ヨセフカという名がチェコ人の名前であるということは
過去の記事に触れたと思う
このヨセフカを
ヘブライ語の男性系にすると
ヨセフとなる(
Bloodborne設定考察Wikiにも載ってるので参照)
このヨセフという名前「
マリアの子の父親に関する異説」で
聖母マリアの夫の名として触れたが、
聖杯伝説においても
重要な役割の人物として登場する
アリマタヤのヨセフというのがその人物だ
聖杯伝説において、彼は
キリストの血を受けた聖杯を持ってイギリスに渡ったという
そもそも聖杯がなぜ重要なのかというと、
キリストの血を受けたからであり、その本質は聖杯に残る
キリストの血である。実は聖杯そのものは入れ物としての価値しかない
ブラッドボーンの作中、
アルフレートは次のように語る
かつてビルゲンワースの学び舎に
裏切り者があり
禁断の血を、カインハーストの城に持ちかえった
そこで、人ならぬ
穢れた血族が生まれたのです
キリストの血を持ってイギリスへ渡ったヨセフ
禁断の血をカインハーストへ持ち帰った裏切り者
この「
裏切り者」に最もふさわしい名を持つ人物はだれか?
血の医療に通じ、
感覚麻痺の霧(カインハーストに関係が深い)を使い、さらには
オドンの子を身籠った人物、つまり
ヨセフカ(偽)である
一般に
吸血鬼は不老不死であるとされる
ヨセフカはその見た目とは異なり、
医療協会のできる以前から生きているのだろう(おそらく
ウィーレム全盛期のビルゲンワースの時代から)
ヨセフカと偽フカの関係
ヨセフカは次のように主人公に告げる
…あなた、無事だったのね。よかったわ
でも…
何度きてもらっても、変わらないわ。扉はあけられない
これほど
頑なに扉を開けるのを拒絶をしていたヨセフカだが
偽フカはまんまと診療所に入り込んでいる
なぜ偽フカは
診療所に入り込めたのだろうか?
プレーヤーと同じように
裏口から入ったのだ、と私もずっと思っていた
だがどうやら
違うようなのだ
次のSSを見てほしい。診療所の
外側から内側を向いて撮影したものだ
おわかりだろうか?
ガラスの破片が飛び散っているのは、
診療所の外側である
つまりこの
裏口のガラス窓は「
屋内側から割られた」のである
少し分かりにくいが、屋内側からのSSも提示しておく(
屋内から外を向いて撮影)
明らかにガラスの破片の
飛び散り方に差がある。
結論としてこの
裏口は屋内側からガラス窓を破って作られたものだ
つまり
偽フカは裏口を破って診療所に侵入したのではない(そうだとしたら屋内側にもっと多くのガラス片が飛び散っているはず)
また
以前から割れていたということも考えにくい
なぜならあの
用心深いヨセフカが、
割れた窓をそのままにしておくはずがないからだ
あれほど
厳重に扉を閉めているにもかかわらず、すぐ
横の割れた窓が
そのままというのは
ありえない話である
では
どうやって診療所に入ることができたのか?
医療協会(あるいは聖歌隊)の同僚だったから、というのは少し考えにくい
なぜならば彼女はすでにビルゲンワース時代に
禁断の血を盗んだ裏切り者とされているからだ
血を扱う医療協会においてもその行為は
冒涜的なものとされただろう
そんな
危険人物を
非常事態の時に
用心深いヨセフカが受け入れるだろうか?
答えは
否だ
では、この
危険な獣の夜にヨセフカに扉を開かせることのできる人物とはいったい何者か
診療所に
入り込みヨセフカに
成りすまして、
平然としている人物とは何者か
偽フカはヨセフカの近親者(母親)だったのではないだろうか、というのが私の考えだ
吸血鬼となり
見た目の変わらぬ偽フカと、その
娘であるヨセフカは
外見はもちろん
声も似ていてもおかしくはない。成りすましてもバレることはないと平然としていた理由もこれからわかる
そして両者とも
高度な血の医療を施せるほどの知識と明晰さを誇り、かつ
上位者にも精通していた。赤の他人というのはあまりにも「
似すぎている」のである
だがその
性格は正反対だった
母である偽フカはためらうことなく
娘に実験を施し星界からの使者にしてしまう
この容赦のなさこそ、
知(血)の探究者として
ふさわしいあり方ではないだろうか