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2018年6月25日月曜日

Death Stranding 没考察 爆発

一度にすべてを説明しようとして方向性を間違えた没考察
没なので読む価値はないが、全部徒労に終わるのもしゃくなので、戒めとして残しておく

BRIDGESマーク

Redditでちょくちょく見かける「BRIDGESマークに欠損がある」という指摘
拡大してみると確かに東海外のワシントンD.C.のあたりを中心としてクレーターが出来ているように見える

爆心地を中心としてクモの巣のような放射状の線が走っているようにみえる
この爆発がPV3にあった「これが 我々が目撃する 最後の爆発になる」であろうか
(ただしあくまでBRIDGESのマーク、つまりデザインされた図形であるため、象徴的な意味合いである可能性も十分にある)

爆発

これほどの爆発を引き起こすものとしてすぐに思い浮かぶのが核爆発物質と反物質の対消滅が引き起こす爆発、あるいはブラックホールの蒸発に伴う爆発である

ノーマンが歩く大地が放射線に汚染されているようには見えないこと、また黒い巨人に人間が喰われた時に起こる爆発から推測するに、どちらかといえば物質と反物質の大規模な対消滅が起こった可能性もあるが、今回はブラックホールの蒸発に伴う爆発を推してみたい(ブラックホールの生成法については後述する)

話の筋が少しそれるがPV4では「奴ら」に喰われると「ボイド・アウト」し、「一帯がクレーター」になるといわれている。

奴らに喰われることで発生したブラックホールはすぐに蒸発するものの、同時にその一帯が「ボイド・アウト」してしまう。ボイドとは「大規模宇宙構造においてなにも存在しないとされる空間を指す」(超空洞wikipedia

なぜグラウンド・ゼロ(爆心地)ではなく「ボイド・アウト」なのかというと、その空間がボイドのように何もない空間になってしまうからではないだろうか

さて、このブラックホールを発生させる「奴ら」「BT」とも呼ばれている
まずPV3においては「小型の奴ら」に捕まっても即座にボイド・アウトは引き起こされない。ボイド・アウトが起こるのは、巨人に喰われた直後である

次にPV4であるが、黒い小型の奴らに捕まり、地面の黒い水に引きずり込まれたところで映像が終わっているが、おそらくこの後にボイド・アウトがおこったと思われる

優先度でいえば巨人>地面の黒い水ということになるだろうか
BT=Blackhole Titansとか考えてみたがかっこ悪いし違うだろう
あるいはbrane(膜)か

ワシントンD.C.の爆発

次に、そもそもの発端となると思われるワシントンでのブラックホールの蒸発に伴う爆発がなぜ起きたのかを考えてみたいと思う

ブラックホールの生成というと、CERNによる粒子の加速衝突実験が思い浮かぶが、CERNの実験ではブラックホールが生成されたとしても極小のものにしかならず、大規模な爆発に至る可能性はない

また大規模な実験施設必要となるため、ワシントンのような都会で行われる可能性は低いと思われる

小規模な実験施設で可能で、かつブラックホールを生成してしまうような実験が理論物理学的には存在する

それがワームホール(詳細はwikipedia参照)である
ワームホールとは、
時空のある一点から別の離れた一点へと直結する空間領域でトンネルのような抜け道である。(wikipediaワームホール)
ある種の「橋」のような役割をもっているワームホールであるが、このトンネル構造を保つためには、ある物質が必要となる

それがエキゾチック物質(wikipedia)である

負の質量Wikipedia)を持ち、重力に反発するような既知の物理法則を破るような風変わりな性質を持つという(架空の物質であるが)

もしこのエキゾチック物質がなければワームホールのトンネルはつぶれてしまい、ブラックホールに変化してしまうという。

ワシントンで行われたワームホール生成では、このエキゾチック物質の濃度が低すぎた可能性がある(必要というのは理論上分かっているので、無かったとは考えにくい)

