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2019年3月8日金曜日

隻狼 竜

※発売前の考察です


※たぶん「柿のあれ」に関する攻略情報を求めてる人が来てる気がするのでソレに関する情報は削除しておきます(検索妨害になるので)


竜胤(りゅういん)

回生とは「竜胤の御子の力」であるという。この「胤」という言葉は「将軍の御落胤(ごらくいん)」や「後胤」として使われるように、血筋や血を受け継ぐものという意味を含んでいる

 よって、御子は竜の血を受け継ぐ存在である、と考えられる

 この竜の御子を葦名の家臣である平田家が軟禁していたことを考えると、葦名一心の国盗りによって滅ぼされたのは「竜の国」であると思われる

 旧主である竜の御子を「殺せなかった」のか「その力に眼をつけた」のか不明だがとにかく、御子はその血筋ゆえに生かされた



竜退治

さて、竜の国というのはもちろん、竜が王である

 ここに、「竜退治をする英雄」の構造が見受けられるのである

 聖ゲオルギオスや『ニーベルングの指輪』のジークフリートが退治するファフニール、ギリシャ神話のヘラクレスに退治されるヒュドラや、インドラに倒されるヴリトラ、日本でいうのならスサノオの退治したヤマタノオロチ等々、世界中に伝えられる神話である

 さらにさかのぼればメソポタミア神話のマルドゥックによるティアマト退治がある

 これら「竜退治の物語」が象徴的に語るのは、「混沌の死による秩序の誕生」である。ここで竜は混沌の象徴であり、英雄は秩序の象徴である。英雄は混沌を象徴する竜を倒すことで、世界に秩序をもたらすのである。

 原初の混沌を殺すことで、秩序が誕生し、世界は今のように形作られた、というこの構造は、ダークソウルと同じである

 ダークソウルにおいては、グウィンという名の英雄が、古竜という名の混沌に戦いを挑み、勝利することで世界に火差異=秩序の象徴)をもたらしたわけである

 デモンズソウルにおいては、ソウル(認識の力)が衰えることで混沌に還ろうとする宇宙を、獣のデーモン(認識のデーモン)を復活させる、あるいは自身が認識のデーモンとなることで、再生させようとする(秩序を取り戻す)わけである

 ※あらゆる竜退治譚に共通するが、混沌といっても完全な混沌ではない。マルドゥックやグウィンの存在が許される程度には混沌度は減っているのである

 ※デモンズソウルはちょっと記憶が薄れてるので自信がない。



竜咳(りゅうがい)

本作では本当の死をくり返し、竜胤の力を使って復活し続けると、竜咳という病が世界に振りまかれるという

 上記のように竜=混沌と考えると、竜咳とは混沌の病であると考えられるように思える

 混沌とは生と死すら曖昧な状態である。その混沌の力を使って生き返るというのは、「新たな生命を得る」のではなく、「隻狼を混沌の状態に置く」ことで、その生と死を曖昧なものとし、死を無効にしているのである
 
 この混沌の力を使えば使うほど、世界の混沌度が高まっていく。なぜならば、この世界における生と死という絶対的な秩序が乱されるからである




御子

さて、回生をくり返し、世界の混沌度を高めていくと、当然ながら混沌を象徴する御子にも変化が現われる

 混沌度が高まれば高まるほど、御子は竜に近づいていくのである

 それは最終的には不死の竜と化すであろう。その竜を殺せるのは、不死斬りを持つ隻狼だけなのかもしれない

 ファフニールがそうであったように、不死の竜とはいえ弱点がある。「竜の逆鱗」というのがそれである。おそらく葦名一心もそうやって倒したのだと思われる

 ※ダークソウルにおいてウロコのない竜シースの裏切りによって古竜が倒されたというのは、その弱点をグウィンに教えたからであろう。竜の弱点を教えることが出来たのは自身が「ウロコのない竜」であるからに他ならない

 ※御子が竜となった姿は、おそらく一般的な竜とは異なると思われる。たとえそれが窮極の混沌のただ中にいる「外なる神」であっても。



蛇足

※以下は完全な蛇足であり、読んだところで何らかの益があるものではない


混沌に還ろうとする世界に秩序を取り戻そうとする」というのが、ソウルシリーズの大まかな物語構造である

 英雄による竜退治がその始端だとすると、ソウルシリーズは、その終端に位置する物語であろう。これは北欧神話におけるラグナロクと類似した構造であり、またベルセルクにおけると同じようなシステムである(混沌をその極みに至らせることにより、鷹という闇の秩序を打ち立てる)

 つまるところ物語全体は、衰えた太陽の復活の復活を目的とする冬至の祝祭であり、物語の始まりは冬の始まりを告げるハロウィンであり、「冬来る」(ゲーム・オブ・スローンズ)なのである
 
 Sekiroの物語も同様の構造を有していると思われる。
 
 英雄が竜を討伐することで葦名の国は打ち建てられた。混沌は去り秩序がもたされたのであるが、秩序はやがて衰えてゆく。現在の葦名の国は危急存亡のときにあり、英雄の打ち立てた秩序が失われようとしている。

 この危機的状況にあり葦名一心の孫が目をつけたのが御子であるが、彼はおそらく竜の御子の力が混沌であることを知らない。たんに不死の軍団を作れる便利な力だと考えていると思われる

 しかしながら、混沌を象徴する竜の御子の力は、人の手に負えるものではない。国勢は復活するどころか、誰も彼もが混沌の力に惹きつけられ、魅入られ、狂っていく。徳の高い僧侶ですらあらがえない魅力が、混沌にはある。

 それは闇の力とでもいうべきか、深淵に取り込まれたアルトリウスのように、彼もまた闇に堕ちるであろう

 回生の数が少なければ御子は人の姿を保っていられる=かろうじて残った秩序により葦名の国は続いていく。

 回数の数が多く御子がとなった場合=隻狼が竜を倒すことで新たな秩序を生み出すか、あるいは御子を闇の王として立て、混沌の国を建てるか(闇の王エンド)

4 件のコメント:

  1. 竜胤の御子に関する考察はあっとさせられました。
    確かに御子は誰の血脈かはどこにも書かれてないですね。
    「変若の御子」の御子=使い という点もまた、某スレとの格の差を見せてくれました。
    すごく参考になっています!ありがとうございます。

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    1. コメントありがとうございます。
      御子=使いに関しては、あてずっぽうです。御子神とかそちらの線から考察を進めたほうがよかったかなと思っています
      変若(月神)の御子(神族)が「神使」としての役割も果たしているというかなんというか

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  2. PVの「血筋を利用されちまう」って意味が分からなかったけどこの説ならすごい納得できるね
    葦名が得ようとしてる尋常ではない術もこれならぴったりだし、面白い
    あと気になるのはタイトルかな
    ブラボもダクソも考察しない人には意味を掴みづらかったみたいに、今回の「隻狼」にも別の意味が込められてるのか、Shadows die twiceの方で攻めてくるのか楽しみ
    Shadowsって誰なんだろうか 現状、「影」で括れる複数人が見えてこない

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    1. コメントありがとうございます。
      竜の御子はソウルシリーズでおなじみですね。今回はそれをメインにしたのか、まったく的外れなのかわかりませんが…

      複数形の影に関しては、隻狼以外にも竜胤の御子の加護を受けている者がいるんじゃないかと。たぶん無理やり御子の力を使ってるんだと思いますが

      御子の意志により加護を受ける隻狼と、意志に反して加護を得ている存在は、どちらも影でありながら、その在り方は表と裏といいますか、光と闇的な対照的なのかもしれません

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