インスマウスの影』(インスマス Wikipedia)という作品が元ネタであり、そこではインスマウスという海辺の町の住人たちが魚人族と混血を重ねた結果、半漁人的な特徴を獲得し、さらに年を取った住民は海底に棲むようになる(魚人は不死)、という怪異譚が語られる

これが源の宮で起きていることの、ざっくりとした元ネタであり、その怪異のネタバレであることは、すぐに理解できるかと思う

では、水生村で起きていることも源の宮と同じ現象なのか、というと、これが少しことなる

神主が変貌したのは、あくまで「京の水」を飲んだからであり、その「京」とは源の宮を意味する言葉である
つまり、インスマウス=源の宮なのであり、水生村がインスマウスとは言い切れないのだ

そもそもインスマウスだけでは、水生村で確認できるナメクジの存在が説明できない


では、水生村にいるナメクジは一体なんなのか

クトゥルフ的に答えるのならば、「グラーキ」(Wikipedia)である
英国作家ラムジー・キャンベルのクトゥルー神話作品『湖畔の住人』に登場するナメクジ型の旧主である

詳細はWikipediaあるいは各種クトゥルフ事典なりで読んでもらいたいが、彼らは隕石の落下によってやって来て、湖の底に住んでいる神である

また、グラーキの棘に刺されると、人はゾンビとなりグラーキの奴隷にされるという

ナメクジ型、湖底に住む、住民はゾンビと化す、(そしておそらく隕石)」
これらの共通点から、水生村の元ネタは『湖畔の住人』であると思われる

つまり水生村で確認できる半分だけナメクジ化した魚は、魚がナメクジ化したものではなくナメクジが「インスマス的変貌を遂げ」魚に変化しつつある、その過程の姿なのである

源の宮のモチーフは『インスマウスの影』であり、水生村のモチーフは『湖畔の住人』なのである

この二つの作品を混淆して創作されたのが、源の宮および水生村なのであり、Sekiroにおいては、この二つの町に潜む「影たち」互いに影響し合っており、人間はその「影たち」の接触に、彼らとの意志とはまったく無関係に巻き込まれているだけなのである


蛇足

以上のように源の宮と水生村はクトゥルフ的な解読が可能である




2 件のコメント:

  1. クトゥルフ的要素があるとすると、彼らが降りてきたタイミングによっても
    また世界観の解釈が変わってきますね
    面白い!

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    1. クトゥルフ方面から全体を考察してみるのも面白いかもしれません
      ただクトゥルフは扱いが難しいので私はちょっと距離を置く感じです

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