こうしてCERNの実験ほどマイクロではなく、銀河の中心にあるような巨大なサイズでもない、非常に手ごろなサイズのブラックホールが生成されたと思われる

手ごろなサイズのブラックホールはすぐに蒸発し、その蒸発に伴い「最後には爆発的にエネルギーを放出して消滅」したと思われる。そうして起きたのがワシントンD.C.における破局的な爆発だったのだろう



ワームホールの行く先

さて、ワームホールをつくったというからには、トンネルを通ってどこかへ行こうとしたはずである
ワームホールの始点はわかっている。ワシントンD.C.
ここでBRIDGESのマークが意味を持ってくる
ワシントンのグラウンド・ゼロからクモの糸のようなものが全米に伸びている
その横軸と縦軸が交わった結節点が少し膨らんでいるのがわかる

この結節点こそ、ワームホールで結ぼうとした場所ではないだろうか
確かにマーク上の欠損した地点で爆発が起きたのかもしれない。しかし同時にこのマークは、全米を覆うワームホールのネットワークも示しているのではないだろうか(つまりワームホールによる輸送はすでに実現していた)

全米各地を結んでいたワームホールのネットワークだが、おそらくワシントンで事故(エキゾチック物質の濃度の低下)が起き、そうしてブラックホールが生成されてしまった。こうしたワームホールのブラックホール化により、ワームホールの終点にも影響が出たはずだ

具体的には各地のワームホールが小型ブラックホールに変化して爆発、周囲に被害をもたらし、さらにワームホールに満ちていたエキゾチック物質が世界に飛散してしまった
それは大気中に溶け込み、やがて地上へと落ちてくる
つまり、時雨である

時雨

PV内に見られた重力異常や、重力操作はこの「エキゾチック物質」が原因だと思われる
負の質量を持つ物質は、一つ以上のエネルギー条件を破りうる。そして、重力によって引き寄せられるのではなく反発するなどいくつか奇妙な性質を示す。(Wikipedia)

先ほどエキゾチック物質はワームホールのトンネルを保つのに必要だと書いた。そして濃度が低かったためにトンネルが保てずブラックホールに変化してしまったとも書いた。

では時雨が降り注ぎ、エキゾチック物質の水たまりができるほど濃度が高くなるとどうなるか?

ワームホールが形成され、別の場所と繋がってしまうのではないだろうか
ワームホールは水たまりの下に形成されていると思われる(地面の下から奴らが出てきて人間を引きずり込む=PV4におけるボイド・アウト)

さらに言えばワームホールがつながった場所とは、負の世界ではないだろうか
負の世界から負の住人がワームホールを通ってやって来る。ただし彼らは負の質量を持っているので、正の質量衝突して無化されてしまう
質量が正および負で、その他の性質が等しい物質どうしが衝突したとき、いかなるエネルギーも放出しない。つまり、正と負の質量の物体は互いの存在を"相殺"あるいは"無化"すると予想される。(負の質量wikipedia)
だが、エキゾチック物質が濃い場所時雨に濡れた場所負の時空へと変化しているために、干渉が可能である(同様に時雨に濡れた人間その他の物質にも干渉できるようになる。濃度が最大限まで高まると、重力に反発するというエキゾチック物質の性質から、重い物質すら浮き上がり始める=PV3の巨人に喰われる直前あたりの光景)

落としたばかりの時雨に濡れていない写真を奴らが踏んでもなんの影響もないが、その下の時雨がしみ込んだ土には足跡がつく理由は、負の質量と正の質量が衝突した際の無化と、負の質量が創造する特異な時空における物理干渉である

時雨が他の物質に触れると「時間を進める性質を失う」のは、部分的に無化されているからだと思われる

ただし時雨は負の世界の住人とはやや性質が異なると思われる。
時雨も負の世界からの住人も、ともに負の質量をもつが、時雨が無化されないのに対し、負の世界の住人は無化されてしまう。この違いは時雨が液体であることから発生すると思われる。現実世界で負の質量をもつ物質が実際に生成されたという話もあるが、その際の負の質量を持つ物質は流体である(物理学者が生成した「負の質量」をもつ物質の正体とは?

つまり時雨は負の質量をもちながら、条件次第では無化されずに世界に存在することのできる状態を保っている。さらに負の質量をもつ物質に触れると、その物質が無化されることを防ぐ性質も持つ(ただし正の物質に衝突すると無化される)

また負のエネルギーは時間をさかのぼることも可能とする
スティーヴン・ホーキングは、負のエネルギーは空間の有限領域内の重力場を操作することによって時間的閉曲線を創造するために不可欠な条件であることを証明した(負の質量wikipedia)

時間的閉曲線とは簡単にいうと、輪状になった時間のことである。未来が過去と繋がっているという奇妙なモデルだが、理論上はあり得るという。
(時間的閉曲線の詳細は「相対性理論における時間と宇宙の誕生・・・佐藤 勝彦」のタイムマシンの項)

さてこうして時雨によってワームホールが作られるが、その最も大きなトンネルがあるのは、巨人の口の中である

ただし時雨によって生成されるワームホールは人類が制御していたワームホールとは異なり、制御されていない一方通行的なワームホールである
その場合、負の質量をもつエキゾチック物質が満たされたトンネル内に、正の質量をもつ人間が入るとワームホールはつぶれてブラックホールに変化してしまう(そして爆発が起きる)

後に、ソーンの考えたワームホール解は不安定解であることが数値計算から報告されている。数値計算ではワームホールを正の質量をもつ粒子が通過した場合、ワームホールは加速度的に潰れてブラックホールに変化してしまうという結論が得られている。そのため通行可能なワームホールは自然なままでは一度きりしか使えない一方通行の道になってしまう。しかしもし通行のたびに旅行者が加えた擾乱の分だけワームホールに人工的な補正を加えて恒久的に維持し続けられるなら、相互通行に使用できるということも数値計算から導かれている。(ワームホールwikipedia)
制御されていないエキゾチック物質は黒い水としてあらわされ、制御されているエキゾチック物質は透明の水であらわされていると思われる

おそらく人類は制御されたエキゾチック物質に満たされた制御されたワームホール有している。そのワームホールはタイムマシンの機能もあり、ノーマンはワームホールを通って過去の世界へ赴く、未来からの帰還者であるのかもしれない


蛇足

負の世界という曖昧な用語を使ったが、正確にはCPT対称性から導かれる「反宇宙」の存在である可能性もある(詳細は蛇足2で)

負の質量をもつ粒子と正の質量をもつ粒子は、カイラル(対掌的)な螺旋軌道で動く(空に向かって伸びる黒いねじくれたヒモ)

カイラル濃度とは時雨の降りが激しいことではなく、時雨に触れた負の住人、つまるところ鏡像異性体(キラル分子Wikipedia量が増えることで濃度が高まるのではないだろうか

触れると時間が進むという現象に関する考察はまったく思いつかない(ワームホール内は時間の流れが異なり、その影響を受けて時雨が触れるとワームホール内の時間の流れに巻き込まれるか)

時雨に関する考察が不完全なので、この考察は根本的な部分で何か間違っていると思われる

蛇足2 CPT対称性

CPT対称性とは、例えば我々の宇宙に対し「粒子と反粒子を入れ替え(C)、鏡面反転(P)し、さらに時間反転(T)」といった変換を行ったとしても、その鏡像宇宙は我々の宇宙と寸分たがわぬ物理法則を有する宇宙である、とする理論である
CPT対称性によると、 我々の宇宙の"鏡像" —すべての物体の位置が虚数平面で反射され(パリティ反転に対応する)、すべて運動量が反転し(時間反転に対応する)、そしてすべての物質が反物質に置き換えられた(チャージ反転に対応する)鏡像宇宙— はわれわれの宇宙と全く同じ物理法則によって発展していくであろう、ということが示唆される。CPT変換はわれわれの宇宙をその"鏡像"へと変換し、その逆もまた行う。CPT対称性は物理法則の基本的な性質として認識されている。(wikipedia CPT対称性より)
ところが、物理学においてはこのうちのCP対称性が破れることが判明している
なぜならば、この対称性が破れなければ我々の宇宙そのものが存在しなかったからである
現在の宇宙では、物質が反物質よりもはるかに多い。 宇宙の歴史の中でこの非対称性を生成するためにはCP対称性の破れ必要条件(wikipedia CP対称性の破れ)

さらにT、つまり時間反転対称性までもが破れるという

ではそもそも時間反転対称性とは何か?
時間を反転させても宇宙の物理法則は変わらない」という対称性である
T対称性(ティーたいしょうせい、英語: T-symmetry)または時間反転対称性(じかんはんてんていしょうせい、英語: time reversal symmetry)とは T : t → −t となるような変換に関しての物理的対称性である。(wikipedia T対称性)
時間順行してようと反転してようと、物理学的に引き起こされる現象は同一であるということだ
地球上で観測される反粒子が、時間に逆行する粒子であると解釈できて矛盾がないならば、われわれの宇宙とまったく同じであるが、ただ三つの対称性(電荷、パリティ、時間)がわれわれの宇宙と反対向きになっている宇宙を、容易に考えることができる。何だかまだよくわからない意味で、もし電荷が左右対称であれば、反宇宙は単に空間および時間の向きが逆転した世界である(『自然界における左と右』マーティン・ガードナー)
より詳しくは「量子力学と時間反転(PDF)

この時間が反転した反宇宙は下記のようなものである
 相互に作用しあうことのできる宇宙が存在しないかぎり、「反対向き」の世界に住んでいる知的生命体は、自分たちは完全に正常な形で前に進んでいると思うのである。(『自然界における左と右』マーティン・ガードナー)
これまでの説明を要約すると、時間が反転した宇宙が存在する可能性は理論的にはありえる。さらにその宇宙の物理法則はわれわれの宇宙と同一であり、その宇宙は彼らの主観的には「正常」に時間が進んでいる宇宙である、となる

前回の考察において「砂時計」の比喩で表した二つの世界が、これら宇宙と反宇宙に対応すると思われる

1.反宇宙においてはパリティ変換によって世界が鏡に映したように反転している
その結果、虹が対称性をなすように「反転」することとなる(「反虹」)である
※「鏡は左右を反転するが上下は反転しない」という説は厳密には誤りである(長くなるのでここでは触れないが、パリティの変換により上下左右前後はきっちりと反転される)

2.また反宇宙を構成する粒子は反粒子である
その結果、宇宙の粒子と反宇宙の反粒子が接触すると対消滅を引き起こす

3.そして反宇宙時間の流れが反転している
ただし時間の流れというのはそもそも相対的なものである。宇宙から反宇宙を見た時、あるいはその逆の場合にのみ初めて時間が反転していることがわかる


蛇足3

最後に。ゲーム内のコミュニティは分断されているように思える。これはおそらくアメリカ社会の分断という社会情勢が反映されたものであろう

911以後のネオコンの台頭、キリスト教原理主義の暗躍、そして正義なき戦争へ突入していったアメリカ。さらに貧富格差の拡大や白人至上主義の復活を経て、その帰結としてのトランプ大統領の就任。もはやアメリカは南北戦争以来の分裂の危機に瀕している。

こうした分裂の綻びを取り繕い、アメリカをもう一度一つにする者として要請されたのがノーマンなのだろうとも思う。いわばアメリカ建国史をもう一度繰り返すようなストーリーであり、ノーマンは新しいアンクル・サムなのかもしれない

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